| 荒野の決闘 1946・米 | |||
![]() 製作:サミュエル・G・エンゲル 監督:ジョン・フォード 原作:サム・ヘルマン/ スチュアート・N・レイク 脚本:サミュエル・G・エンゲル ウィンストン・ミラー 撮影:ジョー・マクドナルド 音楽:アルフレッド・ニューマン 出演:ヘンリー・フォンダ リンダ・ダーネル ビクター・マチュア キャシー・ダウンズ ワード・ボンド ウォルター・ブレナン ![]() ![]() ![]()
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物語 砂漠のモニュメントがそびえる荒野を数千頭の牛の大群が行く。 ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)とその兄弟、モーガン(ワード・ボンド)、バージル、ジェームズたちがメキシコで買った牛をカリフォルニアへ売りに行くのだ。 途中、彼等はクラントン(ウォルター・ブレナン)とその息子たちに出会った。クラントンは、丘の向うのトゥームストンの町は近く、楽しめる町だと言う。今夜はここで野営することにし、ジェームスを残し、アープたちはトゥームストンへ出かけた。 トゥームストンの町。アープが床屋で髭を剃ろうとした途端、銃弾が飛んで来た。「何て町だ!」 アープが外へ出ると酒場で一人のインディアンが酔って暴れていた。保安官も手が出せない。アープ、すかさず酒場の2階から忍び込むと、伸ばされたインディアンを引きずって出てきた。 「保安官にならんか」声が掛かったが、アープは断った。「髭剃りに寄っただけだ」 雨の中、3人が野営に戻ると牛の大群が消えていた。そして、末の弟ジェームズが雨に打たれて死んでいたのだ。いったい誰の仕業だ。クラントンか? 弟の仇を取らねばならない。アープは町へ行き、保安官に志願した。 酒場でクラントン一家と再会した。「牛を盗まれた」アープは言った。クラントンはほくそえんで言うのだった。「そりゃ、気の毒にな」 アープがポーカーに興じていると、一人の黒ずくめの男が入ってきた。ドク・ホリデイ(ビクター・マチュア)だ。カウンターで酒を飲むドクにアープが近づいていく。ドクが言う「君の名は知ってる。町にいる理由も・・・」 「あんたの勇名もだ。どの町でも聞く。跡をたどると墓場から墓場だ」アープも応えた。 シャンパンで乾杯。二人は意気投合する。 ある日、駅馬車から一人の女が降り立った。近くにいたアープは見とれた。「何か手伝いますか?」 アープが甲斐甲斐しく荷物を運ぶのを、モーガンとバージルがきょとんと見ている。 女はクレメンタイン・カーター(キャシー・ダウンズ)と名乗った。ドク・ホリデイの許婚者で、ドクの後を追って来たのだった。 酒場でクレメンタインはドクと会った。「すぐ帰りたまえ、君の来る所じゃない」ドクは素気無い、そして、激しく咳き込んだ。 「病気のせいで故郷を去ったのね、故郷の人たちも私も貴方を愛してるのよ」 とクレメンタイン。「明日の駅馬車で帰るんだ!」ドクは冷たく言うのだった。 ドクの飲み方は自暴自棄だった。ドクにぞっこんの酒場女チワワ(リンダ・ダーネル)も寄せ付けない。アープが近づいた。「私事に首を突っ込む気はないが、カーター嬢ほどの才色兼備の女性はいない・・・」 「保安官、もうよせ、酒も止めるな」 「・・・だが、身を滅ぼす」 ドク、激しく咳き込む。 「俺は死にたい」 ドク、いきなり銃を抜く。「よせ!ドク・ホリデイを倒して名を挙げたい奴は多い」 アープが制したがドクは酒場のガス燈に向け銃を放った。ドクを殴り倒すアープ。 翌朝、床屋でめかしたアープ。床屋がアープの肩に香水を振り掛けた。 のんびり外を見ていたモーガンとバージルがアープに言った。「何だか、花の香りがするね」 「俺だ・・・床屋だよ」 アープ、照れる。 クレメンタインが帰り支度をしていた。アープ「もう、帰られるんですか?短い滞在で・・・」 クレメンタイン「長いと言う人も・・・」 アープ「諦めが良すぎるのでは・・・」 クレメンタイン「女の自尊心をご存知ないようね」 アープ「そうですな」 クレメンタインは外の空気を吸い込んで言った。「ここの朝が好き。空気が澄んで・・・花の香りが・・・」 「私です」と、アープが照れた。 クレメンタイン「お伴しますわ、礼拝に」 アープはクレメンタインと腕を組んで歩き始めた。 教会の広場でダンスに興ずる人々。アープはクレメンタインに手を差し出した。「保安官とレディに場所を開けろ!」司会者が叫んだ。アープとクレメンタインが踊る。軽妙なダンスに皆は見入った。 夜、クレメンタインがまだ宿に残っているのを見て、ドクは言った。