HOME

適切な判断で友達つきあい

 

「本当の友だち」(新牧賢三郎氏の追試)岩手県 白川太一氏の実践並びに

「万引きが起こったときに子どもへにかける言葉」菅原 光敏氏(TOSS/Sannai)の実践を組み合わせた修正追試である。

 本当の友達とは、どんな友達のことを言うのか考えさせ、自分はそのような行いや態度、心で接しているか見つめさせてみる。

その中で、なかなか上手く友達つきあいができぬときもあることを想起させながら、どうしてそうなってしまうのか、

そうならないためにはどんなことが大切なのか考えさせたい。

対象は6年生。

 

▼授業の流れ


発問1 本当の友達とはどんな友達だと思いますか。
ノートに3つ書いたら先生に持ってらっしゃい。
 

 できた子からノートを持ってこさせて、黒板に自分の考え一つだけ書かせた。

 本学級では、以下のものが出された。


・いっしょに遊ぶ・やさしい・おもしろい・親切な人・話を聞いてくれる・悩みをうち明けられる・仲がいい・話をしっかり聞いてくれる・けんかしても仲直り・何でも相談できる・悪いところは悪いと言ってくれる・ウソをつかない・悪口を言わない・はっきり言ってくれる・間違いを教えてくれる・意地悪をしない・けんかができる・きちんと叱ってくれる・本音を言い合える・助け合える・楽しい人・なごむ人・自分を支えてくれる・信じられる人・小さい頃から遊んでいた人・意気投合する人・いつもいっしょ・笑いあえる・分かり合える
 

 たくさん書けたことを誉めた後、次のように指示する。


指示1 黒板に書かれたものの中で、どれが本当の友達の条件にふさわしいと思いますか。3つ決めなさい。決まった人はピシッとしなさい。
 

 


指示2 では、自分が決めたものに3回手を挙げなさいね。
 

 黒板に書かれたものを教師が一つずつ読んでいき、手を挙げさせる。

 次のベスト5が出た。


①悪いところをはっきり言い合える(19人)
②けんかしても、すぐ仲直りできる(14人)
③けんかができる(10人)
④きちんと叱ってくれる(10人)
⑤自分たちのことをお互い分かり合える(10人)
 

 


指示3 みなさんが、たくさん手を挙げてくれたこれら5つをノートに書きなさい。
 

 


指示4 では、5つの項目について、自分自身に100点満点で点数をつけてみましょう。①は何点、②は何点というように・・・。どうぞ。
 

原実践では、「<指示> 終わった人から点数を発表してもらいます。」となっているが、

ここではその指示は出さずに、点数をつけてみての感想を書かせることにした。


指示5 自分自身に点数を付けてみてどうでしたか。ノートに簡単でいいから感想を書いてごらん。
 

 何人かに指名なしで発表させた。


・自分には、ケンカのできる友達がいるんだなあと改めて思った。
・自分では本当の友達と思っていたけれど、よく考えればまだまだ足りないところがあるんだなあと思った。
・点数を付けてみると、「友達とは何なのか」と思ってしまいました。
・けんかしても、すぐ仲直りができないので、そこら辺を直したいです。
・100点はあるだろうと思って書いていたけれど、100点は一つもなかった。
・5つの点数を全部100点にしたいです。
・自分はまだ本当の友達になり切れていないと思った。
・自分のことも相手のことももっと考えなくてはいけない。
・自分は、あまり人間関係が上手じゃないなぁと思った。
・友達の悪いところ、いけないところを遠慮無くはっきり言っていないと思う。
・全体的に自分の点数が低くて、自分でも驚いてしまった。
・本当の友達というのは、考えていた以上に難しい。
 

 


質問1 なるほど。ありがとう。みなさんは、そのような友達関係を望んでいるとい
うわけですね。それでは、みなさんは、毎日の生活の中で友達とうまくいかなかったという経験がありますか。
 

 ほぼ全員うなずいている。


発問2 どうして、うまくいかなかったのでしょう。よかったらお話ししてください。
 

 座らせたまま、列指名で答えさせた。


・意地を張ってしまって
・自分の意見を主張しすぎたから
・ちょっとしたことや些細なことで悪口やケンカになってしまった。
・自分が言い過ぎたと思うとき
・はっきり言えなかったり、断れなかったとき
・友達が無理なお願いをしたから
・傷つく言葉を言ってしまった。
・自分の気持ちを素直に言えないとき
・イライラしたり、もやもやしていたとき
・言ってはいけないことをつい言ってしまったとき
・友達のことを考えずに先走ってしまったとき
 

