現代かなづかい
Copyright ©1998-2003 Petronius All rights reserved.
2002/12/19 公表
参考文献、『官報』1946年
昭和21年内閣訓令第8号(官報号外・S21,11,16)
各 官 廳
「現代かなづかい」の実施に関する件
國語を書きあらわす上に、從來のかなづかい
は、はなはだ複雜であつて、使用上の困難が大
きい。これを現代語音にもとづいて整理するこ
とは、教育上の負担を軽くするばかりでなく、
國民の生活能率をあげ、文化水準を高める上
に、資するところが大きい。それ故に、政府は、
今回國語審議会の決定した現代かなづかいを採
択して、本日内閣告示第三十三号をもつて、こ
れを告示した。今後各官廳においては、このか
なづかいを使用するとともに、廣く各方面にこ
の使用を勧めて、現代かなづかい制定の趣旨の
徹底するように努めることを希望する。
昭和二十一年十一月十六日
内閣総理大臣 吉田 茂
昭和21年内閣告示第33号(官報号外・S21,11,16)
現代國語の口語文を書きあらわすかなづかいを、次のように定める。
昭和二十一年十一月十六日
内閣総理大臣 吉田 茂
現代かなづかい
まえがき
- 一、
- このかなづかいは、大体、現代語音にもとづいて、現代語をかなで書きあらわす場合の準則を示したものである。
- 一、
- このかなづかいは、主として現代文のうち口語体のものに適用する。
- 一、
- 原文のかなづかいによる必要のあるもの、またはこれを変更しがたいものは除く。
一
発音 |
新かなづかい |
備考(旧かなづかいを示す。) |
イ |
い |
ゐ |
エ |
え |
ゑ |
オ |
お |
を |
カ |
か |
くわ |
ガ |
が |
ぐわ |
ジ |
じ |
ぢ |
ズ |
ず |
づ |
ワ |
わ |
は |
イ |
い |
ひ |
ウ |
う |
ふ |
オ |
お |
ふ |
エ |
え |
へ |
オ |
お |
ほ |
二
発音 |
新かなづかい |
備考(旧かなづかいを示す。) |
ユウ |
ゆう |
いう、いふ、ゆふ |
オオ |
おう |
あう、わう、あふ、はう |
コオ |
こう |
かう、くわう、かふ、こふ |
ゴオ |
ごう |
がう、ぐわう、がふ、ごふ |
ソオ |
そう |
さう、さふ |
ゾオ |
ぞう |
ざう、ざふ |
トオ |
とう |
たう、たふ |
ドオ |
どう |
だう |
ノオ |
のう |
なう、なふ、のふ |
ホオ |
ほう |
はう、はふ、ほふ |
ボオ |
ぼう |
ばう |
ポオ |
ぽう |
ぱう、ぱふ、ぽふ |
モオ |
もう |
まう |
ヨオ |
よう |
やう、えう、えふ |
ロオ |
ろう |
らう、らふ |
三
発音 |
新かなづかい |
備考(旧かなづかいを示す。) |
キュウ |
きゅう |
きう、きふ |
ギュウ |
ぎゅう |
ぎう |
シュウ |
しゅう |
しう、しふ |
シュウ |
じゅう |
じう、じふ、ぢゆう |
チュウ |
ぢゅう |
ちう |
ニュウ |
にゅう |
にう、にふ |
ヒュウ |
ひゅう |
ひう |
ビュウ |
びゅう |
びう |
リュウ |
りゅう |
りう、りふ |
四
発音 |
新かなづかい |
備考(旧かなづかいを示す。) |
キョオ |
きょう |
きやう、けう、けふ |
ギョオ |
ぎょう |
ぎやう、げう、げふ |
ショオ |
しょう |
しやう、せう、せふ |
ジョオ |
じょう |
じやう、ぢやう、ぜう、でう、でふ |
チョオ |
ちょう |
