(C)Two-way/小学校/6年生/学校行事/修学旅行                                                             制作・実践:三村 弘
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                                             ’01.6.3

「修学旅行オリエンテーションⅡ」

〜共通意識を持たせる学年集会の持ち方

                          

○ はじめに

 「修学旅行」は、子供たちにとって小学校生活の最高最大の行事である。

 「6年生になれば、修学旅行に行ける。」「早く行きたい。今からとても楽しみ。」と、

どの子供も期待に胸躍らせる行事である。

 たいてい、どこの学校においても事前に、心構えや、計画、学習そしてオリエンテーション、結団式など行っていることだろう。

 しかしながら、改めて「修学旅行は何のために行くのか。」子供に問うと、その意義を的確に答えられる子供は意外に少ない。

 なぜか。


① 子供が、「修学旅行」の意味づけとその目的を認識していないからである。
② 教師が、子供に自己への意味づけと目的意識を持たせていないからである。
 

 ここでは、学年で行った「オリエンテーションⅡ」での様子を紹介する。

学年でのオリエンテーションは、2回実施した。

1回目は、日程・目的地・持ち物・生活安全指導など修学旅行全般に関わることを確認した。

 そして、2回目の「オリエンテーションⅡ」では、「何のために行くのか」という意味づけに重点をおいた内容で、実施した。

修学旅行も間近に控え、子供たちの心は浮ついていて、生活の様子も心なしか落ち着きに欠いている。

その点も考慮した上での学年集会である。

 以下、教師の語りと指示を中心に書き記してみたい。


★日時   ’01.6.1
★場所   図書室
★対象   本校6年生159名(4クラス)
★ねらい  ① 修学旅行の目的
        ② だれでもすぐ作れる簡単な俳句の作り方
 

 修学旅行の目的〜何のために行くのですか?

 

・ノートを開いて、「オリエンテーションⅡ」と書きなさい。

・日付も書き入れます。

・書き終えた人は、手を3秒間挙げて教えなさい。

・ノートに①と書きなさい。

・そこにすぐ書きなさい。

・君たちは、何のために修学旅行に行くのですか?

・はい、書いてごらん。

・書けた人は、手を挙げて教える!

・はい、止め。先生は当てませんから、自由に立って書いたのを読んで下さい。

(数名発表する。指名なし発言は、我がクラスでは慣れているが、他クラスでは経験がないようだ。

それでも他クラスの1〜2名も発表してくれた。)


・いろんなことを勉強するため。
・歴史を学ぶため。
・集団生活のマナーを学ぶため。
・協力し合って、友達ともっと仲良くなるため。
 

(概ね以上のような意見が出された。)

・はい、立派です。すぐ書けるということ、すぐ反応できるということ、そして自分の考えをしっかり持っていること、

さらにそれをみんなの前で発表できるということ。

 すばらしい12歳です。

・今、言ってくれたみなさんの目的は、その通りだと思います。

 それはそれでいいのですから、そのことを大事にしなさい。

・先生の考えを言います。

・みなさんは「出合い」(板書)という言葉知っていますか?

・人というのは、この世におぎゃーと生まれてきた瞬間から、その存在が認められます。

・もっと正確に言えば、君らのお父さんお母さんの精子と卵子が出合った瞬間から、あなた、今のあなたが命として認められます。

・これは、前に5年生の時に勉強しましたね。

・40万個の卵子のうちのたった一つと、4億個の精子のうちのたった一つ。

 とびっきり上等の卵子と精子が選ばれて、まさに運命的に結ばれるんです。

 ですから、みなさんは、これ以上ないくらい最高級の命として誕生してきたのです。

 これは、まさに運命的なドラマです。

 もし、ちがう卵子と精子だったら、みんなは今とは違う別の人間だったのです。

 ですから、みなさんは、生きている限り、「出合い」を続けていることになるのです。

・みなさんの最大の修学旅行の目的は、新しい物への出合いを求め、そして、その出合いによって、

今までちっぽけな自分、友達に悪口言ったり、イライラしたり、イヤなことから逃げ出したり、

あるいはよく分からなかったことや知らなかったことがあった自分が、心も頭の中身もやさしく知的になれるように行くのです。

(図式で簡単に板書しながら説明。)

・もっと言えば、人間としてより価値ある自分に変わるために行くのです。

・だから、修旅行というのです。

・その出合いは、「人」だけとは限りません。

・時に「もの」かもしれません。または、「こと」かも知れません。

・多くの、今まで知らなかった、見たことなかった、異なる「人」「もの」「こと」と出合うことで、また違った自分に進化していくのです。

・だから、自分は一人で生きているのじゃないってことなのです。

・そして、それは自ら積極的に求めて行かねば叶わぬことです。

 そして、出合ったものに感謝することを忘れてはなりません。

・見たこと、もの、聞いたことに心動かされ、もっと知りたい、どうしてなんだろうという「?」が生まれたら、

その人は、とっても素敵な出合いをしているということになります。

・旅先では、いっぱい見てください。いっぱい尋ねてください。体いっぱい感じてください。

・その「しおり」のメモのページが鉛筆で真っ黒になるくらい、たくさんの取材をしてほしいと思います。

・旅先で、マナーを守り、失礼のないようにすることはもちろんですが、多くのことを積極的に尋ねてほしいと思います。

そんな意欲的な学びをするみなさんの姿をみてみたいと思います。

・では、ノートに②と書きなさい。書いた人は「書きました。」と言いなさい。

・今の先生の話を聞いて、修学旅行後は、自分はどんな自分になっていると思いますか。

優しい自分だったら「やさしい自分」というように簡単に書いてごらんなさい。

・(2〜3分後)では、書けた人から、自由に立って発表してください。

(同様に指名なし発言させた。先ほどよりは自主的に立って発言する子供も増えた。

以下のような発表があった。)


