| ジャイアンツ 1956・米 | |
![]() 製作:バーナード・スミス 監督:ジョージ・スティーブンス 原作:エドナ・ファーバー 脚本:ジェームズ・R・ウェッブ 撮影:ウィリアム・C・メラー 音楽:ディミトリ・ティオムキン 出演:エリザベス・テーラー ロック・ハドソン ジェームズ・ディーン マーセデス・マッケンブリッジ デニス・ホッパー キャロル・ベーカー サル・ミネオ チル・ウィルス ![]() ![]() ![]() |
物語 1920年、東部メリーランドの名門の令嬢レズリー(エリザベス・テーラー)は、馬を買いに来たテキサスの牧場主ビッグ・ベネディクト(ロック・ハドソン)と恋に落ちた。 結婚した二人がビッグのレアータ牧場にやって来た。そこは59万エーカー(2380Km2)という途方も無い広さだ。数万頭の牛の群れがビッグの財産だった。 ビッグの姉ラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)は、男勝りで独身だった。牧童のジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)はひねくれ者で、ラズには可愛がられていたが、ビッグとは相性が悪く、反発しあっていた。 ジェットはレズリーを羨望の眼差しで眺めた。ある日、ジェットの車でレズリーをメキシコ人の村へ案内する機会があった。メキシコ人たちはレアータ牧場の雇われ人たちだ。 「貴方は変っているわ、でも好きよ」 「・・・俺もさ、このあたりにあんたほどの美人はいない」 メキシコ人のアンヘル家では母親が病気で赤ん坊も高熱を出していた。 ラズが落馬し、打ち所が悪く死んだ。レズリーは帰ろうとした医者に言った。「メキシコ村のアンヘルが病気なの、診てください」 医者は躊躇した。ビッグがすかさず言う。「あいつ等だけは診ないんだ」 「何故?同じレアータ牧場の人間でしょ」 レズリーはビッグを説得し、医者に見せたため、アンヘルは快復した。 以後、レズリーはメキシコ人医師グエラとメキシコ村を回り、彼らの生活を改善していった。 ラズの葬式が行われた。ラズの遺言でジェットに僅かな土地が残された。 ビッグはジェットをこの土地から追い払おうと、土地代金の倍の1200ドルをジェットに渡すがジェットは断った。「ラズの遺志を尊重し、あの土地はもらう」 ジェットは僅かな土地に“リトル・レアータ”の看板を取り付け、石油の掘削を始めた。 ビッグとレズリーの間に男と女の双子の赤ん坊が生まれた。続いて女の赤ん坊が・・・。 4歳になった長男のジョーダンをレアータ牧場の跡取にしたいビッグは無理やり馬に乗せた。怖がって泣き出すジョウダンに苛つくビッグ。 子育ての意見が食い違うビッグとレズリーはことあるごとに口喧嘩になる。レズリーは子供を連れ実家のメリーランドに帰った。 緑したたるメリーランドへレズリーたちを迎えに行くビッグ。やはり、ベネディクト家にはレズリーが必要だった。離れて暮らして、初めて愛の絆の深さを知ったのだ。 石油の掘削に余念がなかったジェットは、ある日、とうとう石油を掘り当てた。噴出した石油に全身ずぶぬれになり、ベネディクト家へやって来た。 「ビッグ・・・掘り当てたぜ、もう、あんたなんか問題じゃない、俺は金持ちだ!」そして、レズリーに「あんたは本当に美人だな、食っちまいたいぜ」 ビッグ、それを聞き、ジェットを殴り倒す。ジェットも反撃し、不敵に笑いながら車で去っていった。 やがて、ジェットは「ジェッテキサス石油会社」を起こし、堂々たる社長になっていった。 青年となったビッグの長男ジョーダン(デニス・ホッパー)は、牧場を継がず医師になるといってビッグを落胆させた。 長女ジュディの婚約者ボブも小さな牧場で暮らしたいという始末で、巨大なレアータを継ぐ者がいない。 「レアータのどこが気に食わんのだ!」ビッグは祖父の代から築き上げたレアータは自分の代で終わりだと悟るしかなかった。 クリスマスの夜。アンヘルの息子オブレゴン(サル・ミネオ)が出征のため挨拶に来た。かってレズリーが高熱を出していた赤子を助けたことがあった。その赤子が立派な青年になり、出征するという。 長男ジョーダンはグエラ医師の紹介でメキシコ人の娘、ホアナと会い、やがて結婚することになる。 そんな時、ジェットがビッグのもとへやって来た。今や石油王のジェットは石油事業の拡大のためビッグを取り込みに来たのだ。ビッグはやむなく応じた。 レアータは石油の土地に変貌していく。巨額の利益を享受したビッグだが、どこか空虚な気がしてならないのだった。 