ちやう、てう、てふ |
ニョオ |
にょう |
ねう |
ヒョオ |
ひょう |
ひやう、へう |
ビョオ |
びょう |
びやう、べう |
ミョオ |
みょう |
みやう、めう |
リョオ |
りょう |
りやう、れう、れふ |
細則
第一
ゐ、ゑ、をはい、え、おと書く。たゞし助詞のをを除く。
例
- 一、ゐをいと書くもの
- いど(井戸)
- いのしし(
猪)
- くわい(慈
姑)
- あい(
藍)
- まいる(参る)
- いる(居る)
- いびょう(胃病)
- けんい(権威)
- いち(位置)
- いさん(遺産)
- いにん(委任)
- たいい(大尉)
- くいき(区域)
- しょくいん(職員)
- びょういん(病院)
- よいん(余韻)
- すいどう(水道)
- すいさつ(推察)
- すいじ(炊事)
- すいじゃく(衰弱)
- ずいぶん(随分)
- いっつい(一対)
- ゆいごん(遺言)
- しんるい(親類)
- 二、ゑをえと書くもの
- こえ(声)
- つえ(
杖)
- すえ(末)
- うえる(植ゑる)
- すえる(
据ゑる)
- えとく(会得)
- ちえ(
智慧)
- えこう(回向)
- このえ(近衞)
- ちょうえつ(超越)
- えんきん(遠近)
- こうえん(公園)
- けんえん(犬
猿)
- いちえん(一円)
- ぎょえん(御
苑)
- えんさ(
怨嗟)
- えんじょ(援助)
- えんざい(
冤罪)
- 三、ををおと書くもの
- おけ(
桶)
- おか(
岡)
- うお(魚)
- とお(十)
- おどる(
踊る)
- おしえる(教へる)
- しおれる(
萎れる)
- おしい(惜しい)
- おかしい(をかしい)
- あおい(青い)
- おめい(汚名)
- おかん(惡寒)
- ろうおう(老翁)
- かおく(家屋)
- おんど(温度)
- へいおん(平穏)
- くおん(久遠)
- おんりょう(
怨霊)
第二
くわ、ぐわはか、がと書く。
例
- 一、くわをかと書くもの
- かがく(化学)
- かへい(貨幣)
- かふん(花粉)
- けっか(結果)
- かし(菓子)
- かこ(過去)
- かがく(科学)
- かじ(火事)
- かもく(課目)
- かいぎ(会議)
- かいが(絵画)
- こうかい(後悔)
- はかい(破壞)
- かいすう(回数)
- きかい(奇怪)
- ゆかい(愉快)
- かくとく(獲得)
- かくだい(拡大)
- かつどう(活動)
- こうかつ(
狡猾)
- かんげい(歓迎)
- かんり(官吏)
- きかん(帰還)
- いっかん(一貫)
- 二、ぐわをがと書くもの
- がれき(
瓦礫)
- がしょう(
臥床)
- がいこく(外國)
- いちがつ(一月)
- がんり(元利)
- がんやく(丸薬)
- こんがん(懇願)
第三
ぢ、づはじ、ずと書く。
例
- 一、ぢをじと書くもの
- あじ(味)
- ふじ(
藤)
- わらじ(草
鞋)
- ねじる(捻ぢる)
- はじる(恥ぢる)
- よじる(攀ぢる)
- じぞく(持続)
- じ(
痔)
- じく(軸)
- じんち(陣地)
- じょせい(女性)
- さくじょ(削除)
- 二、づをずと書くもの
- うずら(
鶉)
- うず(
渦)
- みず(水)
- ゆずる(讓る)
- うずめる(埋める)
- さずける(授ける)
- めずらしい(珍らしい)
- はずかしい(恥かしい)
- しずかに(靜かに)
- まず(先づ)
- だいず(大豆)
- ずじょう(頭上)
- さんずのかわ(三途の川)
- ずが(図画)
たゞし
(1)
二語連合によって生じたぢ、づは、ぢ、づと書く。
- 例
