過去ログ 4
2000年 9月〜10月
HP拝見しました 投稿者:通りすがりの者です 投稿日:10月28日(土)01時36分23秒
「裏世界遺産」、興味深かったです。日本国内には、「裏世界遺産」って無いのでしょうか?
それと、岐阜県の白川にある合掌造りの家屋群が、裏ではなく表の世界遺産に登録されたようですが、あそこは世界遺産とは言いながらも、遺跡ではなくて実際に今でも普通の人たちが住んでいるところなのに、世界遺産になってからというもの、観光客が大挙して押し寄せてきて、路上駐車したり、(観光客用のトイレが整備されていないので)民家のガレージで無断で大便をしていったり、或いは洗濯物を表に干すことができなくなったりして、現地の住人は往生しているという話を人づてに聞いたことがあります(何か変なことを書いてしまってすみません)
私は、世界遺産も何ヶ所か訪れたことがありますが、カンボジアのアンコールワットが一番好きです。
ではでは。
30000HITに感謝致します 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月26日(木)23時58分49秒
先日、来訪者3万人を突破しました。これまでに訪れて下さった全ての方にお礼申し上げます。今後も出来るだけ内容を充実させますので、どうぞよろしくお願いします。
収斂さん>
でも彦根城の天守閣はきれいですよね。装飾が綺麗な、小さな天守です。私は彦根の町を散策したことは無く、彦根へは城を見るためだけに行きました。まあ、私の旅行はいつも時間に余裕が無いんで… 琵琶湖やその周辺、彦根の町は天守閣からよく見えました。私が登った時はちょうど夕陽が沈む頃合で、とてもよかったです。
30000アクセスおめでとう 投稿者:収斂 投稿日:10月25日(水)21時33分28秒
最近忙しくてあまり書き込みができないのですが、このHPが30000アクセスを突破したみたいでおめでとうございます。あまり無理せず頑張ってください。
久しぶりの収斂です。 投稿者:収斂 投稿日:10月21日(土)02時17分21秒
随分久々の書き込みです。最近とても忙しくて大変だったからです。でも明日(正確には今日)は、午前中のゼミの後、研究室対抗ソフトボール大会とかいう恒例行事があり、それはどうでもいいのですが、そのあと、打ち上げでお寿司が出るから是非参加するつもりです。というわけで久しぶりに時間が出来たので書き込みしています。
先々週の10月7日に大学時代の友人の結婚式で大阪に行って来ました。新郎新婦ともサークルの友人です。私は大学時代に混声合唱団に入っていました。その団は合唱団にしては珍しくニックネームはなく、通称「阪混」と呼ばれていました。とても楽しい思い出ばかりの学生合唱団です。このHPを見ている方にも「阪混」出身者がいるかもしれないですねぇ。いたら一筆書き込みしていただけたら幸いです。結婚式の3次会で(私の近くに座った人だけですが)このHPのことを少し宣伝してきましたから、ひょっとしたら友人の何人かが私のことに気付いているかもしれません。
それはさておき、ついでですから、10月8日に彦根城に行ってきました。以前からこのBBSで話題になってた物件です。私が大阪にいた頃は、この城はちょうど修理されていて見学できませんでした。その直後、ここも世界遺産の暫定リストに入っていることを知って、はたしてこれが世界遺産になるだけの価値がある物件なのかどうか、是非とも見届けたかったわけです。私は、以前からこのBBSで、多分彦根城単体でも世界遺産になれるだろうし、もしだめでも琵琶湖周辺の歴史的建造物の一つならほぼ間違いないく登録できるだろうという主張をしてきました。それに対し、浦に〜と管理人は、登録は難しいのではないか言われていました。
結論から言います。私の方が間違っていたように思えます。自分の調査不足を痛感しました。やはり本ばかりではなく、実際に観ておかないと正確な判断が出来ないと思いました。何も彦根城がつまらないといっているつもりは毛頭ありません。世界遺産としての資質についてです。彦根城の価値は一級であることは変りませんし、これはあくまで私個人の意見であることを重ねて強調しておきます。天守閣はたしかに立派でした。しかし櫓や土塀という割と復元が容易なものが全然足りません。せめてもう少し建物があれば、それが復元であってもいいから本物の材料で出来た建造物があればいいのにと思いました。天守閣だけが浮いています。また本丸の一部を復元したというから期待していたのですが、細部の造りが甘い。かなり予算の都合で簡略化しているのがはっきり分かりました。
また彦根市街も少し散策しました。古い町並みを再現したとかいう通りも行きました。でもまだまだです。よかったのは五百羅漢で有名な天寧寺でしょうか。でもあれも本来の瓦屋根から銅板で屋根を新築していました。それほど観光客がいないみたいで、手入れがままならない感じが痛ましく感じました。またそこから彦根市街が一望できるのですが、かなり建て込んでいて、琵琶湖と美しい田園風景というイメージとは程遠いものでした。それを見ているとなんかさびしい気持ちになりました。日本はどうして景観というものや身近な自然を守れないのでしょうか。少しくらい住宅が狭くてもいいから、自然、田園、里山といったものを守らないと、近い将来とり返しのつかないことになります。このままでは琵琶湖自体も自然遺産に登録できそうもありません。いまがぎりぎりのところではないかと感じました。
訂正 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月19日(木)21時47分42秒
去る8月5日、当ゲストブックにて、カナダの自然遺産「バージェス頁岩」について
「(確か)講談社刊の世界遺産全集でも、少しも触れられていない」という文章を掲載しましたが、これは間違いでした。本日この講談社の本を見なおしたら、ちゃんと載ってました。しかしわずか127文字で写真無し。やはり遺産の規模や重要性を考えると、全く足りないという点は否めません。
でも化石遺跡というのは、日本における木造考古遺跡と同様、価値判断が難しいものですね。今現在最も優れたものとしても、後になってもっとすごいものが見つかる可能性だって充分考えられます。
そう考えると、カナダの「ミグワシャ公園」「アルバータ州立恐竜公園」なんかは、200年くらい経った頃を考えると、最も優れた豊富な化石が出土する場所であること以上に、初期古生物学に与えた影響力の方にむしろ眼目が置かれるようになっているかも知れません。
景勝地 と 保護区 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月14日(土)19時00分43秒
収斂さん>
「廬山国立公園」や「峨眉山と楽山大仏」が文化遺産として登録されているのは、山そのものの文化的影響力だけでなく、そこに重要な建築物があるからでしょう。しかし「黄山」には、それらしい建築物などは無いに等しく、自然状態でありながら複合遺産になれたと言う点が興味深いです。なお「黄山」の中で世界遺産リストに登録されている松は45本です。
オーストラリアの複合遺産の文化的価値も、思想や精神世界に与えた影響力を認めている所もあり、そういった点では、中国とオーストラリアの複合遺産は似た感じがしたのです。
自然遺産の登録基準の(3)だけが認められた複合遺産が多い理由は、収斂さんの仰る通りでしょうね。自然基準の(2)や(4)が認められた複合遺産となると、古代遺跡が目立つようにも思われます。
