’01.10.26            HOME


水は健康のみなもと〜6年保健
 

                          

■ はじめに

 6年生の保健では、「健康な生活」(光文書院)という単元で「運動、食事、休養・すいみんと健康」「水・空気・日光と健康」「学校・家庭・地域と健康」を全5時間扱うことになっている。(指導書による。)

 大単元のねらいは、「健康を保持増進するには、運動、食事および休養、睡眠の調和のとれた生活をすることなどの日常のよい生活行動と、よい水、よい空気および日光などのよい環境が、必要欠くべからざるものであること、また、個人の努力と共に家庭、学校などの集団の努力も必要であることを理解させることである。」と同書の指導書には、書かれている。

ここでは、この単元の中の「水・空気・日光と健康」とりわけ「水と健康」を取り上げる。

実践に当たっては、白石周二氏(岡山)の原実践を参考に授業を組み立てた。(修正追試)

 以下、「ねらい」と「指導のポイントを」記す。

 

(ねらい)

 健康な体を維持していくために、よい水が欠かせないことに気づき、より健康な生活を営もうとする態度を養う。

(指導のポイント)  


・実際にミネラルウォーターと水道水を飲み比べることにより,水への関心が高まるようにする。
・健康な身体を維持するためには水が欠かせないことに気付くように,身体各部の水の含有率を示す具体的な資料などを用意する。 
・ミネラルウォーターの消費量の伸びから,水への強い関心や水に関する問題点を考えることができるようにする。
 

 

■ 授業の流れ

 授業の始まりとともに、すぐ問う。


発問1 人間は、断食を何日ぐらいまで続けられると思いますか。
ノートにこれぐらいって書いてごらん。
「断食」とは 、水分は取りますが何にも食べないことです。
 

 半分ほどの子供が書き終えた頃、列指名で座ったまま言わせる。

 一週間から9年間まで様々な予想が出される。


説明1 ギネスブックに断食の世界記録が載っています。
スコットランドのアンガス・バービエリという人が記録しています。なんと382日です。この人は、紅茶・コーヒー・水・ソーダ水・ビタミン剤だけですごしたそうです。
その結果、体重は214.1kgから80.7kgまで減ったそうです。(「えっー。」という驚きの声。)
これは、極端な例ですが、普通、水だけの断食では、60日ぐらいまでは続けられると言われています。
 

 


発問2 では、水もいっさい取らなかったら、人間はどれくらい生きられるでしょうか。
予想をノートに書きなさい。
 

 これも列指名で、座ったまま言わせてみる。

 これも様々。しかし、さすがに「断食」よりは少ない日数が予想として出された。


発問3 正解はあとで教えます。
ところで、人間の身体に含まれる水の量は、全体重の何%ぐらいだと思いますか。
ノートに書いてごらん。 
 

 書かせたあと、言いたい子に言わせた。

 「98%,78%,40%・・・」など。

 

 ここで、ノートパソコンに取り込んでおいたHP資料(人体各器官・臓器の水の占有率)をプロジェクターで映し出した。

 表を見ながら、全身それぞれの部位に含有されていて、私たちの健康が保たれていることを簡単に確認する。


説明2 このように、人体に含まれる水の量は、体重の約65%にもなるのです。
わたしたちの身体は「水でできている」と言ってもいいくらいです。
そのうちの5%を失うと障害が起こり、約20%を失うと生命の危機になると言われています。
したがって、水分を取らないと、一日で傷害が表れ、5〜6日で死亡すると言われています。人間は、水を取らないと一週間も生きられないのです。
私たちは、この水のおかげで生命を維持しています。充分な水分が体内にあるからこそ体内の各器官・臓器が、その機能を発揮することができるのです。
 

「では、ここで水分補給しよう。」と言って、用意しておいた二種類の水を出す。

 水道水のペットボトル水(A)とミネラルウォーターのペットボトル水(B)である。

ちなみにペットボトル水(500ml)は、それぞれ6グループ分(6本)同じものを準備した。

子供たちには事前にコップを用意させてある。

 グループ形態に机を移動させる。


指示1 ここに二つの水があります。
どちらの水がおいしいか飲み比べてみましょう。
飲んだあと、おいしかった水の記号をノートに書きなさいね。
 

 実際にグループの形になって、全員に飲み比べさせる。

 子供たちは、わいわい言いながらも、じっくり味わいながら飲んでいた。

 その後、どちらがおいしかったか尋ねると、次のように挙手した。


(A)・・・・・20人、(B)・・・・・20人(40人学級だからキッパリ半々)
 