- はなぢ(鼻血)
- もらいぢち(もらひ乳)
- ひぢりめん(
緋縮緬)
- ちかぢか(近々)
- みそづけ(味
噌漬)
- みかづき(三日月)
- ひきづな(引綱)
- つねづね(常々)
- いれぢえ(入
智慧)
- ちゃのみぢゃわん(茶飮茶
碗)
(2)
同音の連呼によって生じたぢ、づは、ぢ、づと書く。
- 例
- ちぢみ(縮み)
- ちぢむ(縮む)
- つづみ(鼓)
- つづら(
葛籠)
- つづく(続く)
- つづる(
綴る)
第四
ワに発音されるはは、わと書く。たゞし助詞のはは、はと書くことを本則とする。
- 例
- かわら(
瓦)
- かわ(河)
- にわ(庭)
- あらわす(著す)
- まわる(
廻る)
- こわれる(
毀れる)
- あらわない(洗はない)
- あつかわない(扱はない)
- うたわない(歌はない)
- かわいらしい(かはいらしい)
- くわしい(詳しい)
- けわしい(險しい)
- にわかに(
俄かに)
- すなわち(即ち)
- びわ(
琵琶)
- びわ(
枇杷)
第五
イに発音されるひは、いと書く。
- 例
- うぐいす(
鶯)
- たい(
鯛)
- はい(灰)
- いいわけ(言訳)
- ついやす(費す)
- たいらげる(平らげる)
- ならいます(習ひます)
- おもいます(思ひます)
- したがいます(從ひます)
- ちいさい(小さい)
- こいしい(恋しい)
- ついに(遂に)
第六
ウに発音されるふは、うと書く。
- 例
- あらう(洗ふ)
- まう(舞ふ)
- あう(合ふ)
- かう(買ふ)
- うたう(歌ふ)
- しなう(
撓ふ)
- いう(言ふ)
- くう(食ふ)
- すう(吸ふ)
- ぬう(縫ふ)
- ゆう(結ふ)
- くるう(狂ふ)
- あらそう(爭ふ)
- うけおう(請負ふ)
- おもう(思ふ)
- あやうい(危い)
第七
オに発音されるふは、おと書く。
- 例
- あおい(
葵)
- あおぐ(仰ぐ)
- あおる(
煽る)
- たおす(倒す)
第八
エに発音されるへは、えと書く。たゞし助詞のへは、へと書くことを本則とする。
- 例
- かえる(
蛙)
- いえ(家)
- まえ(前)
- かんがえ(考)
- かえる(帰る)
- さえずる(
囀る)
- すくえ(救へ)
- ひろえ(拾へ)
- さえ(助詞さへ)
第九
オに発音されるほは、おと書く。
- 例
- いきおい(勢)
- かお(顏)
- しお(塩)
- におい(
匂)
- おおかみ(狼)
- おおやけ(公)
- こおり(氷)
- こおろぎ(
蟋蟀)
- ほおずき(酸
漿)
- ほお(
頬)
- ほおのき(
朴木)
- もよおし(催し)
- なおす(直す)
- しおおせる(爲遂せる)
- とどこおる(滯る)
- とおる(通る)
- おおい(多い)
- おおきい(大きい)
- とおい(遠い)
- なお(猶)
第十
ユの長音は、ゆうと書く。
例
- 一、いうをゆうと書くもの。
- ゆうじん(友人)
- ゆうげん(幽玄)
- ゆうびん(郵便)
- ゆうわく(誘惑)
- りゆう(理由)
- しょゆう(所有)
- ゆうぎ(遊戲)
- ゆうぜん(
悠然)
- ゆうりょ(憂慮)
- 二、いふをゆうと書くもの
- とゆう(都
邑)
- 三、ゆふをゆうと書くもの
- ゆうがた(夕方)
第十一
エ列長音は、エ列かなにえをつけて書く。
- 例
- ねえさん(姉さん)
- ええ(應答の語)
第十二
オの長音は、おうと書く。
例
- 一、あうをおうと書くもの
- おうか(櫻花)
- ちゅうおう(中央)
- おうむ(
鸚鵡)
- おうう(奧羽)
