NO.160

   子供のアンケートを使って学級懇談会

                           

○ はじめに

 学期末の懇談会では、「学期の振り返り」と称して、担任は「ありきたりの通り一遍の子供の様子」を述べ、保護者の目から見た我が子の成長ぶりを一人ずつ語ってもらうと言うパターンが多いような気がする。そういう懇談会を保護者は楽しみに感じているだろうか。

 はっきり言って、そのような内容の懇談会に親は残念ながら関心を示さない。

 つまらないからである。したがって、授業だけ参観して足早に帰る保護者も多いと推測する。懇談会に残るのは、役員の方と熱心な一部の方々だけとなる。

 懇談会に出てよかったと誰もが感じてくれるような、ネタを担任は用意する必要がある。

 ここでは、子供の生の声を「アンケート」という形にしたネタを紹介する。

○ 懇談会の実際

 2学期最後のPTA授業参観&懇談会である。

 まずはじめに用意したのは、「宿泊研修」と「調理実習」の様子を撮影したVTRである。簡単な挨拶と役員からの連絡を5分で切り上げる。その後、すぐ視聴にはいる。


子供の様子を撮影したVTRには、どの保護者も興味を持って目を注ぐ。
 

 前もって学年通信等でお知らせしておくと、なお参加者も多くなる。

 時間は、長くても30分程度とする。懇談会の時間は限られているし、あまり長いとだれて飽きてしまうからだ。視聴後、席を立たれる方も何人かいる。

 ここで次のように言う。


 今日は、お忙しいところよくおいで下さいました。懇談会に参加なされる方は、子供さんの教育に心から関心をお持ちの方とお見受けいたします。そういうお母さん方だからこそ、子供さんのすばらしい成長を支え伸ばされていらっしゃるのです。私も一人の親として、是非見習いたいと思います。
 

 間髪入れず、笑顔で続ける。


 今日は、そんなすばらしいお母さん方に「楽しい」プレゼントをご用意いたしております。最後までおつきあいの程よろしくお願いいたします。
 

 忙しいところ、お勤めのところを時間を割いて、学校に足を運んでいただけたのである。あくまでも、担任としてと言うより、一人の人間として誠意を持って接するようにしたいものである。


感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしたい。
 

 


 さて、突然妙なことをお聞きいたしますが、お母さん方は、ご自分の子供さんがご家族の中で一番怖いと感じている、あるいは権威を感じているとでも言いましょうか、一人あげよと聞かれたら、子供さんは誰をあげると思いますか。
 ちょっとメモ書きしてみてください。

 

 私は、何か尋ねた際には、保護者の方にもよく小刻みなノート作業をしていただくことが多い。


 話をしてもらう際には、メモをとってもらってからのほうがいい。
 

1,2分後委員長さんかあるいは、明るいお母さん(クラスに必ず1人はいると思う)を指名し答えていただく。そのあと、


 みなさんも、同じでしょうか。
 

と他の方にふるのがよい。気楽な雰囲気では、「うちは○○だとおもうけどね。」などのつぶやきが出されたりもする。


 なるほど。ここだけの話、私の娘は、きっとお母さんってこたえるでしょうね。
 

などと応対する。


 実は、我がクラスの子供たちにも同じ事聞いてアンケートとってみたんですよ。
 そしたらですね。何と一位は「だれもいない」なんですね。それで、二位が「お母さん」三位が「お姉さん・お兄さん」、お父さんはと言いますと何と四位だったんです。これって、どう解釈したらいいのでしょうね。
 実は、千葉大学の教授の先生が同じような調査をしましてね。この結果と全く同じになったんですよ。

 

 ここで、資料①(※1)を配付する。


資料を提示するタイミングは計画的に事前に考えておく。
 

 