武夷山に自然遺産の登録基準の(4)が認められているのは、古代植物の生き残りといえる種や、中国に固有の植物の貴重な生息地である為です。また、植物に限らず、非常に多くの爬虫類・両生類・昆虫の生息地でもあるようです。(ユネスコのページを参照しました)。しかし棲息する植物の具体的な種名は分かりませんでした。茶畑が広がっているのに、原始の自然がちゃんと残っているんですね。
(ここから先はマニアックな話となります…)
今回、関連して自然遺産の登録基準について色々調べて見ました。
自然基準の3番だけに合致する遺産は、複合遺産も含めると現在14件あります。その14件のうち、複合遺産が7件を占めます。また、自然(3)だけに合致する遺産は、1994年にベトナムの「ハーロン湾」の登録を最後に、現在まで出てきていません。ちなみに「ハーロン湾」は、今年中に自然基準の(1)も追加認定されることが決定したので、これを除いて考えると、1992年の「九寨溝」など中国の3遺産の登録が最後ということになります。
自然基準の4番だけに合致する遺産は11件あります。これらの中で複合遺産は「峨眉山と楽山大仏」の1件だけです。また登録時期を見ると、自然(4)だけで登録された物件は、80年〜85年と93年〜99年に限られています。一方、自然(3)だけで登録された遺産では、1979年と、85年〜94年の間に限られます。
こんなにハッキリ色分けされているなんて、面白いと感じました。もともと私は、自然(3)と(4)は、互いに逆方向の登録基準だと思っているので、尚更かもしれません。景勝地として自然遺産を登録するよりも、近頃は 絶滅の危機ある生物の生息地として自然遺産を登録しているように見えてきます。そして自然(4)だけに合致する11遺産のうち、4遺産までが「危機に瀕する世界遺産リスト」に掲載されているという点は、留意すべきでしょう。
しかしこの話には大きな穴がありまして、それは、自然の(3)だけ、また(4)だけにしか合致しない遺産のみを対象としていることです。自然(3)(4)の両方に合致する遺産もあります。また、自然(3)が認められた遺産が1994年以降、一切出てきていない、という訳でもありません。自然(3)だけに合致するものが、1994年が最後だという訳ですので、その辺混同しないで下さい。ほとんど参考にならない、つまらないデータですが、一応、私の感じたところはこんなもんです。
廬山について 投稿者:収斂 投稿日:10月12日(木)04時07分25秒
廬山はあまり日本の観光客が訪れない場所に思えます。そのため、最近の情報がほとんど伝わってきません。私も一体何処が素晴らしいのか漠然としか知りません。それで思い出したのが、早朝NHKでやっている「漢詩紀行」に廬山を詠った詩が紹介されることがあります。あの番組は繰り返しが多いから、継続して見ていたら、そのうちこの映像も見られるでしょう。その漢詩では、前から見ると衝立のような連山で、横からみると峰になっているという廬山の美しさと、その山の中に入ると自分がどこにいるのか分からなくなるといった意味でした(そのことから作者本人の不遇の人生を山の中に迷う自分で表現しているそうです)。正直いってそれほど美しい山とは思えませんでしたが、古くから中国人が絶賛するくらいですから、多分自分の方がよく知らないだけでしょう。
ほかに廬山で知っている話です。世界遺産に登録されてすぐのNHKのニュースの情報では、廬山の近くには、宿泊施設がほとんど無いそうで、世界遺産化を機会に中国政府が観光に力を入れ始めたのだそうです。とくに少数民族が高地に造った空中水田(棚田とは違い、一つ一つの耕作面積がかなり大きい水田でした)の風景が美しいから、是非観光資源として活用しよう、とかいう内容でした。
中国の複合遺産で感じることは、例えば黄山では、有名な松には名前がついていて、そのうちたしか40本が世界遺産になっている、というように、漢詩に詠まれたり、水墨画の画題になったりしたものには高い評価がされているという点です。そうしてみると廬山も漢詩に詠まれているし、日本の枕草子にも登場するくらいだから、複合遺産化が実現しやすかったのかもしれません。こういった点がオーストラリアのそれとは、少し性格が違うように思えます。
複合遺産の自然遺産の基準に3番が多いのは、私も前から気になっていました。逆説的な考え方をすると、自然遺産基準の2や4が認められるくらいの自然は、もともと人間の文化、生活そのものが存在していないか、そこが文化的価値を持つ頃には、自然のほうが破壊されてしまっているか、どちらかではないでしょうか。峨眉山や黄山や武夷山に自然遺産基準の4が認められているのは、峨眉山は新種の植物や植物の原種の宝庫だから、黄山はさっき書いた松があるから、武夷山は有名なお茶の自生地だからではないでしょうか。
番組について>
「美の回廊を行く」は、私が昔見た外国の国宝紹介番組とは違うかもしれないですね。あれはたしか放送番組協会かなんかが制作していました。私がまだ覚えているその番組の回は、ドイツのブランデンブルグ門の上に飾れれている彫刻をはじめ、欧州中でモデルになった、ギリシャで発掘された四頭の馬に馬車に乗る女神の彫刻の話でした。一般に欧州の文物が多かったので制作は外国かも知れません。
複合遺産 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月11日(水)19時42分44秒
収斂さん>
「廬山国立公園」の自然的価値は、既に登録された「黄山」や「泰山」と似てますから、わざわざ3件目として登録する必要は無い、といった所でしょうか。また「武陵源」「九寨溝」「黄龍」に文化遺産の基準が認められる可能性がある、というのは、少数民族の集落のことですか? もっともこれら3遺産は、登録名が「自然景観と歴史地区」となっていて、既に文化面も世界遺産登録地になっているように読み取れますが。
私が個人的に感心しているのが、複合遺産の「峨眉山と楽山大仏」「黄山」「武夷山」に、自然遺産の登録基準の4番が認められていることです。古くから人の手が入り、人と共にありながらも、絶滅の危機に瀕する生物の貴重な住処であり続けているというのは、本当にすごいことだと思います。同じことはオーストラリアの複合遺産にも言えます。オーストラリアも中国と同様、複合遺産が多く、遺産の分布地図を見ると興味深いです。
また複合遺産の中には、自然遺産としては3番目の基準にしか合致していないものも多く、それらの中には言葉は悪いですが、文化的価値があるからこそ世界的に認められる奇観も多いように思われます。
収斂さんからご推薦を頂いた番組について。
『美の回廊を行く』というのは、NHK大阪製作の45分番組でした。8日はアジャンター石窟寺院群を中心に、インドの仏教遺跡を紹介してました。
一方今日の『遺跡探訪』は、近所の親戚に録画を頼んでおいたのですが、失敗したそうです。話によると、どっかの国の素晴らしい劇場建築を放送していたそうです。
自然遺産の文化的価値とは? 投稿者:収斂 投稿日:10月 7日(土)02時10分14秒
前回の書き込みは少し言い過ぎだったかもしれませんね。ただ、私は今のマスコミ全般への不信感が相当強いのですよ。
