2002/9/27 【3D CAD編TOPに戻る】
3DCADは「スリーディーキャド」と読みます。3Dは三次元のことを指します。CADとはコンピュータによる設計支援の総称です。もっとも一般的なところでは、機械系や電気系など平面的な図面を書く場合のツールとして用いられていると思いますが、3DCADは特に立体的なモノを創造する場合に使うととても便利なツールです。なにせ、3次元の形状の情報を入力すると、そのモノが画面上に立体的にリアルに表示され、様々な角度にグルグルまわしながら検討を進めることができるのですから、お絵かきをしているだけでも楽しくてはまってしまいます。(^^;
力弥はずっと平面CADしか使っていなかったのですが、新たなロボット作りに踏み出すために3DCADに挑戦してみようと思い立ちました。なので全くの素人ですが、検討の様子をご紹介して行きたいと思います。
| ※ここで最終的に選定を行った3DCAD「Paralogix」は、2004年1月31日をもって販売中止となってしまいました。今後の動向は不明で非常に残念ですが、取り合えず力弥はこれを使いつづけるつもりです。ここを参照して頂く皆様は入手することが出来ませんのでご了承下さい。 (2004.02.02) |
101−1.3DCADの選定
3DCADはパソコン上で動作するアプリケーションソフトです。ここではワープロや表計算などと同じようにWindows上で動作するものを選定の対象にしようと思います。また3DCADは一般的にプロが実際の製品設計に利用することを目的としているものが多いため、数百万円から数十万円もして非常に高価なものが大半です。しかし、力弥のように趣味の範囲で楽しもうという目的の場合、出せても数万円まで。できればタダで利用したいというのが本音です。そこで、安価なものに的をしぼって探してみましたが、以下のような3DCADがありました。
実はこれら以外にも、本屋さんなどで建築関係の書籍コーナーなどを探ってみると、AUTO CAD系を始めとしたいくつかの3DCADが目に付きましたが、すべてを追いかけているとキリがないため、とりあえず以上のCADについて試して見ることにしましょう。
なお、以下にご紹介する記事は、あくまで不勉強な力弥個人の勝手な意見です。3DCADは奥が深く、なかなか出来ないと思っていた機能なども、やり方や考え方によっては簡単に出来てしまったりすると思いますが、とてもそこまでは試しきれていません。また、モデリングの操作性以外に、部品同士のアッセンブル操作や図面の2D化なども重要な機能です。これからの記事のなかで、「それは違う」といったご意見があれば、ぜひお教えください。ここではあえて力弥が試した範囲での感想を率直に述べます。m(_ _;m
ExpressionToolsの3DCADです。というより3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)です。力弥個人としては絵が好きで、特に超リアルな3DCGの世界は特に興味がある分野です。なので立体物のモデリングとして真っ先に思い浮かべたのがShadeでした。Shadeには3グレードあり、Shade 6 Spritが17,800円、Shade 6 Advanceが59,800円、Shade 6 Professionalが174,800円です。多分力弥が使うにはSprit版で十分でしょう。
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今回はExpressionToolsのホームページからデモ版をダウンロードして試してみました。デモ版には試用期限はありませんが、作成したデータの保存ができないなどの機能制限があります。 |
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左の画面はShadeでモデングを行う際の画面です。正面/上/横の三角法で平面的に作図していくと立体図が出来上がっていきます。 例えば上面視の領域(左上)で長方形を書き、正面視(左下)の領域でそれを掃引(押出し)すると立方体になるという感じで簡単にモデリングして行けます。 三角法でのモデリングは、機械系の平面CADの経験がある方ならば、すぐになじめるのではないでしょうか。 でも、ちょっと思ったのですが、Shadeは絵を書くこと自体が目的のソフトであり、実際の物作りのための設計ツールとしてはあまり向いていない気がします。(^^; |
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Shadeにもグリッドに対する寸法の概念があり、座標入力による正確な形状のモデリングが可能になっています。ただし、機械系のCADに比べるとそれらの機能は弱いようです。その代わり、リアルなCG映像を作る上での機能が揃っています。 左の画面は簡単にモデリングしたサーボモータにレンダリング処理を行い、CG画像を作成した例です。例ではサーボモータを木目にしてしまいました。 もっと手の込んだCGを作りたかったのですが、デモ版ではデータの保存ができないためこの程度で勘弁してください。(^^; |
デモ版のヘルプにはチュートリアル(操作手順を独習できる手引書)が整備されていて、簡単に基本操作をマスターすることができます。