アンヘル・オブレゴンが戦死した。悲嘆に暮れるオブレゴンの両親を慰めるビッグ。かってのビッグにはメキシコ人と話をするなど考えられないことだった。メキシコ人は牧場の下働き人であり、祖父の時代からずっとそうだったのだ。 やがて、長女ジュディ夫婦と長男ジョーダン夫婦に揃って子供が生まれる。ジョーダンの子は褐色のメキシコ人との混血だ。ビッグは褐色の孫をじっと見つめた。 「ジェット・リンク空港とホテル」の完成祝賀会が開催されることになった。ベネディクト一家も招待された。 ジェットは演説を前に酒を飲んで、ビッグの次女ラズ(キャロル・ベーカー)を口説いていた。ラズもジェットが好きだった。 ところがジョーダンの妻ホアナがホテルの美容院で差別を受けたことに激怒したジョーダンは演説会場に入って来たジェットに食って掛かり、逆にジェットに殴り倒されてしまった。 ビッグも黙ってはいられない。「ここでやるか、外へ出るか」 酒蔵へ入った二人。ジェットは酔っており、足元がふらついている。 「・・・殴る価値もない。ジェット、はっきり言っておく、お前は終わりだ」ビッグは酒の棚を将棋倒しにした。 その後、ジェットは演説の壇上で失神し、気が付いた時は誰もいなかった。 「・・・テキサスの土地から俺は富を奪い取った。・・・哀れなジェット・・・何のために戦った・・・美しいレズリー・・・生涯を共にしたい女性・・・」 ジェットは壇上から転がり落ちてそのまま気絶した。 ドアの隙間からラズがその様子を見ていた。 帰りの道でビッグはレストランに寄った。大柄なレストランの主は褐色のホアナや子供を見て嫌悪感を露わにした。 続いて入って来たメキシコ人の客を見るや「出て行ってくれ」と追い出そうとした。 「もっと優しくしてやったらどうだ」ビッグが立ち上がった。 ビッグと主との壮絶な殴り合いが始まった。双方とも巨漢だけに迫力があった。 ハラハラしながら見守るレズリーたち。 だが、ビッグはサラダの屑まみれになり、倒された。主はビッグの胸に壁の額を投げつけた。額には「当店はサービスを拒否する権利を有す」と書いてあった。 レズリーの膝枕で横になるビッグ。顔が痣になっている。レズリーは子供をあやすような優しい顔である。 「貴方は偉大よ。カウボーイ姿の貴方もいいけれど、初めて誇らしく思ったのはレストランの床に倒れていた貴方よ。あの時、貴方は私の本当の英雄になったのよ」 ビッグはしみじみとレズリーの顔を見た。「・・・90まで生きても君という女は良く解らないだろうね」 レズリーは胸をはずませて言った。「あの喧嘩、素敵だったわ」 すぐ近くの柵の中で、二人の会話を幼い二人の孫が見つめているのだった。 ![]() |
| 映画館主から ジョージ・スティーブンス監督が、あの傑作西部劇「シェーン」の3年後に発表した、スケールの大きな大河ドラマ。 エリザベス・テーラー、ロック・ハドソン、ジェームズ・ディーンの3人を軸に、テキサスの広大な土地を舞台にした30年間に亘る確執を描いています。 50代になった3人は、頭に白いものが混じり、それぞれ好演です。 特にこの映画が遺作となったジェームズ・ディーンが印象に残ります。彼は自分の出演シーンの撮影終了後に自動車事故で死亡し、完成した作品を見ることもできませんでした。 ディーンは前年の「エデンの東」と同様、愛に飢えた青年を演じ、故人でありながらロック・ハドソンとともにアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。しかしながら同年の「王様と私」のユル・ブリンナーに渡りました。 この映画でもアメリカの人種差別の根強さが浮き彫りにされています。ロック・ハドソンの演ずるベネディクト家の主人ビッグの人種差別からの目覚めのドラマでもあります。 ビッグの長男を演じたのは新人時代のデニス・ホッパー。彼は「理由なき反抗」でもジェームズ・ディーンと共演し、その感化を受けて旧態依然のハリウッドに反発、干されていた時期もありましたが「イージー・ライダー」(’69年)で監督・主演、若者たちの圧倒的な支持を受けて復活、そして又、アル中、ドラッグの罠にはまりと紆余曲折を経て現在も曲者男優として活躍しています。 ジョージ・スティーブンスは、本作で「陽のあたる場所」(’51年)以来2度目のアカデミー監督賞を受賞しています。 ディミトリ・ティオムキンのテーマ音楽もドラマの壮大さを良く伝えておりました。 |
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