中国の世界遺産化の動きをみて感じることは、ヨーロッパ諸国の推薦物件と比べて、複合遺産の数が割と多いことです。そして、中国文明の至宝ともいうべき西安一帯の物件がまだないことです。私の考えでは、中国は世界遺産化を自然保護の一環と位置付けているからではないかという気がするのです。中国は近年経済発展がめざましく、深刻な環境破壊が起きています。このことから、まず自然保護に有効な物件から優先的に推薦していく方針ではないでしょうか。というのは、80年代の物件と比べ、90年代に入ってから、急に自然遺産や自然と一体的価値を持つ文化遺産が目立ちます。今年文化遺産で推薦している龍門石窟も、登録することで酸性雨被害から守り、かつ規制も出来ます。1996年の峨眉山と楽山大仏や、今年登録予定の青城山と都江堰も、環境破壊が深刻な成都の近くにあります。そういう視点からみると、廬山はたしかに文化遺産としての基準も十分満たしているが、他との違いを強調しないと世界遺産になれないから、とりあえず文化遺産で登録しただけのことかもしれません。だから廬山も、もしかしたら将来、自然遺産の価値が与えられるかもしれませんし、武陵源や九寨溝や黄龍のような自然遺産にも、やがて文化遺産の基準が付け加えられるかもしれません。そもそも中国の五岳は全て複合遺産にしていいくらいの物件ですよね。
自然遺産に文化的価値があるというのは、富士山の場合もそうですが、欧米の人には馴染みが無いことなのかもしれません。むしろアメリカやアフリカやオーストラリアの先住民の人たちには理解できる観念かもしれません。だからこそ、そういう物件である富士山は、より積極的に運動し、世界にアピールすべきなのだと思います。
私が世界遺産に初めて関心を持ったのは1993年からですが、当時購入した世界遺産ガイドブック(初めての世界遺産関連の本)には、やがて富士山も候補になるだろうと書いていました。その時は富士山の深刻な環境問題から、私自身、登録は無理だと思って疑いませんでした。琵琶湖もしかり。しかし、その後いろいろ調べてみて、やはり富士山は日本のほかの山とは違い、超越した存在だと感じるようになってきました。歴史的な価値としてではなく、完璧に美しいからです。おそらく、これが中国にあっても霊峰として愛されただろうし、ひょっとしたら五岳の一つになっていたかもしれません。戦災で破壊された建物や街が完全修復されて世界遺産に登録される例があるように、富士山は何としてでも、もとの美しさを取り戻し、自然遺産に登録されて欲しいと思うようになったのです。富士山はそういう努力をつぎ込んでもいいくらいの名山ではないでしょうか。
まあ、そうはいっても私は、最近では、富士山の登録も楽観視していますが。
何故か自然的価値が認められていない世界遺産 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月 7日(土)00時56分32秒
収斂さん>
TBSの「報道特集」や「ニュース23」をつまらないと思うか否かは、人それぞれでしょう。しかしTBSは社員の不祥事もしばしば耳にしますし、オウム騒動に代表される報道姿勢の歪みは確かに存在していると思います。そんな中でもTBSは「世界遺産」を始め、興味深い文化教養番組を多く提供してくれているので、私は個人的に好きなテレビ局ですし、あまり批判を言う気にはなれません。
白神山地、屋久島、白川郷・五箇山の10年前は、確かに世界遺産になれるほどの物だという意識はなかったでしょうね。まして白神山地なんか、世界遺産になる前は地元でも無名だったという地味な自然でした。
富士山は有名過ぎて、丁度世界遺産が浸透し始めた折に、誰もが両者を結び付けたくなったのでしょうね。私も世界遺産の制度を知った当初は、「なんで海外の○○が登録されているのに、富士山が世界遺産になってないんだ?」と思っていたものです。
富士山を登録する際、自然的価値を全面的に押し出して文化面を副次的とするのは、私は出来ないと思います。理由は、自然遺産としての登録が結構厳しいと思われるからです。
似たもので真っ先に思い浮かぶのは、ブラジルの「セラ・ダ・カピバラ国立公園」や、中国の「廬山国立公園」です。何でこれらの物件に自然遺産の登録基準が認められていないんでしょうか?
もしセラ・ダ・カピバラ国立公園のような奇岩の造形に自然的価値が認められないとすれば、アメリカ合衆国が暫定リストに掲載している「アーチーズ国立公園」や「レインボーブリッジ国定公園」なんかも世界遺産になれないのではないでしょうか?
ギリシアの「メテオラ」にも、ちゃんと自然遺産の基準の3番が認められているのに。
まあこれは素人である私の見解でして、実際セラ・ダ・カピバラの自然景観は、世界的に優れたものだと言える程の物では無いのかも知れません。
廬山は仏教寺院や史跡が多く、その景観は文明思想の源となったものであり、中国独自の自然観の代表として、文化遺産となっております。しかし、滝に代表される傑出した自然美を示し、霧が演出する深山幽谷の風景は、自然遺産としての価値を十分に有しているように思えます。何らかの問題があって、とりあえず文化遺産として登録しているのかも知れない、というのが私の憶測でもありますが、本当の所は分かりません。
富士山は、廬山のような建築的重要な要素が無いにしても、日本の信仰上の一つの要であり、また多くの文学・芸術作品に直接影響を及ぼしたものです。世界遺産に推薦する際には、自然特質よりもこちらが重視されると思います。
辻村氏発言についての感想2 投稿者:収斂 投稿日:10月 5日(木)22時46分14秒
ここから少し脱線して主観的な意見を述べさせていただきます。私はTBSのニュース報道が嫌いなのです。とくに、報道特集の批判内容は外れてばかりです。言ってたことが、半年から一年くらいすると、きまって逆の結果になる。香港返還でアジアの中心が香港になりジャパン・パッシング(Japan Passing)になるとか(そのあとすぐアジア経済危機が勃発)、韓国の自動車会社が東欧にこぞって進出するのに日本は何もしていないとか(現在、大宇自動車は倒産した)、北朝鮮に民間の農業指導員が交流している話題で、そのうち日本が北朝鮮から農産物を輸入する日が来るかもしれないだとか、(小さなことでは)地震予知の放送でシミュレーションとシュミレーションと司会者全員が言ってたりとか。最近は全然みていないから知らないが、多分変っていないだろう。ニュース23もそう。筑紫哲也が発言することは、彼が考えて言っているのか、局に言わされているのかは知らないが、思考が足りない。浅い。そして私がそう考え始めた時期が、辻村氏がそれらの番組を制作していた時期と重なる。歴史的にみて、マスコミが愚かな意見ばかりを発言すること自体とても危険な気がする。だから、私からみればつまらない報道番組をプロデューサーとして歴任してきた辻村氏の意見なんて、最初からあまり信用していない。
例えば、今回の彼の文章には、世界遺産化のハードルが高いとは書いていても、ではどうすれば、自然遺産として登録できるのかについては一言もふれていない。私は、富士山だけでなく、駿河湾もかなり特徴的な地形・自然が残っているところに思う。あの湾は海岸線からすぐ深くなる。そして黒潮に乗って入ってくる多様な生物から、深部では深海魚も生息している。だから、富士山一帯は自然遺産で登録できると思う。副次的に文化的な側面を追加してもいい。そんなところです。ついでに、私がそこそこ評価している評論番組は、NHKの「あすを読む」でしょうか。
今回はかなり厳しい発言ばかりしてしまいました。これを読んで不快に思われた方がいらしゃれば、深く陳謝いたします。決して辻村氏個人を傷つけるつもりはありません。言いたかったことは報道姿勢です。マスコミが最近、論理の押し売りをやっていると感じることが多いから、たまたま辻村氏の書いた内容に鋭く批判させてもらいました。私は報道の自由と同時に、報道責任と過去の報道内容の検証こそ大切で、そのことが報道の質を高めていくと考えています。
辻村氏発言についての感想1 投稿者:収斂 投稿日:10月 5日(木)22時45分29秒
浦に〜とさん>
早速のお返事ありがとうございます。MXテレビが見られないのは残念ですね。そのうち共有アンテナなどになればいいですね。それとも関東地方は高いビルが多いから、場所によっては映りにくい場所が案外多いのでしょうか。