ロボット設計以外に純粋に絵を書いて楽しむという目的で、一番安いグレードのShadeを買ってみてもいいかなと思いますが、やはりロボット設計には不向きと思います。ただし使いようで、のんさやさんはShadeと同様のCGソフト(ただし映画制作などでも利用されるLIGHTWAVE3Dという高価なソフト)をロボット製作に活用されているようです。
力弥が書いた上の絵ではつまらないので、興味があるかたはExpressionToolsやLIGHTWAVE3Dのホームページなどから、その作品をご覧下さい。きっと魅入ってしまうと思います。
フォトロンから発売されている3DCADです。比較的安価(NET通販58,500円)に入手できて正規のユーザーになれるという点は見逃せません。実はWindows3.1が全盛のころ、力弥が始めて購入した2DCADがフォトロンの図脳WinCADというソフトでした。なので、図脳シリーズには特別な思い入れもあります。
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試用版は試用期間30日間限定で、機能制限なしです。フォトロンのホームページからダウンロードすることができます。 値段に比べて十分な機能を一通り持っているみたいで、どこかの会社のweb上にも使いやすいとの評が一言ありました。 特に、RENDER PLUSというパッケージにすると、レンダリング処理により入力した固体から非常にリアルな「CG作品」を作ることができるようです。もともとそちらにも興味がある力弥としては、非常に魅力的なソフトです。
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左の画面は図脳RAPID3Dでサーボモータをモデリングしてみた例です。入力は三角法ではなく、直接立体空間上で行います。 サーボ上面の微妙な曲線からなる部分なども、比較的自由にモデリングができ、処理の制限から「実行できません」などのメッセージが出ることも少ないように感じます。 画面上にある青色の直線は補助線で、モデリングする際のガイドとするために利用するものです。 背面にあるマス目(グリッド)は非表示にすることもできます。また、背景色も好きに変更できます。 |
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モデリングは、用意された形状の立体物を直接配置することもできますし、平面上に描いた図形を押出して立体化させることもできます。 寸法入力による図形修正にも対応していますが、試用した範囲では寸法線が出てくる部分は決まっているみたいで、それ以外の部分に自由に寸法線を出して形状修正をする方法などはまだ見えていません。おそらく補助線をいかに有効に使うかというところがミソになりそうな気がします。 左の画面はシェーディング処理を施した画面ですが、この表示のままモデリングの編集作業ができます。色の指定や質感、光の反射具合などの調整もできます。 |
試用した感想としては、操作が少々直感的ではないように感じました。「直感的」とは今まで力弥がどんなソフトに慣れ親しんできたかということにも直接関係するため、一般的にいえることではありませんが、座標上の任意の点を簡単に指定するためのスナップ機能が弱かったり、2次元上の描画の基準点(座標ゼロ)の指定が難しかったりという印象を受けました。四角の頂点をつまんで、好きなところまで持っていって変形させるという基本的な操作すら、未だに分かっていません。(^ ^; また、もともと純機械系CADから発祥しているためか「補助線」という考えがあり、それを利用しながらの入力が面倒な気もします。逆に座標値の入力による描画を行うと作業がはかどるという面もありました。
そもそも、ヘルプなどにチュートリアルが整備されておらず、どういう手順で作業を進めてよいのかが見えないというのが一番残念な点です。ヘルプに記載されている断片的な機能説明だけでは良く分からず、思い通りにならないため嫌になってしまうというのが正直なところでしょうか。
まだ図脳RAPID3Dには未練があり、多分実用的で使いやすい工夫などは盛り込まれているはずですが、試用版にそれらを紹介する部分がない点が非常に残念でした。
PTCの3DCADです。角野さんから紹介してもらい試してみました。製品版(完全版)は139,000円ですが、無料ダウンロード版は半年ごとの再登録をするだけで利用可能です。無料ダウンロード版は若干の機能制限とサポート無しなだけで、趣味のレベルで利用する範囲では、機能的に十分と言えるでしょう。よっちゃんのホームページに詳しい利用方法が非常に親切に解説されているので、強い味方になります。
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無料版はPTCのホームページからダウンロードできます。よっちゃんのホームページを見て頂いたほうが分かりやすいかもしれません。アクセス化キー(パスワード)は申し込んだ後にメールで送られてきますが、有効期限は6ヶ月です。その後は再び登録を行えば継続して利用できます。 |
