現代かなづかい

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2002/12/19 公表

参考文献、『官報』1946年

昭和21年内閣訓令第8号(官報号外・S21,11,16)

各 官 廳

「現代かなづかい」の実施に関する件

國語を書きあらわす上に、從來のかなづかい は、はなはだ複雜であつて、使用上の困難が大 きい。これを現代語音にもとづいて整理するこ とは、教育上の負担を軽くするばかりでなく、 國民の生活能率をあげ、文化水準を高める上 に、資するところが大きい。それ故に、政府は、 今回國語審議会の決定した現代かなづかいを採 択して、本日内閣告示第三十三号をもつて、こ れを告示した。今後各官廳においては、このか なづかいを使用するとともに、廣く各方面にこ の使用を勧めて、現代かなづかい制定の趣旨の 徹底するように努めることを希望する。

昭和二十一年十一月十六日

内閣総理大臣 吉田  茂

昭和21年内閣告示第33号(官報号外・S21,11,16)

現代國語の口語文を書きあらわすかなづかいを、次のように定める。

昭和二十一年十一月十六日

内閣総理大臣 吉田  茂

現代かなづかい

まえがき

一、
このかなづかいは、大体、現代語音にもとづいて、現代語をかなで書きあらわす場合の準則を示したものである。
一、
このかなづかいは、主として現代文のうち口語体のものに適用する。
一、
原文のかなづかいによる必要のあるもの、またはこれを変更しがたいものは除く。
発音 新かなづかい 備考(旧かなづかいを示す。)
くわ
ぐわ
発音 新かなづかい 備考(旧かなづかいを示す。)
ユウ ゆう いう、いふ、ゆふ
オオ おう あう、わう、あふ、はう
コオ こう かう、くわう、かふ、こふ
ゴオ ごう がう、ぐわう、がふ、ごふ
ソオ そう さう、さふ
ゾオ ぞう ざう、ざふ
トオ とう たう、たふ
ドオ どう だう
ノオ のう なう、なふ、のふ
ホオ ほう はう、はふ、ほふ
ボオ ぼう ばう
ポオ ぽう ぱう、ぱふ、ぽふ
モオ もう まう
ヨオ よう やう、えう、えふ
ロオ ろう らう、らふ
発音 新かなづかい 備考(旧かなづかいを示す。)
キュウ きゅう きう、きふ
ギュウ ぎゅう ぎう
シュウ しゅう しう、しふ
シュウ じゅう じう、じふ、ぢゆう
チュウ ぢゅう ちう
ニュウ にゅう にう、にふ
ヒュウ ひゅう ひう
ビュウ びゅう びう
リュウ りゅう りう、りふ
発音 新かなづかい 備考(旧かなづかいを示す。)
キョオ きょう きやう、けう、けふ
ギョオ ぎょう ぎやう、げう、げふ
ショオ しょう しやう、せう、せふ
ジョオ じょう じやう、ぢやう、ぜう、でう、でふ
チョオ ちょう ちやう、てう、てふ
ニョオ にょう ねう
ヒョオ ひょう ひやう、へう
ビョオ びょう びやう、べう
ミョオ みょう みやう、めう
リョオ りょう りやう、れう、れふ

細則

第一

と書く。たゞし助詞のを除く。

一、と書くもの
ど(井戸(ヰド))
のしし((ヰノシシ))
くわ((クワヰ))
((アヰ))
いる((マヰ)る)
る(()る)
びょう(胃病(ヰビヤウ))
けん(権威(ケンヰ))
ち(位置(ヰチ))
さん(遺産(ヰサン))
にん(委任(ヰニン))
たい(大尉(タイヰ))
き(区域(クヰキ))
しょくん(職員(シヨクヰン))
びょうん(病院(ビヤウヰン))
ん(余韻(ヨヰン))
どう(水道(スヰダウ))
さつ(推察(スヰサツ))
じ(炊事(スヰジ))
じゃく(衰弱(スヰジヤク))
ぶん(随分(ズヰブン))
いっつ(一対(イツツヰ))
ごん(遺言(ユヰゴン))
しんる(親類(シンルヰ))
二、と書くもの
((コヱ))
((ツヱ))
((スヱ))
る(()ゑる)
る(()ゑる)
とく(会得(ヱトク))
(智慧(チヱ))
こう(回向(ヱカウ))
この(近衞(コノヱ))
ちょうつ(超越(テウヱツ))
んきん(遠近(ヱンキン))
こうん(公園(コウヱン))
けんん((ケンヱン))
いちん(一円(イチヱン))
ぎょん((ギヨヱン))
んさ(怨嗟(ヱンサ))
んじょ(援助(ヱンジヨ))
んざい((ヱンザイ))
三、と書くもの
け((ヲケ))
か((ヲカ))
((ウヲ))
((トヲ))
どる((ヲド)る)
しえる((ヲシ)へる)
れる((シヲ)れる)
しい(()しい)
かしい(をかしい)
い((アヲ)い)
めい(汚名(ヲメイ))
かん(惡寒(ヲカン))
ろうう(老翁(ラウヲウ))
く(家屋(カヲク))
んど(温度(ヲンド))
へいん(平穏(ヘイヲン))
ん(久遠(クヲン))
んりょう((ヲンリヤウ))
第二

