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「ヴェラクルス」ラストシーン |
| ヴェラクルス 1954・米 | |
![]() 製作:ジェームズ・ヒル 監督:ロバート・アルドリッチ 原作:ボーデン・チェイス 脚本:ジェームズ・R・ウェッブ ローランド・キビー 撮影:アーネスト・ラズロ 音楽:ヒューゴー・フリード 出演:ゲーリー・クーパー バート・ランカスター シーザー・ロメロ チャールズ・ブロンソン アーネスト・ボーグナイン ドニーズ・ダルセル サリタ・モンティエル ![]() ![]() |
物語 南北戦争直後、メキシコでは、マクシミリアン皇帝による外国の支配に対し、革命軍が乱を起こした。 その動乱の場に、アメリカから元兵士や無法者の群れが流れ込んできた。 南軍の少佐(ゲーリー・クーパー)は足を怪我した馬を無法者のエリン(バート・ランカスター)から買い換えた。 その時、彼方から政府軍の群れがやってくるのが見えた。二人は馬で逃げる。 政府軍はトレーンに向け発砲してきた。 「撃ってきたぞ」と、トレーンが言うと、「当たり前だ、その馬は軍の馬だ」エリンがニヤリと答えた。 地面の裂け目を馬で飛び越えるエリンとトレーン。政府軍は一斉射撃、トレーンが馬もろとも倒れる。倒れたトレーンにエリンが近づいた。何やら盗もうとしたエリンに向け死んだと思ったトレーンが銃を構えていた。エリンはトレーンの鉄拳を喰らう。「ルイジアナなら縛り首だぞ」と、トレーンは言って去る。 町に入ったトレーンがエリンの馬に乗ってきたのを見られ、酒場でエリンの手下たちからリンチを受ける寸前、エリンが玄関に立った。日焼けした黒い顔に白い歯を出して笑う。「俺と組まんか」エリンが言った。 町の広場。マクシミリアン皇帝の側近デ・ラボルデア公爵(シーザー・ロメロ)が兵を引き連れてきた。「我々に手を貸さないか、皇帝は気前がいいぞ」 その時、革命軍のラミレス将軍が人垣を割ってきて言う。 「あいにくだが公爵は捕虜だ。君たちもな」エリンたちが回りを見ると、広場の塀の上に革命軍の兵士達が銃を構えて立ち並んでいた。 エリン、広場にメキシコの子供たちがいるのを見て、「子供は犠牲にできん」部下に合図し家の中へ連れて行かせる。 「子供が死ぬぞ!」エリンが叫んだ。メキシコの子供を人質に取ったのだ。 ラミレス将軍はやむなく兵を引かせた。 「切れる男だ。子供を使うとはな」公爵は舌を巻いた。 メキシコシティの宮殿。舞踏会。マリー・デュバル伯爵夫人(ドニーズ・ダルセル)に心惹かれるエリン。 宮殿の広場でライフルの腕前を披露するトレーンとエリン。皇帝は大いに満足げだ。 皇帝の命により、マリー・デュバル夫人を馬車でヴェラクルス港まで送り届ける旅が始まった。 河を渡るわだちを見て、トレーンが言う。「馬車が荷車より重い」 「確かに妙だ」エリンが答える。 宿泊所での夜、二人は馬車の底に金貨の詰まった箱を発見した。そこへ、デュバル夫人がやって来た。「50万の箱が六つよ」 エリン「300万ドル!いい響きだ」エリンが言った。「欧州で皇帝の軍隊を雇う資金なのよ、私は100万でいいわ。ラスパルマスで会う船長が船を用意してるわ」 町を通り抜けようとした時、革命軍が一行を襲った。銃撃戦の中、町の女ニナ(サリタ・モンティエル)も馬車で加わり、皇帝軍は追撃をかわした。 エリンはトレーンに奇妙な友情を感じ始めていた。 ラスパルマスでルクロア船長とデュバル夫人の密談。エリンがそこへ入ってくる。船長が出て行くと、エリンは夫人を張り倒した。「船長は俺を死人を見る眼で見た。・・・金貨を運べば俺は用済みか」 エリンは金貨を二人で分けないかと持ちかける。 一方、トレーンは町の女ニナと金貨を奪う相談をしていた。 そんな折り、皇帝の兵が馬車を走らせて町を去る。銃撃戦で腕を撃たれたエリン。トレーンとエリンたちも馬車を追う。 途中で革命軍の爆薬で横倒しになった馬車の中には金貨は無かった。 「公爵が一枚上手だ」トレーンが言った。デ・ラボルデア公爵が金貨を荷車に移し変えヴェラクルスへ向かっていたのだった。 その時、彼らを革命軍が取り囲んでいた。トレーンが丸腰で出て行く。ラミレス将軍と対峙。「一緒に取り返そう」と、トレーン。「あれは、メキシコの金だ。分けられん」と将軍。トレーンは分け前でなく、報奨金として10万ドルを将軍に認めさせた。将軍、「よし払う、あんたの言葉を信じよう」 ヴェラクルス要塞。公爵はまんまと金貨を運び込んだ。 しかし、トレーンとエリンを味方に付けた革命軍は、二人の援護射撃で要塞の門を突破し、要塞になだれ込んでいく。 両方の多くの兵隊が死んでいく。公爵も倒れた。 要塞の二階にいたデュバル夫人の元へエリンが上がって行く。夫人を抱きしめ船の場所を聞き出したエリンは地上に飛び降り、馬車を用意した手下を撃ち殺した。 そこへライフルを構えたトレーンが姿を現した。「馬車をもらうぞ」とエリン。 「革命軍の金だ」とトレーン。 「フェアな勝負をしろ」とエリン。トレーン、ライフルを投げ捨てる。 向き合う二人。双方、拳銃に手が伸びて・・・。一瞬の動き、銃声が轟く。 ニタリと笑いながら銃をクルリと回しホルダーに納めたエリンはそのまま後ろ向きに倒れた。 全てが終わった。ニナがトレーンの姿を探し当て、走っていった。 |
| 映画館主から バート・ランカスターが自分のプロダクションに大先輩のゲーリー・クーパーを迎えて制作した異色西部劇の傑作。 メキシコ革命を舞台に、馬車に隠された300万ドルの金貨を巡っての駆け引きが欲望にくらんだ各様の人間を浮き彫りにしていきます。 ランカスターが最高に魅力的で、黒く日焼けした顔にニッと笑った白い歯が、完全にゲーリー・クーパーを食ってしまいました。 本作のような野蛮な役柄と「山猫」’63年のような貴族的な演技を併せ持つ不思議な役者であります。 ロバート・アルドリッチ監督の出世作でもあります。 「特攻大作戦」「北国の帝王」「ロンゲスト・ヤード」などの男臭いアクションや、「何がジェーンに起こったか?」や、「飛べ!フェニックス」「ソドムとゴモラ」などの異色作も際立っていました。 本作では、アーネスト・ボーグナインやチャールズ・ブロンソンなどが脇役で出演しており、興味深いところ。 西部劇といえば決闘場面ですが、ランカスターとクーパーのラストでの決闘は、西部劇史に残る名場面でありましょう。 |
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