| 荒野の七人 1960・米 | ||
![]() 製作:監督: ジョン・スタージェス 原作:黒澤 明 橋本 忍 小国英雄 脚本:ウォルター・ニューマン 撮影:チャールズ・ラング 音楽:エルマー・バーンスタイン 出演:ユル・ブリンナー スティーブ・マックィーン ホルフト・ブッフホルツ チャールズ・ブロンソン ロバート・ボーン ブラッド・デクスター ジェームズ・コバーン イーライ・ウォラック ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 メキシコの寒村、イストラカン。 この村へはカルヴェラ(イーライ・ウォラック)を首領とする野盗の群れがやって来ては、我が物顔で手当たり次第に食料を奪っていく。今回もそうだった。カルヴェラは歯向かう村のラファエルを撃ち殺し、棄て台詞を残していく。「又、近いうちに来る。話があればその時言うんだな」 村人たちはうろたえ、これからどう対処していけば良いか話し合った。「このままじゃ飢え死にだ」 「どうすりゃいいんだ」 村の長老は決然と言い放った。「銃を買え、戦うしかない!」 「・・・でも、使い方がわからなきゃ・・・」 「教われ、何としてもだ」 村の代表3人が町へ出た。銃の調達と腕のたつガンマンを探す為だ。 町で二人の紳士と葬儀屋がもめていた。ある男の死体を墓地に埋葬したい紳士たちと、埋葬はできないという葬儀屋だ。「あの男はインディアンなのです」と、葬儀屋。「この町では死んだ人間も差別するのかね」紳士たちは憤る。 【一人目】 「その棺は俺が運んでやる」 声の主はクリス(ユル・ブリンナー)という黒ずくめのガンマンだった。慌てる葬儀屋を尻目に棺の馬車に乗る。 【二人目】 それを見ていたヴィン(スティーブ・マックィーン)が護衛を買って出て隣に乗り込む。馬車は町を進んでいく。「2階の窓に気をつけろ」クリスの言うとおり、2階から銃撃、ヴィンが素早くライフルを撃ち込む。 墓地の入口に数人の男が銃を構えて待っていた。クリス、銃を抜いたかと思うと彼らの銃を撃ち落していた。誰も手出しができないまま、埋葬が終わった。 村の3人はクリスに村の実情を訴え、助けを求めた。 「考えてはみるが、人数を揃えねばならん」 クリスが答えた。 【三人目】 クリスの旧友、ハリー(ブラッド・デクスター)が訪ねて来た。「何か企んでるらしいな」ハリーは一山当てたくてうずうずしている男だ。「農民を助けるだけの仕事だ」とクリス。「まあいい、俺も仲間に入れてくれ」 【四人目】 近くで薪を割っている男がいた。オラリー(チャールズ・ブロンソン)は過去、大きな仕事を何百ドル単位で引き受けてきたが、クリスの話ではたったの20ドルだ。クリスとヴィンが諦めて帰ろうとした。「待て・・・今の俺には20ドルは大金だ」 【五人目】 ナイフ投げの名人、ブリット(ジェームズ・コバーン)と彼に悪態をつくガンマンとの決闘。ブリットはガンマンが拳銃を抜く暇も与えず、投げたナイフをガンマンの胸に突き立てたのだ。 【六人目】 賞金稼ぎのリー(ロバート・ボーン)がクリスの宿を訪ねて来た。速撃ちのガンマンだが、いつか自分より速い相手に殺されると被害妄想に怯えている男だ。 【七人目】 6人は村人に案内されて村に向かった。後を付けてくる若者がいた。昨夜も酔っ払って酒場に現れ、皆に無視されたチコ(ホルスト・ブッフホルツ)だった。 だが、村へ着いた時、誰も出迎えに出ない村人を、教会の鐘を鳴らして誘い出す機転のきく男だった。「七人になった」クリスはチコを仲間に加えた。 村祭りがあり、村人が踊る。野盗の偵察を見つけ、遠くに逃げていく馬上の男をブリットが拳銃を定めて撃ち落した。「すっげえ!最高だよ!」チコが感激して叫ぶと、「俺が狙ったのは馬の方だ」とブリットは言った。 ガンマンたちは班を分けて農民たちに銃の使い方を教えた。砦としての壁を新しく作る。道に溝を掘り、襲撃にそなえた。 40人ばかりの野盗の一団がやって来た。首領カルヴェラはクリスたちを見て驚く。