- 二、わうをおうと書くもの
- よおう(弱う)
- おうらい(往來)
- こくおう(國王)
- おうせい(
旺盛)
- おうじ(皇子)
- おうごん(黄金)
- おうし(横死)
- 三、あふをおうと書くもの
- おうぎ(扇)
- おうみ(近江)
- おうとつ(
凹凸)
- おうなつ(押
捺)
- おうりょくこう(
鴨綠江)
- 四、はうをおうと書くもの
- あおう(
逢はう)
- かおう(買はう)
- まおう(舞はう)
- こおう(強う)
第十三
コおよびゴの長音は、こう、ごうと書く。
例
- 一、かうをこうと書くもの
- こうじ(
麹)
- こうがい(
笄)
- こうべ(神戸)
- さこう(咲かう)
- きこう(聞かう)
- こうばしい(かうばしい)
- あこう(赤う)
- ちこう(近う)
- こう(
斯う)
- こううん(好運)
- こうりょ(考慮)
- ほうこう(方向)
- しゅこう(酒
肴)
- こうすい(香水)
- こうぎ(講義)
- こうざん(高山)
- こうかい(航海)
- こうふく(幸福)
- こうか(效果)
- こうつう(交通)
- こうふく(降伏)
- こうふう(校風)
- こうい(行爲)
- けんこう(健康)
- 二、くわうをこうと書くもの
- こうせん(光線)
- こうだい(
宏大)
- こうきょう(廣狹)
- こうしょく(黄色)
- こうぞく(皇族)
- こうてん(荒天)
- 三、かふをこうと書くもの
- こうおつ(甲乙)
- たいこう(太
閤)
- こうかく(
岬角)
- 四、こふをこうと書くもの
- こう(
劫)
- 五、がうをごうと書くもの
- いそごう(急がう)
- なごう(長う)
- ばんごう(番号)
- さいごう(西郷)
- ごういん(強引)
- ぶんごう(文豪)
- ごうぜん(
傲然)
- 六、ぐわうをごうと書くもの
- ごうごう(
轟々)
- 七、がふをごうと書くもの
- いちごう(一合)
- 八、ごふをごうと書くもの
- えいごう(永
劫)
- ざいごう(罪業)
第十四
ソおよびゾの長音は、そう、ぞうと書く。
例
- 一、さうをそうと書くもの
- はなそう(話さう)
- かえそう(返さう)
- ちらそう(散らさう)
- あそう(浅う)
- そう(然う)
- そうじ(掃除)
- いっそう(一双)
- そうが(
爪牙)
- そうちょう(早朝)
- そうい(相違)
- そうこ(倉庫)
- じゅうそう(重
曹)
- そうねん(壯年)
- たいそう(体操)
- そうもく(草木)
- そうどう(騒動)
- そうとう(爭鬪)
- そうしつ(喪失)
- そうしき(葬式)
- 二、さふをそうと書くもの
- そうろう(候ふ)
- そうわ(
插話)
- 三、ざうをぞうと書くもの
- せいぞう(製造)
- ぞうしょ(藏書)
- ぞう(象)
- しょうぞう(肖像)
- 四、ざふをぞうと書くもの
- ぞうきん(雜
巾)
第十五
トおよびドの長音は、とう、どうと書く。
例
- 一、たうをとうと書くもの
- とうげ(峠)
- たとうがみ(疊紙)
- うとう(打たう)
- かとう(勝たう)
- たとう(立たう)
- いとう(痛う)
- かとう(堅う)
- とうけん(刀劍)
- とうしょ(島
嶼)
- とうばつ(討伐)
- とうぞく(盜賊)
- さとう(砂糖)
- とうぜん(当然)
- ねっとう(熱湯)
- おうとう(櫻桃)
- とうき(陶器)
- きとう(祈
祷)
- ついとう(追悼)
- 二、たふをとうと書くもの
- とうべん(答弁)
- とう(塔)
- とうは(踏破)
- すいとう(出納)
- 三、だうをどうと書くもの
- どうろ(道路)
