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「トプカピ」 |
| トプカピ 1964・米 | |
![]() 製作:監督: ジュールス・ダッシン 原作:エリック・アンブラー 脚本:モンヤ・ダニシェウスキー 撮影:アンリ・アルカン 音楽:マノス・ハジダキス 出演:メリナ・メルクーリ ピーター・ユスチノフ マクシミリアン・シェル ロバート・モーリー ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 トルコのイスタンブール。 トプカピ宮殿にあるトプカピ博物館に世界一のエメラルドが4つはめ込まれた短剣が展示されている。皇帝を模った等身大の人形の胸にそれは収まっているのだ。ガラス張りの中の短剣に輝くエメラルドは誘惑するような輝きを放っている。 女盗賊のエリザベス(メリナ・メルクーリ)はその短剣を盗み出す計画を練っていた。 パリの愛人ウォルター(マクシミリアン・シェル)に計画を話す。 「今回は素人を仲間に選んだ方がいい」ウォルターは言った。犯罪歴のない人間の方が足がつかないからだ。 発明狂の英国貴族ページ(ロバート・モーリー)は、博物館の床に仕掛けられているセンサーの説明をする。閉館した後の博物館の床にはセンサーが仕掛けてあり、一歩踏み込んだが最後、警報機が鳴るようになっている。人間どころか指一本床に触れるわけにいかないのだ。皇帝の短剣は陳列室の真中にある。どうやって盗み出そうというのか。 口の利けない軽業師、大力の男が仲間に加わる。そして、少し頭の足りないアーサー(ピーター・ユスチノフ)が標的にされた。 ウォルターはアーサーに車をホテルまで運ぶように言いつけた。高級車を鼻歌まじりで運転していたアーサーは検閲の警官に調べられる。すると、車のトランクに銃や弾薬が詰まっていた。アーサーは捕らえられ、尋問を受けるが、何がなにやら解らない。どうやらテロリストの一味と間違えられたようだ。 「トルコ政府のためにスパイをせよ」アーサーはスパイをする条件で釈放された。 ウォルターはアーサーがトルコ政府のスパイをさせられているのを知り、決行を今夜と決め、アーサーに計画を話し、仲間に引き込んだ。 「博物館の屋根に登ってくれ」ウォルターは言った。「高い所は駄目だ。高所恐怖症なんだ」とアーサー。「計画を知った以上、断ることは許さん」 トルコ相撲の競技場から政府刑事の目を盗み、トプカピ宮殿の屋根に登る。ウォルター、軽業師、アーサーの3人だ。アーサーは屋根から下を覗き、足が震える。屋根から屋根へと渡り、博物館の屋根に着いた。暗くなるまで待つ。 一方、エリザベスとページは灯台守の男とゲームに興じていた。灯台の灯りが博物館を照らす周期を遅らせるためエリザベスが男の注意をそらせ、ページが歯車の回転を押さえる。 軽業師がロープを体に巻き、屋根からぶら下がり、灯台の灯りが回転を止めている隙に壁の窓枠を外し侵入する。 ロープの片方はアーサーの体に巻きつけ支えている。一瞬、引きずられ落ちそうになる。ウォルターが引きとめた。 軽業師は陳列室の真上にいた。天窓を外すと皇帝の人形が真下にあった。 軽業師は徐々にロープで降りる。ガラスの箱の鍵を外しガラス箱の上面に吸盤をセット、合図でウォルターが引き上げる。 短剣を偽物と摩り替える。ガラス箱を元通りに戻す。 「やったぞ!」ウォルターは叫んだ。軽業師が再び天窓に引き上げられ窓を閉めた。 その時、窓から一羽の小鳥が陳列室へ舞い込むのに気がつかなかった。 彼らの動きを追っていたトルコの刑事達がエリザベス以下全員を一室に集め調べ始めた。しかし、彼らが何を狙っていたのか解らない。エリザベス達は悦にいっていた。「トルコの競技に熱中したわ」 陳列室に入った小鳥はあちこち飛び回っていたが、やがて床に着地した。センサーは正常に機能した。警報機がけたたましい音を立てる。 通報を受けたトルコ刑事はエリザベス達に言った。「やっと今解った。小鳥が教えてくれたよ」 刑務所の庭。運動の時間だ。エリザベスが歩く。ウォルター、アーサー、軽業師、ページが歩く。「ピー」休憩時間。 男と女を隔てる鉄格子のそばに何となく集まった連中。 エリザベスが言った。「明日、出所よ。又、やらない?」「又?!!」 「クレムリンにロマノフの宝石があるんだけど・・・あれ、いいなぁ」 |
| 映画館主から トプカピ宮殿博物館に陳列されている皇帝人形の短剣(世界一のエメラルドが4個埋め込まれている)を奇想天外な方法で盗み出す盗賊団をコミカルに描いた犯罪映画の傑作。 天井からロープでぶら下がり犯行をするアイデアは、「ミッション・インポッシブル」でトム・クルーズがやった先取りです。この場面は音楽も無く、ピーター・ユスチノフがロープを離してしまわないかとヒヤヒヤさせ、手に汗握ります。なにしろ、床にはセンサーが張られているのですから。 それが、たった1羽の小鳥のために全てが台無しになってしまうのです。 とんまな高所恐怖症男を演じた英国俳優、ピーター・ユスチノフは「スパルタカス」’60年に続いて2度目のアカデミー助演男優賞に輝きました。 ウォルター役のマクシミリアン・シェルは「ニュールンベルグ裁判」’61年でアカデミー主演男優賞を受賞したオーストリア出身の名優。 女盗賊エリザベスのメリナ・メルクーリは「日曜はダメよ」’60年で国際派女優になったギリシャの花。晩年、ギリシャ軍事政権が崩壊した後政界に入り、’84年には科学・文化大臣として来日したこともありますが、’94年に波乱の生涯を閉じました。 監督のジュールス・ダッシンは赤狩りでハリウッドを追われ、ヨーロッパで才能を開花させた社会派。メリナ・メルクーリの夫君でもあり、「掟」’58年、「日曜はダメよ」’60年、「死んでもいい」’64年、そして本作でコンビを組んでいます。 初期の代表作、「裸の町」’48年はドキュメンタリータッチの迫真の映像で注目を集めました。 本作のラストで、ロシアらしい風景に雪が降り、メンバーが一人、また一人集まってきて、キャストの名前が紹介されます。そして軽快なテーマ音楽。きっと、これからロマノフの宝石を盗みにいくところなのでしょう。 おしゃれなラストシーンでした。 |
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