| 恐怖の報酬 1952・仏 | |
![]() 監督:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー 脚本:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー 撮影:アルマン・ティラール 音楽:ジョルジュ・オーリック 出演:イブ・モンタン シャルル・バネル ペーター・ファン・アイク フォルコ・ルリ ヴェラ・クルーゾー |
物語 メキシコに近い中央アメリカのラス・ピエドラスの町。職のない食い詰め者の男達が希望のない日々を送っていた。ある日、そこから500キロメートル離れた山上の油田に大火災発生の一報が入った。 石油会社では、ニトログリセリンの爆風により火災を鎮圧することに決定。2台のトラックでニトロを運ぶ男達を賞金付きで募集した。マリオとジョー、ビンバとルイジの2組、4人の男達が選ばれた。 雇い人がニトロの威力を示す実験で、一滴、地面に落とすと凄まじい爆発が起きた。4人は、恐怖に慄くが、成功報酬の4,000ドルには替えられない。トラックに満タンのニトロを積み込み、男達は出発した。 先行を行くビンバ組みは道をふさぐ大石を、ニトロを使って爆破に成功、道を開けた。しかし、その後、後方のマリオ達は前方に激しい爆発音を聞いた。遅れて爆風がやって来た。 マリオ組みが現場へ行くと、トラックは跡形もなく、切断された油送管から石油が流れ出し、池を作っているのだった。 そこを通らなければ前には進めない。マリオがトラックを池の中へ進めた。案内をしていたジョーが油に足をとられ倒れた。が、後に引く訳にいかないマリオはジョーの足の上をトラックを通した。トラックは脱出したが、ジョーは瀕死の重傷だった。 マリオはジョーを励ましながら、ようやく油田にたどり着いたが、ジョーはすでに死んでいた。 油田火災の鎮火に成功し、賞金の4,000ドルは、マリオのものになった。意気揚揚と山道を走らすマリオ。ニトロの無い帰りのトラックは気楽な旅だ。町には恋人のリンダが待っている。一瞬の油断が運命の分かれ目だった。運転を誤ったマリオのトラックは断崖から千尋の谷底へと落下していった。 |
| 映画館主から アンリ・ジョルジュ・クルーゾーのA級サスペンスの傑作です。最初に一滴のニトロの威力を見せられて、主人公達同様、我々も最後まで息がつけません。そのトラックが吊り橋のワイヤーを引っ掛けてしまい、橋もろとも落ちそうになる場面とか、巻こうとしていた巻き煙草の葉が手の平からフッと飛び、前方車の爆風を感じる場面とか、芸の細かい演出は心憎いばかりです。 イブ・モンタンはシャンソン歌手ですが、俳優としても活躍、「恐怖の報酬」のモンタンは若く、汚れ役ながらイカシテます。シャルル・バネル(ジョー役)は年季の入った味でカンヌ映画祭の男優演技賞を獲得しました。マリオの恋人役リンダには、クルーゾー監督の夫人、ヴェラ・クルーゾーが扮しています。 同監督の「悪魔のような女」は女の世界の恐怖を描き、「恐怖の報酬」では、まさに男の世界の恐怖とサスペンスを見事に描きました。カンヌ映画祭グランプリ作品です。 参考文献:「映画辞典」京恵出版 |
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