| 昼下がりの情事 1957・米 | |
![]() 製作:監督:脚本: ビリー・ワイルダー 原作:クロード・アネ 脚本:I・A・L・ダイアモンド 撮影:ウィリアム・C・メラー 音楽:フランツ・ワックスマン 出演:ゲーリー・クーパー オードリー・ヘプバーン モーリス・シュバリエ ![]() |
物語 パリの私立探偵シャバスはX氏の依頼を受け、X夫人の浮気調査をしていた。シャバスの仕事は正確だ。やはりX夫人の相手はプレイボーイで名高いアメリカの富豪フラナガンだった。彼は行く先の国々に恋人がいる。 シャバスの一人娘アリアンヌは好奇心旺盛な女学生。音楽学校でチェロを勉強している。時々、父の調査書類を盗み読んで、男女の裏行動にどきどきするのだった。 そんな時、X氏がやって来た。「相手はアメリカの富豪、フラナガンです」と、シャバスから調査の結果を告げられると、X氏は興奮し、ピストルを取り出した。「殺してやる」・・・・・・・たまたまアリアンヌは隣の部屋でそれを聞いていた。 リッツホテル14号室。フラナガンの所へ今夜もX夫人がやって来た。10時になると4人の楽隊が来て「魅惑のワルツ」を奏でる。二人はムードを出してダンスに興じていた。 ベランダからアリアンヌが入り、急を告げた。「X氏が殺しに来ます」 ピストルを構えたX氏がドアを蹴飛ばし入ってきた。「何か?」とフラナガン。「貴様がフラナガンだな」とX氏。しかし、フラナガンと一緒の女はX夫人ではない。「・・・・・・・・??」 X氏は非礼を詫び帰っていった。 X夫人はアリアンヌと入れ替えにベランダから逃げたのだ。しばらく、部屋で会話を交わしたアリアンヌはフラナガンの魅力にうっとりしてしまった。「さようなら、おやせさん」 フラナガンがアメリカへ帰ってしまった後、アリアンヌは孤独だった。そして1年も過ぎようとしたある日、オペラコンサートを聞きに行ったアリアンヌは、そこに来ていたフラナガンを見つけたのだ。今度は別の女を同伴していた。フラナガンはアリアンヌを見てもすぐには思い出せなかった。「ああ、あの時のおやせさん!」やっと思い出したフラナガンは夜、リッツホテルへアリアンヌを誘った。 夜10時、4人の楽隊がやって来て、「魅惑のワルツ」を奏でる。アリアンヌのことを聞くフラナガンにアリアンヌは架空の恋物語をでっち上げた。イギリスの公使、山のガイド、ブリュッセルの銀行家、スペインの闘牛士・・・・・。 最初は笑って聞いていたフラナガンだが、この謎の女が気になり始めた。デートを重ねるが、アリアンヌは自分の名前も明かさない。「いったい何人の男がいるんだ?」フラナガンの問いに「貴方と会う前?後?」と初老のプレイボーイを翻弄するアリアンヌ。 すっかりいらだったフラナガンはサウナでX氏と再会した。フラナガンの話を聞いたX氏は「いい探偵を紹介しよう」 探偵とはシャバスのことだ。 シャバスのもとをフラナガンが訪れた。「ある女を調べて欲しい」 フラナガンの話を聞くうちにシャバスは思い当たるふしがある。その女とは自分の娘アリアンヌのことだ。 リッツホテルのフラナガンのところへ調査結果を持ってきたシャバス。「女の名はアリアンヌ。男は今のところ貴方一人です。」「・・・・???」報酬はいりません。・・・娘なんです」「・・・・・!?」 これにはさすがのフラナガンも憮然とした。俺としたことが何たることだ!父と入れ違いに娘がやって来た。「急きょ仕事の予定変更で、アメリカへ帰る」驚くアリアンヌを尻目に荷物をまとめるフラナガン。 ホームから列車が動き出した。「じゃ、さよなら」別れを告げるフラナガンにアリアンヌはまだ、様々な男の話をしていた。しかし、何故か目には涙が浮かんでいた。列車がスピードを上げる。アリアンヌは走りながらまだ男の話。フラナガンはアリアンヌを抱き上げるとデッキに招き入れた。 後を付けて来たシャバスが笑顔で列車を見送ったのだった。 「・・・・その後、二人は結婚した。フラナガンはニューヨークで終身刑になるだろう・・・」 |
| 映画館主から とにかくオシャレで、観終わった後、ハッピーな余韻が残る映画です。この時、ゲーリー・クーパー56歳、オードリー・ヘプバーン28歳でした。ヘプバーンはこの映画の前にも「麗しのサブリナ」で、ビリー・ワイルダー監督に起用され、ハンフリー・ボガードとウィリアム・ホールデンを相手に渡り合っています。ワイルダー作品は彼女の代表作でもあり、ファン層をぐっと広めました。 この映画で組んだ脚本家I・A・L・ダイアモンドとの出会いがきっかけで、ビリー・ワイルダーは男女の機微を題材にした傑作コメディを次々と発表しました。「お熱いのがお好き」、「アパートの鍵貸します」、「あなただけ今晩は」、「恋人よ帰れ!わが胸に」などなど・・・。 しかし、ワイルダーはシリアスな作品にも名作を残しています。「失われた週末」、「サンセット大通り」、「第17捕虜収容所」、「翼よ!あれが巴里の灯だ」などです。 しかし、脚本の良さと演出の冴えが本作のような傑作を生むのです。話は単なる初老のプレイボーイと彼を翻弄する背伸びした若い女の話です。それが歴史に残る恋愛映画になるのですから。 前編を流れる「魅惑のワルツ」もムードメーカーになっています。 |
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