| 影なき狙撃者 1962・米 | ||
![]() 製作:リチャード・シルバート 原作:リチャード・コンドン 製作:監督:脚本: ジョン・フランケン・ハイマー 脚本:ジョージ・アクセルロッド 出演:フランク・シナトラ ローレンス・ハーベイ ジャネット・リー アンジェラ・ランズベリー ヘンリー・シルバ ![]() ![]() |
物語 1952年。マーコ大尉(フランク・シナトラ)、レイモンド軍曹(ローレンス・ハーベイ)達は、朝鮮戦争の偵察隊として、戦線で敵側に待ち伏せされ捕虜になった。はたしてそこで何が起きたのか?? アメリカに凱旋帰国したレイモンド軍曹は、偵察隊長としての武勲を評され名誉勲章を授かった。敵の一個中隊を全滅させたとの戦果であった。 レイモンドは母親アリスン夫人(アンジェラ・ランズベリー)とことごとく対立した。彼女は野心家で、再婚したアイスリン上院議員を大統領にしようと目論んでいた。レイモンドは母親の反対を押し切り、共産党系といわれるのゲインズ新聞社に勤めた。 一方、情報局勤務となったマーコ大尉は毎晩悪夢にうなされた。・・・・・・・
又、別の隊員も同様な悪夢を体験していた。やはりレイモンドがピストルで同僚を撃ち殺すのだ。 レイモンドに電話が掛かる。「トランプ占いをしろ」 カードを繰ったレイモンドに異変が起こる。“ダイヤのクィーン”が彼を導く。・・・・・・ 「ゲインズを殺せ」電話の声は言った。レイモンドは夢遊病者のようにそれを実行した。 マーコは毎晩のように見る悪夢には何かからくりがあると、調査に乗り出した。そんな時、列車の中でマーコの苦しそうな様子に乗り合わせた女ユージー・ローズ(ジャネット・リー)が近づいてきた。 マーコがレイモンドの家を訪れた時、現れた男を見て驚く。それは夢の中に出てくる男、偵察隊の案内役チュンジン(ヘンリー・シルバ)というコリアンだった。マーコはいきなりチュンジンを殴り、格闘となる。「レイモンドに何をした!」 マーコはレイモンドに別の隊員からも悪夢を見たという手紙が来ているのを知り、驚愕した。CIAとFBIが共同調査を開始した。 マーコはレイモンドと酒を飲み、彼を解きほぐしていった。レイモンドは母親を罵りだした。彼はかって、ジョーダン議員の娘との仲を母親に裂かれた苦い体験があった。ジョーダンは“アカ”と呼ばれていた。「今でも愛してる・・・」と、レイモンドは泣き出した。 ある日、マーコはレイモンドがトランプ占いで、ダイヤのクィーンを見ると何らかの暗示に掛かるという現場を目撃した。 アイスリン夫人が主催した仮装パーティにジョーダン議員と娘ジョシーがやって来た。レイモンドとジョシーは再会に再び燃えた。 家で、ジョシーと結婚したというレイモンドにアイスリン夫人が言った。「トランプ占いをしたら・・・」 ダイヤのクィーンを見たレイモンドは・・・・・母親の暗示に掛かり、ジョーダン議員の家へ・・・そして、ジョーダンと妻ジョシーをサイレンサー銃で・・・・・。 「誰がジョシーを殺した!」レイモンドは悲嘆に暮れていた。自分のしたことは記憶に無いのだ。マーコは全てのからくりを解明していた。「トランプ占いをしろ」マーコはレイモンドに言った。カードは全て"ダイヤのクィーン”だ。マーコの"命令”により、レイモンドは全ての事実を明かした。朝鮮戦争で捕虜になった彼等は、ロシア人専門家の手で洗脳を受けた。「私はそこで実験の成果を確認する為、命令され、同僚のマボーレを絞め殺した。レンベックは銃殺した。そして、新聞社のケインズも。・・・ジョーダン親子も・・・・」 マーコは言った。「よし、全ては終わった。お前はもう、元通りだ!これ以降、カードはお前に何の効力も無くなった」 母親からの電話で家に戻ったレイモンドは、母親アイスリンの言葉を聞く。“ダイヤのクィーン”が目の前にある。「党大会で大統領候補を撃ちなさい。これは8年間練ってきた計画よ」 党大会の会場に来たレイモンド。まだ、聴衆は集まっていない。彼は使われていない照明室に閉じこもった。 やがて、聴衆が会場を埋め尽くし、大統領候補が演説を始めた。マーコは取り締まりの中で異変はないかと辺りを見回していたが、一つの照明室の窓が見えた。 レイモンドは演説する大統領候補にライフルの標準を合わせた。いよいよ演説が終わろうとしていたその時、ライフルの標準は右にずれて義父のアイスリン上院議員の額を撃ち抜いた。そしてその横の母親アイスリンも!! マーコが駆けつけた時、レイモンドはライフルを自分の頭に向け発射したのだった。 |
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| 映画館主から 社会派ジョン・フランケンハイマー監督が冷戦時代のスパイ戦争を舞台に火花を散らす傑作サスペンス。 朝鮮戦争で中共軍に捕らえられ、選ばれて殺人者としての洗脳を受けた男の物語です。本当にそんな話があり得るのかは疑問ですが、"洗脳”が人間の無意識下に深く入り込み全人格を変えてしまうというのは、オウム事件など、昨今の事件からもあながちフィクションと済まされないことではあります。 しかも、この母親コンプレックスの塊のような男(ローレンス・ハーベイ)は、フランク・シナトラにより、洗脳を解かれたかにみえましたが、いや、解かれたからこそ最後に母親を殺し、自分も死を選びます。ストーリーとしてはこれしかエンディングは無いでしょう。 甘いマスクで「ロミオとジュリエット」’54でスターになった彼は、「アラモ」’60でも印象的ですが、私は本作が代表作と思っています。彼は惜しくもガンに冒され1973年45歳の若さで亡くなりました。 フランク・シナトラはミュージカルで売った大歌手ですが、映画ではシリアスな演技にも定評があり、「地上より永遠に」’53、「黄金の腕」’55、本作など。中でも「地上・・・」ではアカデミー助演男優賞を受賞しています。 ジョン・フランケンハイマー監督は当たり外れがありますが本作と、「大列車作戦」が私の好みです。 |
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