くわぐわと書く。

一、くわと書くもの
がく(化学(クワガク))
へい(貨幣(クワヘイ))
ふん(花粉(クワフン))
けっ(結果(ケツクワ))
し(菓子(クワシ))
こ(過去(クワコ))
がく(科学(クワガク))
じ(火事(クワジ))
もく(課目(クワモク))
いぎ(会議(クワイギ))
いが(絵画(クワイガ))
こうい(後悔(コウクワイ))
い(破壞(ハクワイ))
いすう(回数(クワイスウ))
い(奇怪(キクワイ))
い(愉快(ユクワイ))
くとく(獲得(クワクトク))
くだい(拡大(クワクダイ))
つどう(活動(クワツドウ))
こうつ(狡猾(カウクワツ))
んげい(歓迎(クワンゲイ))
んり(官吏(クワンリ))
ん(帰還(キクワン))
いっん(一貫(イツクワン))
二、ぐわと書くもの
れき(瓦礫(グワレキ))
しょう((グワシヤウ))
いこく(外國(グワイコク))
いちつ(一月(イチグワツ))
んり(元利(グワンリ))
んやく(丸薬(グワンヤク))
こんん(懇願(コングワン))
第三

と書く。

一、と書くもの
((アヂ))
((フヂ))
わら((ワラヂ))
る(()ぢる)
る(()ぢる)
る(()ぢる)
ぞく(持続(ヂゾク))
(())
く((ヂク))
んち(陣地(ヂンチ))
ょせい(女性(ヂヨセイ))
さくょ(削除(サクヂヨ))
二、と書くもの
ら((ウヅラ))
((ウヅ))
((ミヅ))
る((ユヅ)る)
める((ウヅ)める)
ける((サヅ)ける)
らしい((メヅ)らしい)
かしい((ハヅ)かしい)
かに((シヅ)かに)
(()づ)
だい(大豆(ダイヅ))
じょう(頭上(ヅジヤウ))
さんのかわ(三途(サンヅ)(カハ))
が(図画(ヅグワ))

たゞし

(1)

二語連合によって生じたは、と書く。

はな(鼻血)
もらいち(もらひ乳)
りめん()
ちかか(近々)
みそけ(味噌漬)
みかき(三日月)
ひきな(引綱)
つねね(常々)
いれえ(入智慧)
ちゃのみゃわん(茶飮茶)
(2)

同音の連呼によって生じたは、と書く。

み(縮み)
む(縮む)
み(鼓)
ら(葛籠)
く(続く)
る(る)
第四

に発音されるは、と書く。たゞし助詞のは、と書くことを本則とする。

ら((カハラ))
((カハ))
((ニハ))
あらす((アラハ)す)
る((マハ)る)
れる((コハ)れる)
あらない((アラ)はない)
あつかない((アツカ)はない)
うたない((ウタ)はない)
いらしい(かはいらしい)
しい((クハ)しい)
しい((ケハ)しい)
かに((ニハ)かに)
すなち((スナハ)ち)
(琵琶(ビハ))
(枇杷(ビハ))
第五

に発音されるは、と書く。

うぐす((ウグヒス))
((タヒ))
((ハヒ))
わけ(言訳(イヒワケ))
ついやす((ツヒヤ)す)
らげる((タヒラ)らげる)
ならます((ナラ)ひます)
おもます((オモ)ひます)
したがます((シタガ)ひます)
さい((チヒ)さい)
しい((コヒ)しい)
に((ツヒ)に)
第六

