新編修身教典——尋常小學校用——卷二

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(2001/06/27 公表)

文部省檢定濟

株式會社普及舍編輯所編

新編修身教典——尋常小學校兒童用

東京 株式會社普及舍

勅語

朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ 我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス 爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ知能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ 是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン

斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日

御名 御璽

新編修身教典——尋常小學校用——巻二目次

  1. だい一 きみはちよませ ( #no01)
  2. だい二 じんむてんのー(一) ( #no02)
  3. だい三 じんむてんのー(二) ( #no02)
  4. だい四 にのみやせんせい(一) ( #no04)
  5. だい五 にのみやせんせい(二) ( #no04)
  6. だい六 にのみやせんせい(三) ( #no04)
  7. だい七 にのみやせんせい(四) ( #no04)
  8. だい八 もーりもとなりこーのいましめ ( #no08)
  9. だい九 おまつのしんせつ ( #no09)
  10. だい十 おたけのぎょーぎ ( #no10)
  11. だい十一 さるとかに(一) ( #no11)
  12. だい十二 さるとかに(二) ( #no11)
  13. だい十三 さるとかに(三) ( #no11)
  14. だい十四 たろーのしょーじき ( #no14)
  15. だい十五 おたけめくらをたすける ( #no15)
  16. だい十六 小川たいざん ( #no16)
  17. だい十七 もりらんまる ( #no17)
  18. だい十八 からすのじまん ( #no18)
  19. だい十九 しほばらたすけ(一) ( #no19)
  20. だい二十 しほばらたすけ(二) ( #no19)
  21. だい二十一 しほばらたすけ(三) ( #no19)
  22. だい二十二 おたけのちょきん ( #no22)
  23. だい二十三 たろーくひをおこす ( #no23)
  24. だい二十四 きそくをまもれ ( #no24)
  25. だい二十五 しらかみげんじろー ( #no25)

本文

だい一

きみ は、 ちよ ませ、 や ちよ ませ。

だい二

じんむ てんのー は、 わるもの どもを、 ごせい ばつ あそば され ました。

だい三

じんむ てんのー は、わがくに で、いちばん はじめの てんし さまで あります。

だい四

にの みや せんせ いは、 おやを、 たい せつ にせら れまし た。

だい五

にのみやせんせいは、 よるひるかせいで、 おとうとたちを、 やしなはれました。

だい六

にのみやせんせいは、 まいばん、よなべ をしまったあとで、 ほんをよまれま した。

だい七

にのみやせんせいは、 たいそーなんぎして 、おちぶれたいへを、 おこされました。

だい八

もーりもとなりこーは、 わがこどもらにむ かって、「きょーだいは、 なかよくせねばな らん。」と、いはれました。

だい九

おたけが、びょーきに なりました。

おまつは、いま、くす りをとりにゆきます。

だい十

おたけが、おきゃく さまに、ぎょーぎよく、 おちゃをあげて ゐます。

だい十一

かにが、かきのたね をうゑました。

たねがはえてから、せ いだしてそだてます。

だい十二

かにが、さるにいぢ められました。

かにのともだちが、か にをいたはってゐます。

だい十三

かにのともだちが、 いぢのわるいさる を、こらしました。

さるが、こーくいして、 ことわりをいひました。

だい十四

たろーが、あやまって、 まどのがらすを、 こはしました。いま、 そのことはりを、いっ てゐます。

だい十五

おたけが、めくらの てをひいて、しんせつ に、みちををしへて ゐます。

だい十六

小川たいざんは、べんきょ ーなおかたであり ました。

おほゆきをかまはずに、 先生のところへ、けいこ にまゐられます。

だい十七

もりらんまるは、しょー ぢきなおかたであり ました。

しゅじんののぶながこー から、たいそー、おほめを うけられました。

だい十八

からすが、くじゃくの はねを、つけてゐま した。

くじゃくが、そのはね を、みなぬきとりま した。

だい十九

しほばらたすけは、すみや にほーこーしてゐた とき、たくさん、ふるぞーり をあつめておいて、しゅ じんにさしだしました。

だい二十

たすけは、すみやにほー こーしてゐるうちに、たく さんなすみくづをあつめ ました。

のち、そのすみくづをもらっ て、みせをひらきました。

だい二十一

たすけは、しょーぢき に、しょーばいをしま したから、そのみせが、 たいそー、はんじょーし ました。

だい二十二

おたけは、父母からもらった おかねを、ぎんこーにあづ けました。

おたけは、がっこーのふしん のとき、そのおかねをさし だしました。

だい二十三

みちしるべのくひが、た ふれてゐました。

たろーは、いま、とも だちといっしょに、そ れをおこしてゐます。

だい二十四

たろーが、ともだちと、 きそくをきめて、あ そんでゐます。

きそくは、たいせつに まもらねばなりません。

だい二十五

しらかみげんじろーは、い さましいらっぱそつであ りました。

げんじろーは、てっぽーの たまにうたれても、いき がきれるまでらっぱをふいてゐました。

新編修身教典——尋常小學校用——卷二

著作権表示

尋常小學校修身科用 明治三十五年十月八日 文部省檢定濟

修正修身教典尋常小學校用奧付

定價

不許 複製

編者
株式會社普及舍編輯所
印刷兼發行者
東京市日本橋區呉服町壹番地 株式會社普及舍
代表者
中川九郎
發兌元
株式會社普及舍

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(一)
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(二)
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(三)
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