TBSの世界遺産のページが新しくなっていたのは知りませんでした。辻村氏の話は読みましたが、内容は前に浦に〜とさんがおっしゃっていたこととほとんど同じでしたね。ただ、私の意見としては、富士山が今すぐ世界遺産に登録されるのは難しいという点では意見が一致しますが、全体的にみても富士山の登録が難しいとは全然思えないのです。この辻村氏の話を聞いて思ったのは、例えば、今から10年くらい前に、屋久島や白神山地が世界遺産として登録できると感じていた人が、いったいどれくらいいたでしょうか。白川郷の合掌造りの民家が世界遺産になるくらいの物件であると運動していた人がどれだけいたでしょうか。屋久島だって人の手が入っています。屋久杉の切り出しが行われていました。材木運搬用の鉄道が廃線となって今はひっそり残っています。たしかに富士山は観光客があまりに多すぎます。しかし、入山制限をして、ゴミ問題を解決し、自然に近い状態で40年くらいすれば(私は20年でも見違えるくらい美しくなるという気もしますが)、きっとまた江戸時代くらい昔の美しい自然が蘇るように思うのです。それは屋久島の木材の伐採が禁止されて、今年でちょうどそれくらいになるでしょう。自然は案外回復力が早いものです。放射能やPCBのような化学物質ならともかく、ゴミの散在とか、トイレ問題なんて、しっかり対策をとれば(それが重要なのだが)、必ず解決するのです。
また、現在、登録に向けての運動が下火になったとも書いていますが、そう判断した根拠が分からない。何を基準に運動がさかんとか、そうでないとか言えるのでしょうか。少なくとも、静岡県のHPには富士山を保全・美化を呼びかけるページがあります。山梨県にも似たようなものがあります。富士山総合環境保全指針とか、富士山憲章などです。私はこれは世界遺産に向けての第一歩とみてます。あえて県が世界遺産という言葉を使っていないだけと思うのです。それは登録前から登録候補を公言する方が珍しいからです。それなのにマスコミが運動が下火だとか言っていると、本当に下火になってしまう。
MXテレビなら大丈夫… 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月 4日(水)21時18分57秒
収斂さん>
MXテレビでもやってるんですね、捜索して下さってありがとうございます。(お忙しい中に…)
でもウチはこれ映らないです。都営住宅で、アンテナが悪いみたいです。一応映るんですが、映像がすこぶる悪く、字幕の文字なんかは絶対に読めないです。来週から、親戚か知人に録画を頼んでおきますね。
2ヶ月ほど前、当ゲストブックで議論となった富士山世界遺産化に関して、TBS『世界遺産』辻村プロデューサーの文章が、改装されたTBSのHPに載ってます。もしかしたら改装以前から掲載されていたのかも知れませんし、既に御覧になった方もいると思いますが、とりあえずURLを貼っておきます。
富士山の世界遺産化に関するHPによれば、富士山は結構開発が進んでいるようですね。だとすると、自然遺産の「完全性」を欠如するということになってしまいます。http://cgi.tbs.co.jp/heritage/staff/tuji.html
追加 投稿者:収斂 投稿日:10月 4日(水)03時39分36秒
すぐ送ろうとしたのですが、なんかまたパソコンの調子が悪くて、全然繋がりませんでした。というわけで今送ります。
もう一回MXTVの番組表をじっくりみて思ったのですが、なかなかいい番組を放送していますね。私の地元ではつまらない番組ばかりで、毎週欠かさず見ているのは、TBSの世界遺産とNHKの国宝探訪しかないのです。大阪にいた頃は、下宿の近く一帯をカバーする共同アンテナがあって、サンテレビと京都テレビの両方がとても綺麗に映っていました。結構楽しめました。MXTVの日曜日の昼12時からやっている「美の回廊を行く」という番組は面白そうですね。これで思い出したのが、私が大坂にいた頃、サンテレビの不定期番組で、外国の国宝を紹介する番組がありました。番組の名前を忘れてしまったのですが、どうもこれらしい気がします。今週は南アジア特集みたいですが、多分世界遺産級の遺跡の登場が期待できます。それから、「極める日本の美と心」もやっていますね。あれも素晴らしい番組で、大阪にいた頃、富士通がスポンサーになって木曜日の午後10時からテレビ大阪でやっていました。ほとんどビデオに録画していますが、もうだいぶ忘れたので、もう一回みてみたいです。
久しぶりの収斂 投稿者:収斂 投稿日:10月 4日(水)03時01分40秒
最近、めちゃめちゃ忙しくて(実験、OHP用の原稿、論文、降ってくる雑用)、全然こっちの情報を収集できなくてすみません。実は実験が失敗続きなもので・・・。そういう今も実験中なのです。定常待ちです。(ええぃ、今度はめいっぱい断熱材つめたから、一発で決めてくれる)
浦に〜とさん>
「古代遺跡探訪」がそちらで映らないのは残念ですね、と言おうと思って東京地方の番組を探したら、ありましたよ。MXTVとかいう放送局で毎週水曜日の朝8時30分からやっているみたいです。よかったですね。これも途中で放送中止なんてことがありませんように。
シドニーオリンピックもほとんど見ないまま終わってしまいましたが、毎週世界遺産だけは必ず見ていました。その世界遺産も来週の大足石刻と、近日放送予定のベトナムのホイアンは特に期待しています。大足石刻はすごい。またホイアンも大好きな街。一度行ってみたいところであります。
暫定リスト 投稿者:浦に〜と 投稿日:10月 1日(日)15時17分56秒
収斂さん>
テレビ神奈川は残念ながらウチでは映りません。「古代遺跡探訪」見たいですね。
ついに暫定リストも更新されますか。日本では世界遺産が浸透し、各所で登録へ向けた運動が起こりつつも、やはり暫定リストに載って初めて現実味を帯びてきますから。これで具体的なものが見えてくるでしょうね。それにしてもどの遺産が選定されるのか気になりますね。自然遺産も含まれるかが一番気になります。
ぴよさん>
はじめまして。
このHPで公開しているのは世界遺産そのものよりも、登録されなかった物件が中心となっていますが、論文の役に立てましたか? これからもどんどん利用してください。
暫定リストの追加 投稿者:収斂 投稿日: 9月28日(木)22時12分26秒
9月22日の共同通信社のネット新聞に、文化財保護審議会が,世界遺産候補「暫定リスト」追加のため特別委員会設置を設置したという記事が載っていたのですが、具体的な物件については何も書いていませんでした。対象になりそうな物件はだいたい察しがつきますが、まあ、ようやく暫定リストを増やす動きが出てきてうれしいです。期待して待ちましょう。もし詳細が判りましたら、このBBSに投稿していただければうれしいです。
卒論どうしようかな 投稿者:ぴよ 投稿日: 9月27日(水)23時00分22秒
はじめまして、ちょっと興味があって見ました。今は学校の卒論を書こうということで、何について書けばいいのかわからなくて、世界遺産に関するものがたくさんあって面白いなと思いました。
頑張って調べて卒論を書けそうな気がします。ありがとうございます。
誤字訂正 投稿者:収斂 投稿日: 9月24日(日)05時02分15秒
下の投稿に思わぬ誤字がありました。本当にすみません。よくあることなのでいつも反省しているのですが・・・
「イラストが得意な方」が正しいです。ああ、はずかしい・・・・
ついでに情報提供もさせてください。
なんと沖縄県の竹富島が世界遺産に名乗りをあげているといった記事が、沖縄タイムスの9月17日の「記者のメモ」といった特集に載っていました。たしかに竹富島は、町並み保存や世界遺産といったものがほとんど知られていない頃から、景観を守るための努力を惜しまず、その先見性は賞賛に値します。しかし現時点で世界遺産は実際どうなんでしょうか。
