「ブレードランナー」
ブレードランナー 1982・米
ブレードランナー

製作:マイレケル・ディリー
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ハンプトン・ファンチャー
    デビッド・ピープルズ
撮影:ジョーダン・
クローネンウェス
美術:シド・ミード
音楽:バンゲリス

出演:ハリソン・フォード
    ショーン・ヤング
    ルトガー・ハウアー
    ダリル・ハンナ








物語

21世紀の始め、タイレル社はロボット開発を始めた。作られた彼等は人間そっくりで、レプリカントと呼ばれた。ネクサス6型は体力、敏捷性に優れ、知性も人間に匹敵した。
レプリカントは宇宙開発など、奴隷に従事していたが、叛乱を起こしたため、地球上での存在は非合法とされ、死刑が科せられた。
そして、特別捜査班・ブレードランナーにレプリカントを見つけ次第殺せとの命令が下ったのだ。

2019年。ロサンゼルス。高層ビルが立ち並ぶ。ビルの壁面には、けばけばしいイルミネーションや看板が東洋的な雰囲気を醸し出し、三味線の音も混じる。絶えず酸性雨が降りしきり、人々はレインコートや傘なしでは歩けない。日本人街と、チャイナタウンがごちゃ混ぜになったような混沌とした町。至る所から蒸気が吹き上がっている。町の上空には飛行船やエアカーが行き交っていた。

元ブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)は元上司に呼びつけられた。「レプリカントが4匹、町に潜入した・・・」 「俺は辞めたんだ・・・」と、デッカード。「お前にしか手に負えん連中だ。ブレードランナーの手本を示せ」

クラブで蛇を手に踊る女。デッカードは楽屋で女を尋問した。レプリカントの蛇女はいくつか質問するうちに、いきなりデッカードを襲い、そのまま町へ逃げた。東洋人街を逃げる女。追うデッカード。そして、デッカードの銃弾は女を倒す。
ふいに、男のレプリカントがデッカードを襲った。あわや、デッカードの両目が潰される瞬間、銃弾がレプリカントの頭を砕いた。銃を構えて立っていたのは、タイレル社の秘書レイチェル(ショーン・ヤング)だった。

レイチェルと一夜を明かしたデッカードは、彼女もまた、レプリカントと知る。「私が逃げたら追う?」とレイチェルは言う。「追わないよ・・・借りがある・・・でも、誰かが追う・・・」」と、デッカードは答えた。「・・・私は誰?・・・」 レイチェルは、自分がレプリカントであることを嘆く。デッカードはレイチェルに魅せられた。

タイレル社のタイレル博士の部屋。深夜、レプリカントのリーダー・ロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)がやって来た。タイレル博士はロボットとしてのレプリカントの開発者だ。レプリカントは寿命を4年と定められている。
ロイは言う。「長生きしたいんだ・・・」 タイレル博士「それは無理だ。有機体のシステムを変えることはできん。コード配列を変えれば命取りになる」 「我々は、寿命が短い」 「明るい炎は、早く燃え尽きる・・・君は、輝かしく生きてきた・・・」  ロイは博士の頭を抱いた。そして、そのまま、握り潰した。

デッカードは連絡を受け、レプリカントのアジトへ急いだ。女レプリカントが襲ってきたが撃ち殺した。さらに銃を構えるデッカードの腕を壁を突き破ったロイの手が掴む。デッカードの指が数本、音をたてて折られた。苦痛にゆがむデッカード。
「逃げろ!死んだら、遊び相手がいなくなる」ロイは不敵に言った。ビルの壁を攀じ登り、屋上へと向かうデッカード。つかまる所が無い。酸性雨が降りしきる。指を折られたデッカードは絶体絶命の危機にあった。屋上のすぐそこにロイが待っていた。「おびえて生きる気分はどうだ・・・それが、奴隷の一生だ」 デッカードの力が尽き、落ちる!その瞬間、ロイがデッカードの腕を掴んでいた。ロイはデッカードを屋上へ引き上げた。

デッカードはロイの手中にあった。しかし、ロイは攻撃をしない。「俺たちは、貴様等人間の想像もつかぬものを見てきた。宇宙の果てでな・・・。それも、今は・・・思い出だ・・・・死ぬ、時間だ・・・・」 ロイの寿命がそこで尽きた。ロイは動かなくなった。

デッカードの仲間が言った。「レイチェルも短い命とは・・・でも、人は・・・皆、死ぬ・・・」
映画館主から

「エイリアン」’79で世界的な大ヒットを飛ばした、リドーリー・スコット監督のカルト的SF大作です。
未来都市のリドリーのイマジネーションは圧倒的な迫力です。酸性雨が降り注ぐ都市。高層ビルの谷間を飛び交う飛行船や、エアカー。ビルの壁の巨大な看板と広告のイルミネーション。東洋的なイメージ。町のどこそこと蒸気が吹き上がる。これが、リドリー・スコットのイメージです。我々は、この不思議な空間を体験するだけで、この映画を見る価値があったといえます。

彼に限らず、外国の監督が日本的なる風景を描こうとすると大抵変な描写になります。
レストランはいかにもチャイナなのに、店の主人は日本語をしゃべります。看板の文字は日本語なのに、意味が解りません。’89年の「ブラック・レイン」でも、違和感は否めませんでしたが・・・。しかし、かれが東洋的なものに関心が深いのは伝わってきます。

リドリー・スコットの映画で、共通して描かれるのは、戦う孤独な人間です。「エイリアン」では、宇宙の怪物と一人戦うシガニー・ウィーバーを、本作では、レプリカントと戦うハリソン・フォードを、「ブラック・レイン」では、日本世界で孤独に戦うマイケル・ダグラスを、近年の大作「グラディエーター」では、ローマの権力と戦うラッセル・クロウを、・・・といった具合です。

そして、何故か全体に霞がかかったような物憂い画面が、その孤独な戦いに彩りを添えているように思われます。

好漢、ハリソン・フォードは、「スターウォーズ」シリーズと、「インディ・ジョーンズ」シリーズの間にあり、彼の代表作となったことでしょう。
レプリカント役のルトガー・ハウアーは、ラストのハリソン・フォードとの対決で完全に主役を食ってしまうほど印象付け、以後主役級の俳優になります。
「トップガン」’86のトニー・スコット監督はリドリー・スコットの実弟です。
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