「愛な霧のかなたに」
愛は霧のかなたに
      1988・米
愛は霧のかなたに


製作総指揮:
    ピーター・グーバー
    ジョン・ピータース
製作:アーノルド・グリムシャー
    テレンス・クレッグ
監督:マイケル・アプテッド
原案:ダイアン・フォッシー
脚本:アナ・ハミルトン・フェラン
撮影:ジョン・シール
音楽:モーリス・ジャール

出演:シガニー・ウィーバー
    ブライアン・ブラウン
    ジュリー・ハリス
    ジョン・オミラ・ミルウィー
    コンスタンチン・
アレクサンドロフ
    イェーン・グレン








    
    
物語

中央アフリカの山奥にだけ棲息するマウンテンゴリラが、絶滅の危機に瀕している。
リーキー博士の講演を聴いたダイアン・フォッシー(シガニー・ウィーバー)は、ゴリラの調査の仕事を自分にさせて欲しいと熱心に説得した。最初は申し出を断っていた博士も彼女の真剣な態度に折れた。

ナイロビ空港に出迎えたリーキー博士の指示で、山のガイド・センバガーレ(ジョン・オミラ・ミルウィー)を雇い、食料を調達した。
だが、共に行動するものと思っていた博士はダイアンにジープと地図を渡すと、すぐに別の地へと旅立ってしまった。

ダイアンたちは、ゴリラ研究家のシャラーがかって住んでいた小屋を目指した。コンゴは内乱が続き、道には兵隊や避難民が溢れていた。
ガイドのセンバガーレは英語を話す有能なガイドだが、ゴリラのことはまったくの素人で、ダイアンは失望した。だが、センバガーレの案内でシャラーの小屋は見つかった。

ゴリラ探しが始まる。密林の中を来る日も来る日も歩き回り、6週間たってようやく、ゴリラの群れに出会った。恐る恐る群れに近づくダイアン。
巨大なメスゴリラが、ダイアンの横に座り、手を触れた。ダイアンは感動に胸を弾ませるのだった。

次第にゴリラたちに打ち解けていったダイアンは博士に日々の報告を送った。ゴリラは人間に最も近い動物だという実感をダイアンにもたらした。
しかし、コンゴの政情は情け容赦無く、ある日突然、キャンプへやって来た兵士たちに彼女たちは追放されてしまう。

難民達とともに国境を越えたダイアンは、ルワンダに住むリーキー博士の友人ロズ・カー(ジュリー・ハリス)を訪ねた。ロズ・カーはアフリカをこよなく愛する女性で、挫折しそうになっていたダイアンを勇気付けた。

ルワンダ側から山へ登るダイアンたち。そして、ゴリラの棲息する地域へたどり着いたダイアンは、そこに小屋を建て、カリソケ研究センターと名づけた。ダイアンは新たな旅立ちに夢を膨らませた。

ゴリラたちと以前にも増して深い絆を築きかけたある日、5頭のゴリラが殺され子供ゴリラが連れ去られる事件が起きた。ダイアンは悲痛にくれる。密猟者は白人に雇われたバトワ族たちだった。ゴリラの手や首、子供は高く売れるのだ。

3人のレインジャーを雇い、ジャングルの巡回を始めるダイアン。ゴリラを捕らえるための罠を撤去する地道な作業だ。そんなある日、一人のカメラマン、ボブ(ブライアン・ブラウン)と出会い、二人は次第に惹かれあっていく。
だが、彼女と親しくなっていた雄ゴリラ・ディジットがまたもや密猟者によって殺された。手首と首が切り取られていた。

それからの彼女は怒りと哀しみで、狂ったようにバトワ族への攻撃を開始するのだった。密漁犯人を縛り首にしようと脅したり、キャンプに火を放ったりした。3人のレインジャーたちも彼女の激しい行動を批判し始める。ダイアンにはもはやゴリラのことしか頭に無く、ボブは仕事で他の地へ去って行った。

長年ダイアンに仕えてきたセンバガーレだけはダイアンの味方だった。彼女の異常とも思える行動を理解した。

ゴリラを愛したあげく狂ってしまったとさえ思われたダイアンは、やがて18年間過ごした小屋の中で、何者かに惨殺されてしまうのだ。

その葬儀に訪れたロズ・カーは言うのだった。「あなたは死んでしまったけれど、ゴリラたちは生きているわ」

ゴリラを愛し、生涯をゴリラに奉げたダイアンの努力で、マウンテンゴリラは現在、絶滅の危機を脱し、増えつづけている。
映画館主から

本作は実在の女性動物学者ダイアン・フォッシーの著書「霧の中のゴリラ」を原作にした、ダイアン・フォッシーのマウンテンゴリラとの交流を映画化したものです。
ダイアンは1966年、35歳の時、アフリカに渡り滅び行くマウンテンゴリラの生態の観察を始めました。コンゴは内乱が続いており、国外に追われたダイアンは隣国ルワンダで研究を再開します。
やがて、密猟者たちとの戦いが始まります。ゴリラの保護に心を砕く彼女は時として異常なほどに密猟者に制裁を加えます。人間に最も近い"森の思索者”ゴリラはそれ程までに彼女を魅了したのでした。
そんなダイアンはある日、何者かに殺害され非業の最期を遂げました。54歳でした。

シガニー・ウィーバーはダイアンを見事に演じきり、ゴールデングローブ最優秀主演女優賞を得ました。ブロンクスの動物園でゴリラを観察することから役作りを始めたという彼女は時としてゴリラそっくりの顔つきをする場面があります。「エイリアン」シリーズとはまた別の顔を見せてくれました。

撮影は、海抜3600メートル級の高峰が連なるルワンダのビルンガ山脈をベースに敢行されました。調教されているとはいえ、ゴリラたちは演技をしているかに見えます。シガニー・ウィーバーとのからみはスリリングです。

共演は「FX/引き裂かれたトリック」のブライアン・ブラウンが写真家ボブに、現地の案内人センバガーレにジョン・オミラ・ミルウィー(非常にいい演技です)。
そして何より懐かしかったのは「エデンの東」でジェームズ・ディーンの恋人アブラを演じたジュリー・ハリス。彼女はダイアンの協力者で無二の親友ロズ・カーを演じたのです。その慈愛の眼差しは昔のままでした。

監督のマイケル・アプテッドはアガサ・クリスティの失踪事件を題材にした「アガサ/愛の失踪事件」’79や、シシー・スペイセクがアカデミー主演女優賞を獲得した「歌え!ロレッタ・愛のために」’80で知られています。

この作品は映画をこよなく愛する台湾の友人・Hansのリクエストによりご紹介しました。
This work is presented to Hans!

      参考資料:公開時パンフレット
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