「海底二万哩」
海底二万哩 1954・米


製作:ウォルト・ディズニー
監督:リチャード・フライシャー
原作:ジュール・ベルヌ
脚本:アール・フェルトン
撮影:フランツ・プラナー
音楽:ポール・スミス

出演;カーク・ダグラス
    ジェームズ・メイスン
    ポール・ルーカス
    ピーター・ローレ






物語

1868年、海運界は海の怪物に関する噂に神経を尖らせていた。その頃、南太平洋で通りかかった軍艦が海の怪物に撃沈される奇怪な事件が頻発していたのだ。

パリ博物館のピエール・アロナクス教授(ポール・ルーカス)は助手コンセイユ(ピーター・ローレ)とともに、調査船に乗り込んだ。陽気なモリ撃ちのネッド・ランド(カーク・ダグラス)も一緒だった。

3ヶ月半も南太平洋を探索したが、何も見つからない。調査船の船長が調査の打ち切りを告げたその時、遠くに船影が見えた。軍艦だ。そして、何か得体の知れない物体が軍艦に向かって進んでいた。そして、軍艦は撃沈されたのだった。

これぞ探し求めていた怪物だと知った時、怪物は今度は調査船に向かって来た。そして、調査船は怪物の体当たりを受けて、ピエール教授たちは海に投げ出された。

船は沈没した。浮遊物につかまり漂流する教授と助手、モリ撃ちのネッド。やがて、目の前に怪物が姿を現した。それは巨大な潜水艦だった。
3人は潜水艦によじ登り艦内に入った。中に人間は居なかった。窓から外を覗くと潜水服を着た人間が海底を歩いていた。

3人は、海から戻った船長ネモ(ジェームズ・メイスン)らに捕らえられた。しかし、ネモはピエール教授の著作を読んでおり、危害は加えられないで済んだ。
ピエール教授はネモ船長を弾劾した。「文明人のすることではない!」と。ネモ船長は言った。「訳あって、私は人間社会を捨てた」
ネモ船長の勧めで3人は海底の探索をする。海底を歩く。そこは深海の庭園だった。豊富な海の幸があった。
ネッドは難破船を見つけた。中に財宝の詰まった箱があった。コンセイユと運ぼうとしたが失敗した。

ネモ船長は「海の中では金銀財宝は何の価値もない」との考えだった。
教授は潜水艦の内燃室を見学して驚愕した。「ネモは人類の夢、宇宙の不滅の力を発見した・・・」と、つぶやく。

クレスポ島に上陸した。そこでネモは教授に島で行われている光景を見せた。そこでは、白人が奴隷として戦争の火種、硝酸塩とリンを掘り出し船に積む作業をさせられていたのだ。
「人類は醜い戦に明け暮れておる。・・・海は数メートル潜れば、法の及ばぬ世界だ。本当の独立は海の中にしかない」 ネモは言う。ネモはかって、この囚人の一人だった。妻と幼い息子を殺され、脱走したネモはバルケニア島に逃れた。共に脱走した部下とそこで潜水艦ノーチラスを建造したのだ。

戦争を憎むネモ船長は、潜水艦で生活し、軍艦を片っ端から撃沈していたのだった。

ネッドは標本の瓶の中に潜水艦の位置を書いたメモを入れ、隙を見ては海に投げていた。
ある島に近づいた時、ネッドとコンセイユは脱走しようとしたが、そこは人食い人種の住む島だった。島の奥からおびただしい原住民が槍を持って追いかけてきた。命からがら潜水艦に逃げ戻る二人。カヌーで潜水艦にやって来た人食い人種の群れにネモは平気だった。潜水艦によじ登ってくる彼等をネモは電気のスイッチを入れた。すると潜水艦に電流が走り、原住民はホウホウノ体で逃げて行った。

ネッドは脱走の罪で個室に監禁されてしまった。しかし、外で異変が起きていた。巨大イカが潜水艦を襲ってきたのだ。ネッドは必死でドアを打ち破り外へ出た。ネモが巨大イカの足に巻きつかれ海の中へ引きずり込まれた。
モリ撃ちのネッドはイカの急所にモリを打ち込んだ。海に飛び込みネモを助け出す。

バルケニア島へ着いたノーチラス号を待っていたのは、ネッドのメモの瓶を見つけた軍艦だった。しかも何隻も島を囲んでいた。ネモは要塞に時限爆弾を仕掛けた。潜水艦へ戻ったネモを銃弾が襲った。
もはや死は時間の問題だった。乗組員たちはネモ船長と死を共にする覚悟だ。ノーチラス号は海に潜っていく。
ネッドは屈強な乗組員たちを倒すと、潜水艦を浮上させ、教授と助手をボートに乗せた。ボートが潜水艦を離れた時、バルケニア島が大爆発を起こした。

ネモ船長はノーチラス号の窓から外を眺めながら死んだ。そして、遂に潜水艦は南の海のもくずとなっていった。
映画館主から

ジュール・ベルヌ原作の空想科学小説「海底二万哩」をウォルト・ディズニーが映画化した作品。
その時代では最高の特撮技術を駆使し、潜水艦の構造、巨大イカとの格闘、海底探検など、スケールの大きい娯楽大作に仕上がっています。

ネモ船長に「邪魔者は殺せ」、「北北西に進路を取れ」の名優ジェームズ・メイスンが扮し、如何に自分の過去の出来事が戦争を憎み、軍艦を破壊する行動へ駆り立てていったかを格調高く演じています。

モリ撃ちネッドを「スパルタカス」のカーク・ダグラスがコミカルに演じました。どちらかというと深刻な役柄の多い彼もコメディアン的な才能がありそうです。また、ピーター・ローレの助手も小心者のとぼけた味わいが印象的でした。

監督のリチャード・フライシャーは、大作が多く、本作の他、「ミクロの決死圏」’66、「ドリトル先生不思議な旅」’67、「トラ!トラ!トラ!」’70ではアカデミー特殊効果賞を受賞させています。他に、「ヴァイキング」’58、「バラバ」’62、「ソイレントグリーン」’73など、ジャンルもSFをはじめ史劇、西部劇、スリラーと幅広く、どの作品も水準以上の出来栄えです。


アカデミー美術監督賞、装置賞、特殊効果賞受賞作品です。

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