| 雨に唄えば 1952・米 | |
![]() 製作:アーサー・フリード 監督;ジーン・ケリー スタンリー・ドーネン 脚本:アドルフ・グリーン ベティ・コムデン 撮影:ハロルド・ロッソン 音楽:ナシオ・ハーブ・ブラウン 出演:ジーン・ケリー デビー・レイノルズ ジーン・ヘイゲン シド・チャリシー ドナルド・オコナー ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 1927年のチャイニーズシアター。 サイレント映画の大作「宮廷の反逆児」のプレミアに集まった人々は、大スター、リナとドンを人目見ようとひしめき合っていた。 そこへ、リナ(ジーン・ヘイゲン)と、ドン(ジーン・ケリー)が颯爽と現れたから人々の興奮は絶頂に達した。映画は好評を博した。 ドンは親友コズモ(ドナルド・オコナー)と共にダンスから歌まで一緒に歩んできた。映画界ではスタントマンからスタートし、スター女優、リナと数々共演し、今や押しも押されぬ大スターだった。 だが、リナは我侭な女で、勝手に自分に言い寄るリナにドンは辟易していた。 映画が終わり、シアターを出たドンはファンに囲まれ逃げ出した。市車の屋根に飛び乗り、飛び降りたのは女性の運転する車の助手席だ。 キャシー(デビー・レイノルズ)は助手席に男が降って来たから仰天した。キャシーは、相手が人気スターであろうとかまわずにドンの映画を批判し、ドンは気分を害する。 だが、ふとしたきっかけでドンはキャシーと再会し、彼女が素晴らしいダンサーで歌い手と知り、忘れられなくなってしまった。 ドンの親友、コズモはそんなドンを慰める。コズモのおどけた軽快なダンスはドンを笑わせた。 ドンの所属するモニュメント映画会社で、ドンはキャシーと再び再会し、思いを打ち明ける。 時の映画界はサイレントからトーキーへの移行を迎えており、“発声法教室”が盛況だ。スター、リナは頭の天辺からキンキンした耳障りな声を出すので、社長は悩んだ。 折りしも、他社の映画「ジャズシンガー」がトーキーのミュージカルとして好評だった。 モニュメンタル映画のトーキーの新作「闘う騎士」も試写会ではさんざんだった。リナの声が問題なのだ。そんな時、コズモが名案を出した。「闘う騎士」をミュージカルに変え、題名も「踊る騎士」とする。そしてリナの声をキャシーに吹きかえるというものだった。社長もそのアイデアに乗った。 キャシーをアパートに送ったドンは雨の中の舗道で歌い出す。 ♪♪雨に唄えば、弾む心よ、よみがえる幸せ、黒い雲に笑いかければ心は太陽、愛が芽生える・・・♪♪ かくしてミュージカル「踊る騎士」は完成した。今やドンはキャシーを愛しており、結婚するつもりだ。リナは二人の仲を知り憤慨する。 リナは勝手に新聞社に“ミュージカルスター、リナ誕生”の記事を出させてしまい、社長は怒るが、なにしろリナは会社の看板スターなので手を焼いてしまった。 「踊る騎士」のプレミアショーは大歓声に沸いた。映画が終わり、舞台挨拶に立ったリナの声が映画の声と違うのに気付いた観客は、リナに歌えと要求した。 困ったリナに提案するドンとコズモと社長。それは映画と同じように幕の裏でキャシーに歌わせ、リナは口だけ動かせばよいというもの。キャシーは嫌がったが社長命令では仕方が無い。 リナは観客の前で“雨に歌えば”を歌い始める。観客は大いに喜んだ。 しかし、そこでドンとコズモと社長はスルスルと幕を開けてしまう。幕の後ろでキャシーが歌うのが観客に丸見えになり、観客は爆笑した。 自分の後ろの幕が開いているのを知り、リナは赤面して逃げ出した。キャシーも憤慨して舞台から降り帰ろうとした。 その時、舞台からドンが叫んだ。「待ってくれ、その人こそ真のスター、キャシーだ!」 そして、ドンは客の目も気にせず、キャシーへの愛の歌を歌い始める。やがてキャシーは舞台へ駆け寄りドンと抱擁するのだった。 |
| 映画館主から ’50年代のハリウッドミュージカルの金字塔です。 とにかく随所に盛り込まれたダンスと歌には魅了されること請け合いです。ジーン・ケリーはフレッド・アステアと並ぶハリウッドのタップダンスの名手。親友コズモ役のドナルド・オコナーのダンスもアクロバティックで目を見張ります。 やはり、雨の中で唄い踊るジーン・ケリーの“雨に唄えば”は、ミュージカル映画史上の名場面でありましょう。数万トンの水を使い、セットをくぼませて水溜りを作り、クレーン撮影であのダイナミックなシーンが生まれました。 そして、ジーン・ケリーにシド・シャリシーがからんで踊る「ブロードウェイ・バレエ」のシーンでは、シド・シャリシーの官能的な脚線美に男ならゾクゾクする筈です。 キャシー役のデビー・レイノルズは、「スター・ウォーズ」のレイア姫、キャリー・フィッシャーのお母さんとしても知られます。私としてはお母さんの方が可愛いと思うのですが。 リナの歌を吹きかえるキャシーなのですが、そのキャシーの声はデビー・レイノルズの声ではなく、実はベティ・ノイズという女優が歌っているのだそうです。これには騙されましたね。 本作はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネンの共同監督です。ドーネンは「踊る大紐育」(’49年)や「掠奪された七人の花嫁」(’54年)などの傑作ミュージカルも手がけていますが、後年の「シャレード」(’63年)という洒落たミステリーも見逃せません。 |
|
|