「アパートの鍵貸します」
アパートの鍵貸します 
1960・米

ジャック・レモンとシャーリー・マクレーン

製作:監督:脚本
    ビリー・ワイルダー
製作:脚本
    I・A・L・ダイアモンド
撮影:ジョゼフ・ラシェル
音楽:アドルフ・ドイッチェ

出演:ジャック・レモン
    シャーリー・マクレーン
    フレッド・マクマレイ

物語

保険会社に勤める独身のパドは会社のエレベーター嬢のクーべりックに密かに恋心を抱いていた。
又、パドはお調子のいい社員でもあった。上役の歓心を買うため、自分のアパートの部屋を、上司の逢引の場所に提供しようと、巧妙な計画を思いついたのだ。上司にそれが気に入られれば、出世の糸口が掴めるかも知れない。
はたして、彼の目論見は功を奏して、課長連中からの評判は上々だった。しかし、ある課長がアパートに連れ込んだのが、パドの意中の人、エレベーター嬢のクーべりックだったから、たまらない。
パドは悩んでしまう。しかし、もともとパドの持ちかけた計画である。辞めてもらうわけにもいかない。そうこうするうちに、浮気者の課長はクーべりックから離れていくのだった。パドはホッと安堵するが、クーべりックは課長に捨てられて沈んでいた。
失恋したクーべりックを何とか慰めようと苦心するパドだが、自分の思いは伝えることが出来ない。しかし、ある時、クーべりックは気がついた。自分が本当に愛しているのはパドだったと。自分に対して、色々気遣ってくれたパド。気づかずごめんなさい。
クーべりックがパドのアパートの前に駆けつけた時、部屋の中から「バーン」とけたたましい音がした。不吉な予感に動転したクーべりックの前に、溢れるシャンパンのボトルを手にパドがドアを開けて出てきた。
映画館主から

ジャック・レモンのとぼけた味わいと、シャーリー・マクレーンの可憐さが融合して見事なコメディになりました。泣かせて、笑わせるビリー・ワイルダーの絶妙な演出は、さしづめ山田洋次と通ずるものがあります。
ジャック・レモンはワイルダー映画の常連で、サラリーマンの悲哀を笑いとペーソスで演じる芸達者。マクレーンとは「あなただけ今晩は」で、再びコンビを組んでいます。
マクレーンはヒッチコックの「ハリーの災難」で映画デビュー。この映画も、コメディでした。「80日間世界一周」「カンカン」などにも出演。「噂の二人」など、シリアスな役もこなしています。「俺達に明日はない」のウォーレン・ビーティのお姉さんです。
自分勝手な課長を演じたのはフレッド・マクマレイ。この演技があまりにも真に迫っていたので、ファンからの抗議の手紙が殺到したとのこと。人気テレビ番組「パパ大好き」の人気者でしたから、無理もありません。彼は二度と悪役は演じなかったそうです。
ラストシーンで、「バーン」と、いかにも銃声と思わせて、シャンパンの音だったというエンディング。憎い!!
アカデミー賞は、作品、監督、オリジナル脚本、編集、美術、と受賞。マクレーンはベネチア映画祭主演女優賞を獲得しました。

  参考文献:「THE MOVIE」 ディアゴスティーニ

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