| 現金に体を張れ 1956・米 |
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![]() 製作:ジェームズ・B・ハリス 監督:脚本: スタンリー・キューブリック 原作:ライオネル・ホワイト 撮影:ルシアン・バラード 音楽:ジェラルド・フリード 出演:スターリング・ヘイドン コリーン・グレイ ビンセント・エドワーズ ジェイ・C・フリッペン テッド・デ・コルシア ティモシー・ケリー マリー・ウィンザー エリッシャ・クック・Jr ![]() ![]() ![]() |
物語 5年の服役から出てきたジョニー(スターリング・ヘイドン)は、早速、どでかいヤマを目論んでいた。 競馬場の売上金、200万ドル強奪作戦がそれである。ジョニーは信頼のおける人間を集めた。馬券係のジョージ、競馬場のバーテンダー・マイク、警官のランディ、ジョニーの計画に出資するマービンがそのメンバーだ。 馬券係のジョージは若い妻を溺愛していた。その妻シェリーは、金だけが目的の女で、愛人パル(ビンセント・エドワーズ)と通じていた。夫が何か金儲けをたくらんでいるのを知り、しつこく聞き出す。夫ジョージは、うかつにも計画の一部を話してしまった。 200万ドル強奪決行の日がきた。ジョニーに雇われた射撃の名手ニッキーは競争馬の見える駐車場で、ライフルを準備した。賞金10万ドルの懸かった第7レースの本命馬“赤い稲妻”を撃つのだ。 やはりジョニーに雇われた元ボクサーのモーリスは競馬場のバーへやって来た。第7レースがスタートしたら、ひと暴れすれば良い。 バーの近くへジョニーがいた。すべて段取りが揃った。 第7レースがスタートした。ニッキーは駐車場の車でライフルを構えた。案の定、“赤い稲妻”が先頭を走ってきた。ニッキーは一発で”赤い稲妻”を倒し、騎手が転がり落ちた。スタンドは騒然となる。しかし、そこへたまたま来た警備員にニッキーは撃たれてしまう。 バーではモーリスが大暴れしていた。騒ぎを聞きつけた警備員が何人もやって来た。巨漢のモーリスに手をやく。 その時、ジョニーの近くのドアが開き、事務所の中へ入るジョニー。手引きは馬券係のジョージだ。ロッカールームで覆面をかぶり、銃を構えて金の集計室へ躍り込む。数人の男がいたが、警備員はいない。用意した袋に札束を詰め込んだ。窓から袋を落とすと、そこに警官のランディが待ち受けていた。 ランディは秘密の隠れ家に金の袋を置いた。まんまと200万ドル強奪に成功した。 夜7時。金の分配の場所で皆が待っていた。ジョニーが来ない。しかし、替わりに来たのは馬券係ジョージの妻の愛人パルだった。一瞬の撃ち合いでジョージ以外全員死ぬ。 少し遅れて来たジョニーは異変を察知し、その場を去った。スーツケースを買い、札束を詰め込んだ。飛行場へ行くと恋人のフェイが待っていた。高飛びだ。 瀕死のジョージは家へたどり着き、妻を撃ち殺し、自分も果てた。 飛行場では、ジョニーがスーツケースを持ち込みたいと粘ったが、係が貨物室へ入れると聞かない。仕方なしに従う。 その、スーツケースを運ぶ輸送する車が飛び出した犬を避けようと急ハンドルを切った。スーツケースが落ち、蓋が開いた。中から札束が飛び出し、風に舞う。200万ドルが宙に舞う。 その光景を呆然として見るジョニー。警備員がやって来た。 |
| 映画館主から スタンリー・キューブリックが描くドキュメンタリータッチの乾いた犯罪映画。 その種の映画によくある“悪銭身につかず”的な映画です。 フランス映画「地下室のメロディ」と似たシチュエーションですが、ただし、ここでは、ラストの札束は空中に小気味よく乱舞します。 キューブリックの演出は、競馬場の犯罪現場にベクトルを合わせ、射撃の名手、元ボクサー、そして、ヘイドンの3人の立場から三様のオムニバス風な再現を示して、サスペンスを盛り上げています。 スタンリーグ・ヘイドンはジョン・ヒューストン監督の「アスファルトジャングル」でも犯罪映画に主演しており、その、不敵な面構えは適役です。西部劇「大砂塵」も代表作でしょう。 それにしても、馬券係の狡猾な妻によってすべてが水泡に帰してしまったわけですが、計画の緻密な割リに、参加する仲間の人選に不備は無かったのでしょうか。 しかし、その馬券係を演じたエリッシャ・クック・Jrとその妻(いかにも悪妻)を演じたマリー・ウィンザー、それにその愛人を演じたビンセント・エドワーズ(あの人気テレビシリーズ・ベン・ケーシーです)が、この犯罪ドラマの裏の主役なのでした。 参考文献:「ザ・スタンリー・キューブリック」 キネマ旬報社 |
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