・ちょっとしたことでは、くじけない自分
・友達を大事にする自分
・新しい知識が増えている自分
・明るく笑顔が多くなっている自分
・時間をよく守るようになった自分
・調べたいことが多くなって、もっと知りたいと思う自分
・人の話をよく聞いて行動できる自分
 

・はい。よく書けましたね。

そういう自分になっていることを大いに期待したいと思います。

  

 旅の思い出を書き留めよう〜だれにでもできる俳句の作り方

 

・さて、話は変わります。

・そんな出合いを、あなた方は、目・耳・体などをめいっぱい使って、頭や心のフィルムにおさめるわけですが、

その一つの記録といいましょうか、それを書き留めておく方法があります。

・それは、「俳句」というものです。

・「俳句」って何音でてきていますか?

(子供たち「5・7・5の17音」と口々に答える。)

・そうですね。俳句は、世界で最も短い詩です。

・ヨーロッパやアメリカなど英語で書かれた辞書にも「HAIKU」とのっています。

・世界が認める、日本の誇れる文化、文学の一つなのです。

・短歌というのもありますが、俳句と短歌の違いが何かってことです。

 誰か、この違い分かる人いますか?

(数名挙手。指名して答えさせる。形式上や歴史的な違いを答える子が全て。)

・短歌というのは、叙情的と言って、どちらかというと気持ちや心そして感情を直接的に表現することが多いのです。

・しかし、俳句は叙事的と言って、見たこと、聞いたことをありのままにそのまま言葉にしていきます。

・「雪とけて村いつぱいの子供かな」「日焼け顔見合いてうまし氷水」

・このように、あんまり、うれしいとか悲しいとか書きません。

・書かないかわりに、「かな」とか「や」とか、「切れ字」って言うんですが、それを付けます。

・「古池かわずとびこむ水の音」こんなんです。

・もう一度言いますよ。俳句っていうのは、季節を大事にし、見たこと聞いたことを自分で見つけた言葉で書く詩です。

・どちらかというと、短歌は音楽の「歌」に近く、「俳句」は、写生する「絵」に近いって言ったら分かり易いかな。

・松尾芭蕉は、実際に「松島」に訪れたときに、そのあまりにも美しい景観に言葉も出ず

「松島やああ松島や松島や」という俳句を詠んだというエピソードがあります。

・でも、これは弟子の「そら」という人が、変わりに詠んだものだとか、松島の観光会社が作った物だとかはっきりしていません。

・本当は、こんな俳句を詠んだようです。

・「松島や鶴に身をかれほととぎす」

・これだと季語もちゃんと入っていますよね。

・それでは、実際に俳句作りの練習をしてみましょう。

例えば、こんな俳句があったとします。 


春の雲 ゆっくり動く いい気持ち」(板書)
   ①    ②      ③
 

 ①「春の雲」は春を表す「季語」です。

 ②は「春の雲」を見て感じた様子ですね。

 大事なのは、この③です。

 この際、①の「春の雲」は関係ありません。

 ②のゆっくり動く物を「連想」したものを③の言葉にするのです。

 ちょっとやってみましょう。


春の雲 ゆっくり動く ○○○○○」(板書)
  ①    ②       ③
 

 「ゆっくり動く」ものを○○○○○に入れてごらん。

  そして、これを完成してみなさい。

(数名できたものに指名して発表させる。以下のような物が出て大いに褒めた。)


・春の雲 ゆっくり動く オルゴール
・春の雲 ゆっくり動く カメレオン
・春の雲 ゆっくり動く かげぼうし
・春の雲 ゆっくり動く うばぐるま
・春の雲 ゆっくり動く こいのぼり
 

  こういうのを「取り合わせ」って言うんです。簡単な俳句の作り方です。

10 ①に季語を書きます。②に見たことや様子、感じたことや思ったことを書きます。

そして、③に②から想像したことを書くわけです。

概ね次のような書き方をするとよいです。


    (板書)
     ①季語 ②連想 ③ジャンプ
 

11 では、次の俳句をこのやり方で作ってごらん。


ひまわりや ○○○○○○○ ○○○○○
   ①       ②      ③
 

12 (発表させた後、別の季語(お題)でもう一つ作らせる。)


春風や ○○○○○○○ ○○○○○
   ①     ②      ③
 

13 (同様に数名に発表させ、褒めることでこういうものでもいいんだという自信を付けさせる。

初期の段階では、このような創作指導が有効である。)

14 みなさん、とっても上手ですね。最初は、5・7・5にこだわらず、心に浮かんだ言葉を素直に書いてみることが大事です。

そうして、たくさん作っているうちに、思わぬ素敵な言葉に出合ったりするものです。

15 修学旅行では、素敵な言葉の「絵」が書けることでしょうね。おわります。

                                    以上。

        「俳句の作り方」は、下重和也氏の追試http://www3.ocn.ne.jp/~kaztomo/haiku1.html参照


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