「チャップリンの黄金狂時代」パンのダンスシーン
チャップリンの黄金狂時代
          1925・米
黄金狂時代

製作・監督・脚本:音楽:
    チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トザロー

出演:チャールズ・チャップリン
    ジョージア・ヘール
    マック・スウェイン
    トム・マレイ

山道を歩くチャーリー

小屋にたどり着いたチャーリー

チャーリーとマック・スウェイン(右)

革靴を食べるチャーリー

夢の中でロールパンのダンスを披露する

あわや!崖から落ちそうになる小屋

黄金狂時代

物語

アラスカの金鉱が発見されて人々が潮の様に金堀に赴いた頃の一挿話である。

チルクート峠の雪原を大勢の探鉱者たちが越えていく。厳しい自然の嵐の中には死者も出た。

雪深いアラスカの山道をテクテク歩いてくるチャーリー(チャップリン)。彼も金鉱探しに来たのだ。
一人ぼっちのチャーリーは吹雪に遭って小屋に駆け込む。小屋にいたお尋ね者ビッグ・ラーセンは突然舞い込んできたチャーリーを追い出そうとする。

その頃、幸運にもその前に金を掘り当てたビッグ・ジムもその小屋に避難して来た。
ビッグ・ジムとラーセンの格闘。だがジムのほうが勝った。
3人とも空腹で死にそうだった。そこでくじ引きで食べ物を探しに行く役を決めた。ラーセンだった。

お尋ね者ビッグ・ラーセンは食物を探しに出て、ラーセンを探しにきてテントを張っている警官2人に遭遇した。ラーセンは格闘の末、警官のピストルを奪うと警官を殺した。

その頃、小屋ではチャーリーは自分の片方の靴を鍋で煮ていた。革靴が煮えると皿に盛りビッグ・ジムと食べる。余りの空腹に靴っだて食えない訳ではない。チャーリーは器用に食べるが、ジムは覚束ない。
そのうちにジムの目にはチャーリーがニワトリに見えてきた。チャーリーを追い掛け回すジム。

警官2人を殺したラーセンはジムの金鉱を見つけた。
吹雪がやんで帰って来たジムはお尋ね者ラーセンに頭を殴られ記憶を失った。だが、ラーセンは崖の雪が崩れ落ち谷底に落ちて自然の裁きを受けた。

チャーリーはとある町にとやって来て酒場の踊り子ジョージア(ジョージア・ヘール)に一目惚れをしてしまう。彼はカーティスの小屋の留守番に頼まれた。彼は自分が町中での笑い者にされている事に気付かず、ジョージアは彼に或る好意を持っていると信じ大晦日の晩餐にジョージアとその友達を招く約束をした。

だがジョージアたちは小屋にやって来ない。そのうちにチャーリーは眠ってしまった。
夢の中でチャーリーは招待したジョージアたちにロールパンのダンスを披露する。

ジョージアは彼の事を忘れ酒場で騒いでいた。ビッグ・ジムがこの町にさ迷って来て小屋へ連れていってくれれば自分の金山へ行けるといったが気狂いと思った人々は相手にしない。
そこへチャーリーがやって来た。
再会したジムはチャーリーに遭って小屋へ連れていってくれと言う。チャーリーはジョージアに再会を一人決めにしてジムを伴って小屋に行った。

小屋にたどり着いた二人は安心して眠った。だが、嵐は小屋をとんでもない所へ運んでいた。小屋が崖の渕に辛うじて止まっている。
気づいた二人は必死に小屋から脱出する。小屋はその瞬間、崖から落ちていった。
だが、喜べ!!何とそこはジムの掘り当てた金鉱だったのである。

千万長者になったジムとチャーリーは帰りの船に乗った。そこにはジョージアが乗り合わせていたのだ。再会したチャーリーとジョージアは喜びに溢れた。めでたし、めでたし!!

映画館主から

喜劇王チャールズ・チャップリンの代表作の一本。
1925年に製作されたオリジナル版と1942年のチャップリン自身がナレーションと音楽を付けたサウンド版がありますが、私がテレビで見たのは後者のほうです。

撮影はシェラ・ネバダでの冬のロケーションから始まりましたが、チャップリンが風邪を引いたり悪天候で撮影が思うように進まなかったりで、チャップリン・スタジオでの撮影に切り替えたのでした。
スタジオ内に巨大な雪山のセットを作り、雪は塩と小麦粉で代用しました。

冒頭のチルクート峠を越える大勢の探鉱者は近くのサクラメントにいたホームレスなど600人をかき集めたのだそうで、チャップリン映画としては異例の大規模なロケーションになりました。

本作でもチャップリンのお家芸であるギャグや笑いが満載。
中でもロールパンのダンス。飢えて革靴を煮て食べるシーン。チャップリンがニワトリに化けるシーン。崖から落ちそうになる小屋から脱出を図るシーンなどなど。

徳川夢声よろしくチャップリンのナレーションも的確で、音楽、特にロールパンのダンスのバックに流れる音楽は秀逸です。

かの映画評論家の淀川長治さんはチャップリンが来日したときに会っており、いつかチャップリンの中で「黄金狂時代」が一番好きな映画と評していました。

「いいですね、怖いですね、お腹が空きすぎて靴を食べるシーン、なんだか美味しそうに食べるのね。それとロールパンのダンス、うまかったですね。本当に踊ってますね。崖から小屋が落ちそうになるのになかなか落ちないのね、怖いですね。あら、もう時間来ました・・・それじゃ又お会いしましょう。サイナラ、サイナラ・・・サイナラ」

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