| 大砂塵 1954・米 | |
![]() 監督:ニコラス・レイ 原作:ロイ・チャンスロー 脚本:フィリップ・ヨーダン 撮影:ハリー・ストラドリング 音楽:ビクター・ヤング 出演:スターリング・ヘイドン ジョーン・クロフォード スコット・ブラディ アーネスト・ボーグナイン ワード・ボンド ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 ギターを背中にジャニー(スターリング・ヘイドン)は馬でアリゾナ山中のビエンナの店に向かっていた。 山の上から駅馬車が数人に襲われるのを目撃したが、彼には関係の無いことだった。 凄まじい砂嵐の中、ビエンナの店にたどり着く。ビエンナ(ジョーン・クロフォード)が二階から姿を現した。二人の間にはこれといって会話は無い。 ビエンナはこの土地に鉄道を通す話に乗り気で土地開発会社の人間と会っていた。 そこへ、物々しく一団が押しかけた。保安官もいる。一人の死体を運び込む。死体はこの付近の広大な土地の持ち主のエマの兄だった。駅馬車で襲われたのだ。 エマは駅馬車強盗はキッド一味の仕業と思いやってきたのだ。 「ダンシング・キッドを渡せ」保安官が言った。「ここには住んでいないわ」ビエンナが言った。 マカイバー(ワード・ボンド)が言う。「キッドを逮捕する」 「あんた達は大地主で周囲500マイルを独占している。それでも満足せずによそ者を憎む。・・・でも、ここには町が生まれるわ」とビエンナ。 「鉄道なんか通さないわよ」とエマが応酬した。 その時、荒々しくキッドとその仲間が入ってきた。 エマ達がいたので店の空気が張り詰めた。 その時、中で様子を見ていたジャニーがギターを持って現れた。やにわにギターを奏でる。キッドがエマの手を取り踊りだす。エマはキッドに惚れていた。しかし、キッドはビエンナに気があると知って嫉妬しているのだ。 結局、エマの兄の死にキッドの仕業との決め手がなく、一団は引き上げていく。別れ際にマカイバーが言った。「24時間後にこの付近一帯を閉鎖する。博打も酒も禁止だ。退去しなけりゃ全員逮捕する」 エマ達が去った後、キッドの仲間のバート(アーナスト・ボーグナイン)がジャニーにからんで無理やり酒を飲ませようとした。自然の成り行きで二人は殴り合いになる。「外でやって」ビエンナは言う。 やがてバートはふらふらになり店で倒れた。「まずいことをしたな。バートは執念深い。仕返しされるぞ」キッドはジャニーに言い、バートを連れ立ち去った。 キッドの若い子分のターキーは、別れ際、「俺は大人だと証明しようか」と言って、テーブルの上のグラスを銃で撃った。その音で奥からジャニーが飛び出して来た。ターキーの手から拳銃を撃ち落し、続けざまに床に転がる拳銃を撃った。 ビエンナはジャニーを睨んで言った。「まだ拳銃狂いね、5年前と少しも変わってない」 「君を守ろうとしたんだ。君だってまだ酒場にいるじゃないか」 「いまは店主よ」 山のキッドの隠れ家で、キッドは提案した。「濡れ衣は癪だ。仕返しに一仕事やるぞ」 町の銀行を襲う計画だった。 ビエンナの店。ジャニーとビエンナは5年ぶりの再会だった。5年の間には色々あった。「嘘でもいい、ずっと待ってたと言ってくれ」 「ずっと待ってたわ」気丈なビエンナも拳銃使いのジャニーと別れたが心細さにジャニーを呼び寄せたのだった。二人は激しく抱き合った。 ビエンナが町の銀行で金を下ろしている。ジャニーは外で待っていた。 その時、キッド一味が銀行を襲撃した。 驚くビエンナ。「今まで何もしていなくても、これで言い訳が通らなくなるわ」 「俺たちは追放だ。手ぶらで行けるか」キッドたちは金を奪い逃走した。 丸腰のジャニーには手出しができない。キッド一味と同時に銀行にいたらビエンナがエマに仲間と疑われる。 追跡隊がエマを先頭に追って来た。キッドの手下ターキーは逃げる途中負傷して、ビエンナの店へ逃げ込んできた。 エマ達、追跡隊が店へ乗り込んだ。ビエンナが一人、ピアノを弾いている。 「どこへ隠した」 「知らないわ」押し問答が続いた。その時、部屋の隅のテーブルの下に隠れていたターキーが見つかってしまう。 「二人とも縛り首だ」 エマ達はビエンナの店に火を点けた。 ターキーとビエンナは橋げたの下へ連行された。ターキーが縛り首になった。ビエンナも覚悟を決めた。馬の上で後ろ手に縛られ、首に縄が掛けられた。だが、誰も馬に鞭をくれたがらない。「自分でやるのね」とビエンナがエマに言う。 エマが鞭を振り上げた。その瞬間、橋げたの上に忍び寄っていたジャニーがロープを切った。ビエンナを乗せたまま馬が走る。続いてジャニーが。 燃え盛るビエンナの店。ジャニーとビエンナは地下の坑道から裏側へ出る。川を渡り、滝の下をかいくぐってキッドの隠れ家へ向かった。 キッド達3人がいた。キッドとバートはジャニーが一緒なのが気に入らない。 「リンチから救ってくれたのよ」ビエンナが言った。 バートは追っ手が来る前に金を持って逃げようとしていた。仲間の一人を刺し殺し、見張りに出ていたキッドを後ろから撃とうとした。その時、ベランダからジャニーが飛び降りバートを倒す。 銃声を聞いたエマと追跡隊が隠れ家に集結した。 エマは拳銃を構え隠れ家のビエンナに向かう。女同士の一騎打ち。 銃声。ビエンナがエマに撃たれたかに見えた。それを見たキッドが叫び走った。エマが振り向きキッドの額を撃ち抜いた。直後、立ち上がったビエンナがエマを撃った。エマは断末魔の叫びとともに地面に落ちた。 傷ついたビエンナを支えるようにジャニーが付き添って歩いて行く。もはや、追跡隊は二人に手出ししない。滝をくぐり、二人だけでしっかり抱き合うのだった。 |
| 映画館主から 1890年代、鉄道敷設が進行していたアリゾナが舞台の異色西部劇。 監督は、「理由なき反抗」’55や「北京の55日」’63で知られるニコラス・レイ。 もとヤクザ者のギター弾きと酒場を経営するかっての恋人との愛と冒険のお話です。熱狂的なカルトファンが多いといわれます。 日本題名の如く、巻頭の砂塵は凄まじいものがあります。原題は「JOHNNY-GUITAR」と、主人公のギター弾きの名前です。 このジャニー・ギターを演ずるスターリング・ヘイドンが最高に渋い。「アスファルト・ジャングル」(’50 ジョン・ヒューストン監督)、「現金に体を張れ」(’56 スタンリー・キューブリック監督)、「博士の異常な愛情」(’64 スタンリー・キューブリック監督)でもその独特の不敵な面構えで強烈な印象を残しています。 「ゴッドファーザー」(’72 フランシス・F・コッポラ監督)ではアル・パチーノにレストランで額を撃ち抜かれて死ぬギャングのボス役でした。 一方の酒場の経営者は「グランド・ホテル」’32などの名女優ジョーン・クロフォードです。男勝りな気丈なマスクで敢然と敵と渡り合う演技には迫力がありました。 映画の巻末に流れるペギー・リーの唄う主題歌「ジャニー・ギター」が哀愁を誘い映画以上にヒットしました。 |
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