「冬の食料をいただくだけだ」とカルヴェラが言うと、 「金を出して買え」決然とクリスが言い放つ。「たったの七人で俺に説教しようっていうのか!」 「うせろ!」 凄まじい銃撃戦が開始された。七人は散り、野盗たちを撃つ。農民たちも覚えたての銃を撃つ。野盗たちは思わぬ反撃に引き上げて行った。 農民たちは怯えていた。「我々は殺されるためにあんたがたを雇ったんじゃない」「荷物をまとめて出てってくれ」「カルヴェラに会おう、要求を呑めば殺されずにすむ」 それらの声にクリスは怒った。「本気か!戦うのか戦わないのか、はっきりしろ!」「・・・・」「はっきり言っておくぞ!奴等と取引する者は俺が殺す!」 七人は野盗の野営地に奇襲をかけた。しかし、野盗の姿は無い。村に戻った七人は真相を悟った。そこには、カルヴェラたちが待ち構えていたのだ。 「村長のソテロが迎えをよこしたのさ」カルヴェラはほくそえんだ。「これで、村の連中も誰がボスかよく分かったろう」 カルヴェラはクリスたちを殺さなかった。「あんたを殺せば仕返しが怖い、それは避けなければな」 クリスたちは銃を置いて村を出て行った。カルヴェラの手下がその銃を運んできて置いていった。カルヴェラの配慮が裏目にでるのはそれからだった。 このまま引き下がる七人ではない。彼らはひっそりと村に戻る。油断してくつろぐ野盗たちを急襲した。静かな村が再び戦場となった。 野盗たちが一人二人倒れる。しかし、七人のガンマンも無傷ではない。山師のハリーが銃弾に倒れた。「本当の狙いは別だったんだろ?」瀕死のハリーがクリスに聞いた。「黄金だ、それも50万ドル」クリスの言葉に満足したようにハリーが逝った。 賞金稼ぎのリーも不意打ちを食らって死んでいく。ナイフ投げのブリットも、子供たちにもてたオラリーも銃弾に倒れた。 忍び寄る首領カルヴェラをクリスが撃った。「・・・こんな所へ・・・何故戻った・・・」信じられないまま、カルヴェラが絶命する。 村に平和が戻った。長老はクリスたちに礼を言った。「農民だけが勝ち、土地と同じように永遠に生き残っていくでしょう。あなたたちは、風がイナゴを吹き飛ばすように退治してくれた」 クリス、ヴィン、チコの3人は村を後にする。チコは自分を慕う村娘を諦めきれず、村に戻った。もともと農民の出なのだ。 クリスがヴィンに言う。「じいさんの言うとおり、勝つのは農民だけだ、俺たちはいつも負けだ」
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| 映画館主から ユル・ブリンナーが黒澤明の「七人の侍」を見てぞっこん惚れ込み、翻訳権を買い取って映画化した大ヒット西部劇です。 舞台はメキシコに設定されていますが、話の筋は「七人の侍」とそっくり同じ。ただ、途中、村の裏切りにあって、村を野盗に占拠され、七人のガンマンが村を追い出される点が大きく違います。 ガンマンのリーダー、クリスのブリンナーは勘兵衛(志村喬)の役ですが、チコのホルスト・ブッフホルツは菊千代(三船敏郎)と勝四郎(木村功)を合わせたようなキャラクターになっています。 ナイフ投げのジェームズ・コバーンは本作の中でも最もカッコいいのですが、これは剣豪の九蔵(宮口精二)でしょう。薪割りのチャールズ・ブロンソンは同じく平八(千秋実)です。ヴィンのマックィーンはサブリーダーとして、五郎兵衛(稲葉義男)でしょうか。 ストーリーの疑問点は、村の裏切りで銃を取り上げられたクリスたちをカルヴェラが殺さなかったことです。ご丁寧に彼らの銃まで届けています。それが野盗たちの命取りになるのです。その点、説得力に欠けている気がします。 「七人の侍」と比較するのは酷というものですが、新しいタイプの西部劇として本作は大ヒットし、エルマー・バーンスタインの軽快な音楽も血を沸かせます。 ほとんど無名に近かったマックィーン、コバーン、ブロンソンはジョン・スタージェス監督の「大脱走」(’63年)を経て、次代の大スターへと育っていきました。 |
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