- こうどう(講堂)
- かいどう(海
棠)
- ぶどう(
葡萄)
第十六
ノの長音は、のうと書く。
例
- 一、なうをのうと書くもの
- しのう(死なう)
- あぶのう(あぶなう)
- だいのう(大脳)
- くのう(苦悩)
- のうちゅう(
嚢中)
- 二、なふをのうと書くもの
- のうにゅう(納入)
- 三、のふをのうと書くもの
- きのう(昨日)
第十七
ほおよびぽ、ぼの長音は、ほう、ぽう、ぼうと書く。
例
- 一、はうをほうと書くもの
- ほうき(
箒)
- ほうむる(葬る)
- ほうこく(報告)
- ほうか(邦家)
- こくほう(國宝)
- ほうさく(方策)
- ほうかつ(包括)
- ほうび(
褒美)
- 二、はふ(またはほふ)をほうと書くもの
- ほうる(放る)
- ほうりつ(法律)
- ほうし(法師)
- 三、ぱうをぽうと書くもの
- はっぽう(八方)
- 四、ぱふ(またはぽふ)をぽうと書くもの
- りっぽう(立法)
- せっぽう(説法)
- 五、ばうをぼうと書くもの
- あそぼう(遊ばう)
- とぼう(飛ばう)
- はこぼう(運ばう)
- ぼうどう(暴動)
- ぼうけん(冒險)
- ぼうず(坊主)
- しょぼう(書房)
- めつぼう(滅亡)
- きぼう(希望)
- ぼうちょう(膨脹)
- 六、ばふ(またはぼふ)をぼうと書くもの
- びんぼう(貧乏)(貧乏)
第十八
モの長音は、もうと書く。
例
- 一、まうをもうと書くもの
- もうける(
儲ける)
- もうす(申す)
- やすもう(休まう)
- たのもう(頼まう)
- あもう(甘う)
- せもう(狹う)
- もうはつ(毛髮)
- もうどう(
妄動)
- もうもく(盲目)
- ほんもう(本望)
- もうまく(網膜)
第十九
ヨの長音はようと書く。
例
- 一、やうをようと書くもの
- ようか(八日)
- はよう(早う)
- ようやく(漸く)
- ようもう(羊毛)
- かいよう(海洋)
- ようしき(樣式)
- たいよう(太陽)
- ようりゅう(
楊柳)
- 二、えうをようと書くもの
- ようりょう(要領)
- にちよう(日曜)
- ようはい(
遙拜)
- ようきょく(謠曲)
- ようねん(幼年)
- ようせつ(
夭折)
- 三、えふをようと書くもの
- こうよう(紅葉)
第二十
ロの長音はろうと書く。
例
- 一、らうをろうと書くもの
- いのろう(祈らう)
- かえろう(帰らう)
- くろう(暗う)
- かろう(辛う)
- あろう(粗う)
- ろうじん(老人)
- ろうどう(労働)
- めいろう(明朗)
- ろうか(廊下)
- たろう(太郎)
- 二、らふをろうと書くもの
- ろうそく(
蝋燭)
- きゅうろう(旧
臘)
第二十一
キュおよびギュの長音は、きゅう、ぎゅうと書く。
例
- 一、きうをきゅうと書くもの
- おおきゅう(大きう)
- きゅうよう(休養)
- きゅうりょう(丘陵)
- えいきゅう(永久)
- ようきゅう(要求)
- きゅうてき(
仇敵)
- きゅう(
灸)
- 二、きふをきゅうと書くもの
- きゅうむ(急務)
- きゅうだい(及第)
- こきゅう(呼吸)
- かいきゅう(階級)
- かんきゅう(感泣)
- きゅうよ(給與)
- 三、ぎうをぎゅうと書くもの
- ぎゅうにゅう(牛乳)
第二十二
シュおよびジュの長音は、しゅう、じゅうと書く。
例
- 一、しうをしゅうと書くもの
- しゅうと(
舅)
- しゅうとめ(
姑)
- あたらしゅう(新しう)
- すずしゅう(凉しう)
- しゅうよう(修養)
- しゅううん(舟運)
- しゅうじん(囚人)