に発音されるは、と書く。

あら((アラ)ふ)
(()ふ)
(()ふ)
(()ふ)
うた((ウタ)ふ)
しな((シナ)ふ)
(()ふ)
(()ふ)
(()ふ)
(()ふ)
(()ふ)
くる((クル)ふ)
あらそ((アラソ)ふ)
うけお(請負(ウケオ)ふ)
おも((オモ)ふ)
あやい((アヤフ)い)
第七

に発音されるは、と書く。

い((アフヒ))
ぐ((アフ)ぐ)
る((アフ)る)
す((タフ)す)
第八

に発音されるは、と書く。たゞし助詞のは、と書くことを本則とする。

る((カヘル))
((イヘ))
((マヘ))
かんが((カンガヘ))
る((カヘ)る)
ずる((サヘヅ)る)
すく((スク)へ)
ひろ((ヒロ)へ)
(助詞さへ)
第九

に発音されるは、と書く。

いきい((イキホヒ))
((カホ))
((シホ))
い((ニホヒ))
かみ((オホカミ))
やけ((オホヤケ))
り((コホリ))
ろぎ(蟋蟀(コホロギ))
ずき(漿(ホホヅキ))
((ホホ))
のき((ホホノキ))
もよし((モヨホ)し)
す((ナホ)す)
しおせる(爲遂(シオホ)せる)
とどこる((トドコホ)る)
る((トホ)る)
い((オホ)い)
きい((オホ)きい)
い((トホ)い)
((ナホ))
第十

の長音は、ゆうと書く。

一、いうゆうと書くもの。
ゆうじん(友人(イウジン))
ゆうげん(幽玄(イウゲン))
ゆうびん(郵便(イウビン))
ゆうわく(誘惑(イウワク))
ゆう(理由(リイウ))
しょゆう(所有(シヨイウ))
ゆうぎ(遊戲(イウギ))
ゆうぜん((イウゼン))
ゆうりょ(憂慮(イウリヨ))
二、いふゆうと書くもの
ゆう((トイフ))
三、ゆふゆうと書くもの
ゆうがた(夕方(ユフガタ))
第十一

列長音は、列かなにをつけて書く。

ねえさん(姉さん)
ええ(應答の語)
第十二

の長音は、おうと書く。

一、あうおうと書くもの
おうか(櫻花(アウクワ))
ちゅうおう(中央(チユウアウ))
おうむ(鸚鵡(アウム))
おうう(奧羽(アウウ))
二、わうおうと書くもの
おう((ヨワ)う)
おうらい(往來(ワウライ))
こくおう(國王(コクワウ))
おうせい((ワウセイ))
おうじ(皇子(ワウジ))
おうごん(黄金(ワウゴン))
おうし(横死(ワウシ))
三、あふおうと書くもの
おうぎ((アフギ))
おうみ(近江(アフミ))
おうとつ(凹凸(アフトツ))
おうなつ((アフナツ))
おうりょくこう(綠江(アフリヨクカウ))
四、はうおうと書くもの
おう(()はう)
おう(()はう)
おう(()はう)
おう((コハ)う)
第十三

およびの長音は、こうごうと書く。

一、かうこうと書くもの
こうじ((カウヂ))
こうがい((カウガイ))
こうべ(神戸(カウベ))
こう(()かう)
こう(()かう)
こうばしい(かうばしい)
こう((アカ)う)
こう((チカ)う)
こう(()う)
こううん(好運(カウウン))
こうりょ(考慮(カウリヨ))
ほうこう(方向(ハウカウ))
しゅこう((シユカウ))
こうすい(香水(カウスヰ))
こうぎ(講義(カウギ))
こうざん(高山(カウザン))
こうかい(航海(カウカイ))
こうふく(幸福(カウフク))
こうか(效果(カウクワ))
こうつう(交通(カウツウ))
こうふく(降伏(カウフク))
こうふう(校風(カウフウ))
こうい(行爲(カウヰ))
けんこう(健康(ケンカウ))
二、くわうこうと書くもの
こうせん(光線(クワウセン))
こうだい((クワウダイ))
こうきょう(廣狹(クワウケフ))
こうしょく(黄色(クワウシヨク))
こうぞく(皇族(クワウゾク))
こうてん(荒天(クワウテン))
三、かふこうと書くもの
こうおつ(甲乙(カフオツ))
たいこう((タイカフ))
こうかく((カフカク))
四、こふこうと書くもの
こう((コフ))
五、がうごうと書くもの
いそごう((イソ)がう)
ごう((ナガ)う)
ばんごう(番号(バンガウ))
さいごう(西郷(サイガウ))
ごういん(強引(ガウイン))
ぶんごう(文豪(ブンガウ))
ごうぜん((ガウゼン))
六、ぐわうごうと書くもの
ごうごう((グワウグワウ))
七、がふごうと書くもの
いちごう(一合(イチガフ))
八、ごふごうと書くもの
えいごう((エイゴフ))
ざいごう(罪業(ザイゴフ))
第十四

