(C)Two-Way/国語/書写/3年生初めての毛筆 秋田県 三 浦 弘
3年生にとっては,初めての毛筆です。毛筆そのものもさることながら,書写道具の準備・後かたづけは,初めて手にする3年生にとっては容易なことではありません。しかし,ここの指導を疎かにすると,6年生になるまでいい加減な「墨遊びの時間」と化してしまいます。何事も初めが肝心なのです。
最初の1時間目の指導がきちんとなされれば,スムーズに1年間を送ることが出来ることでしょう。
<教室の準備>
1.教室前方(黒板側)に,4,5枚の新聞紙を敷いて,水を汲んだ習字用バケツ(筆洗い専用)A,B2つ置く。(できれば別々の色の物がいい。)
2.バケツのそばには,雑巾を2〜3枚用意して置いておく。
3.教卓の横に,ゴミ袋をセロテープで留めておく。
4.子供の机(隣同士)の間を腕二本分くらい開けさせる。
5.忘れてきた子供のために,予備の半紙や新聞紙を用意しておく。
<子供の準備>
個人の準備は,次のようにさせておく。(各家庭にも事前に,学年通信や懇談会などでお願いしておくとよい。)
1.汚れてもいいような着替えや体育着(上着)を着用させる。
2.休み時間の間に用具の準備をさせておく。(水の入ったバケツは朝のうちに汲んで教室に置いておく。)
机の上は以下のようにさせる。
4.新聞紙を二つ折りにして,机の上に敷く。(ちょうど机と同じ大きさになる。)
5.下敷きを,やや中央から右よりにしく。
6.半紙を一枚出して(つるつるしている方が表),文鎮を上にしてとめる。
7.硯を右側に置く。(へこんでいる方を上にして)
8.硯の前にミニ布巾を置く。
9.墨汁入れをその前方に立てて置く。
10.キャップをはずした大筆を右側に縦にして置く。(左利きの子供であれば,逆になる。キャップは,これ以降不要。つまり使用後もつけさせない。)
11.左側は,お手本を置く場所とし,少しあける。
12.習字バックは閉じて,机の右側にかけるか,立てて右側に置く。
13.作品保管用の新聞紙で作ったファイルと半紙は横にして(折らないで)机の中に入れておく。
作品保管用の新聞紙で作ったファイルについては,事前に通信などで用意をお願いしておく。(古新聞紙を10枚くらい重ね,4分の1大に切って,上部をホチキスで数カ所留めさせた物)
14.机の右下の床に500ccペットボトル(水道水を七分くらい入れてキャップする)を立てて置いておく。
<書き始める準備>
まずは,筆である。買ったばかりの新品の筆は,糊付け加工されてガチガチに固まっている。このままで,墨をつけさせてはならない。
1.大筆をバケツの水に入れ,もみもみして柔らかくする。
次に,墨汁の出し方である。
買ったばかりの物や,使ってからしばらくなる物は,成分が沈殿して上部は薄くなっていることが多い。そのため,よく混ぜ合わせることが必要である。
2.キャップがしっかり閉まっていることを確認させ,墨汁入れを持って,振らせる。→軽く10回チャボチャボさせなさい。
→キャップがしっかり閉まっているか確かめなさい。
→ゆっくりやります。強く振ると,泡が立って,泡ばかりの墨が出ます。
墨汁を硯に入れさせる。
3.キャップをとって,硯のへこんでいるところに,静かに墨汁を入れさせる。→あふれるほどの海にならないように,小池を作りなさい。(板書して七分目まで入れさせるようにする。)
<筆の持ち方の指導>
ここからは,山本雅博氏の追試である。(http://www.h3.dion.ne.jp/~maho-bin/syosya1.htmより)
1.大筆のまん中あたりを,人差し指・中指・親指の3本でつまませる。
2.次に,薬指を親指の下に軽く添えさせ,小指は力を抜いて自然にする。(隣同士確かめる。)
3.腰骨を立て,背筋を伸ばす。
4.筆を持ったまま,右腕を指揮者のように構えさせる。
5.指揮者の構えで,手首は動かさないように○を描かせる。(まだこの時点では,墨を付けさせない。手首をこねないようにするよう徹底させる。)
<渦巻き指導>
この「渦巻き指導」は,導入の指導として多く取り入れられている。ここでは,石井研也氏の指導を追試した。(http://homepage1.nifty.com/krnya/mouhitub.htmより)
1.教師が筆で実際に書いた「渦巻き」の絵を黒板に提示する。→紙いっぱいに,出来るだけ多くの渦巻きを書きなさい。ただし,線同士ぶつかってはいけません。
→できるだけ,ていねいに1枚書いてごらんなさい。できたら筆を置いて姿勢を正しています。
2.何個の渦巻きが書けたか全員に問う。
3.たくさんの渦巻きを書くためには,どうすればいいのか問う。→次の3つのうちどれでしょう。A筆を斜めにして書く,B筆を立てて書く,C筆をねせて書く。
子供たちは,圧倒的にBだと言う。
4.もう一度Bで書かせ,確かめさせる。→筆を立てると,細い線を書くことができます。だから,たくさんの渦巻きが書けるのです。逆に鉛筆の持ち方をして,筆を斜めにしたりね
せたりすると線が太くなってしまいます。だから,たくさんの渦巻きを書くことができませんし,線同士ぶつかり合ってしまうのです。
5.趣意説明をした後,何回か渦巻きを書かせ,一枚出来たら持ってこさせ,適切に評価してやる。(いっぱい誉めてあげることが大事である。)
6.最後に,次のように言って終える。→みなさん。初めてなのにとても上手でしたね。これからは,このように筆を立てて字を書いていきます。今日のお勉強の約束をきちんと守
っていれば,誰でもすぐに上手に書けるようになっていきますからね。
<後かたづけ指導>
1.書いた作品は,一枚書くたびに新聞紙ファイルに挟み込み,半紙を一枚ずつ取り出して使用させるようにする。
2.半紙を一枚出させ,大筆で硯に残った墨汁をたっぷりふくませ,半紙に太くて濃い「へのへのもへじ」を書かせる。
3.それを八等分に小さく折って,まだ残っているわずかな墨汁を押しつけるように染みこませる。このとき,できるだけ硯をこすらないようにさせるとよい。
4.その紙は,教卓横のゴミ袋に捨てさせる。(ゴミにする紙は,毎回そのように小さく折って,捨てさせるようにする。)
5.筆を洗わせる。次のような手順で洗わせる。→①ペットボトルの水に筆を突っ込んで,揺すって洗い,キャップしてふたをする。その水はあとで捨てる。
②Aのバケツでグループ順に筆を洗う。決して筆を押しつけず,水の中で泡立たせないようにゆらゆらさせるようにする。
③Bのバケツの水でもう一度洗わせる。
6.最後に,それぞれの用具をていねいに習字カバンにしまわせる。→半紙と新聞紙ファイルは,下敷きといっしょに重ねて習字カバンの中の方にしまいこむ。筆は先を指で整え てからしまわせる。
7.バケツの汚水とゴミ袋は,当番に片づけさせる。その際,汚水を捨てるときは,4人で雑巾を手にしながら,慎重にゆっくり汚水捨て場に捨てさせる。バケツもきれいに洗い,乾いた雑巾でふかせて保管する。
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