’99.2.15
NO.47
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楽しい作文の指導 Ⅲ |
1.はじめに
先ごろ、教育課程審議会の答申に基づく新学習指導要領が発表された。(’99.2現在)
「表現」領域について見ると、「話すこと・聞くこと」を筆頭に「読むこと」「書くこと」といった活動領域を中心としたものに改訂されている点が目を引く。
ところで「書くこと」であるが、国語科教育目標の中に「伝え合う力」という言葉が、今回新たに加わっていることから見ても、文字言語としての、コミュニケーション能力の育成を重視していることが伺える。端的に言えば、「書くこと」の指導においても、相手意識・目的意識を持った書く力の育成が教育現場に要請されているのである。
そういう意味からしても、授業においては今まで以上に、または、これまでの指導内容を吟味検討して、新たな作文指導のあり方を探っていかねばならないだろうと思われる。
ここで紹介するのは、渡部栄二氏の「論理完璧作文」の形式を借りた短作文の実践例である。短作文は、書く分量の短少という限定はあるものの、新しい領域「書くこと」の内容の主要を担う部分にあるものと考えている。その短作文指導について、大西道雄氏は、次のように述べている。
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短作文の基本的な書き方、論理的な文章を書く力、そして書くことへの自信を付ける指導を試みるために酒井武男氏の追試授業をした。
「論理完璧作文」という形式の「型から入って型から出る」学習と言えるが、基本を学ばせることで、子供に発展的に論理的な思考を育てていくひとつのきっかけになればいいと思っている。
2.授業の流れ
授業で扱った「論理完璧作文例」は、以下のものである。
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400字詰め原稿用紙を各自に1枚ずつ配る。
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指示 |
①〜③を、原稿用紙に書き写しなさい。(番号は写さない。) |
全員正しく、書き写した後に聞く。
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質問 |
三村先生は男ですか。女ですか。男と思う人は(男)と、女と思う人は(女)と、原稿用紙の右上隅に書きなさい。 |
「もしかしたら、わたしは、女なのかもしれないわ。」と、冗談をまき散らす。
挙手させて人数分布を調べる。
(男)・・・・・31人、(女)・・・・・0人
良くない分布である。ユーモアセンスにあふれているクラスは、何人か(女)と答えるものである。または、題材が子供たちに合っていなかったのかもしれない。
こういう聞き方のほうが良かったかもしれない。
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質問 |
三村先生を男にしますか。それとも、女にしますか。どちらかに決めなさい。 |
とりあえずこの状況で進める。
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指示 |
④、⑤を、原稿用紙に書き写しなさい。(番号は写さない。) |
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発問 |
どうして、三村先生が男だと考えるのですか。 |
・低い男の声だ。
・のどぼとけが出ている。
・ズボンとネクタイをしている。
・奥さんがいる。
・ひげが生えている。
・時々下品なギャグを言う。(ほっとけ!)
などが意見として出された。
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指示 |
⑥を、原稿用紙に書き写しなさい。(番号は写さない。) |
書き終えた後、⑦〜⑨の書き方を説明する。
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説明 |
⑦、⑧は、さっきの発表のようにどうして男と考えるのか理由を2つ考えて、分けて書きます。どんな理由でもいいです。 |
説明後、このパターンにのって、子供たちは書き始める。面白い理由を考えている子は、にこにこ(にやにや?)しながら鉛筆を走らせている。早い子で5分もかからず書き終える。
机間巡視しながら、原稿用紙の使い方のチェックや、面白い内容を書いている子供には頭に手を置くなどして指名予告をする。
5分後、作業を打ち切って、予告しておいた子供に読み上げさせる。
内容が面白ければ子供たちは爆笑である。
しかも、筋道のたった書き方をしているので、発表する方も読みやすいようだ。また、聞き手も順序や結論がはっきりしているので、聞き取りやすいのである。
作文は、やはり相手意識・目的意識をもって書かれる一つのコミュニケーションであると言える。