 (A)(B)の正解は、ここでは告げず、次のように問うた。


発問4 ところで、水というのは、体の中でどんな働きをしているのでしょう。
考えられることを箇条書きでたくさんノートに書いてごらんなさい。
 

 3分与えた。その後、少なく書いたと思われる子供から指名なし発表させた。

 以下のようなことが出された。


・体の中をきれいにする。
・汗をかく働きがある。
・体の中の細胞を生き生きさせてくれる。
・日射病を防ぐ。
・体の熱を下げる。体温が上がるのを防ぐ。
・ひからびないようにする。
・体に潤いを与える。
・脳の働きを活発にする。
・骨を丈夫にする。
・消化液をよく出す。
・血液の流れをよくする。
・血液中の水分が栄養分を運ぶ。
・汗やおしっことなって老廃物を出す。
・毛を生やす。
・目が乾かない様にする。
 

 全ての意見を大いに誉めたあと、説明した。


説明3 一番の働きは「溶解力」です。(板書)「溶解力」とは溶かす力があるということです。この「溶解力」があるからこそ、取り込んだ栄養を全身に運び吸収されやすくし、いらなくなった全身の老廃物や毒素を汗・尿・便で体外に出すことができるのです。このほか、涙となって目に潤いを与えたり、汗となって蒸発し体温調節のためにも重要な役割を果たしているのです。
 

 ここで、ミネラルウォーターとは何かについて触れた。


説明4 ところで、先ほどの水ですが、一つは普通の水道水で、もう一つはミネラルウォーターと呼ばれる水なのです。
ミネラルウォーターとは、水道水とは違って、カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなどが溶け込んでいる天然の水のことです。
聞いたことがある人、飲んだことがある人も中にはいるはずです。
 

 このあと、ノートパソコンで、HPから取り込んだ「ミネラルウォーターの国民年間消費量のグラフ」をスクリーンに提示した。

 


指示2 このグラフを見て、気付いたこと・分かったこと・思ったことを箇条書きでノートに書きなさい。
 

 作業後、指名なし発表。


・国民一人当たり7Klも飲んでいるなんて、びっくりした。
・自然の水ならば、山とか切り崩されれば、水はなくなってしまうのかなと思った。
・ミネラルウォーターはほとんど輸入していると思っていたんだけど、国産が多いんだなと気付きました。
・水を飲む量がだんだん増えていることに気付いた。
・1996年に国内の生産量が少し減っていることに気付きました。
・輸入も国産も1999年まで増えている。
 

 


発問5 このように最近になって、ミネラルウォーターの売れ行きがすごく伸びてきているのはどうしてだと思いますか。ノートに書きなさい。
 

2分後、指名なし発表。


・温暖化のせいで水が貴重なものになったから。
・人口が増え、水道水だけでは足りなくなったから。
・水道水が薬とかいろいろ入っていて、安全じゃないから。
・水道水がおいしくないから。
・水不足のせい。
・健康にいいから。
・緊急というか非常時に役に立つから。
・どこかへ行くときとか、運動するときとか、いちいち水道水を水筒なんかに入れて持ち歩くのは面倒だから、ペットボトルの方が楽だから。
 

 全ての意見を誉めた。


説明5 飲料水は商品として当たり前になりました。人々は飲料水にお金と時間をかけることをいとわなくなってきているようです。
水にズバリ何を求めているのでしょうか。(一人指名。「健康。」と答えた。)
それは、ズバリ「体へのいたわり」「安心感」「おいしさ」です。(板書)
こうした健康への関心から、ミネラルウォーターのみならず浄水器を買い求めたり、ひとつの「食文化」として定着してきたのです。
古くからは、さかのぼること江戸時代から「おいしい水売り」があったそうです。
それは一端途絶えましたが、1967年頃ウイスキーの水割り用として急激にミネラルウォーターの人気が高まってきました。1979年頃は、ミネラルウォーターは実に「贅沢品」と言われていたのですよ。今からだと考えられないことです。
また、貯水タンクの汚れや消毒、塩素を使うことで出てくるクロロホルムや工場から出されるトリクロロエチレン、ダイオキシンなどの発ガン性物質が水の中に含まれていたという報告もあって、「安全な水」への関心がぐんと高まったのです。
健康を願うなら、まず第1に「よい水」を選び、飲むと言うことが欠かせないことなのです。


ところで、さっきみなさんが飲んだ水ですが、正解を言います。
水道水は,A。ミネラルウォーターは,Bでした。(歓声が上がった。)
終わります。
 

 時間切れで、授業感想文を書かせる時間がなかったのが反省。

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