(C)Two-way/小学校/国語/主語・述語 制作・実践:三村 弘
HOME TOSSLAND
’97.11.20
NO.44
|
主語・述語の指導 |
1.はじめに
国語科の教科書においては、〔言葉〕の小教材は、3年生以上の上下巻に1か所ずつ設けられており、語句・意味・文を題材として扱っている。文関係の小教材は、3年「主語と述語」、4年「こそあど言葉」、5年「文の続きとつなぎ言葉」、6年「助詞と文末」という構成になっている。(‘97現在)
さて、ここで紹介するのは3年の「主語と述語」の指導である。
国語辞典(小学館)では、主語・述語を次のように説明している。
| しゅご【主語】(名)①[語]「何がどうする」というようないい方の文で「何が」にあたる部分。 ②[論]主辞。主題を示す語。 |
| じゅつご【述語】(名)①[語]文の成分のひとつで、主語の動作や性質などをのべる文節、また、語。②[論]判断において、主語について説明・限定する語。 |
教科書(3年光村下)では、次のように書き記してある。
|
主語・・・文の中で、「何が(は)」「だれが(は)」に当たる言葉。 |
ここでは、主語と主部、述語と述部の違いなど、細かな文法的内容には触れないことにする。「何が(は)」を表す主語と「どうした・どうだ」を表す述語の基本的役割を、子供たちが自分たちの言語生活を振り返り、きちんと把握することを第一の指導と考えたい。
また、修飾語についてであるが、ある文が述べようとしている内容を正確に読み取るためには、合わせてその指導も大事になってくる。語相互の修飾・被修飾の関係に注意を払いながら文意を読み取ることは、1年生から発展的・段階的に指導されねばならないことである。
それは、ひいては単文から重文・複文への理解、述べようとする語をどのように限定すればより的確な表現になるかという作文の訓練になるからである。
2時間扱いで行った授業例の1時限目を以下に記す。
2.授業の流れ
〈第1次の記録から〉
|
指示1 先生がこれからある文を書きます。ていねいに視 写しなさい。 |
指示後、以下の例文を板書する。
|
先生は、きびしいけれど、やさしくて、ハンサムな人だ。 |
|
指示2 全員立ちましょう。3回音読したら座りなさい。 |
音読後、「とても気分がいいねぇ。う〜ん。」とか言いながら、
|
発問1 さて、この文で一番いいたいことは、ずばり何でしょう。ノートに短く書きなさい。 |
ノート作業後、発表させる。
|
・先生が、ハンサムだということ。 |
などが挙がった。少し探りを入れた発問だが、不要だったかもしれない。
|
発問2 なるほど。では、この文で1番なくてはならない言葉は何でしょう。 |
座ったまま口々に言わせた。「先生」という声が圧倒的に多かった。
|
発問3 その次になくてはならない言葉は何でしょう。ノートに書きなさい。 |
ほぼ書き終えたところで、発表させた。
|
・「やさしくて」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2人 |
教師の解を告げる。
|
説明1 残念ながら、どれも違います。正解は「人です。」です。 |
子供たちから、ちょっとしたざわめきが起こる。それを無視して、テンポよく進める。
|
指示3 「先生は」と「人です。」を○で囲みなさい。 |
|
指示4 ○で囲んだ言葉だけを始めから読んでごらん。 |
「先生は、人です。」と一斉読みをさせる。
|
説明2 「きびしい」のは、誰だ?(「先生」)「やさしい」のは誰だ?(「先生」)「ハンサム」なのは誰だ?(「先生」)「人」なのは誰だ?(「先生」)・・・・・・。 |
新しい言葉を覚えさせるときは、どうしても教師側の説明が必要になる。できるだけ子供と問答するようにしながら、1つ1つ整理していくようにして、教師の一方的な説明にならないようにしたい。
|
説明3 この「先生は」というような「○○は(が)」というのは、主人公です。この文で中心になる言葉ですから実は「主語」というのです。また、「人です。」というのは、その主語「先生」が、「○○だ」「○○です」とズバリ一言で述べた言葉です。これを、「述語」(板書)と言うのです。 |
このようにして、「主語」「述語」という言葉を教師側で1つの知識として教える。ここでは、「修飾語」という言葉には、あえて触れないでおく。3年生では、この時間で「主語」「述語」の意味を捉え、文中から見つけることができればそれで十分であると考えた。
ここで、習熟を図るため、次の例文を提示する。(板書かカード)
|
先生は、いつもすてきなかっこうをしていますが、背広もネクタイもワイシャツもズボンも脱ぐと、すっかりはだかです。 |
板書しおえると、子供たちから、くすくす笑い声が起こる。この反応を見てチャンスとばかり、隠しておいたクラフト人形を目の前に出す。
クラフト人形とは、洋服店など展示用に使われているもので、人形の身体の関節が自在に動かせるようにできている優れ物である。(リサイクル・バライティショッブで1500円位で入手した。)
この人形には、前もってズボン・ワイシャツ・ネクタイ・背広を着用させておく。顔の部分には、担任の似顔絵を貼っておく。
さすが物の威力は凄い!やはり子供は“物”に目を輝かせ飛びついてくるものなのだ。ここで、大歓声が上がる。
さて、教師は例文を読みながら、人形に着せてある物を1つずつ脱がしていく。
「先生は、・・・・・・いつもすてきなかっこうをしていますが、・・・・・背広も」で、背広を脱がせる。「ネクタイも」でネクタイを取る。「ワイシャツも」でワイシャツを脱がせる。
ここまでくると、子供たちの歓声や興奮もひときわ大きくなる。
「ズボンも・・・・ぬぐと」で「キャーーー。」
「すっかり・・・・はだかです。」で大爆笑! 
(この程度に留めておくようにしよう。悪のりし過ぎないように。)
子供たちの興奮が冷めやらぬところで、説明を加える。
|
説明4 先生は、・・・・いつもかっこいい服を着ているけれど、それを全部脱ぐと、すっかり・・・・・どうなるの?(「はだか」笑)そうなんです。「先生は、」・・・・「はだかです。」(再び笑い) |
|
発問4 さて、この文の主語は何だったんですか。 |
全員声を揃えて「先生は」。
|
発問5 じゃあ、述語は? |
「はだかです。」と子供たち。
|
説明5 そうですね。このように、主語には「先生は」というときもあるし、「先生が」というときもあります。 「はだかでしょう。」などいろいろなおしまいの言葉になることもあります。 |
|
指示5 |
以下、板書した問題文と解答を記す。
|
【問題文①】きょうは、きのうとちがって、雨だった。 |
→(主語)「きょうは」(述語)「雨だった。」
|
【問題文②】きのうとちがい、きょうは、雨だった。 |
→(主語)「きょうは」(述語)「雨だった。」
|
【問題文③】きのうとちがって、きょうの天気は雨だった。 |
→(主語)「天気は」(述語)「雨だった。」
|
【問題文④】ぼくは「晴れるといいな。」と思ったが、きょうの天気は、雨だった。 |
→(主語)「天気は」(述語)「雨だった。」
以上、1問ずつノートを持ってこさせて、点検する。
【問題文④】では、主述を「ぼくは」「思った」と取り違えている子供も多くいた。こういうことを、実際の文で正していくことが大事であると感じた。
考えてみるに、主語と述語のみで成立している文は、むしろまれである。教材文などの文章(文)中から、主語・述語を指摘できるように、普段の授業の中で訓練していきたいところである。