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左の画面は、サーボモータをモデリングしている最中の様子です。 モデリング作業は、先ず平面上に底面の絵を書き、それを押出し処理して立体にし、その立体の好きな面に平面の絵を書いて、またそれを押出しで立体部品を追加していくといった手順で進めます。 立体を追加したい平面上にワークプレーンという作業面を登録し、その上で平面図を書いて立体化させて行きます。 作業性は非常に良くシンプルな操作系で、2次元CADを扱ったことがある人であれば直感的に利用できるのではと思います。
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でも... これは絶対にPRO/DESKTOPが悪いのではなく、力弥が使い方を間違えているだけだと思うのですが... 平面図を押出し処理する際に、頻繁に「問題発生」状態に陥るのです。左の画面はその様子で、サーボの両側に取り付け耳を追加しようとすると、OKボタンを押す前までのプレビューでは耳が付くのですが、OKボタンを押すと「問題発生」になって処理が先に進まなくなるのです。 どうやら前に実行してあるフィーチャー(押出しや面取りなどの3D処理)が引っかかるらしく、一度はまるともう先に進みません...。
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絶対に使い方の問題だと思ってますが、よく分からないのです。(まだヘルプやチュートリアルもシッカリ見てませんが...) でも、何度か同じモデリング作業を最初からやり直したりしてますが、すんなり行く時もあれば突然引っかかってしまう時もあります。作図の順番に特別な決まりがあったりするのでしょうか。
操作性はシンプルだし、座標系の指定が簡単にできるし、スナップも自然で使いやすいし、寸法入力による図形修正なども簡単だし、何よりタダだし...多くのメリットがあるCADですが、突然「問題発生」状態に陥ってしまうのが怖くて使えません。でも、3DCADなので理由なしに「問題発生」になるはずはありません。もう少し勉強が必要というところでしょうか??
日立造船情報システムの3DCADです。アイロンCADではなく、アイアンCADです。(^^; 伊藤智さんから紹介してもらい試してみました。製品版は278,000円もするため、力弥には到底手が出せません。しかし、直感的な入力を補助するための仕組みや工夫が施されているようで、力弥でもすぐにモデリングを行うことができました。このCADは完全なプロ用です。
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試用版は日立造船情報システムのホームページから申し込みをすると、CD-ROMで送られてきます。 試用期間は30日間で機能制限はありません。力弥としてはIronCADが非常に気に入ってしまったのでこのまま使いつづけていたいのですが、残念ながらそれは出来ません。多少の機能制限があっても、試用版を無期限で利用できるとよかったのですが... |
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左の画面は、IronCADでサーボモータをモデリングしてみた例です。 モデリングの作業としては、あまり座標系などを意識する必要がなく、シェイプと呼ばれる部分からブロックや円柱をドラックして持ってきて、寸法を修正しながら組み合わせていくと出来上がるといった感じでとても簡単です。 モデリングしている途中にも、制限などによってエラー表示が出ることもなく、非常に自由度が高い印象を受けました。 左の図では稜線(各辺をなぞる線)を表示するモードにしてありますが、稜線を表示しないモードなどにすると非常にリアルな表示になります。また、ワイヤーフレーム表示にすることも可能です。 |
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左の画面は、サーボモータをちょっと回転させて見た例です。回転はマウスで自由に行えます。 また、シェイプの窓を開いてありますが、ここに色々な形のテンプレートが用意されており、図形をドラックしてくるだけでモデリングに利用できる固体が画面上に現れます。 IronCADでは、こういったテンプレートがとにかく豊富です。 |
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左の画面は、テンプレートの中の「ツール」に含まれる「ギヤ」で傘歯車を貼り付けてみた例です。 画面右の窓の中に「ギヤ」というものがありますが、これをドラックしてくるとウイザード画面が開き、そこでギヤの種類や歯数、寸法、角度など、必要なパラメータを入れてあげるとギヤーが現れます。 ギヤー以外にもネジや軸受けなども用意されています。 |
試用した感想としてはノドから手が出るほど欲しいというところですが、やはり278,000円の壁は高く、断念せざるを得ない状況です。試用版のCD-ROMを30日以上に延命できないかと、レジストリ情報などを当たって見たのですがそれらしいものは見つからず(世の中甘くはありません。日立造船情報さんすみません)、やはり断念です。
操作性が非常によく、ポンポン貼り付ける固体の寸法修正や位置修正が簡単で、ストレスなく作業を進めることができます。また、TriBallなる図面編集のためのハンドルが現れ、より高い操作性が得られるようです。(あまり試していませんが...)
