「汚れなき瞳の中に」
汚れなき瞳の中に 1988・米


製作:アンドリュー・G・
ラ・マーカ
製作:監督:脚本:
    フランク・ラロッジア
撮影:ラッセル・カーペンター
美術:ハワード・クリング
    ケネス・ウォルフJr

出演:ルーカス・ハース
    レン・キャリオー
    アレックス・ロッコ
    キャサリン・ヘルモンド
    ジェーソン・ブレッソン
    レナータ・バニー
    アンジェロ・パートリーニ
    ジョエル・ジャコビー
    ジャレッド・ラシュトン
    グレゴリー・レビンソン








物語

ロサンゼルスからウィローポイント・フォールズへやって来た小説家のフランキーは、丘の中腹の墓地に立ち寄った。彼には未だに忘れることの出来ない思い出があったのだ。

1962年のウィローポイント。少年フランキー(ルーカス・ハース)は、父アンジェロ、兄ジーノ、父の親友フィル、祖父母らに囲まれて幸せな日々を過ごしていた。
ハロウィンの日。フランキーは、いたずら仲間たちに学校のロッカールームに閉じ込められてしまった。外に出られないまま夜になった。うとうとしていると、どこからともなく少女が現れ、突然苦しみだした。母を呼びながら倒れた彼女は、目に見えない何者かに抱き上げられドアをすり抜けて消えていった。
驚いているフランキーの前に、ドアを開けて入ってきた何者かはフランキーに気づき、フランキーの首を締めたのだ。
薄れゆく意識の中で、フランキーはさっきのメリッサという少女が母親がいなくなったので探して欲しいと頼まれる夢を見た。

翌日、フランキーは自宅のベッドで意識を取り戻した。新聞にこれまで街で起きた子供だけを狙った11件の殺人事件が載っていた。驚いたことにその最初の犠牲者がメリッサだったのだ。
フランキーを元気づけようと、父の親友で仕事仲間のフィルが弓を持って見舞った。
その頃、学校の黒人の用務員ハロルドが殺人事件の容疑者として逮捕され、取り調べを受けた。しかし、彼は無罪を主張した。

フランキーはロッカールームでの出来事を思い出した。何者かは、あの時、通風孔に何か落とした。探しに行くと、そこからハイスクール・リングが見つかった。
ある日、いたずら仲間に誘われてお化け屋敷と言われている家に行った。探検していたフランキーは、メリッサの部屋を見つけた。すると、どこからとも無くメリッサの母親を探してくれという声が響き渡った。突然、もの凄い形相の老婆が現れたので、フランキーたちは必死に逃げた。

ジーノはフランキーの部屋にメリッサが来ているのを見て驚いた。その時、時計台のチャイムが夜10時を告げた。ジーノとフランキーはメリッサに誘われるようにロッカールームに行くと、犯人がメリッサを抱き上げ崖の方へ歩き出していた。後を追う二人。しかし、ジーノが足を怪我したので、フランキーは一人で犯人を追った。犯人は断崖の上から、メリッサを投げ捨てた。
駆けつけた母親は、崖下の変わり果てた我が子の姿を見てショックのあまり、自分も後を追うように飛び降りてしまった。
追いついたジーノは恐怖に震えるフランキーを抱きしめるのだった。

黒人用務員のハロルドは証拠不十分で釈放された。裁判所の前で喜びに抱き合うハロルドと妻。しかし、車に乗り込んだ二人に近づいてきた女性が、バッグからピストルを取り出すとハロルドを撃ったのだ。取り押さえられた女性は半狂乱になっていた。彼女は一連の事件の犠牲者の母親だった。

ジーノは、ハイスクール・リング刻印から持ち主が誰か調べていた。そして、卒業アルバムにそれを見つけた。それは何と、思いもよらぬ人物だった。

その頃、フランキーはフィルから弓の手ほどきを受けていた。帰り際、フィルのなにげない口笛を聞いて、フランキーは凍りついた。それは、メリッサが口ずさんでいた曲だったのだ。
フィルはフランキーの様子で察した。この子は知ってしまった!必死で逃げるフランキー。追うフィル。お化け屋敷に逃げ込んだ。妖気ただよう老婆が現れた。屋敷から逃げ出したフランキーをフィルが断崖に追い詰めた。
あわや、フランキーが落とされそうになった時、メリッサの母親が現れた。白衣をなびかせた母親は、フィルを断罪した。フィルは叫びながら絶壁から落ちていったのだった。

小説家フランキーは、夢だったのか、現実だったのか、多感な少年の日の悪夢を振り返って、メリッサ親子の墓を見舞ったのだった。
映画館主から

「刑事ジョン・ブック/目撃者」’85で、あどけない目撃者を演じ、一躍注目されたルーカス・ハース主演のミステリアス・ファンタジーです。
ルーカス少年の瞳の中に吸い込まれるように感情移入して、不思議な幻想の世界に入って行くと、現実に待っていたのは、犯人が一番身近な信頼するべき人間だったというショック。

11歳の時に16ミリカメラをて手にしたフランク・ラロッジア監督は映画を作りつづけ、数々の短編映画を各国の映画祭に出品して、話題をさらい、役者時代、テレビに主演してハリウッドへの足がかりを掴みました。

フランク・ラロッジア監督の少年時代の体験を織り込んだという本作は、ミステリーとファンタジーを見事に融合させて、見るものをくぎ付けにするエンターテイメントに仕上げています。

犯人として無実の黒人用務員が逮捕され、その家族までが冷たい視線をあび、また釈放されて、事件の被害者から殺害されてしまうなど、人種問題や、我が子をなくした親の哀しみが生んだ二重の悲劇を織り込み、社会派ドラマ的な要素も加えています。

私は怖い映画が好きですが、この作品は正直、相当怖いです。鳥肌が立つ場面が随所にありました。

       参考文献:公開時パンフレット

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