| キングコング 1933・米 | |
![]() 製作総指揮: デビッド・O・セルズニック 製作:監督: メリアン・C・クーパー アーネスト・B・シュトザック 脚本:ジェイムズ・グリールマン 撮影:エディ・リンデン 特殊技術:ウィルス・オブライエン 音楽:マックス・スタイナー 出演:フェイ・レイ ロバート・アームストロング ブルース・キャボット フランク・ライチャー ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 ジャングル映画の製作者、カール・デナム(ロバート・アームストロング)は、ノルウエーの船長が書き表した航海記を読み、ある野望を抱いていた。 「前代未聞、最高の映画を作ってやる」 その航海記によれば、スマトラの西に海図にない島があり、そこにはコングというとてつもない巨大な生物がいるのだ。 デナムは、航海に先立ち、町で出会った美女、アン・ダロー(フェイ・レイ)が気に入り、「君に主役をやる」と約束した。アン・ダローは生活に困っている身だった。不安と期待に胸をふくらませるアン。 撮影隊を乗せた船が海へ。スマトラの西、海図にない島へ。 航海の続く間に、デナムの部下ジャック(ブルース・キャボット)はアンに関心を覚えていた。 やがて、霧の中に骸骨山のある島へ近づいていく。何やら太鼓の音が聞こえてくる。これがその島か。一行はときめいた。 大きな鳥が空を飛んでいる。撮影機材を積み、ボートが島へ着いた。 高い塀がそびえる。巨大な門。その前で、多くの原住民が太鼓を叩き、踊っていた。 「凄いショーだわ、こんなの初めて見た」アンはワクワクした。 陰に隠れて撮影隊が撮影しようとすると原住民に感づかれた。酋長らしき者がやって来て言う。「女を奉げろ」 デナムたち、「明日、又話し合おう」と、その場を立ち去る。 その夜、船の甲板でジャックはアンに愛を告白した。アンの気持ちも同様だった。 しかし、ジャックが離れた隙に忍び込んだ原住民にアンは連れ去られてしまった。全員、アンが消えたので大騒ぎになる。 皆は銃を持ち、ボートで島へ向かう。 島では、松明を燃やし、太鼓を叩いて原住民たちが踊る。その中に縛られたアンがいた。巨大な門のカンヌキが引き抜かれ、門が開かれた。アンが門の中に置かれ、門は再び閉ざされる。 恐ろしい咆え声とともに森をなぎ倒して、巨大なゴリラ(コング)が姿を現した。アンを見ると、コングは縄を切り手の中に掴み上げる。悲鳴を上げるアン。 駆けつけたジャックたちは、コングを追って密林の中へ。 恐竜の出現。ここは、巨大生物の島だった。筏を作り河を渡る。谷を渡した丸太橋をコングが揺さぶる。次々と谷に落ちる人々。ジャックはかろうじて谷の壁穴に避難した。 コングはアンを掴んで山に登る。コングと大蛇との闘い。ジャックは蔦をよじ登り追いかけると、コングと巨大な鳥が戦っていた。 その隙にジャックはアンを連れ、蔦を使って断崖を降りていく。コングに見つかり彼方の湖に落下する。しかし、二人は見事無事に帰還した。 デナムは喜び叫んだ。「コングは世界中の映画も叶わない値打ち物だ」 その時、コングが追って来た。巨大な門のカンヌキをへし折って門を破った。海岸までやって来たコングはガス弾により意識を失った。 デナムは叫ぶ。「ブロードウエイにネオンだ!世界第8の不思議!コング!!」 ショーの幕が上がる。柱に縛られたコング。会場に集まった観衆は巨大なモンスターを見て驚きの声をあげた。 アン登場。続いてジャック。二人は結婚するのだ。デナムの司会で始まったショーだ。コングをバックに二人に集まったカメラマンのフラッシュがたかれた。 フラッシュがたかれた時、コングが恐ろしい力を出し、鉄の鎖を引き千切った。観衆はパニックになり、劇場を逃げ出した。 町に出るコング。ビルによじ登る。部屋の中にいたアンをつかみ出し再び町へ。 高架を走る電車を叩き落し、アンを掴んだまま、エンパイアステートビルをよじ登っていく。とうとう、コングは天辺へ。 軍の攻撃隊が出動した。4機の複葉機がエンパイアーステートビルの天辺にいるコング目掛けて機銃掃射。アンは僅かなヘリに寝かされている。 コングに近づきすぎた一機が叩き落された。だが、遂にコングは力尽き地表に落下していった。 アンはジャックにより救出された。ビルの下に横たわる巨大なコング。 「さすがのコングも飛行機にはかないませんでしたね」記者団が言うと、デナムは答えた。「いや、コングは美女に殺されたんだ」 |
| 映画館主から 公開当時、世界中を驚かせたモンスター映画の原点であり、特撮映画の古典的名作。 製作は「風と共に去りぬ」’39年の大プロデューサー、デビッド・O・セルズニック。 ストーリーは単純ですが、美女に恋した巨大ゴリラの悲劇的運命は今見ても驚異です。一こま一こまの特殊撮影は気の遠くなるような手間のかかる仕事です。現代のCGも顔負けのリアリティ映像が、今から70年も前に作られたとは信じ難いほどです。 キングコングをはじめ、恐竜や大蛇、有史以前の世界が残る島。まさに「ジュラシックパーク」です。原住民が神と恐れるコングはアンの出現により、恋をしたのです。コングはアンに対しては優しく対し、恐竜などの外敵から守るのでした。 身長18メートルのコングがニューヨークの劇場で見世物にされ、最後にはエンパイアステートビルの屋上に上る。そのコングを撃ち落すのが複葉機とは、さすがに時代を感じさせます。 このビルはこの映画の2年前に竣工されたばかりの、当時文字通り世界一の高さのビルです。 381メートル、地上102階。私も昔、高校生の時、この102階の展望台に登ってまさに天に登るような気分を味わったことがあります。 リメイク版「キングコング」(’76年、ジョン・ギラーミン監督、ジェシカ・ラング、ジェフ・ブリッジス主演)では、世界貿易センタービルに変わっていましたが、このビルは、2001年9月11日のあの忌まわしいテロによって多くの犠牲者とともに崩壊してしまいました。 まさに現代のモンスターは、愛すべきキングコングに似ても似つかぬ、世界中で非道な殺戮を繰り返すテロリストでありましょう。 |
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