チュートリアルなどはきちんと整備されており、使い方を独習することができます。値段がこれの1/4程度だったら、間違いなくIronCADの正規ユーザーになっていたでしょう。
ファモティックの3DCADです。ののさんから紹介して頂き試してみました。Standard版の定価は、なんと29,800円で超お手ごろなCADです。Standard版に別売りオプション機能を追加して行くことで、より多機能なCADへと進化させることができ、フルオプションはPro版で158,000円になります。
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お試し版はファモティックのホームページからダウンロードできます。試用期限はなく、Standard版の全ての作図機能が利用できますが、作成したデータの保存だけはできません。 ホームページでも紹介されている通り、直感的な操作感が売りです。 |
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Vellum CADは、2次元CADとしてみた場合、非常に使いやすいCADです。それはドラフティングアシストと呼ばれる機能によるもので、平面上に適当に作図を開始すると勝手に補助線が現れ、関連する図形要素に対してスナップを効かせて、正確な図形を簡単に描くことができます。 作図途中に寸法入力によって長さや大きさを規定することも簡単にでき、ほとんどストレス無しに図面を描くことができます。 更に、他のCADでは難しいと思いますが、左図のように3次元空間上に、一筆書きで立体図を描いていくことができます。多くのCADではワークプレーン上の平面図しか描くことができませんが、このCADではドラフティングアシストによって出現する立体的な補助線によって、簡単にできます。
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ところが、VellumCADでは、ソリッドな(中身の詰まった)立体物の扱いが苦手なように思います。他のCADでは立体物同士の演算合成によって、重なる部分の削除や、重なる部分だけを残すといったフィーチャ処理が簡単にできますが、その辺りの機能が弱いようです。 左図ではサーボモータ(PDS-2144FET)の上面の微妙な曲線を再現しようと思って試してみているところですが、どうもうまく行きません。きっとやり方があるのだとは思うのですが、基本的にワイヤーフレームでの3次元処理にしか対応していないのではないかと思います。(違うかな?)なので、フレームできちんとした面が生成できないような複雑なモデルは苦手のようです。 面が生成できる場合には、シェーディング処理できれいな立体表示が可能です。 |
一番機能的に不足しているかなと思われるのが、立方体の角にフィレット処理(R付け)を行うときの手順で良く分かります。通常ソリッドモデルを扱える3DCADであれば、フィレットを行いたい部分のエッジ、もしくは両脇の面を指定するだけで、簡単にフィレットが掛かります。しかし、VellumCADでは、先ず、底面の角に平面的にRを付け、それを上面まで投影(掃引)します。その時点ではまだ元々のエッジは残っているため、不要なエッジ部分のワイヤーフレームを手動で削除します。そうすることによってようやくエッジのフィレットが完成します。つまり、ワイヤーフレーム的な3D処理が操作の基本となります。
非常に使いやすいドラフティング機能を持っているのですが、3Dとしてのモデリング機能がちょっと弱い気がしました。
電通国際情報サービスなどが代理店として扱っている3DCADです。東京工業大学修士課程の林さんがメールで教えてくれました。実はOriginは無料版の評価用ソフトで、きちんとした製品版はSolid Edgeとして別にあります。値段は調査できていませんが、やはりウン十万円くらいしそうな気がします...。
他の3DCADと大きく異なる点は、パーツのモデリング、板金のモデリング、それらのアッセンブル(組合せ)、そして平面ドラフティング用のそれぞれのソフトが独立しているということです。独立していることによって、それぞれに必要な操作ボタン類などが系統的に切り分けられ、全てが統合されているソフトに比べて操作系が煩雑にならないといったメリットがあるようです。
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Solid Edge Originは、電通国際情報サービスなどの代理店のホームページから申し込むと、CD-ROMが送られてきます。Originは評価用のソフトですが、3次元パーツのモデリングはほとんどの機能を利用することができます。試用期限もありません。ただし、作成した3次元モデルを2次元図面に落とす機能が付いていないようです。 無料でここまでの機能が使えるとはすばらしい!と思ったのですが、Origin版では板金のモデリング(SHEET METAL)やアッセンブル(ASSENBLE)などのソフトが使えないみたいです。やはり全てを使うには製品版を購入しろということですね。アッセンブルができないと3DCADを使う意味がないので、非常に残念です。