- ゆうしゅう(優秀)
- しゅうぎょう(就業)
- しゅうにゅう(收入)
- しゅうき(臭氣)
- ばんしゅう(晩秋)
- きゅうしゅう(九州)
- しゅうちょう(
酋長)
- しゅうい(周囲)
- こんしゅう(今週)
- 二、しふをしゅうと書くもの
- しゅうとく(捨得)
- しゅうちゃく(執着)
- しゅうちゅう(集中)
- しゅうめい(襲名)
- れんしゅう(練習)
- へんしゅう(編
輯)
- 三、じうをじゅうと書くもの
- じゅうなん(柔軟)
- じゅうるい(獸類)
- 四、じふをじゅうと書くもの
- じゅう(十)
- ぼくじゅう(墨汁)
- じゅうき(
什器)
- 五、ぢゆうをじゅうを書くもの
- じゅうやく(重役)
- じゅうきょ(住居)
- まんじゅう(
饅頭)
第二十三
チュの長音は、ちゅうと書く。
例
- 一、ちうをちゅうと書くもの
- はくちゅう(白晝)
- ちゅうぞう(鑄造)
- ちゅうたい(
紐帯)
- うちゅう(宇宙)
- ちゅうしゅつ(抽出)
- せいちゅう(
掣肘)
第二十四
ニュの長音は、にゅうと書く。
例
- 一、にうをにゅうと書くもの
- にゅうわ(柔和)
- 二、にふをにゅうと書くもの
- にゅうがく(入学)
第二十五
ヒュおよびビュの長音は、ひゅう、びゅうと書く。
例
- 一、ひうをひゅうと書くもの
- ひゅうが(日向)
- 二、びうをびゅうと書くもの
- ごびゅう(誤
謬)
第二十六
リュの長音は、りゅうと書く。
例
- 一、りうをりゅうと書くもの
- りゅうい(留意)
- せんりゅう(川柳)
- りゅうこう(流行)
- 二、りふをりゅうと書くもの
- こんりゅう(建立)
- いちりゅう(一粒)
第二十七
キョおよびギョの長音は、きょう、ぎょうと書く。
例
- 一、きやうをきょうと書くもの
- きょうたん(驚嘆)
- ねっきょう(熱狂)
- きょうだい(兄弟)
- きょうそう(競走)
- きょうだい(鏡台)
- きょうりょく(強力)
- とうきょう(東京)
- きょうもん(経文)
- こきょう(故郷)
- きょうおう(
饗應)
- 二、けうをきょうと書くもの
- きょうごう(校合)
- きょういく(教育)
- てっきょう(鉄橋)
- きょうぼく(
喬木)
- 三、けふをきょうと書くもの
- きょう(今日)
- きょうい(脅威)
- きょうりょく(協力)
- きょうき(
侠氣)
- 四、ぎやうをぎょうと書くもの
- しゅぎょう(修行)
- にんぎょう(人形)
- 五、げうをぎょうと書くもの
- こんぎょう(今曉)
- ぎょうしゅん(
堯舜)
- 六、げふをぎょうと書くもの
- ぎょうむ(業務)
第二十八
ショおよびジョの長音は、しょう、じょうと書く。
例
- 一、しやうをしょうと書くもの
- しょうじき(正直)
- しょうばい(商賣)
- しょうさい(詳細)
- ふしょう(負傷)
- いっしょう(一生)
- しょうか(唱歌)
- しょうらい(將來)
- ぶんしょう(文章)
- 二、せうをしょうと書くもの
- まいりましょう(参りませう)
- よいでしょう(よいでせう)
- しょうせつ(小説)
- しょうねん(少年)
- しょうそく(消息)
- しょうしゅう(召集)
- しょうだい(招待)
- しょうめい(照明)
- びしょう(微笑)
- しょうしつ(燒失)
- あんしょう(暗礁)
- 三、せふをしょうと書くもの
- こうしょう(交渉)
- さいしょう(妻
妾)
- しょうけい(
捷径)
- 四、じやうをじょうと書くもの
- じょうず(上手)
- かんじょう(感情)
- じょうたい(状態)
