| 刑事 1959・伊 | |
![]() 監督:脚本: ピエトロ・ジェルミ 原作:C・E・ガッタ 撮影:レオニーダ・バルポーニ 音楽:カルロ・ルスティケリ 出演:ピエトロ・ジェルミ クラウディア・カルディナーレ ニーノ・カステルヌオーボ エレオノラ・ロッシ・ドラゴ サーロ・ウルツィ フランコ・ファブリツィ クローディオ・ゴーラ ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 ローマのアパートで白昼、強盗騒ぎが発生した。 「泥棒だ、泥棒だ!」 同じアパートの住人、元将軍の老人が拳銃で威嚇したが強盗は素早く逃げ去った。 アパート中が大騒ぎになり、警察が乗り込んできた。 イングラバーロ警部(ピエトロ・ジェルミ)とサーロ刑事(サーロ・ウルツィ)たちは被害者のアンザローニを調べるが、彼は警察が苦手なのか、「被害は何もないから早く引き取ってくれ」と、非協力的だった。 通い女中のアスンティナ(クラウディア・カルディナーレ)は、事件の起きた時、隣のバンドウチ家にいたという。 イングラバーロ警部はアスンティナに色々と質問した。電気工の恋人がいるという。 バンドウチ家を訪れ夫人のリリアーナ(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)にアスンティナについて聞き込むイングラバーロ警部。アスンティナはこのアパートの複数家の通い女中なのだ。リリアーナは美しい夫人だがどこか暗い影があった。 リリアーナはアスンティナも恋人の電気工も真面目だと請合った。 アスンティナを尾行した刑事たちは電気工のディオメーデ(ニーノ・カステルヌオーボ)を見つけ警察に連行した。アスンティナとともに犯行を否定するディオメーデ。 隣室からディオメーデの面通しをした被害者のアンザローニも、「あんな感じではなかったと思います。何しろいきなり後ろから頭を殴られたので・・・」と、はっきりしない。 一週間ほどしたある日、今度はバンドウチ家を訪れたバルダレナ医師(フランコ・ファブリツィ)がリリアーナの血だらけの死体を発見する。 同じアパートで今度は殺人事件である。 再びイングラバーロ警部たちがやって来た。死因は刺殺による出血多量と判明する。 運ばれるリリアーナの死体を見てアスンティナが失神した。 バルダレナ医師から死体発見時の様子を聞く。イングラバーロ警部の胸は何かすっきりしない。バルダレナは昔からバンドウチ家とは付き合いがあった。 「疑う訳じゃないが、貴方が犯人の可能性はありますな」 バルダレナ医師は憤慨して否定する。 報せを受けたバンドウチ(クローディオ・ゴーラ)が死体安置所でリリアーナの死体確認で気絶した。会社を経営しているが気の弱い男だった。 神父の証言 「リリアーナ夫人は優しい人だが孤独でした。36歳で遺言を書いていたんです」 公証役場でリリアーナの遺言を公開する。遺産を受け取る人間が呼ばれた。アスンティナも入っていた。ところが夫のバンドウチの名前がない。 「主人の私を差し置いて遺産の分配とは、納得できない。遺言の無効を要求します」 公証人は言う。「これは合法です」 その後の警察の調べで、強盗被害者のアンザローニには色々な余罪があることが判明した。盗品故買とそれら、ネックレス、イヤリング、指輪、タイピンなどを改造する組織に関わっていた。 加えてその組織はバルダレナ医師が指揮していたのだ。 イングラバーロ警部は惨劇のアパートの部屋へバンドウチを呼び出して尋問を始めた。「貴方にも立派な動機がありますぞ」 バンドウチは動揺して語りはじめた。 「実は、かって女中だった若いバージニアと関係ができ、それをリリアーナに知られたので別れるつもりでいたが、別れられずに或るアパートに囲っているのです」 さっそくイングラバーロ警部はバンドウチを伴ってバージニアのアパートへ押しかけた。取り乱すバージニアにピンときたイングラバーロ警部が奥の寝室へ入るとベッドにいたのは何とバルダレナ医師ではないか。 取っ組み合いになるバンドウチとバルダレナの間に割って入ったイングラバーロ警部は、二人の頬を張り飛ばす。なんて奴等だ! イングラバーロ警部は苛立っていた。捜査は進展しない。事件の関係書類を整理するよう部下に命じた警部は、ふと、アスンティナから手渡されたバンドウチ家の部屋の鍵を手に取った。この鍵・・・!? 郊外にあるアスンティナの家へ突然押しかけたイングラバーロ警部は、慌てて出かけようとしたアスンティナに詰め寄った。 「もう、お前達の話には騙されないぞ、バンドウチ夫人殺しは多分、お前の手引きだ。正直に答えろ」 その時、戸口にディオメーデが来た。「逃げて!」アスンティナが叫ぶ。 捕らえられたディオメーデは、全てを告白した。アスンティナの鍵でバンドウチ家に忍び込んだが、室内を物色中にリリアーナ夫人が帰ってきてしまった。叫ぼうとする夫人をディオメーデは持っていたナイフで刺してしまったのだ。何回も、・・・。「殺す気はなかった。本当です。結婚する金が欲しかったんです」 警察の車に乗せられるディオメーデ。車が走り出す。アスンティナは外へ飛び出し、車の後を追いながら悲痛の叫びをあげた。「ディオメーデ、ディオメーデ・・・」 アスンティナの姿が小さくなっていった。 |
| 映画館主から 「鉄道員」(’56年)のイタリアの巨匠、ピエトロ・ジェルミ監督・主演作品です。 若く貧しい男と女を問い詰めていく一徹な警部。その過程でアパートの住人たちやそれを取り巻く人々の様々な生活や裏側が炙り出されていきます。 俳優としてのジェルミの演技も、一見冷徹そうで若い二人への眼差しが感じられます。 肉体派クラウディア・カルディナーレの庶民的な演技も印象的で、その後、「山猫」(’63年)、「ピンクの豹」(’64年)などでは一変して華麗な女に変身しています。 恋人役のニーノ・カステルヌオーボは、「シェルブールの雨傘」(’64年)でカトリーヌ・ドヌーブと共演しています。小柄で地味ですが好感が持てました。 「鉄道員」の主題曲と同じく、カルロ・ルスティケリの甘く切ない旋律「死ぬほど愛して」がいつまでも耳に残っております。 |
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