| マラソンマン 1976・米 | |
![]() 製作:ジョージ・エバンス 監督:ジョン・シュレシンジャ− 原作:脚本: ウィリアム・ゴールドマン 撮影:コンラッド・ホール 音楽:マイケル・スモール 出演:ダスティン・ホフマン ローレンス・オリビエ ロイ・シャイダ− マルト・ケラー ウィリアム・ディベイン |
物語 一人の老人がニューヨークの銀行の貸し金庫から取り出した小箱を町の雑踏の中で、別の男に手渡した。老人はその後、交通事故を起こし死んでしまう。セントラルパークをジョギングしていた大学生リビーがたまたま、その事故の現場を見ていた。 リビーはマラソンランナーのアベベを崇拝していた。アベベのようになりたいと、毎日、セントラルパークの周りをランニングしているのだ。 リビーの兄シーラは、石油を扱う実業家であるが、それは表向きで、実はFBIやCIAがタッチできないある機関の仕事に携わっていた。最近、彼の身の周辺で不穏な出来事が頻繁に起きるので、仲間のジーンウエイに話すと、思い過ごしだと一笑にふされる。 南米のパラグワイの密林の中、白髪の目つきの鋭い男、ナチの戦犯ゼルが新聞を読んでいた。「ナチ逃亡犯、ゼルの兄、ニューヨークで事故死」とあった。ゼルは自慢の白髪を剃り落とし、別人のようになり、ニューヨークへと向かうのだった。 ある日、リビーは図書館で女子学生エルザと知り合った。公園でデートのところを、2人の暴漢が襲ってきた。男達に痛めつけられたリビーは兄のシーラに手紙でそのことを知らせると、シーラはすぐにやって来た。シーラはエルザに気をつけろとリビーに言う。 その夜、シーラはある人物に会う約束でその場所に行くと、相手はなんとナチ逃亡犯のゼルであった。ゼルはニューヨークの銀行に多量のダイヤモンドを隠し持っていた。シーラはダイヤモンドの運び屋として、ゼルに雇われていたのだが、最近、シーラがスパイ行為をしているとの情報が、ゼルの耳に入っていたのだ。シーラとゼルが口論になった。突然、シーラの顔色が変わった。ゼルの右腕に仕込んだ飛び出しナイフがシーラの腹を切り裂いていたのだ。 リビーの部屋の前に血まみれのシーラが立っていたが、言葉も無く、リビーの腕の中で息絶えた。 警官や、刑事達、シーラの友人、ジーンウエイがやって来た。ジーンウエイの話で兄の仕事内容を知り、愕然とするリビー。 リビーが風呂に入っていたところへ、またもや2人の暴漢が襲った。意識を回復したリビーの前にゼルが立っていた。「それは安全かね?」ゼルが問うが、リビーにはなんのことか解らない。ゼルの拷問が始まった。ゼルはナチの収容所で名歯科医で「白い天使」と呼ばれ恐れられていた人物であった。リビーの歯神経を痛めつけるゼル。「それは安全かね?」 気を失っていたリビーをジーンウエイが助けに来た。2人のゼルの部下を撃ち、脱出した。車の中で、ジーンウエイにダイヤのことは何も知らないと真実を話すと、何故か車はゼルの隠れ家に戻っていく。ジーンウエイも彼らの仲間だったのだ。死んだ筈の2人の男がやって来た。 再び、拷問が始まるが、隙をみてリビーは逃げた。裸足のリビーは走る。男達が追ってくる。意識はもうろうとしているが、日頃から足は鍛えてある。男達をまいて、エルザに電話をし、エルザの案内で郊外の隠れ家へ行く2人。 しかし、エルザも敵の仲間で、間も無く殺し屋達がやって来た。だが、敵のコミュニケーション不足から、撃ちあいになり、エルザ、ジーンウエイ、2人の部下全員が死ぬ。 ゼルは銀行からダイヤを持ち出すと、現金に替える為、宝石店に入った。店員に「どこかで見た顔だ」と言われた。店員の手首にナチ収容所の認識番号が焼きついていた。ゼルはダイヤを持つとそそくさと店を出た。 足早に行くゼル。通りの反対側から老女が叫んだ。「ゼルだ!白い天使だ!ゼルが生きている!」追い着いた宝石店の店員の首をゼルのナイフが切り裂いた。 銀行に残っている全てのダイヤモンドを引き出したゼルの背中に拳銃が突きつけられた。リビーだった。セントラルパークの浄水場の中で2人だけになった。 「ダイヤをゼルから取り上げ、一掴みゼルの足元に投げ捨てるリビー。ダイヤは隙間から下の水に落ちていく。「やめろ!」ゼルは叫ぶ。「飲め!」リビーは叫ぶ。ゼルはダイヤを一粒飲み込んだ。更にダイヤを撒き散らすとゼルは必死にそれを拾おうとして、階段から転がり落ちた。水のなかに立ったゼルの胸に自らのナイフが突き刺さっていた。ゼルはそのまま、水の中に倒れ流されていくのだった。 |
![]() ローレンス・オリビエ |
映画館主から 「真夜中のカーボーイ」のジョン・シュレシンジャ−監督が撮ったサスペンスの傑作です。「真夜中のカーボーイ」のダスティン・ホフマンを再度主役に迎え、脇をローレンス・オリビエ、ロイ・シャイダ−、マルト・ケラー、ウイリアム・ディベインと芸達者が固めています。特に、ナチの逃亡犯を演じたローレンス・オリビエの存在感のある凄みのある演技が圧巻です。 その、ローレンス・オリビエの歯科医が拷問でダスティン・ホフマンの歯をドリルで痛めるシーンは強烈で、こっちまで歯が痛くなります。 ドラマはどんでん返しの連続で、味方と思っていた人物が実は敵で、誰も信じられなくなります。ロイ・シャイダ−演ずる兄のシーラが刺されるシーンも意表をついていてヒッチコック的です。又、ローレンス・オリビエの右手に仕掛けられたナイフも小道具として気が効いていました。 ニューヨークの人通りを足早に歩くローレンス・オリビエのラスト近くのシーンはぞくぞくする緊張感がみなぎっていました。 私の好きなサスペンス映画です。 |
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