| フューリー 1978・米 | |
![]() 製作:フランク・ヤブランス 監督:ブライアン・デ・パルマ 原作:脚本: ジョン・ファリス 撮影:リチャード・H・クライン 音楽:ジョン・ウィリアムス 出演:カーク・ダグラス アンドリュー・スティーブンス エイミー・アービング チャールズ・ダーニング キャリー・スノッドグレス ダリル・ハンナ ジョン・カサベテス ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 1977年。中東のある海水浴場で、水泳を楽しむ二人。ピーター(カーク・ダグラス)と息子のロビン(アンドリュー・スティーブンス)だ。ピーターはすっかり成長したロビンを誇らしく思った。ピーターの20年来の親友チルドレス(ジョン・カサベテス)もそこにいた。 しかし、チルドレスにはある計画があった。ロビンを奪い、ある政治目的に利用する計画である。ロビンは並外れた超能力を持つ青年だったのである。 ピーターは突然現れたアラブ人武装集団に銃の襲撃を受けた。海水浴場は大混乱になった。ロビンはチルドレスに押さえられた。ピーターはゴムボートで逃げたが襲撃を受け、ボートは爆発した。ロビンは絶叫する。 ピーターは死んだ、と思いきや、必死で再び海岸に泳ぎ着く。その時、彼は見た。チルドレスが武装集団と話しているのを・・・。ピーターは瞬時にチルドレスの陰謀を悟った。ピーターはチルドレスを撃った。左腕を撃たれたチルドレスはピーターの逃げ去るのを見た。 1978年。シカゴの湖の道。水着姿のギリアン(エイミー・アービング)が友人とおしゃべりしながら歩いていると、後を付けてくる男がいる。男は電話ボックスに入ると電話した。「・・・息子さんを探す力のある女の子を見つけました。・・・17歳くらいの超能力者です・・・」 この電話は盗聴されていた。チルドレスの一味だ。「プリマスホテルだ!」 プリマスホテルは、安ホテルだ。チルドレスの一味が駆けつけた。ピーターがいた。彼は裸同然の姿でホテルを逃げ出した。外階段から飛び出し、アパートの窓から侵入した。服を奪い、髪を染め、変装したピーターが外へ出た。しかし、チルドレスは見張っていた。ピーターは見回りのパトカーを奪って逃げ去った。 パラゴン研究所では、様々な超能力の実験が行われていた。ギリアンは検査を受ける為に研究所を訪れた。所長のマキーパー(チャールズ・ダーニング)は肥満気味の温厚な先生だ。 ギリアンが階段でマキーパーの手に触れた、その瞬間、マキーパーは凍りついた。マキーパーの手から血が噴出した。ギリアンは階段に幻覚を見た。青年が階段を駆け上り、窓から転落していく・・・ 我に返ったギリアンは叫んだ。「触らないで!!」 ギリアンは興奮状態にあるとき、触れた者に血を流させる体質があるのだった。 マキーパー所長の元へチルドレスが訪ねて来た。チルドレスの左手はピーターに撃たれ義手になっていた。「・・・ギリアンはロビン並か?」 「・・・彼女はいかさまでした・・・」 チルドレスは言った。「嘘を言うな!」 チルドレスはギリアンに目を付けていた。彼は、今ロビンがいるPSI(別の研究所)にギリアンを連れて行くとマキーパーに告げた。 その頃、ピーターはパラゴン研究所の看護婦ヘスター(キャリー・スノッドグレス)に会っていた。ヘスターはピーターの愛人である。「ロビンを助ける為、ギリアンが必要だ。ギリアンを連れ出して欲しい」 看視されている中、ギリアンを外へ連れ出すのは至難の技だ。 ギリアンは寝付かれない。ロビンの様子が幻覚で見えるのだ。 ロビンはチルドレスの洗脳を受け、人格が凶暴になってきていた。何かにつけて当り散らす。ロビンの世話をするスージーも手を焼いた。気晴らしに遊園地へロビンを連れ出した。しかし、回転するフェリス観覧車にアラブ人が乗ったのを見て、ロビンは意識を集中した。