「君が帰らないなら私が出て行く」 翌朝、ドクは馬車を飛ばして町を出た。牧畜業者貯蓄銀行の金塊輸送の護衛を引き受けたのだ。 その頃、クレメンタインの部屋にチワワが怒鳴り込んでいた。「私と結婚する筈だったのにドクが出て行った。貴方のせいよ!」 アープがそこへ来た。そして、チワワの胸のブローチを見て言った。「これは?」 「ドクに貰ったのよ!何もかもよ!」チワワは答えた。それは殺された弟ジェームズの持ち物だったのだ。 アープは馬を乗り継ぎドクの馬車を追った。そして先回りしてようやく追いついたアープはドクに言った。「町へ帰れ!」「帰る気は無い」「なら連れて帰る」「抜け!」 一瞬、アープの銃がドクの銃を弾き飛ばした。 チワワの部屋。クラントンの息子ビリーがいた。そこへ「開けろ!」と、ドクの声。ビリー、慌てて窓の外へ身を隠す。 「何故、俺に貰ったと?」入るなりドクが怒鳴った。アープもいた。「殺された弟の持ち物だ」 チワワは事の重大さに気付き、やむなく告白した。「ビリー・クラントンよ」 その時、銃声が!チワワが倒れた。ビリーが逃げる。 外にいたバージルがビリーを追った。 チワワは重傷だった。町医者を呼んでいる時間は無い。元は外科医のドク、急遽チワワの手術を始めた。 一方、ビリーを追っていたバージルは、クラントン家まで追い詰めた。ビリーはバージルの銃撃により、息絶えていた。戻ろうとしたバージルは後ろからクラントンの弾を浴びた。 ドクの手術が終わった。クレメンタインはドクに言った。「あなた、偉いわ」「あの子が強いからさ・・・」と、ドク。 アープが外へ出た瞬間、銃弾が飛んで来た。クラントンが死体を放り投げた。バージルだった。「OK牧場で待ってるぞ」とクラントンが叫んだ。 アープとモーガンが保安官事務所で決闘の身支度をしていると、ドクがやって来た。「チワワは?」アープが聞いた。「死んだ・・・いつやる?」ドクはアープの助っ人に加わるつもりで来たのだった。「日の出だ」アープは言った。 朝、OK牧場でクラントン親子が待ち構えていた。アープ、モーガン、ドクの3人は事務所を出てOK牧場に向かう。牧場まではそれ程の距離ではない。 ある程度の間を空けて、アープが叫んだ。「逮捕状が出た。ジェームズとバージル殺しだ。牛泥棒の罪もある。神妙に縄にかかれ!」 「こっちへ来て逮捕しろ!」 壮絶なガンファイトが始まる。3人、分散してクラントン親子に迫った。ドク、咳がひどくなり、一瞬の油断で銃弾を受けた。しかし、最後の力を振り絞り息子の一人を倒し、そのまま息絶えた。間も無く、クラントン一家は全滅した。 アープとモーガンが町を去る。町外れにクレメンタインが立っていた。 アープ、馬を降りて近づいた。「言いたいことがいっぱいあるのに、出てこなくて・・・」クレメンタインが言った。「ここに残って学校を始めるとか、良い事だ。牛を追って又、寄りますよ」と、アープ。クレメンタインは微笑んだ。 「しかし、いい名前だな、クレメンタインって・・・」 アープ、馬に飛び乗り走り去る。クレメンタインはアープの姿をいつまでも見送っているのだった。 |
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| 映画館主から 「駅馬車」と並ぶジョン・フォード監督の大傑作西部劇。 アクションだけでなく、西部劇に日常的描写や叙情性を盛り込み、当時、革命的とさえいわれました。 ワーアット・アープ、ドク・ホリデイは実在の人物と言われます。そこにクレメンタインという架空の人物を加え、アープの純愛をほのぼのと、詩情豊に描いています。 このクレメンタインを演じたキャシー・ダウンズという女優は可憐で素敵なのですが、これ一作で消えてしまっています。残念です。 ビクター・マチュアのドク・ホリデイははまり役でした。肺を患う医者で、拳銃の腕はたち、シェークスピアを口ずさむというインテリの面もあるドクは、自分の死期を悟っていて、追ってきたクレメンタインに冷たい態度を取ります。 後年の同じ題材を扱ったジョン・スタージェス監督の「OK牧場の決闘」では、カーク・ダグラスがドク役でした。ちなみにアープ役はバート・ランカスターです。こちらも面白いのですが、詩情溢れるジョン・フォードにはかないません。 ヘンリー・フォンダのアープは、クレメンタインにほのかな恋心を抱きますが、口に出せず、「クレメンタイン・・・いい名だ」と言って去っていきます。実に気の効いたラストシーンでした。 テーマ曲「いとしのクレメンタイン」は、もとはアメリカ民謡からきています。日本では「雪山賛歌」のメロディで知られています。 |
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