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左の画面はサーボモータをモデリングしているところです。SolidEdgeも、PRO/DESK TOPと同様にワークプレーン(作業平面)を登録してから、そこに平面図を書いて立体化させるという作業で進めます。ただし、PRO/DESK TOPよりもモデリング時の制限がなく、自由度が高いように感じます。 ワークプレーンを指定すると、自動的に平面作図用の窓が開き、そこで作図作業ができます。立体図は残しながら作業窓が開くため、イメージを掴みやすいのが利点です。 また、平面作図ではVellumCADと同様かそれ以上のアシスト機能が付いており、慣れるに従って非常にサクサクと作図作業が進められるようになります。左の画面だと見づらい気がするかと思いますが、実際は全然問題ありません。 |
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操作性は全体的に非常に高く、使う側の立場に立って作られているという感じが伝わってきます。例えば、選択した作図モードに合わせてツールバーに表示されるボタン郡が勝手に切り替わり、次に押したいボタンが、いつも定位置に用意されている、といった感じです。 左の画面は、モデリングしたパーツをシェーディング表示させたところです。SolidEdgeではパーツにつける色に意味をもたせているらしく、他のCADのように部分ごとに色を設定することができないみたいです。確かに通常はひとつのパーツは一色であり、複数の色のパーツをアッセンブルすることによって色々なカラーが組み合わさるので、当然かもしれません。
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試用してみて一番感じたのは、ユーザーの立場になって考えているなあ、ということです。一番良い例はチュートリアルです。他のCADではPDF文書で提供されているだけなのがほとんどですが(中にはそれすら無いものもある!)、SolidEdgeでは説明画面と実際の操作画面が自動的に半々に画面割りされて、時には動画を交えた対話式の学習環境が整備されています。分かりやすく使って欲しいといったこう言う姿勢が、実際の操作性でも生かされているのだと感じます。ただ、Origin版では利用できない板金モデリングやアッセンブルソフトでも、こういったチュートリアルが整備されており、目の前にニンジンをぶら下げられた馬のような、ヘビのなま殺しのような、非常に恨めしい気持ちになります...。
ここまで、何種類かのCADを試用してみましたが、高い機能と操作性を持つソフトは、チュートリアルをちょっとかじった程度で、すぐにサーボモータ程度のモデリングが出来てしまうということが分かります。しかし、それは同時にIron-CADやSolid Edgeなどのように高価なCADであり、力弥のように趣味の範囲で利用するには敷居の高さを感じます...。
それから考えると図脳RAPID3Dは、結果としてあの値段であそこまでモデリングができたことを高く評価します。ただし、チュートリアルもなく、作業手順がわからずに相当イライラしましたが...。でも、他のCADを試しているうちに、力弥自体が3DCADというものに慣れてきたこともあり、初めて図脳RAPID3Dを使ってみた頃に比べれば入りやすくなっているのではないかとも思います。力弥がここまで酷評するのも、もともと思い入れがあるCADであることと、より良いCADに発展してもらいたい願いがあるためでもあります。
少々強引なまとめになりつつありますが、今のところ図脳RAPID3Dを最有力候補にしたいと思います。どこかを探せばチュートリアルが見つかるかもしれませんし、PRO/DESKTOPのよっちゃんのホームページに負けないようなチュートリアルをTekuRoboでご紹介するのも悪くないかなーと思ったりもします。
...と、ここまで図脳RAPIDに気持ちが傾きつつある中、また別のCAD情報が寄せられました。ParaLogixです。
アメリカA3DS社の3DCADで、インターマティカが代理店をやっています。濱岡哲也さんがメールで教えてくれました。先ず驚いたのが値段です。グレードが2個あり、ParaLogix Oneが27,500円。Twoが75,000円です。まだ詳しくは分かりませんが、OneとTwoの違いは、フィーチャー数が50までの制限付きか、無制限か、といったところのようです。つまりあまり複雑で手の込んだモデリングを行わなければ27,500円で済んでしまうということです。で、Twoのほうを実際に試してみました。
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OneとTwoは、それぞれインターマティカのホームページからダウンロードすることができます。容量は44.3MBありますので、ブロードバンド環境でないとちょっとつらいかも知れません。 また、インストールの際、使っているパソコンの「コンピュータ名」または「アカウント名」のどちらかが日本語になっていると、起動時にエラーになります。力弥の環境でも引っ掛かったため、急遽半角英数字に登録しなおしました。 個人パソコンだからOKでしたが、会社のネットワークにつながっているパソコンだとしたら、ユーザー名やアカウント名は勝手に簡単には変えられませんのでご注意を。 |