妻木晩田遺跡がシンボルマーク募集だそうで 投稿者:収斂 投稿日: 9月24日(日)04時38分01秒
妻木晩田遺跡がシンボルマークを募集しているようです。
締切は平成12年10月31日(必着)で、応募資格は小学生以上。自作、未発表のものとし、1人何点でも応募可能。色は自由。作品の裏面に「作品の簡単な説明(制作意図など)」、「郵便番号」、「住所」、「氏名(フリガナ)(小・中学生の場合は、保護者の氏名も併記)」、「年齢」、「性別」、「職業(学校名、学年)」、「電話番号」を記載し、郵送又は持参せよとのこと。
イラストが特異な方は応募してみてはいかがでしょうか。(^0^)/
賞金は最優秀賞が20万円だそうです。詳細は下記のアドレスまで。
http://www1.pref.tottori.jp/mukibanda/symbol.htm
遺跡関連番組の私的推薦・広報 投稿者:収斂 投稿日: 9月23日(土)01時47分27秒
収斂です。久々の書き込みです。今週は特に忙しかったので、裏世界遺産については、たいした情報を見つけられなかったのですが、関東地方にお住まいの方に世界遺産に関する情報を一つ提供いたします。
たまたま関東地方のローカルテレビ局の番組表をネットで見て発見したのですが、そちらではテレビ神奈川(TVK)という地方局がありますね。そこで毎週金曜日の午前9時30分から放送されている「古代遺跡探訪」というのがあるはずです。あれは大変おもしろい番組で、超おすすめです。
といっても、このHPに関心がある方々なら、もしかしたら既にご存知で、ずっと見続けているという方も多いかもしれませんが、一応報告して解説しておきます。
この番組は、外国の、たしか制作はイタリアの番組だったように記憶しています。毎回、世界遺産級の遺跡をかなり深く紹介する教養番組で、その内容はTBSの世界遺産にもひけをとりません。遺跡は、やはりイタリアのものが最も多く、次いでギリシャ、中東といった、かってのローマ帝国支配地域の遺跡がほとんどです。しかもイタリア人なら馴染みの遺跡でも、イタリアに行ったことのない日本人にはほとんど知られていない遺跡が多く登場しますので、とてもおもしろいです。特に、この番組では頻繁にCG映像で復元図を見せてくれます。これが実にわかりやすかった。だから、私は当時のローマ都市がいかにすばらしいものだったか、具体的に実感できました。
ではなぜ私がこの番組を知っているかというと、実はこれは私の住んでいる地方で、昨年まで放送されていたものなのです。それは当時土曜日の早朝という視聴者の少ない時間帯にやっていました。あまりに面白かったから、世界遺産を録画するビデオテープと同じものに毎回録画していたのですが、春の番組改変で、なんと放送打ち切りになってしまったのです。あまりに残念だったから、そのテレビ局に電話し猛然と抗議したのですが、結局いまだ続きを再放送されていません。(その後に釣り番組が始まってしまった)ですから私はその番組を全体のちょうど3分の2くらいまでしか見たことが無いのです。もしよければ関東在住の誰かにお願いして、この番組を毎回録画していただき、ビデオテープが一杯になったら、私のところへ郵送していただきたいくらいです。
ローマ以外で特に感動した遺跡は、カルタゴとタッシリナジェールですかね。(いや全部面白かったのですが、特にこの二つは印象に残っています) 個人的にタッシリの平原の古壁画を収めた映像は、この番組のものしか持っていませんし、カルタゴの軍港があそこまですごいものだったとは知りませんでしたし。それ以来私の中でカルタゴとタッシリの株が急上昇しました。
というわけで、よければ見てみてください。
写真展 私も行って来ました 投稿者:浦に〜と 投稿日: 9月19日(火)23時09分01秒
久々の書込みです。
収斂さん>
前々回のTBS『世界遺産』オリンピアは特に良かったですね。クレーン使い過ぎです。おかげで面白い画がたくさん見られました。それにナレーションで「人類文化の歴史の中で、もっとも麗しい1ページが綴られた」(この言い回しも気に入りました)、とあった通り、オリンピアは本当にすごい所だったんだろうなー、なんて想像しながら見てました。
ところで鎌倉に3日当てられるとは。やはりそれくらいないとダメですよね。(1日で巡ろうだなんて、とても無謀なことでした)。また埼玉と言えば、収斂さんの大好きな古墳が沢山ありますよね。私は詳しくないのでコメントできませんが(^^)どうなんでしょう。
高橋さん>
鎌倉の解説ありがとうございます。思えば私は紅葉を意識して旅行したことってないです。もっとも秋には、旅行に出られるほどの休みがないことも原因ですけど。鎌倉は近いし、今度行ってみるのも良いかも知れませんね。あと鎌倉は、紅葉時は混むか分かりませんが、春から初夏にかけて小中学校の遠足に出くわしますよね。私自信も遠足で2回行きましたし、学校が湘南地方にあるのでよく見かけます。
世界遺産写真展は私も行って来ました。今月7日に新宿会場へ行きました。展示内容は同じですね(当たり前だけど)。大判写真で迫力ありました。そして出口手前の、TBSの取材風景のVTRが興味深かったです。いい画を撮るのに、本当に苦労してるんだなーと、つくづく感じました。
世界遺産写真展 投稿者:高橋 投稿日: 9月16日(土)23時32分07秒
収斂さん、オーストラリアですか。いいですね。帰りはアジア経由でバンコクあたりで1泊するのも手ですよ。バンコク市内だけだって見るべきものはたくさんあると思います。大宮の学会の際には鎌倉に寄れそうでしたらゲストブックに予告してください。都合がつけば案内します。私は逆に来週は九州出張が入っています。残念ながら自由時間は一切作れず、ほとんどトンボ帰りになってしまうのですが・・
さて、本日は横浜の高島屋で行われていた世界遺産写真展に行って参りましたので報告いたします。これは主催/TBS、協賛/ソニー㈱・ソニーマーケティング㈱、協力として日本ユネスコ協会連盟の名が入っています。展示されている写真は110点に及び、世界各地の多種多様な世界遺産の美しい姿を見せてくれています。途中、3箇所にモニターが設置され3〜5分程度のビデオを見せてくれます。空撮編、移動撮影編、日本の世界遺産編の3篇ですが、これまでテレビ放映したものの再編集のようです。空撮編はダビングして家宝にしたいですよ。ホント。そして出口手前には椅子まで設けて大型モニターにて撮影風景を紹介してくれています。モノはルーマニアのビエルタンと要塞教会の取材でした。写真展示は簡潔明瞭なコメントつきで、見やすい展示でした。特に私がほとんど知らない自然遺産については初めての名称も多々ありヘェーってなもんです。
まあ、有名なアングルの写真も結構含まれていましたが、やはりプロの写真はうまい。それに大きく引き伸ばすと迫力がある。これには私も脱帽で、私だって腕に覚えはあるのですが、かないませんなァ。
残念ながらこの展示が他の会場で行われるかどうかの記述が見つかりません。あるいはTBSのHPに掲示されているのかも知れません。この横浜高島屋の会場は19日火曜日までしかやらないようです。近場の人は足を運んでみてください。
鎌倉の紅葉 投稿者:収斂 投稿日: 9月16日(土)20時37分05秒
高橋さん、丁寧な返答ありがとうございました。笑ってしまいました。
