| ピンクの豹 1963・米 | |
![]() 製作:マーチン・ジュロー 監督:脚本: ブレイク・エドワーズ 脚本:モーリス・リスティン 撮影:フィリップ・ラスロップ 音楽:ヘンリー・マンシーニ 出演:デビッド・ニーブン クラウディア・カルディナーレ ピーター・セラーズ ロバート・ワグナー キャプシーヌ ![]() ![]() ![]() |
物語 ローマ、ハリウッド、パリと、怪盗ファントムが暗躍していた。高価な宝石ばかりを狙い、必ず盗み出す。そして宝石の替わりに『P』の文字が刺繍された白い手袋を残していくという人を喰った大胆不敵な手口。 そしてここ、イタリアのコルチナ・ダンベッツォのスキー場では、スキーを楽しむ、某国から亡命してきたダーラ姫(クラウディア・カルディナーレ)がいる。 ダーラ姫は幼い頃、父親から貰い受けた世界一のダイヤ『ピンクの豹』を所有しているのだ。 ダーラ姫の周りに怪しげな人物が近づいていく。まず、恒例のスキー競技大会の選手、チャールズ・リットン卿(デビッド・ニーブン)もその一人だ。実はこのチャールズ卿こそが怪盗ファントムの正体なのである。 チャールズ卿はダーラ姫の愛犬を手下を使って誘拐した。ダーラ姫をこの地にしばらく繋ぎとめておくためか? そして偶然か否か、チャールズの甥のジョージ(ロバート・ワグナー)もスキー場に来ていた。 怪盗ファントムがダーラ姫の『ピンクの豹』を狙って現れると踏んだパリ警視庁のジャック・クルーゾー警部(ピーター・セラーズ)は、愛してやまない夫人シモーヌ(キャプシーヌ)と共にロッジに滞在していた。 そのクルーゾー夫人のシモーヌも何だか怪しい行動をする。 クルーゾー警部の留守中、ロッジの隣室のチャールズ卿と愛を交わすのである。警部の妻が怪盗ファントムとできている!? チャールズ卿がダーラ姫に誘いの手を入れると、横からジョージが邪魔をする。そのジョージが今度はシモーヌに熱を入れる。 ドタバタ・ドタバタ・・・・。 クルーゾーの留守にシモーヌに部屋へ招き入れられたチャールズ卿は、気配を感じてベッドの下に潜り込む。すると入ってきたのは花束とシャンパンを抱えたジョージだった。ジョージはシモーヌを口説き始める。 ドタバタ・ドタバタ・・・。 すると今度は夫のクルーゾーが帰ってきたからさぁ大変。シモーヌはジョージをバスルームへ隠す。ベッドの下にはチャールズ卿が隠れている。クルーゾーはシモーヌと早くベッドインしたくてうずうずしている。 ドタバタ・ドタバタ・・・・。 隙を見てジョージが部屋から抜け出す。チャールズ卿も窓から外へ逃げ出した。 そして、外の窓から自分の部屋を覗いたチャールズ卿は甥のジョージが自分の部屋にいるのを見た。ジョージはクローゼットの中の盗賊の七つ道具が入ったバッグを開けている。「!!伯父さんがファントムだったのか!!」 ジョージは驚いた。 ようやくベッドに入ったクルーゾーとシモーヌだが、次の瞬間、ベッドにシモーヌが隠したシャンパンが溢れ出した。ドタバタ・ドタバタ・・・・・・ クルーゾー警部に電話が入る。「ダーラ姫の犬を誘拐したのはチャールズ卿だ」 保険会社の男からの情報だった。 すわ!「ファントムの正体はチャールズ卿だ!」 クルーゾーはダーラ姫にそれを告げた。だが、ダーラ姫は俄かにはそれを信じない。「卿は高潔な名のある方ですよ」 「・・・彼は男として大変魅力的ですからな・・・」 クルーゾー警部が帰った後にやってきたのは、クルーゾー夫人のシモーヌだ。 「夫はチャールズ卿を捕まえるつもりです。何とかお力を・・・」と、シモーヌ。 「驚いた方ね・・・旦那様よりチャールズ卿に味方するのね・・・」と、ダーラ姫。 「昔からなんです・・・」 クルーゾーの妻は何とファントムの愛人であり相棒なのだ。 「・・・私に考えがあります・・・」 ダーラ姫は言った。「チャールズ卿に盗ませなければいいんでしょ」 仮装パーティの夜。様々な仮装をした招待客が賑わっている。 クルーゾー警部は中世の鎧甲冑姿でファントムの出現を見張っているが、どうにも動きがギクシャクしている。