「片目のジャック」
片目のジャック 1960・米


製作:フランク・P・ローゼンバーグ
監督:マーロン・ブランド
原作:チャールズ・ネイダー
脚本:ガイ・トロスパー
    カルロ・フィオーレ
    コールダー・ウィリンガム
撮影:チャールズ・ラング
音楽:ヒューゴー・
フリードホッファー

出演:マーロン・ブランド
    カール・マルデン
    ピナ・ペリサー
    ベン・ジョンソン

物語

1880年、メキシコのソノーラの銀行。リオ・キッド(マーロン・ブランド)は相棒のダッド(カール・マルデン)と銀行強盗を働いていた。
まんまと逃げた彼等はある町へ立ち寄り、遊興三昧だったが、ソノーラから追っ手が多数やって来て、追われた末、山の上で孤立してしまった。
馬は一頭しかいないので逃げ切れない。ダッドが馬を調達するため村へ降りた。しかし、ダッドは心変わりし、金を持ったまま逃亡した。

リオはダッドを待っていたが、ソノーラの追っ手に捕らえられた。ソノーラの刑務所へ引かれる途中、村へ立ち寄り、リオはダッドの裏切りを知るのだった。

5年後、リオは刑務所仲間のモデトスと脱走に成功する。
そこから、リオのダッド探しが始まった。昔立ち寄った酒場を歩き回った。ある日、リオを知る男から銀行強盗の話を持ちかけられたが、リオが断ろうとするとダッドの居場所を教えると言うではないか。リオは話に乗った。

リオとモデトス、もう2人の4人は海に近い町、モンテレーに行った。その町でダッドは保安官に納まっているという。
リオは海辺の一軒屋、ダッドの家に向かった。ダッドはリオの出現に驚いた。しかし、リオは近くを通りかかり立ち寄っただけと、温和だった。ダッドは結婚していた。妻マリアとその連れ子のルイザをリオに紹介した。夕食を共にし、年頃のルイザはリオに惹かれた。

翌日は町の祭りだった。町中が浮かれていた。リオはルイザと海辺を歩き、ルイザに愛を語り、そのまま一夜を共にした。だが、朝、リオは昨夜の話は全部嘘だと言う。ルイザは嘆き、家に帰った。ダッドは朝帰りのルイザに烈火のごとく怒った。

リオが酒場で女に執拗にからむ男を止めようとして撃ち合いになり、相手を殺す。駆けつけたダッドはリオを縛り上げ、公衆の前で鞭打ちをした。更に、リオの右手を打ち砕いて耳元で言った。「これで、お前は銃が撃てまい。町から立ち去れ!戻ったら殺す!」

リオと仲間3人は漁村で投宿していた。リオは砕かれた右手の回復に努め、銃の訓練に余念がない。そんな時、ルイザが訪ねて来た。リオは全てを話した。5年前のダッドの裏切りのため、復讐にやって来たのだと。しかし、ルイザは「私を連れて逃げて」と懇願する。
仲間達はもう待ちきれないと、銀行襲撃を決行しようとしたが、リオは断った。リオはルイザの言葉にうたれ考え直していたのだ。
モデトスは殺され、他の二人は銀行を襲ったが失敗した。

ダッドは再びリオを捕らえて牢に入れた。殺人と銀行強盗の罪だが、リオは無実だ。しかし、ダッドにはどうでも良い。リオを縛り首にできれば。
ルイザがリオを訪ねた。「貴方の子供が出来たの・・・」と言う。リオは喜ぶがもう自分は死刑になる。しかし、ルイザの差し入れの短銃を使い牢からの脱出に成功する。
そこへ、ダッドが来た。撃ち合いの末、リオはダッドを倒す。リオとルイザは郊外まで馬を飛ばして逃げた。リオはルイザに言った。「待っていてくれ、必ず迎えに来る」 リオは手を振りながら遠ざかっていった。
映画館主から

エリア・カザン監督作品の「欲望という名の電車」’51、「波止場」’54で、衝撃的なデビューを果たし、「波止場」ではアカデミー主演男優賞をも獲得したマーロン・ブランドの監督・主演映画です。
初監督とは思えないほどの出来上がりですが、今までの西部劇とはニュアンスが異なり、ブランドの怨念がこもっています。復讐に燃える男の。

リオはもともとがならず者で、女たらし。平気で嘘を言い、女を物にしたら、さよならという人生を送ってきました。しかし、仇敵の娘、ルイザに心を動かされ、真の愛に目覚めます。
ブランド独特のそっけなさ、投げやりな態度がリオにピッタリでした。

ラスト近く、牢に入れられたリオが事務所のテーブルの上にある短銃を、ベッドのハンモックを壊して作ったロープで手繰り寄せる場面など、スリル万点です。

ダッド役のカール・マルデンは「波止場」でもブランドと共演していて、その鼻の大きい特異な風貌が印象的です。悪玉、善玉、どちらもいける演技派です。

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