 「なるほどね。なかなかうまくいかないものですね。」と言って以下の言葉を板書した。

<板書>


親切  正直  優しさ  思いやり まじめ  がまん  誠実  ていねいさ
 

 


説明1 みなさんは、小学校にいる間にこのような「親切な心」「正直な心」「思いやりの心」「優しい心」「まじめな心」「我慢する心」「誠実な心」「ていねいに取り組もうとする心」などが確実に育っています。
 

 こう言って、同じように隣に板書する。

<板書>


意地悪  うそつき 冷たさ  残酷 さぼり  ふまじめ  ずるさ  雑
 

 


説明2 でも、残念ながらこのように「意地悪したい心」「ウソをつこうとする心」「残酷な心」「差別など仲間はずれにする冷たい心」「イヤなことからさぼりたいなと思う心」「ごまかそうとするずるい心」「いい加減にやろうとする心」「雑にすませようとする心」などの善くない心もまた育っているのです。
 

 ここで次のように問う。


発問3 みなさんは、「善い心」が育っていくのと同時に「善くない心」も育っているのです。さて、どうしたらいいのでしょう。ノートに自分の考えを書いてごらん。
 

 早く書けた子供から、自由に立って発表させた。


・悪いことを一つしたら、いいことを二つする。
・マイナス思考に考えない。
・人の意見を聞いてから行動する。
・いいことばかりする。
・人に役立つ経験をする。
 

全ての考えを受容した。

この後、滝川真智子氏の朝会での講話を引用し、子供たちに次のように話した。


説明3 もし、みなさんが、夕食の時に、「おかずを盛り付けたいからお皿を持ってきて」と言われたら、きれいなお皿と汚れたお皿のどっちを持っていこうと思いますか。当然、みなさんのほとんどの人は、きれいなお皿の方を持っていこうと思うでしょう。でも、犬や猫だったら、食べ残しがある方を持っていくんじゃないかと先生は思います。
どうしてきれいなほうを選んだかというと、それは人間には心があるからです。
では、心はどこにあると思いますか。このへんにありそうだなあと思うところに手を
当ててみてください。(間)
みんなの中には胸に手を当てている人がいるかもしれません。でも、心は頭、脳の中にあります。その脳は、優れた知恵を生み出します。
みなさんは、さっき、よごれた皿ではなくきれいな皿を選びました。
それは、その方がいいと思ったからです。
選んだ決め手は知恵と判断力なのです。
善い心を選ぶ知恵を持っているのは人間だけです。
犬や猫などの動物には心を選ぶ知恵はありません。どんなコンピューターでも善い心を選ぶプログラムはできません。悪い心と善い心が2つある中で善い心を選べる知恵と判断力を持っているのはのは人間だけなのです。
善い心で行動できるような知恵をいつも持てるように努力をしたいものです。
 そうすれば、きっと友達との人間関係もスムーズに進み、もっと楽しい毎日が過ごせることでしょう。
今日の授業の感想を書きなさい。
 

 ノートを提出した子供から休み時間とした。

 

<子供の感想>


・今日の授業で考えが変わった。今までは本当の友達は、よく遊んでいる人だと思っていたけれど、本当は違った。
・よい友達関係を保つには、知恵と判断力が必要だと言うことを知った。
  これからも知恵と判断力を上手く使っていきたい。
・これからは、いいところも悪いところも言える友達になりたいと思う。
・悪をなくすには善をいっぱいにするといいと分かった。
・よい知恵と判断力があれば、大丈夫。そう思って安心した。これからもいろんなこ
とにチャレンジしたり、明るく友達とつきあいたいと思う。
・本当の友達とは、どんな人なのかまだよく分からない。上手くつきあうのは難しい
と思った。
・友達との関係をよくするのも悪くするのも自分の判断次第ではないかと思った。
いつか本当の友達ができたらいいなと思った。
・本当の友達って言うのは、難しいと思った。足りなかったところは、これから増や
していきたい。あと、悪は増やさず、善をたくさん増やしていきたい。
・人間誰もが、善が100%あるわけでもない。人間は善悪どちらも50%ずつある
と思う。だけど善の方が目立っている人になりたい。
・人間関係とは、とても難しいと思った。自分はそう思ってはいても、相手はどう思
っているのか分からないから、そのためにも分かり合えるケンカは大切なのかも知れない。
・知恵と判断力は、人間にしかないということが改めて分かった。
・人間はその時の状況で、善い判断をしなければならない。
・人を傷つけたりしても人は幸せにはならないし、時々ウソもつくけれど、何の得に
もならない。
・誰にでも思いやりの心を持って接すれば、心もきっと善の心になると思う。
 

                                 HOME