およびの長音は、そうぞうと書く。

一、さうそうと書くもの
はなそう((ハナ)さう)
かえそう((カヘ)さう)
ちらそう(()らさう)
そう((アサ)う)
そう(()う)
そうじ(掃除(サウヂ))
いっそう(一双(イツサウ))
そうが(爪牙(サウガ))
そうちょう(早朝(サウテウ))
そうい(相違(サウヰ))
そうこ(倉庫(サウコ))
じゅうそう((ヂユウサウ))
そうねん(壯年(サウネン))
たいそう(体操(タイサウ))
そうもく(草木(サウモク))
そうどう(騒動(サウドウ))
そうとう(爭鬪(サウトウ))
そうしつ(喪失(サウシツ))
そうしき(葬式(サウシキ))
二、さふそうと書くもの
そうろう((サフラ)ふ)
そうわ((サフワ))
三、ざうぞうと書くもの
せいぞう(製造(セイザウ))
ぞうしょ(藏書(ザウシヨ))
ぞう((ザウ))
しょうぞう(肖像(セウザウ))
四、ざふぞうと書くもの
ぞうきん((ザフキン))
第十五

およびの長音は、とうどうと書く。

一、たうとうと書くもの
とうげ((タウゲ))
とうがみ(疊紙(タタウガミ))
とう(()たう)
とう(()たう)
とう(()たう)
とう((イタ)う)
とう((カタ)う)
とうけん(刀劍(タウケン))
とうしょ((タウシヨ))
とうばつ(討伐(タウバツ))
とうぞく(盜賊(タウゾク))
とう(砂糖(サタウ))
とうぜん(当然(タウゼン))
ねっとう(熱湯(ネツタウ))
おうとう(櫻桃(アウタウ))
とうき(陶器(タウキ))
とう((キタウ))
ついとう(追悼(ツヰタウ))
二、たふとうと書くもの
とうべん(答弁(タフベン))
とう((タフ))
とうは(踏破(タフハ))
すいとう(出納(スヰタフ))
三、だうどうと書くもの
どうろ(道路(ダウロ))
こうどう(講堂(カウダウ))
かいどう((カイダウ))
どう(葡萄(ブダウ))
第十六

の長音は、のうと書く。

一、なうのうと書くもの
のう(()なう)
あぶのう(あぶなう)
だいのう(大脳(ダイナウ))
のう(苦悩(クナウ))
のうちゅう((ナウチユウ))
二、なふのうと書くもの
のうにゅう(納入(ナフニフ))
三、のふのうと書くもの
きのう(昨日(キノフ))
第十七

およびの長音は、ほうぽうぼうと書く。

一、はうほうと書くもの
ほうき((ハウキ))
ほうむる((ハウム)る)
ほうこく(報告(ハウコク))
ほうか(邦家(ハウカ))
こくほう(國宝(コクハウ))
ほうさく(方策(ハウサク))
ほうかつ(包括(ハウカツ))
ほうび((ハウビ))
二、はふ(またはほふ)をほうと書くもの
ほうる((ハフ)る)
ほうりつ(法律(ハフリツ))
ほうし(法師(ホフシ))
三、ぱうぽうと書くもの
はっぽう(八方(ハツパウ))
四、ぱふ(またはぽふ)をぽうと書くもの
りっぽう(立法(リツパフ))
せっぽう(説法(セツポフ))
五、ばうぼうと書くもの
あそぼう((アソ)ばう)
ぼう(()ばう)
はこぼう((ハコ)ばう)
ぼうどう(暴動(バウドウ))
ぼうけん(冒險(バウケン))
ぼうず(坊主(バウズ))
しょぼう(書房(シヨバウ))
めつぼう(滅亡(メツバウ))
ぼう(希望(キバウ))
ぼうちょう(膨脹(バウチヤウ))
六、ばふ(またはぼふ)をぼうと書くもの
びんぼう(貧乏(ビンバフ))(貧乏(ビンボフ))
第十八