パーティの真っ最中、突然電気が消え真っ暗となった。これはダーラ姫の計略だった。 クルーゾー警部が蝋燭と間違え花火に火を点けたからパーティ会場は大混乱。あたりに仕掛けた花火が飛び交い、誰が誰か解らぬ人々でごった返した。ドタバタ・ドタバタ・・・・・ そんな最中、ゴリラの扮装のチャールズ卿とジョージがダーラ姫の隠し金庫を開けていた。その中に『ピンクの豹』はなかった!? そこへ、鎧甲冑のクルーゾーが部下を従え突入して来た。「逮捕する!」 ドタバタ・ドタバタ・・・・・ 怪盗ファントムことチャールズ卿と甥のジョージが逮捕された。 翌日の裁判所での法廷。そこで摩訶不思議な珍妙なことが起こった。 被告のチャールズ卿とジョージの証人として、何とクルーゾー警部が指名されたのである。 弁護士 「貴方はファントムの事件を何回担当しましたか?」 クルーゾー 「16回です」 弁護士 「その全ての現場となったパーティ会場にチャールズ卿がいたということですが、貴方は?」 クルーゾー 「私もいました・・・」 弁護士 「貴方の奥様はファントム事件の頃から高額な宝飾品や衣服にお金を払うようになっていますが、警部の給料はそんなによろしいのですか?」 クルーゾー 「・・・女房は・・・やりくり上手なのでして・・・」 クルーゾー警部はしどろもどろになり、胸のポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭った。するとそのハンカチからぶら下がっているのは、何と『ピンクの豹』ではないか!? 法廷は騒然となり、クルーゾーは失神した。 かくして、裁判所を出たクルーゾー警部は世紀の怪盗ファントムをひと目見ようと詰め掛けたご夫人達にもみくしゃになった。「違う、違う、私じゃない!」クルーゾーが叫ぶが、そんな声は女たちに聞こえない。 車の中でクルーゾーの両脇を固めた警官が言う。「2、3年は喰らうでしょうが、その後は・・・もてもてですな」 クルーゾーの脇腹をひじで突っつく。 クルーゾーもまんざら悪い気分でもない。それもいいかも・・・! 「・・・色々、苦労したのさ」 クルーゾーはとうとう、怪盗ファントムになってしまったのである。 ![]() |
| 映画館主から ピーター・セラーズのクルーゾー警部がテンヤワンヤの活躍をする「ピンクパンサー」シリーズの第一弾です。 シリーズはその後、「暗闇でドッキリ」(’64年)、「ピンクパンサー2」(’75年)、「ピンクパンサー3」(’77年)、「ピンクパンサー4」(’78年)と続き、コメディアン、ピーター・セラーズの当たり役となりました。 この「ピンクの豹」の主役はデビッド・ニーブンですが、主役を喰うほどのクルーゾー警部のキャラクターが受けたため、恐らく監督のブレイク・エドワーズがクルーゾー警部を主人公にしてシリーズ化したものと思われます。そして彼のライフワークともいえるシリーズとなりました。 ちなみに、ブレイク・エドワーズ夫人はあのジュリー・アンドリュースです。 怪盗ファントムに「80日間世界一周」(’56年)、「ナバロンの要塞」(’61年)のイギリス男優、洒脱な演技をさせたら天下一品のデビッド・ニーブン。 ダーラ王女に「刑事」(’59年)、「ブーベの恋人」(’63年)、「山猫」(’63年)のイタリア女優、クラウディア・カルディナーレ。 クルーゾー警部に「博士の異常な愛情」(’63年)のイギリス男優、ピーター・セラーズ。その夫人に「アラスカ魂」(’60年)のフランス女優、キャプシーヌ。怪盗ファントムの甥に「山」(’55年)のアメリカ男優、ロバート・ワグナーと豪華な国際的配役です。 音楽はヘンリー・マンシーニのコミカルタッチなメロディ。 マンシーニは「ティファニーで朝食を」(’61年)、「酒とバラの日々」(’62年)、「グレートレース」(’65年)などでもブレイク・エドワーズ作品で音楽を担当しています。 参考文献:「THE MOVIE] デアゴスティーニ |
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