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ParaLogixはPRO/DESK TOPやSolidEdgeなどと同じく、基準となる2次元平面を定義してからその上に図形を描き、押出しや回転などで立体化するという手順を繰り返してモデリングしていきます。 基準となる平面はプロファイルと呼ばれ、描画する線が交差するようなものは、ひとつのプロファイル上で立体化はできません。そのあたりはPRO/DESK TOPと同じです。なので、複数の立体が重なるようなモデリングの場合は、同じ面に複数のプロファイルを定義して、重ねていくという手順になります。 SolidEdgeなどはひとつの基準平面に対して複数の図形を押出し処理が可能でしたが、今回は特に作業上大きな問題にはなりません。 |
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2次元平面上への作図作業は、VellumCADやSolidEdgeなどのようにアシスト機能が付いており、サクサクと正確な図形を入力していくことができます。また、寸法値による座標入力でも作図を進めることができます。 基準座標の修正なども簡単にでき、ほぼ直感的に操作が行えるといった使い心地です。 まだ試していないのが、一度入力してしまった図形を修正していく手順です。寸法値を修正することによって図形に反映される、などの機能があれば言うことありませんが、まだそこまで使っていません。
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左の画面が、モデリングしたサーボモータをシェーディング表示したところです。ワイヤーフレームではなく、この表示のまま図形編集を行うことができます。逆にそのほうが分かりやすいかも知れません。 色や光源、反射などの具合も調整でき、なかなか美しい画像になります。 モデルはマウスで空間上を自由に回転させることができますが、慣れないとなかなか思ったとおりの向きに向いてくれませんが、きっとすぐに慣れるでしょう。 |
まだまだちょっと使ってみただけなので、どんな機能が隠されているか分かりません。なにせ、初めて使い出してから2時間程度で上のサーボのモデリングが出来てしまったくらいですから。操作系などはSolidEdgeなどのように特に使いやすさにこだわっている感じにも見えないのですが、チュートリアルすら見ていない、ちょっとヘルプを見ただけでここまでサクサクできてしまったことに驚きます。 まだ分かりませんが、ぱっと見では機能的に10〜20万円ほどする3DCADと比べても遜色ないのでは?と思えるほどです。
あの値段でこの内容なら、絶対にお薦めだと思います。(^o^
ただ1点だけ気になります。なぜここまで安いのか。インターマティカのホームページには、「サポートしない」と明記されています。余計な経費を削減しているから安いと。だから達人に使ってもらいたいと言っています...(^^; でも、日本語対応のヘルプとマニュアル、そしてチュートリアルがPDFで提供されているので、よほどのバグなどが無い限り、サポートなしでも大丈夫ではないかと思ったりもします。また、近日中にユーザーのフォーラムを開設するとのこと。
サポートされないことが、どんな不都合につながるのかが分かりませんが、試してみた範囲では非常に魅力的な3DCADであることに間違いありません。
世の中には、まだ知らない優れた3DCADがあるかもしれませんが、力弥は最後のParaLogixが気に入ってしまいました。最後の大逆転といったところでしょうか。(^^; ご紹介している通りグレードにはOneとTwoがあり、Oneはフィーチャーが50までという制限があるようです。フィーチャーの数をどう数えるかは厳密には分かりませんが、今回モデリングしたサーボモータは、押出しやフィレットなどの処理が26個程度から成り立っています。この数え方に間違いが無ければ、50個のフィーチャーができれば、力弥が目的とする各パーツには余裕で対処できると思います。
ということで、TekuRobo工作室ではParaLogix Oneを採用して、正式にユーザー登録しようと思います。
最後に、3DCADについて色々な情報を下さいました皆様、本当にありがとうございました。これからも情報をお寄せくださいますよう、お願い致します。m(_ _)m
| ※ここで最終的に選定を行った3DCAD「Paralogix」は、2004年1月31日をもって販売中止となってしまいました。今後の動向は不明で非常に残念ですが、取り合えず力弥はこれを使いつづけるつもりです。ここを参照して頂く皆様は入手することが出来ませんのでご了承下さい。 (2004.02.02) |
変更履歴
VellumCAD追記 2002.10.8
Solid Edge Origin追記 2002.10.12
ParaLogix 追記 採用決定 2002.10.26
ParaLogix 販売中止の追記 2004.2.2