の長音は、もうと書く。

一、まうもうと書くもの
もうける((マウ)ける)
もうす((マウ)す)
やすもう((ヤス)まう)
たのもう((タノ)まう)
もう((アマ)う)
もう((セマ)う)
もうはつ(毛髮(モウハツ))
もうどう((マウドウ))
もうもく(盲目(マウモク))
ほんもう(本望(ホンマウ))
もうまく(網膜(マウマク))
第十九

の長音はようと書く。

一、やうようと書くもの
ようか(八日(ヤウカ))
よう((ハヤ)う)
ようやく((ヤウヤ)く)
ようもう(羊毛(ヤウマウ))
かいよう(海洋(カイヤウ))
ようしき(樣式(ヤウシキ))
たいよう(太陽(タイヤウ))
ようりゅう((ヤウリウ))
二、えうようと書くもの
ようりょう(要領(エウリヤウ))
にちよう(日曜(ニチエウ))
ようはい((エウハイ))
ようきょく(謠曲(エウキヨク))
ようねん(幼年(エウネン))
ようせつ((エウセツ))
三、えふようと書くもの
こうよう(紅葉(コウエフ))
第二十

の長音はろうと書く。

一、らうろうと書くもの
いのろう((イノ)らう)
かえろう((カヘ)らう)
ろう((クラ)う)
ろう((カラ)う)
ろう((アラ)う)
ろうじん(老人(ラウジン))
ろうどう(労働(ラウドウ))
めいろう(明朗(メイラウ))
ろうか(廊下(ラウカ))
ろう(太郎(タラウ))
二、らふろうと書くもの
ろうそく(蝋燭(ラフソク))
きゅうろう((キウラフ))
第二十一

キュおよびギュの長音は、きゅうぎゅうと書く。

一、きうきゅうと書くもの
おおきゅう((オホ)きう)
きゅうよう(休養(キウヤウ))
きゅうりょう(丘陵(キウリヨウ))
えいきゅう(永久(エイキウ))
ようきゅう(要求(エウキウ))
きゅうてき((キウテキ))
きゅう((キウ))
二、きふきゅうと書くもの
きゅうむ(急務(キフム))
きゅうだい(及第(キフダイ))
きゅう(呼吸(コキフ))
かいきゅう(階級(カイキフ))
かんきゅう(感泣(カンキフ))
きゅうよ(給與(キフヨ))
三、ぎうぎゅうと書くもの
ぎゅうにゅう(牛乳(ギウニユウ))
第二十二

シュおよびジュの長音は、しゅうじゅうと書く。

一、しうしゅうと書くもの
しゅうと((シウト))
しゅうとめ((シウトメ))
あたらしゅう((アタラ)しう)
すずしゅう((スズ)しう)
しゅうよう(修養(シウヤウ))
しゅううん(舟運(シウウン))
しゅうじん(囚人(シウジン))
ゆうしゅう(優秀(イウシウ))
しゅうぎょう(就業(シウゲフ))
しゅうにゅう(收入(シウニフ))
しゅうき(臭氣(シウキ))
ばんしゅう(晩秋(バンシウ))
きゅうしゅう(九州(キウシウ))
しゅうちょう((シウチヤウ))
しゅうい(周囲(シウヰ))
こんしゅう(今週(コンシウ))
二、しふしゅうと書くもの
しゅうとく(捨得(シフトク))
しゅうちゃく(執着(シフチヤク))
しゅうちゅう(集中(シフチユウ))
しゅうめい(襲名(シウメイ))
れんしゅう(練習(レンシフ))
へんしゅう((ヘンシフ))
三、じうじゅうと書くもの
じゅうなん(柔軟(ジウナン))
じゅうるい(獸類(ジウルヰ))
四、じふじゅうと書くもの
じゅう((ジフ))
ぼくじゅう(墨汁(ボクジフ))
じゅうき((ジフキ))
五、ぢゆうじゅうを書くもの
じゅうやく(重役(ヂユウヤク))
じゅうきょ(住居(ヂユウキヨ))
まんじゅう((マンヂユウ))
第二十三

