「革命児サパタ」
革命児サパタ 1952・米
革命児サパタ

監督:エリア・カザン
原作:ジョン・スタインベック
脚色:ジョン・スタインベック
撮影:ジョー・マクドナルド
音楽:アルフレッド・ニューマン

出演・マーロン・ブランド
    アンソニー・クイン
    ジーン・ピータース
    ジョゼフ・ワイズマン



アンソニー・クイン
物語

メキシコ市、1909年。
南部モレロス州のインディオたちがディアス大統領のもとへ陳情に訪れた。
「先祖代代の土地を地主に奪われた。荒れ果てた土地しかない」 農民たちが訴えた。
ディアスは言った。「土地の境界線を探せ」 
「それは無理だ。土地に入れば撃たれる」 そう言ったのはサパタ(マーロン・ブランド)だった。
当時、メキシコ南部はディアスの圧政下で苦しんでいたのだ。

サパタたちが土地の調査を始めると、地主側の多数の男達が銃を乱射し、多数の死亡者が出た。サパタは立ち上がった。「土地と自由」の名のもとにゲリラ隊を組織した。サパタを陰で見守るのようにサパタの兄マノ(アンソニー・クイン)がいた。
サパタはその頃、反ディアスの組織のリーダー、マデロに会い意気投合する。その間を取り持ったのはフェルナンド(ジョゼフ・ワイズマン)だった。
ゲリラ隊は列車を襲い爆薬を奪った。そして政府軍と戦い戦果を上げていった。
サパタはかねてより思いを寄せていた富豪の娘ホセファ(ジーン・ピータース)と結婚した。サパタが将軍になったので父親の許しが出たのだ。

「ディアス失脚」の報がもたらされたのはそんな時だった。町じゅうが喜びに溢れた。しかし、サパタの気は晴れなかった。彼は字が読めない。指導者になるにはハンディがあった。そんなサパタに妻が文字の授業を始めるのだった。

大統領になったマデロにサパタとマノが面会した。
「いつ農民に土地を返すんです?」とつめよるサパタ。
「慎重に進めんとな」 マデロはサパタにとって生ぬるかった。
そんな時、ディアス政権の残党の軍部はサパタとマデロを抹殺しようと計略を練っていた。

マデロは軍部に暗殺された。
一方、サパタは軍部と通じていた裏切り者の銃殺を続けた。サパタは疲れきっていた。共に戦ったパンチョビラ将軍の推挙でサパタは大統領になる。
陳情団がサパタに訴えた。「兄上が畑を奪いました」 サパタは驚愕した。「本当か?」 村へ帰るとマノは息巻いた。「俺は将軍だぞ。将軍らしく生きたいんだ」
サパタは苦悩する。共に戦ってきた兄を殺さねばならないのか。
しかし、マノは凶弾に倒れた。マノの死体においかぶさってサパタは泣いた。

サパタは農民たちに言った。「一人一人が強くなれ、自分たちの土地を守るんだ」

しかし、同士フェルナンドの罠にかかり、町に下りたサパタは待ち伏せた兵の一斉射撃を浴び蜂の巣のようになり果てたのだった。
映画館主から

マーロン・ブランドが圧倒的な演技を見せ、サパタの人間像を浮き彫りにしました。頑固なほどの信念と行動力。不敵な面構えと独特な個性でカンヌ映画祭男優賞を得ています。
又、サパタの兄マノ役のアンソニー・クインはアカデミー助演男優賞に輝きました。

エリア・カザン監督のリアリズム演出が光る傑作。前作「欲望という名の電車」に続いてマーロン・ブランドを主役に起用し、ブランドをトップスターに引き上げました。’54年にも「波止場」で再びブランドを主役に起用しています。

社会派として一連の作品を発表してきたカザンはハリウッドの“赤狩り旋風”の対象となり、不遇の時代を送った時期もありましたが、「波止場」「エデンの東」で、屈折した青春群像を見事に描き、圧倒的な支持を得ました。

マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、ウォーレン・ビーティ「草原の輝き」の生みの親でもあります。

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