鎌倉で私が行きたいところが27箇所あると指定できるのは、数年前、実際に鎌倉に旅行しようとしていたことがあるからなのです。すでに旅館も予約し、あとは行くだけというところまでこぎつけておきながら、直前になって用事が入り、旅行をキャンセルしたという苦い経験があるからなのです。私は旅行に行く前は、必ず行き先を徹底的に調べてから行くようにしています。そうしないと肝心の文化財や、鑑賞のポイントを見落とす恐れがあるからです。そのときは鎌倉に4日滞在し、そのうち3日を史跡巡り、1日は移動のためだけに費やす予定でした。
それはそうと、来年の5月に、学会でオーストラリアに行くことになりました。私個人、最初の海外遠征です。しかも場所がなんと、グレート・バリア・リーフのそばのリゾート地だそうです。遊びじゃないですが、今から楽しみです。
ちなみに大宮である学会も申し込みました。ちなみに私は埼玉県の土も、まだ踏んだことはありませんが、その帰りに、もし鎌倉に立ち寄れるなら、是非そうします。
RE:鎌倉の紅葉 投稿者:高橋 投稿日: 9月16日(土)00時16分06秒
収斂さんの質問には、やはり私が答えるべきでしょうか。
とは言っても、一年中鎌倉に居ますので、はて紅葉が美しいのはいつ頃であったか思いつきません。ちょっと調べてみます。丸茂慎一著「鎌倉/花の散歩道」(山と渓谷社)によると「11月下旬から12月初旬にかけて」と書かれています。そう言えばそんな頃だったかな。比較的に温暖な鎌倉では関東の中でも遅い方だと思います。紅葉で有名なところは八幡宮の大銀杏、建長寺のイロハカエデ、妙本寺のハゼノキなどが写真として掲載されています。収斂さんも訪れてみたいとおっしゃっている銭洗弁天のまわりも紅葉のうつくしいところです。うまく行けば八幡宮のキク展をやっているかも知れません。
キク展と言えば、私は横浜本牧の三渓園でもキク展を見たことがあり、ここの紅葉もその時に目にし、美しかった記憶があります。三渓園の中の建物は文化財としての価値も低くありませんが、移築ばかりで土地の雰囲気とそぐわないという違和感は拭い切れません。それでも紅葉の中の聴秋閣はけっこう趣がありました。三渓園はそれほど雑誌等で取り上げられることも少なく、結構穴場です。機会があれば一度訪れてみてください。聴秋閣という建物は、写真でもお見せできるとよいのですが、上部に楼閣を持った数奇屋建築で1階にも楼閣にも炉が切ってあります。それもわざとシンメトリーを崩した姿で、京都の西本願寺飛雲閣ほどスケールは大きくありませんが落ち着いた雰囲気の、なおかつ人の心を惹きつける建物です。
鎌倉から話がはずれてしまいましたが、戻りましょう。晩秋の鎌倉は春ほどではありませんが、やはり観光客の方は少なくありません。鎌倉には天園ハイキングコースというのがあり、円覚寺の裏手や横浜の港南台の方から瑞泉寺や鎌倉宮の方に降りてくるコースですが、この時期ハイキング姿の方が多いように記憶しますので、やはり山道は紅葉が美しいのでしょう。私自身は子供の頃に行った記憶しかありません。
それにしても収斂さん、27箇所ほどってあなた面白い人ですね。いや失礼。私に言わせると見たい所が結構あるとか、たくさんあるとかいう表現になりますが、さすが計算結果が収斂しないといけない理科系の真骨頂といったところでしょうか。(全然悪気はありませんが、気に障ったらごめんなさい)
鎌倉の紅葉 投稿者:収斂 投稿日: 9月14日(木)18時56分15秒
鎌倉の話題がにぎやかですね。私個人まだ鎌倉に行ったことが無いため、話についていけないのですが、個人的には、27個所ほど行ってみたいところがあります。江ノ島のすぐ近くの龍口寺や、竹の寺で有名な報国寺、極楽寺、銭洗弁天なんかどうなのでしょうか。写真でしか見たことがないので、実際はどんなところかわかりません。
それから、私は秋の紅葉が大好きなのですが、美しいのは、毎年いつ頃でしょうか。ちなみに京都は11月中頃からとかいわれてますが、それは三千院とか鞍馬の話で、経験上、12月の第一日曜日くらいが一番よかったように記憶しております。ガイドブックはあまり参考にならない気がするのです。鎌倉ならいつごろでしょうか。
復活 収斂 投稿者:収斂 投稿日: 9月13日(水)22時20分45秒
ほとんど寿命が来たこのパソコンを仮復旧しました。それでもインターネットの転送がめちゃめちゃ遅いときがあるのです。いつ、また調子が悪くなっても不思議ではない状況は変わりませんが。
前回の世界遺産はオリンピアの考古遺跡でしたね。あれはあれでとても面白かったのですが、同じ日の9時から、NHKの「世紀を越えて」があり、なんとその内容がオリンピック選手の強化についてでした。久しぶりに自炊し、家で晩御飯を食べながら見たのですが、オリンピアの考古遺跡で見られるようなオリンピック精神なんて微塵も感じられないような、すさまじい内容でした。アマチュアの努力の延長で金メダルが取れるといったものではなくなりましたね。
というわけで、シドニーオリンピックについての関心がますます減退する今日このごろです。
次回の鎌倉行き 投稿者:浦に〜と 投稿日: 9月13日(水)15時38分08秒
高橋さん>
鎌倉の切通しの中でも、釈迦堂と朝比奈は是非行きたいところです。保存状態も良く、昔のままのようですし。鎌倉って結構狭い(京都や奈良に比べて)イメージがあったので、今回も1日で大まかに回れると思っていましたが、旅程を立ててみて、とんでもない勘違いだと分かりました。結構広がりがあるんですね。北鎌倉、長谷、逗子、金沢街道から東へ、なんて廻ろうとすると、1日ではとても見きれません。
披露山からの眺めは見たい景色の一つです。今度行く時は鎌倉東部を中心に、やぐらなどを見てきます。出来れば、沿岸部・逗子へも行ってきます。
ようこそ鎌倉へ 投稿者:高橋 投稿日: 9月10日(日)00時07分53秒
浦にーとさん、ようこそ鎌倉へ。
北鎌倉駅で横須賀線を降りて切り通しを通って鎌倉駅に抜けられたのでしょうか。四季それぞれに美しい鎌倉ですが、雨はあじさい寺だけにしたいですね。お疲れ様でした。
切り通しをご覧になるのでしたら釈迦堂の切り通しをぜひ訪れてください。付近にやぐら群もあったと記憶します。ちょっと離れていて遠いですが。
先日、朝日新聞の記事で瑞泉寺の庭園に新発見があったとか・・もともと知られている庭園の更に外側も人為的に形作られていたことが判明したようです。発見したのは調査をお手伝いしていたW大学の学生とか。個人的なことですが、W大学で鎌倉市在住でなおかつ庭園史をテーマに論文を書いた私としてはなんだか悔しい。
鎌倉の全景を見るのは私も大好きですが、八幡宮からの景色に負けず劣らず、光明寺(逗子市との堺近くで海の側に位置します)の裏山、第一中学校前あたりからの景色も光明寺の伽藍を前景に江ノ島や富士山まで視界に入る素晴らしいものです。逗子市の被露山公園というところまで行きますと、更に遠く、高いところから見ますので海の大きさに圧倒されます。ここの夕日は絶品です。機会があったら訪れてください。
あと、円覚寺には有名な舎利殿がありますが、通常は公開されていませんので目にすることができなく残念です。正月とあと何日かは公開しているはずです。私は2度ほど特別拝観の恩恵に預かり興奮してドキドキしながら写真に収めたことがあります。禅宗様の建築は姿形の美しさばかりでなく、細かいところまで気合?の入った作りで感動します。室町時代の建立ですが、当地へは移築されてきたものです。移築っていうのも日本建築独特の技ですよね。
次会の鎌倉訪問、がんばってください。
鎌倉 投稿者:浦に〜と 投稿日: 9月 8日(金)23時32分35秒
今日鎌倉へ行って来ました。7月に行くことを決定してから、漸く、です。主な目的は、やぐらと切通しを見ること。しかし今日は生憎の天気で、しかも久々に歩いたため思ったより早く疲れたので、予定の半分で切り上げてしまいました。ということで、覚園寺のやぐら群や朝比奈切通しは、また次回行って来ます。とりあえず簡単な感想を書きます。