チュの長音は、ちゅうと書く。

一、ちうちゅうと書くもの
はくちゅう(白晝(ハクチウ))
ちゅうぞう(鑄造(チウゾウ))
ちゅうたい((チウタイ))
ちゅう(宇宙(ウチウ))
ちゅうしゅつ(抽出(チウシユツ))
せいちゅう(掣肘(セイチウ))
第二十四

ニュの長音は、にゅうと書く。

一、にうにゅうと書くもの
にゅうわ(柔和(ニウワ))
二、にふにゅうと書くもの
にゅうがく(入学(ニフガク))
第二十五

ヒュおよびビュの長音は、ひゅうびゅうと書く。

一、ひうひゅうと書くもの
ひゅうが(日向(ヒウガ))
二、びうびゅうと書くもの
びゅう((ゴビウ))
第二十六

リュの長音は、りゅうと書く。

一、りうりゅうと書くもの
りゅうい(留意(リウイ))
せんりゅう(川柳(センリウ))
りゅうこう(流行(リウカウ))
二、りふりゅうと書くもの
んりゅう(建立(コンリフ))
いちりゅう(一粒(イチリフ))
第二十七

キョおよびギョの長音は、きょうぎょうと書く。

一、きやうきょうと書くもの
きょうたん(驚嘆(キヤウタン))
ねっきょう(熱狂(ネツキヤウ))
きょうだい(兄弟(キヤウダイ))
きょうそう(競走(キヤウソウ))
きょうだい(鏡台(キヤウダイ))
きょうりょく(強力(キヤウリヨク))
とうきょう(東京(トウキヤウ))
きょうもん(経文(キヤウモン))
きょう(故郷(コキヤウ))
きょうおう((キヤウオウ))
二、けうきょうと書くもの
きょうごう(校合(ケウガフ))
きょういく(教育(ケウイク))
てっきょう(鉄橋(テツケウ))
きょうぼく((ケウボク))
三、けふきょうと書くもの
きょう(今日(ケフ))
きょうい(脅威(ケフヰ))
きょうりょく(協力(ケフリヨク))
きょうき((ケフキ))
四、ぎやうぎょうと書くもの
しゅぎょう(修行(シユギヤウ))
にんぎょう(人形(ニンギヤウ))
五、げうぎょうと書くもの
こんぎょう(今曉(コンゲウ))
ぎょうしゅん(堯舜(ゲウシユン))
六、げふぎょうと書くもの
ぎょうむ(業務(ゲフム))
第二十八

ショおよびジョの長音は、しょうじょうと書く。

一、しやうしょうと書くもの
しょうじき(正直(シヤウヂキ))
しょうばい(商賣(シヤウバイ))
しょうさい(詳細(シヤウサイ))
しょう(負傷(フシヤウ))
いっしょう(一生(イツシヤウ))
しょうか(唱歌(シヤウカ))
しょうらい(將來(シヤウライ))
ぶんしょう(文章(ブンシヤウ))
二、せうしょうと書くもの
まいりましょう((マヰ)りませう)
よいでしょう(よいでせう)
しょうせつ(小説(セウセツ))
しょうねん(少年(セウネン))
しょうそく(消息(セウソク))
しょうしゅう(召集(セウシフ))
しょうだい(招待(セウダイ))
しょうめい(照明(セウメイ))
しょう(微笑(ビセウ))
しょうしつ(燒失(セウシツ))
あんしょう(暗礁(アンセウ))
三、せふしょうと書くもの
こうしょう(交渉(カウセフ))
さいしょう((サイセフ))
しょうけい((セフケイ))
四、じやうじょうと書くもの
じょうず(上手(ジヤウズ))
かんじょう(感情(カンジヤウ))
じょうたい(状態(ジヤウタイ))
じょうほ(讓歩(ジヤウホ))
じょうじゅ(成就(ジヤウジユ))
じんじょう(尋常(ジンジヤウ))
五、ぢやうじょうと書くもの
じょう(市場(シヂヤウ))
れいじょう(令孃(レイヂヤウ))
じょうぶ(丈夫(ヂヤウブ))
じょうせき(定石(ヂヤウセキ))
じょう((ヂヤウ))
六、ぜうじょうと書くもの
じょうぜつ((ゼウゼツ))
そうじょう((サウゼウ))
七、でうじょうと書くもの
さんじょう(三條(サンデウ))
八、でふじょうと書くもの
ろくじょう(六疊(ロクデフ))
いちじょう((イチデフ))
第二十九

