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’02.1.24
「いっこく堂」さんに学ぶ
〜夢をかなえる努力
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今井 淳氏の修正追試。(TOSSランドNO.2210104)
対象学年6年生。
参照HP→http://www.ikkokudou.com/index.htm
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※修正点
(1)(発問1)でのヒントキーワードの一部及び提示の順番を変えた。
(2)原実践では全ての「問い」の後に「答えは、正解は・・・」と今井氏は発しているが、クイズではないので、この言葉は使わない。
(3)終末場面。いっこく堂さんの言葉の中のキーワードを虫食いにして考えさせる。
(4)テーマに添う歌を最後に聴かせる。
(5)ノートを使わせる。
(6)「発問4」では、選択肢を与えず自由に考えさせる。
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発問1 これは、誰でしょう。ヒントを一つずつ出していきますので、分かった人は、名前を書いて持ってらっしゃい。先着5名です。
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以下のヒント群を一つずつ板書していった。
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(ヒント1)芸の達人(ヒント2)テレビに何度も出ている
(ヒント3)特技は物まね(ヒント4)男性(ヒント5)沖縄出身
(ヒント6)19歳で上京(ヒント7)人形
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(ヒント3)あたりでざわついてくる。(ヒント4)(ヒント5)でノートを数人持ってきた。
一人見事正解。歓声が上がる。(ヒント7)で約半数が分かったようだ。
「実は、この人だったんです。」と言って、「いっこく堂」さんの写真の拡大コピーを黒板に貼る。
子供たち口々に「いっこく堂さんだ。」と言う。
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説明1 そうです。腹話術師の「いっこく堂」さんです。
腹話術って知っていますか。こんな感じ。(教師がまずちょっとやってみせる。子供
たちに大受け。)
誰かにやってもらおうかな。
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二人ほどのやんちゃな子供を指名してやらせる。
教室が明るく活気づいてくる。
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発問2 ノートに(1)と書きなさい。いっこく堂さんが、「プロの腹話術師になろう!」と決意したのは、何歳の時だと思いますか。そこに予想を書いてごらん。
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30秒後、列指名で答えさせる。
「5歳」から「17歳」まで幅が広い。しかし、どの子も20歳前と考えているようだ。
先ほどの(ヒント6)がきいているようだ。
結構、意外だなというような表情の子供もいた。
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発問3 いっこく堂さんが、19歳の時に東京に出てきたの理由は、実は役者になるためでした。しかし、役者としてはあまり成功しませんでした。
どうしてだと思いますか。(2)と書いて、予想でいいから書いてみなさい。
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ノートに書かせた後、自由に言いたい子供に言わせた。子供の予想である。
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・声が小さかったから
・うけなかったから
・年齢の問題
・演技が下手だったから
・感情表現が上手くできなかったから
・役者にあわないルックスだったから
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説明3 実は、「『有名になりたい』と思っていたから」です。
いっこく堂さんは、「役者になって有名になりたい」と思っていました。
しかし、その気持ちが逆に足を引っ張ってしまい、うまくいかなかったと言っていま
す。それに比べ、腹話術は「人を楽しませたい」という純粋な気持ちでできるので、
本当に楽しく、気持ちよくできるのだというのです。
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発問3 ノートに(3)と書きなさい。
ところで、腹話術では、技術的に大変難しいといわれている事があります。
それは、どんな事だと思いますか。
これも予想でいいですからノートに書いてごらんなさい。
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作業後、指名なし発言。
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・「バビブベボ」が言えないこと
・口を閉じて「マ行」が言えないこと
・声の使い分け
・声に感情を付けること
・声をすばやく入れ替えること
・いろんな声を出すこと
・男の声と女の声を同時に出すこと
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出された予想を誉めた後、次のように言う。
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説明4 実は、それは、「マ行、パ行、バ行を、唇をはじかずに言うこと」なので
す。これは、腹話術関係の本でも、「できない」と書いてあるくらい難しい技術なの
です。
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ここで子供たちに実際にやらせてみる。
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指示1 始め普通に言ってみよう。先生の後に続いて言ってごらん。
「マミムメモ」さん、はい。「パピプペポ」さん、はい。「バビブベボ」さん、はい。
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指示2 上手。では、今度は唇をくっつけないで言ってごらん。・・・・・
「ママ」って言ってごらん。「パパ」って言ってごらん。「バーバパパ」は?・・・
ね、できないでしょう。(笑)
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発問4 でも、いっこく堂さんは、マ行、バ行、パ行を、唇をはじかずに言うこと
ができるのです。(4)とノートに書きます。
では、どうしてできるのでしょう。予想を書きます。
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列指名で座ったまま答えさせる。
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・生まれつき
・いっぱい練習したから
・舌が長いから
・相当努力したから
・早口言葉が、もともと上手だったから