円覚寺
北鎌倉駅前ということで一番最初に行きました。大クレーン車が杉の剪定を行なっていて、時々ブーンという轟音を響かせて雰囲気が台無し(まあこれは運が悪かっただけですけど(^^)。更に興ざめだったのが、その作業員の一人が、火気厳禁のはずの境内でタバコを吹かしていたことです。鎌倉見物初っ端からイヤな気分になりました。
浄智寺
木々に囲まれてひっそり佇む、といった感じの良い寺でした。建築物では鐘楼のような小さな山門、そして寺の奥の墓地にはやぐらが穿ってありました。参拝客が誰もいない竹林の中、少し霧がかっていて不思議な所でした。私の記憶にある中では、やぐらを見たのは初めてです。
亀ヶ谷切通し
道が舗装されていた点が残念でしたが、土をえぐったままの両側の様子が良いです。
寿福寺
ここは墓地だけが公開されており、その墓地がすごかったです。寺の一番奥の岩壁に石窟が並んで穿ってありました。やはり写真ではなく実物を見ると、不思議さが一層際立ちますね。寿福寺に入る少し前にあった阿仏尼の墓なんかは、目の前を車や列車が走っているという立地にもかかわらず、その中だけ別空間のようでした。
付近の住宅地にも、岩肌が見える場所にはやぐらがあるのには驚きでした。横須賀線の車窓からもやぐらがいくつか見えて、鎌倉6度目にして初めて、鎌倉の姿を見たような気がします。次は是非、朝比奈切通しまで歩いて見たいものです。
ちなみに鎌倉駅前には近代的なビルが多いものの、目立って高い建物がなく、鶴岡八幡宮からの眺めも良いものでした。
鈴木正枝さん>
ご来訪とご記帳、ありがとうございます。私は今、こういうことをやっているんです(^^;
あくまで趣味としてやっているんですが、今は夏休み中ということもあって、本業そっちのけでやってる始末です。
見たよ! 投稿者:鈴木正枝 投稿日: 9月 5日(火)12時59分13秒
貴方らしいことをやっていますね。
現代建築 投稿者:浦に〜と 投稿日: 9月 5日(火)12時49分30秒
収斂さん>
早速、今回の審議物件の解説をして頂き、ありがとうございます。現代建築や産業遺産は今後も増えそうですね。
リートフェルト・シュレーダー邸は、恥ずかしいことに今回初めて知った物件です。
写真を見ただけで、ほとんど詳細も知らない建物なんですが、率直な感想は、よく世界遺産に推薦できたな、というところです。小さな一軒の建物だけでは、芸術面で傑出しているとか、唯一の考古的証拠とかで無い限り困難な気がします。これまでの傾向だったら、他の関連作品も付加するように、とかクレームがつきそうです。でも反面、この物件が記念碑的に重大なものだという事なのかも知れませんね。
高橋さん>
DOCOMOMOのホームページは、以前見たことがありました。そこには世界遺産の話なども載ってましたが、サッと見渡したきりですっかり忘れてましたので、今回ようやくその内容が分かりました。ありがとうございました。
現代建築の世界遺産化に関しては、アメリカ合衆国が、フランク・ロイド・ライトの作品をいくつかと、シカゴの建造物をいくつか、暫定リストに掲載しています。私は現代建築の世界遺産も、もっと数を増やして良いと思っています。でも、似たような単体のものばかり何十軒も登録していくのではなく、複数の現代建築が作り上げる都市景観、という形の世界遺産もあってほしいです。世界中にそういった都市はほとんど無いような感じがしますが。
ゆうしんさん>
旅行お疲れ様でした。姫路城は確かにすごい建築物ですよね。日本独自の姿に加え、本当によく今まで残ってくれたなと思います。私は彦根城も好きです。彦根城の方が雰囲気は良いです。規模は小さいものの良く保存されています。もし姫路城よりも先に推薦していれば、おそらく登録されたでしょう。私は、世界遺産の制度はそういうものだと思っています。
近畿や九州の古代の遺跡 投稿者:収斂 投稿日: 9月 4日(月)09時44分49秒
今使っている、私の(Dの学生用の)コンピューターが壊れる寸前で、万一、今のNTがいかれたら、しばらく投稿ができなくなりそうなので、早めに書きます。
ゆうしんさんへ
近畿や九州の古代の遺跡に限らず、日本は酸性土壌という、遺物が極めて残りにくい土地にかかわらず、世界的にみても遺跡の密度が非常に高い国といわれています。管轄の点で畿内の巨大古墳が登録されていないのは淋しいですが、保存の点や研究者不足といった問題を考慮すれば、当分、調査自体が行われない可能性は高く、だからといって畿内や岡山の巨大前方後円墳の歴史的価値が低いわけでは決してありません。このようにあえて登録されていないと思える物件として、例えばイスラム教の最大聖地メッカのカーバ神殿はまだ世界遺産化されていませんが、おそらく今後も登録されることはないでしょう。その国ごとに事情がありますから、それを理解することも国際理解だと思います。
以前、登呂遺跡のことを尋ねられていましたね。あれは1943年に発見され、1947年から3年調査され、その当時はすごく話題になった遺跡です。しかし今は、ああいった遺跡は多く発見されて、希少性は薄れました。同様に弥生時代の吉野ケ里遺跡も、発見当時は全国が色めきたったのですが、以後、唐古・鍵遺跡、妻木晩田遺跡などが発見され、巨大集落の存在が明らかにされてきています。もっと規模の大きい遺跡の発見もあるかもしれません。ところが、世界遺産になるには、どうしても普遍的な価値が要求されますから、今の段階で超一級だというだけでは難しいでしょう。ただ、個人的には、吉野ケ里遺跡は、今後どんな巨大遺跡が発見されようとも、その価値が揺らいだりはしないだろう、それくらい十分な遺構が出ている、と感じています。九州で唯一見つかった完全な銅鐸などは、さすが吉野ヶ里といった感じですごいです。ほかに出雲の賀茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡は、出雲の文化財を推薦する際に、当然ノミネートされるでしょう。また北部九州の装飾古墳なども、以前からここのBBSで紹介した通り、世界遺産がねらえる史跡でしょう。
今回は、また違った物件のこのBBS上で推薦をしてみたいです。先日、長野県の尖石遺跡(縄文ビーナスが出土した遺跡)のそばでまたすごい土偶が見つかりました。実は、全国から出る縄文土器でも、この長野や新潟の長岡辺りから出土する縄文土器だけが、なぜかとても素晴らしいのです。火炎土器ともいわれ、小学校の教科書にも載り、最近国宝に指定された有名な土器です。これがまたものすごいのです。世界的に見て、同時代にあれだけすごい土器をつくった文明はありません。主な遺跡は、尖石遺跡のほか、長野県富士見市の井戸尻遺跡、長岡市の馬高遺跡、三十稲場遺跡、藤橋遺跡などです。その影響をうけたと思われる土器が石川県の真脇遺跡、岐阜県の堂之上遺跡からも出ています。私はバンチェン遺跡よりも価値があるように思えてならないのです。もし縄文時代の遺跡を世界遺産化するなら、ひょっとしたら三内丸山遺跡よりもすごいかもしれないと感じています。ただ、当然のことながら、これらの火炎土器が多く出土する遺跡群の世界遺産化の話は聞いたことがありません。しかし、あまり知られていないだけで、とても価値が有るすごい古代遺跡だと思います。世界遺産化されるためにはやはり、世界に誇るだけの希少性がどうしても必要ですが、そうしてみた時、これら信州の小規模の遺跡は、世界的にもすばらしい土器が出る遺跡なので、意外にも暫定物件に浮上する可能性が、全くないとは思えません。
姫路城と彦根城の個人的感想 投稿者:ゆうしん 投稿日: 9月 3日(日)01時24分05秒
先週ついに姫路城と彦根城に行ってきました。
姫路城は確かに凄い!!