チョの長音は、ちょうと書く。

一、ちやうちょうと書くもの
ちょうかい(町会(チヤウカイ))
ちょうたん(長短(チヤウタン))
ちょう((チヤウ))
ちょうしゅ(聽取(チヤウシユ))
ちょうちん(堤燈(チヤウチン))
いっちょう((イツチヤウ))
二、てうちょうと書くもの
ちょうでん(弔電(テウデン))
ちょうるい(鳥類(テウルヰ))
ちょうしょく(朝食(テウシヨク))
ぜんちょう(前兆(ゼンテウ))
ちょうし(調子(テウシ))
ちょうこく(彫刻(テウコク))
三、てふちょうと書くもの
ちょう((テフ))
つうちょう((ツウテフ))
第三十

ニョの長音は、にょうと書く。

一、ねうにょうと書くもの
にょう(尿(ネウ))
第三十一

ヒョおよびビョの長音は、ひょうびょうと書く。

一、ひやうひょうと書くもの
ひょうばん(評判(ヒヤウバン))
ひょうそく((ヒヤウソク))
たいひょう(大兵(タイヒヤウ))
二、へうひょうと書くもの
ひょうり(表裏(ヘウリ))
ひょう(二俵(ニヘウ))
とうひょう(投票(トウヘウ))
ひょう((ヘウ))
三、びやうびょうと書くもの
びょうぶ((ビヤウブ))
びょうき(病氣(ビヤウキ))
びょう((ビヤウ))
四、べうびょうと書くもの
びょうしゃ(描写(ベウシヤ))
れいびょう((レイベウ))
第三十二

ミョの長音は、みょうと書く。

一、みやうみょうと書くもの
みょうにち(明日(ミヤウニチ))
じゅみょう(壽命(ジユミヤウ))
みょうだい(名代(ミヤウダイ))
みょうが((ミヤウガ))
二、めうみょうと書くもの
みょうぎ(妙技(メウギ))
みょうじ(苗字(メウジ))
第三十三

リョの長音は、りょうと書く。

一、りやうりょうと書くもの
ぜんりょう(善良(ゼンリヤウ))
りょうほう(両方(リヤウハウ))
りょうど(領土(リヤウド))
せいりょう(清涼(セイリヤウ))
りょうさつ((リヤウサツ))
ぶんりょう(分量(ブンリヤウ))
二、れうりょうと書くもの
りょうり(料理(レウリ))
しゅうりょう(終了(シユウレウ))
かんりょう(官僚(クワンレウ))
りょう((レウ))
せきりょう((セキレウ))
りょう((ブレウ))
三、れふりょうと書くもの
りょう((レフ))
注意 一

「クヮ・カ」「グヮ・ガ」および「ヂ・ジ」「ヅ・ズ」をいい分けている地方に限り、これを書き分けてもさしつかえない。

注意 二

語例の下に示した漢字中、当用漢字表外のものには×印をつけた。また漢字の右側につけた片かなは旧かなづかいを示す。

〔備考〕

第一
ア列長音は、ア列のかなにをつけて書く。
第二
イ列長音は、イ列のかなにをつけて書く。
第三
ウ列長音は、ウ列のかなにをつけて書く。
第四
エ列長音は、エ列のかなにをつけて書く。
第五
オ列長音は、オ列のかなにをつけて書くことを本則とする。
第六
ア列(ヨウ)音の長音は、ア列(ヨウ)音のかなにをつけて書く。
第七
ウ列(ヨウ)音の長音は、ウ列(ヨウ)音のかなにをつけて書く。
第八
オ列(ヨウ)音の長音は、オ列(ヨウ)音のかなにをつけて書くことを本則とする。
第九
(ヨウ)音をあらわすには、を用い、なるべく右下に小さく書く。
第十
促音をあらわすには、を用い、なるべく右下に小さく書く。