- じょうほ(讓歩)
- じょうじゅ(成就)
- じんじょう(尋常)
- 五、ぢやうをじょうと書くもの
- しじょう(市場)
- れいじょう(令孃)
- じょうぶ(丈夫)
- じょうせき(定石)
- じょう(錠)
- 六、ぜうをじょうと書くもの
- じょうぜつ(
饒舌)
- そうじょう(騒
擾)
- 七、でうをじょうと書くもの
- さんじょう(三條)
- 八、でふをじょうと書くもの
- ろくじょう(六疊)
- いちじょう(一
帖)
第二十九
チョの長音は、ちょうと書く。
例
- 一、ちやうをちょうと書くもの
- ちょうかい(町会)
- ちょうたん(長短)
- ちょう(腸)
- ちょうしゅ(聽取)
- ちょうちん(堤燈)
- いっちょう(一
挺)
- 二、てうをちょうと書くもの
- ちょうでん(弔電)
- ちょうるい(鳥類)
- ちょうしょく(朝食)
- ぜんちょう(前兆)
- ちょうし(調子)
- ちょうこく(彫刻)
- 三、てふをちょうと書くもの
- ちょう(
蝶)
- つうちょう(通
牒)
第三十
ニョの長音は、にょうと書く。
例
- 一、ねうをにょうと書くもの
- にょう(尿)
第三十一
ヒョおよびビョの長音は、ひょう、びょうと書く。
例
- 一、ひやうをひょうと書くもの
- ひょうばん(評判)
- ひょうそく(平
仄)
- たいひょう(大兵)
- 二、へうをひょうと書くもの
- ひょうり(表裏)
- にひょう(二俵)
- とうひょう(投票)
- ひょう(
豹)
- 三、びやうをびょうと書くもの
- びょうぶ(
屏風)
- びょうき(病氣)
- びょう(
鋲)
- 四、べうをびょうと書くもの
- びょうしゃ(描写)
- れいびょう(霊
廟)
第三十二
ミョの長音は、みょうと書く。
例
- 一、みやうをみょうと書くもの
- みょうにち(明日)
- じゅみょう(壽命)
- みょうだい(名代)
- みょうが(
冥加)
- 二、めうをみょうと書くもの
- みょうぎ(妙技)
- みょうじ(苗字)
第三十三
リョの長音は、りょうと書く。
例
- 一、りやうをりょうと書くもの
- ぜんりょう(善良)
- りょうほう(両方)
- りょうど(領土)
- せいりょう(清涼)
- りょうさつ(
諒察)
- ぶんりょう(分量)
- 二、れうをりょうと書くもの
- りょうり(料理)
- しゅうりょう(終了)
- かんりょう(官僚)
- りょう(寮)
- せきりょう(寂
寥)
- ぶりょう(無
聊)
- 三、れふをりょうと書くもの
- りょう(猟)
注意 一
「クヮ・カ」「グヮ・ガ」および「ヂ・ジ」「ヅ・ズ」をいい分けている地方に限り、これを書き分けてもさしつかえない。
注意 二
語例の下に示した漢字中、当用漢字表外のものには×印をつけた。また漢字の右側につけた片かなは旧かなづかいを示す。
〔備考〕
- 第一
- ア列長音は、ア列のかなにあをつけて書く。
- 第二
- イ列長音は、イ列のかなにいをつけて書く。
- 第三
- ウ列長音は、ウ列のかなにうをつけて書く。
- 第四
- エ列長音は、エ列のかなにえをつけて書く。
- 第五
- オ列長音は、オ列のかなにうをつけて書くことを本則とする。
- 第六
- ア列拗音の長音は、ア列拗音のかなにあをつけて書く。
- 第七
- ウ列拗音の長音は、ウ列拗音のかなにうをつけて書く。
- 第八
- オ列拗音の長音は、オ列拗音のかなにうをつけて書くことを本則とする。
- 第九
- 拗音をあらわすには、や、ゆ、よを用い、なるべく右下に小さく書く。
- 第十
- 促音をあらわすには、つを用い、なるべく右下に小さく書く。