すると、ロビンの額に血管が脈打ち始めた。観覧車は異常なスピードを上げ、分解し、砕け散った。 ヘスターが機会を窺い、ギリアンを逃がした。裸足で走るギリアン。ヘスターもそれを追う。車が追って来た。ピーターが銃を構えて待ち構えていた。 ピーターの一発の銃弾がギリアンを追う車の運転手に命中した。車は蛇行し・・・ヘスターを撥ね飛ばしてしまったのである。ヘスターは顔面から血を流し絶命していた。ピーターは悲嘆に暮れたが、追っ手が来る。すかさずギリアンを車に乗せ立ち去った。 夜、ピ-ターとギリアンはPSI研究所の庭に忍び込んだ。ギリアンにはロビンが感じられた。2階にいる! 一方、ロビンも近くに感ずるものがあった。「あの子が来てるな!・・・」スージーは意味が判らない。「・・・?」 「俺は殺されて、あの子が俺の替わりになるのか!」 ロビンはスージーを問い詰めた。ロビンの額に血管が浮き出た。スージーの体から血が流れ出る。 外のギリアンは異変を感じて叫んだ。「やめて!死んでしまう!」 スージーの体が宙に浮いた。「回れ!」ロビンが見つめた。スージーは回転し始めた。部屋中に血を撒き散らした。 ギリアンの悲鳴で照明が付き、犬を連れた追っ手がやって来た。二人は捕らえられた。チルドレスがいた。「息子に会わせてやる」 ピーターがロビンの部屋へ行くと、ロビンはスージーを殺した後だった。惨劇の部屋にロビンは浮いていた。「親父の顔を忘れたのか?」しかし、ロビンは父親が判らない。既に凶暴な悪の権化と化していたのだ。 ロビンはピーターに飛び掛り、二人は窓から屋根へ・・・そして、ロビンは落下して死んだ。息子を助けられなかったピーターは悲嘆の余り、自らも落ちていく。「目障りだ。片付けろ!」とチルドレスが部下に言った。ギリアンは恐怖に震えながら一部始終を見ていた。 翌朝、ギリアンが目覚めると、部屋にはチルドレスがいた。「悲しいことは忘れることだ。・・・私が父親代わりになってやる」 チルドレスはギリアンに近づいた。ベッドのギリアンを抱擁した。ギリアンがチルドレスの目に唇を・・・! その時だ!チルドレスの目から血が溢れた!驚愕したチルドレス???!!。 ギリアンは、全ての怒りを込めた。「地獄にに落ちろ!」 チルドレスは体全体を震わせ、爆発した。 |
| 映画館主から ブライアン・デ・パルマ監督が「キャリー」に続いて作った超能力映画。 彼は、整形外科医の息子として育ち、「父が患者に施す手術を見て、恐怖を抱くとともに、何故か血に魅せられた」と、後に告白しています。その作品には多くの血が表現され、毒々しい感じは否めません。その点はスマートなヒッチコックと違います。 主役に老いてもタフなカーク・ダグラスを起用し、アクションシーンも結構ふんだんです。 超能力少女ギリアンに「キャリー」で映画デビューしたエイミー・アービング。彼女は後にスピルバーグと結婚し、離婚しています。 手を触れずに相手にダメージを与える超能力を政治的陰謀に使おうと画策する情報部員チルドレスにジョン・カサベテスが扮しています。彼は「ローズマリーの赤ちゃん」の夫役などの俳優としてだけでなく、映画監督としても「グロリア」’80などの傑作を残しています。この映画のラストで彼が爆発するのはゲテモノの極みです。 一番、デ・パルマらしい演出シーンは、ギリアンがパラゴン研究所から脱出するシーン。スローモーションとジョン・ウィリアムスの音楽がスリルを高め、ハラハラさせます。 デ・パルマは「キャリー」同様の大ヒットを狙ったのですが、批評家からも観客からの受けも悪くヒットに至りませんでした。しかし、何故か私はむしろ、「キャリー」より気に入っています。 参考文献:ローラン・ブーズロウ著「デ・パーマ・カット」 キネマ旬報社 |
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