’00.11.22

                                                  NO.154


文章力を鍛える7項目【初級編】
 

                          

○ はじめに

向山氏の学級通信「スナイパー」NO.246,248に「文章指導虎の巻【初級編】」が載っている。

次の文をまず、引用する。


 【初級編】の基本は、正確に文が書けることをその中心とする。名文や美文、しゃれた文など気にする事はない。日本語で意味が通る、つまり達意の文が書ければよい。簡単そうで難しい。大学を卒業してもなお、5人に4人は駄目ではないかと推定する。これは、やはり訓練をしなければ、できるようにならないからだ。
                (NO.246より)

 

 ここで向山氏は、「日記指導でのアドバイスをする観点」7項目を示している。

 その7項目を以下に記す。


① 文末表現が一貫していること
② 主語と述語があること
③ 漢字、ことばづかいが正確なこと
④ 助詞(て・に・を・は)が正確に書けていること
⑤ 句読点が正しく打ってあること
⑥ 主語・述語の対応をしっかりさせること
⑦ 一つの文は、長くだらだらしないで短くすること

 

 この7項目、全て、即ち向山氏の文体そのものである。

 これが初級編というわけであるから、まさに基本中の基本の指導(虎の巻)というわけだ。

思えば、この基本の指導を徹底せずして、意見文や評論文を書きなさいと命じているような気がしてならない。

やはり基礎基本があってのものであると改めて自覚しなくてはならない。

 さて、ここで、もう少し7項目について具体的に見ていくことにする。

 

○ 7項目についての具体的一考察

 子供の日記や作文には、高学年でも、このような文章が時折みられる。


ぼくは、昨日デパートに行った。くじびきをすると、景品が当たりました。うれしかったです。
 

 常体文と敬体文が混在している。

 

 ① 文末表現が一貫していることというのは、常体か敬体どちらかに文末が統一していると言うことである。

 そして、時により、どちらの文体も書けるようになることもまた大切である。

一般に「書き言葉」であれば、常体文をすすめたい。

明確で短く主張の入った一文は、読み手を引きつけるものである。

しっかりとした意思表示できる文体になりうる。

あえて言えば、「〜と思う。」「〜かもしれない。」よりは、「〜と考える。」「〜に違いない。」の方が力強い主張が感じられる。

いつもそのような、断定語にすべきだと言っているわけではない。

そういう書き方を知っていることと知らないでいることでは、雲泥の差があるのだ。

 

 次にについてだが、主語は時に省くときもありうる。


昨夜、ステーキを食べた。昨日は、母の誕生日だったからだ。母と二人で食べた。
外は木枯らしが吹いているのに、家の中には、母のうれしそうな笑顔とぼくの笑顔。

 

前後の文関係で、主語をあえて省く文もあっていい。

しかし、述語は、きっちり書くべきであると考えている。

その方が明確になり、文全体がキリリと引き締まる。

 お好み次第と言われればそれまでだが、例えば、次のように書くといい。


昨夜、ステーキを食べた。昨日は、母の誕生日だったからだ。母と二人で食べた。
母のうれしそうな笑顔とぼくの笑顔。外は木枯らしが吹いているのに、家の中は、あたたかかった。

 

 

 について述べる。


漢字力は、文に中で使える力
 

と考えるべきである。書取テストで100点取ったからといって、その子に漢字力があるとするのは短絡的評価である。

漢字は文の中で使ってこそ生きてくる。

 また、文を書くときは、次のことも必須条件である。


何度も何度も、あやふやな場合は、辞書を引きまくること
 

については、言わずもがなであるが、高学年で見られた場合は、早急な治療を施すべきである。

1年生で習得するべきことが、4,5年も放置されてきたわけであるから、これは、その子にとって深刻な問題である。

 この場合は、家庭にも協力をお願いして、きちっと一年間でできるようにするのが教師のつとめである。

それにしても、5年6年の担任でこのような子を見つけたときは、正直愕然とする。

それまでの担任は、その子に対して何をやってきたのだろう。

 

 についてだが、これも基本中の基本である。

 しかし、これが意外に指導されていない。

句点を打つべきところは大方の子供が分かる。

しかし、読点を打つべきところが分からないという子供は多いものだ。

そこを明確に指導すべきである。

しかしながら、読点の打ち所については、大人でも実は難しいところである。

これに関しては、また別の機会に述べてみたいと思う。

 例えば、以下の文である。


 ははははははははとわらった。
 

 


 かいだんからおちてくびのほねをおった。
 

読点を打っていないと、読みづらいばかりか、文意が正確に伝わらない

さらに例文のように、漢字なしのオール平仮名の文は、大変な誤解を招くことにもなりかねない。

 このことを子供にきちんと自覚させ、しっかりと教師は指導すべきである。  


読点のない文は、てんでダメなのである。
 

 について、次のような文がそうである。


ぼくたちは、きのう野球で決勝がおこなわれました。
 

 これが明らかにおかしいと正すことのできる子供に育てたいものである。

子供の日記や作文に意外に多く出てくる文体でもある。

教師がなおざりの応対をしていると、「書く」ことのみならず「話す」ことにおいてもまた、

同様に主述の呼応しない日本語を使うようになる。

こういうところに、教師の朱書きを入れる目を教師は持たねばならない。

 最後に、について述べる。

 ズバリ言い換えれば、こういうことである。


一文一義主義がいい。
 

 ①から⑥項目を満たした明確な一文を連ねて書いた方が、実は書きやすく、読み手にも分かりやすいのである。

 

○ おわりに〜ワークを使って 

 以上、向山氏の示した文章力を鍛える7項目【初級編】を述べてきた。

 これら7つのアドバイスを念頭に置きながら、以下の作文ワークで新たに基礎基本を見直し、子供の文章力を鍛えていきたい。

このワークはいい。解答例もあるから、上手く書けなかった子供は、それをそっくりそのまま視写すればいい。

文章量も多くなく、恰好の教材ワークと言える。

 次のHPからダウンロードできる。村野 聡 氏の開発した極上ワークである。
 TOSSLAN NO>1117004(インターネットランド(C)TOSS www.tos-land.net 登録サイト)
 
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