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説明5 実は、こういうことです。
練習してできるようになったのです。
いっこく堂さんは、腹話術を独学で勉強しました。「誰にでもできる腹話術」という本を図書館から片っ端から借りてきて、鏡を見ながら練習しました。
一番大きな課題は、やはりマ行、バ行、パ行などの発声でした。
これらは、唇をはじかないとでないからです。
借りてきたその本にも、はっきりと「できない」と書いてありました。
しかし、それができないとアドリブもできません。
そこで、いっこく堂さんは、なんと毎日8時間練習しようと決めたのです。
それまでアルバイトで貯めたお金を使いながら、たとえ体調が悪かったり熱が出たりしてもやろうと決意し、やり抜きました。結局、これらができるまで、2年間もかかりました。でも、いっこく堂さんは、その間、一度も「やめたい」と思ったことはありませんでした。
やろうと思ったときから、絶対にできると信じていたからです。
「毎日8時間の練習を、2年間続けた!」これがあの「いっこく堂」さんの素晴らしい腹話術の基礎をつくっていたのです。
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子供たち、静かに聞いている。ちょっとした間の後、問う。
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発問6 ノートに(5)と書きなさい。
「いっこく堂」さんの今の「夢」はズバリ何だと思いますか。
これも予想でいいから書いてごらんなさい。
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作業後、列指名で答えさせた。以下のものが出された。
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・俳優(役者)になること
・外国でショーをすること
・ドラマに出ること
・自分の子供に腹話術を教えること
・ほかの腹話術師を目指している人たちに教えること
・腹話術の学校を作ること
・世界一の腹話術師になること
・人形をもっとふやすこと
・世界に名をとどめること
・誰にもできない芸や技を開発すること
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「すてきな予想ですね。実はこうなのです。」と言って説明した。
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説明6 それは、「世界中の貧しい国を訪れて、ボランティアで腹話術をすること」
だそうです。
いっこく堂さんの目標は、世界に通じるエンターテイナー(芸人)になることだそうです。
そして、最終的には貧しい国々を訪ねて、ボランティアで腹話術をやりたいと思っているのです。
マザー・テレサのように直接人々を助けることは到底できないけれど、芸で喜ばせることができたらいい。そのためには、もっともっと芸を磨かなくてはいけないし、世界を旅するお金も貯めなくてはいけないと思っているそうです。
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続ける。
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発問7 さらに、いっこく堂さんは言うのです。
(板書)「自分を信じて、人を喜ばせたいという思いを持ち続ければ、きっと( )と思っています。」
さて、( )には、どんな言葉が入ると思いますか。ノートに書きなさい。
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書けた子に「ノートに書いた言葉を( )に入れて文全体を読んでごらん。」と告げて自由に言わせた。
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(夢はかなう)(実現できる)(いつまでも笑っていられる)など
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「どれもいいですね。ここでは、いっこく堂さん本人の言葉を紹介しましょう。」と言ってから次のように( )に板書した。
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(板書)「自分を信じて、人を喜ばせたいという思いを持ち続ければ、きっと(夢はかなう)と思っています。」
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指示3 最後に歌を聴いてください。「この星に生まれて」(作詞作曲:杉本竜一)という曲です。今日の授業のテーマがこの歌には見え隠れしていますよ。
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CDを聞かせる。口ずさんで歌っている子供もいる。
実は、この歌は後に6年生が卒業式で歌うことになった。
さびの部分だけ記す。
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Dreams come true together
夢を捨てないで
Dreams come true together
かならず叶うから
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ノートを提出した子供から休み時間にし、授業を終えた。
以下、子供が書いた授業感想文である。
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<子供の感想>
▼人間は楽をしていては、何も得はしないと思うようになった。いっこく堂さんのように練習をすれば、きっとできなかったことができるようになることを知ることができた。
▼いっこく堂さんは、ただのお笑い芸人だったと思ったけれど、裏では努力と夢があることが分かりました。夢を持ち続けていれば、いいことが起こると思いました。
▼夢は、いつまでも持ち続けていればきっとかなうものなんだと思う。だけど、それ
は努力があったからだと思った。そして、人を喜ばせたいと思う気持ちは、とても大切だと思った。
▼いっこく堂さんがテレビに出ているとき、すごいなと思っていたけれど、今日の授
業が終わって「ものすごいな。」と思った。
▼歌にもあったように、人は夢を捨てなければ、夢は叶うと思った。
いっこく堂さんは、まさに夢を捨てないで頑張った。
▼人は努力していけば、夢を実現できるんだなぁと今日の授業で改めて実感した。
▼努力次第で人は変われると思った。
▼いっこく堂さんが言う「自分を信じて、人を喜ばせたいという思いを持ち続けてい
れば、夢は叶うと思っています。」という言葉で、私はいっこく堂さんみたいに努力
したいと思えることができた。
▼やっぱり天才と呼ばれる人は、たくさんの努力をしているのだと思った。いっこく
堂さんが言ったように、努力をして思いを持ち続ければ夢は叶うと私も思う。
▼何でも自信をなくさないで「やりたい」とか「喜ばせたい」とか思う気持ちを持ち
続ける大切さを学んだ。私も自分の夢に対して、母と進路の話をしたことを思い出し絶対そのようになりたいと思った。強く思う感情や心は、すごい大切だと思った。
それから、いっこく堂さんがすごいと思ったのは、お金儲けのためじゃなく、人を喜
ばせたいと思ったことだ。
いっこく堂さんを通して「努力」を学んだ。
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