 今日のPTAで使うと思った訳じゃないでしょうけど・・・(笑)子供さんたちはこのように書いていましたよ。
 

 保護者の方々は「意外」というような表情を見せる。


 続きまして、お母さんに家で「よく言われる言葉」は何か。これもちょっとお母さん方いくつか思い当たる言葉書いてみてください。
 

 結構どのお母さん方も真剣に考えている。しかし心なしか表情もこのあたりになると軟らかい。少し考えてもらった後、アンケートの集計用紙(資料②)を配る。


 見てください。②のところです。これも子供たち37人に書いてもらった「お母さんによく言われる言葉ランク」です。お母さんが書かれましたものここにあるでしょうか。
 

 結構このあたりになると、盛り上がってくる。「ああ、これ言ってるわ。」などという声も多く聞こえるようになる。

 一位から下位までの言葉を簡単に読み上げていく。そのたびに、笑いあり、ため息あり、うなずきありといった表情が多様に見られる。


 さて、ご自分の子供さんは、何を書いているかお知りになりたいでしょ。私の手元に子供が書いた個人個人のものがあります。もうちょっとしてから、おわたしいたします。
 

 ちょっとしたざわめきが起こる。早く知りたいと言った感じだ。


 最後ですが、子供たちにこんなアンケートもしてみました。自分が成長したなと思ったことを3つ書いてもらったんです。お母さん方なら、ご自分の子供さんの成長したこと3つあげてくださいと聞かれたら、何と答えられますか。ためしに、3つ書いてみてください。
 

 ちょっとした授業のように、みなさん真剣に考えている。


どんなちっぽけなことでも結構ですよ。
 

などと気軽に書くよう促す。しかしあまり長い時間かけないで、頃合いを見たら中断してもらう。


 これから、子供さんの書いた紙を配ります。お母さん方の見方と子供さんの見方を是非比べてみてください。
 

 担任の方で、配って歩く。手にした瞬間、様々な表情がみてとれる。


 いかかですか。子供さんと考え方違っていましたか。簡単でいいので感想をお聞かせ下さい。○○さんからどうぞお願いします。
 

 参加なされたどの保護者の方々からも率直で明るい感想が出された。自然にお母さん方で「ああだこうだ。」とざっくばらんな話し合いが続いた。


 子供の生の声(書いたもの)は、親の心を動かす。
 

 


 どうぞ、その子供さんの書いた紙は、おみやげとしてお持ち下さい。家族団らんで話題にしていただけたら幸いです。
 

 この後、学習の基本として、「書く」「読む」力を育てるポイントについて5分。冬休みの生活についてと連絡を5分簡潔にお話しした。

 最後に、子供がこれまで書き上げ、作ってきた山積みのノートに、いつものように、赤鉛筆で我が子への励ましのコメント(必ず褒め言葉で)を書いてもらい、懇談会を終了した。

(※1)(資料①)・・・・(「心を育てる学級経営」明治図書より明石要一氏論文より抜粋)

 
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(資料                                                                                      ’00.12.1

5年4組子供の声アンケートより

① 家の中で一番怖い人は?


第一位       いない(14)
第二位       母  ( 9)
第三位       兄、姉( 6)
第四位       父  ( 5)
第五位       その他( 3)
 

② お母さん(お家の人)によく言われる言葉は?(数字は人数)


・勉強した?勉強しなさい。・・・・・・・・19
・早く寝なさい。・・・・・・・・・・・・・10
・おかえり。・・・・・・・・・・・・・・・9
・忘れ物ない?名札ハンカチは?・・・・・・5
・むだ遣いするな。・・・・・・・・・・・・・5
・おはよう・・・・・・・・・・・・・・・・5
・おやすみ・・・・・・・・・・・・・・・・5
・ゲーム止めなさい。・・・・・・・・・・・5
・早くお風呂に入りなさい。・・・・・・・・4
・早く起きなさい。・・・・・・・・・・・・4
・今日のごはん何いい?・・・・・・・・・・4
・今日何あった?・・・・・・・・・・・・・3
・残さないで食べなさい。・・・・・・・・・3
・片づけなさい。・・・・・・・・・・・・・3
・いってらっしゃい。・・・・・・・・・・・3
・〜して。(お手伝いなど)・・・・・・・・・3
・弟妹いじめるな・・・・・・・・・・・・・2
・学校からの手紙ある?・・・・・・・・・・2
・学校の準備した?・・・・・・・・・・・・・2
・(ピアノなどの習い事の)練習した?・・・・・2
・しっかりしなさい・・・・・・・・・・・・・2

その他・・・・・すべて1つずつ)
・早く食べなさい。   ・歯みがけ。    ・悪いことするなよ。
・早めに帰ってこい。  ・だらだらするな。 ・電話に出るな。
・わがまま言うな。   ・気を付けてね。  ・お姉ちゃんだから。
・ただいま。      ・うるせー。    ・早く学校行け。
・将来芸能人だ。    ・釣り行くか?   ・食べたらさげろ。
・スポ少がんばっているか?         ・テレビ離れてみれ。
・時間の使い方大事にしなさい。       ・勉強は楽しいんだよ。