思わず、涙ぐんでしまうほど立派な城でした。
日本が世界に誇れる建築物であると再認識しました。
彦根城はのどかな雰囲気が個人的には気に入りましたが、
やはり姫路城と比べると世界遺産までは・・・
とこれは素人の考えでしょうか?
ところで疑問なのですが
以前、浦に〜とさんが言ってた近畿の古墳群は推薦すれば必ず登録される。との話ですが
同じく近畿や九州などにある古代の遺跡はどうなのでしょうか?
古墳と違って管轄の問題はないと思うのですが、
世界的にみれば貴重価値がないもの、ととらえられてるのでしょうか?
モダニズム建築 投稿者:高橋 投稿日: 9月 2日(土)18時08分23秒
建築史的内容になって参りましたので一言付言いたします。
ヨーロッパにおいてそれまでのレンガ、木材、鋳鉄、タイルといった素材によって構成されていた建築はデザイン的にその装飾性を増していき、アールヌーヴォー様式等となっていきました。ところが、ここに新しい材料としてガラス、コンクリート、型鋼といった新素材が登場してきたことが、新たな建築様式を生む契機となります。これらの素材のもつ特性として、構造力学的優位性や施工性から直線的なデザイン、装飾性の排除といった方向性が生まれるのは自然な流れであったと思います。こうした流れがゼセッション(分離派)やバウハウスによって追求されていきました。これがいわゆるモダニズム建築と呼ばれるものです。ここで素晴らしいと私が思うのはモダニズム建築において当初は鉄、コンクリート、ガラスといった素材が生み出す美意識が追求されていたのに、後には空間の持つ個性をも追求することで、すでに新素材に頼る必然性は失われていった点ではないでしょうか。木造のモダニズム建築というものも存在した訳です。また、工業的な発展や生活スタイルの変化にも支えられ、現在の建築の標準となっているとも言えます。これらの1920年頃からつい30年前の1970年頃までのモダニズム建築は現在、急速に失われつつあり、これらを文化遺産として記録、保存しようという動きが「DOCOMOMO20」として世界40カ国で進められています。(DOcumentation and COnservation of buildings, sites and neighborhoods of the MOdern MOvement)なお、世界遺産との関連ではICOMOSの依頼で20世紀の重要な建築を世界遺産リストに加えるためにDOCOMOMOでは選定基準を検討し、第一次案を作成したそうです。一方で1970年代以降、収斂さんが仰る通りモダニズム建築の均一性、単純性といったものに反発し、ポスト・モダニズムの動きが試行錯誤的に生じてきた訳です。そうした意味でポスト・モダニズムの流れは現在も進行中で、言葉自体はあまり流行らなくなっていると思いますが、私達はモダニズムの終焉とそこから次に生まれる新たな試みとを目の当たりにしているという幸せな世代であるとも言えます。数十年後に自分の孫に、あの頃はこんな建築もあったんだけど結局は流行らなかったなとか、この建築史の教科書に載っている建物に入ったことがあるんだよなんて自慢できるかも知れません。
リートフェルト・シュレーダー邸 投稿者:収斂 投稿日: 9月 2日(土)13時13分40秒
リートフェルト・シュレーダー邸はアムステルダムの近郊にあります。完成は1924年です。今見ると、この家は、現在の日本のどこにでもあるような住宅です。ただこの当時は、直線と平面だけで幾何学的に建物を構成するということ自体が前衛的だったみたいです。
アムステルダムやロッテルダムで活動したクラーク、ドイカー、リートフェルト、フランスのル・コルビジェ、ドイツのバウハウスの一派(グロピウス、ミース・ファンデル・ローエ、アドルフ・メイヤー)達が目指した「これからの建築」が、やがて現在の全世界の建築の標準になったというのはすごいことです。でも個人的には建築が味気なくなった気もします。建築に装飾や様式といった「芸術」が復古したりはしませんかね。
オルタの主な邸宅建築 投稿者:収斂 投稿日: 9月 2日(土)12時46分32秒
建築家ヴィクトル・オルタの主な邸宅建築が選考されているみたいですが、やっぱりといった感じですか。手元の資料で可能性が高い物件を紹介します。彼はアールヌーヴォー様式の大成者です。
オルタ邸(現オルタ美術館)1898年
旧タッセル邸 1892〜1893年
旧ヴァン・エートヴェルト邸
この3つは間違いなしでしょう。
ほかにタッセル邸の近くに、オットレー邸、オルタのアトリエ、ソルベ邸なんかがありますが、現在は大使館として使われているので、これらは登録はされないかもしれません。
いつの時代もヨーロッパで生まれた様式が建築界をリードするんですね。
青城山 投稿者:収斂 投稿日: 9月 1日(金)21時06分09秒
青城山についての情報を速報します。
ここは成都の西65キロにある道教の聖地です。つまり後漢末期、というより三国時代のはじめに黄巾賊の乱がありますよね。それを指揮したのは大賢良師張賢で、三国志の話の中では悪者扱いされていますが、そもそもこの道教の前身の五斗米道こそ、この青城山で張陵によってはじめられたものです。この五斗米道については高校の世界史でも出てくるので知っている人も多いでしょう(私は高校時代に世界史を選択していたから、まだ覚えています)。つまり青城山は文字どおり中国道教発祥の地です。かってはここに70を越す寺院があったそうですが、今は38寺院しかないそうです。
ついでですが、三国志のでは、曹操が漢中を攻略し、その後、玄徳が黄忠と法正を遣ってここを攻め落とし、蜀が魏と並ぶ大国になるわけですが、その時、もともと漢中は五斗米道、道教によって統治されていた僻地というふうに書かれています。よかったら三国志を読んでください。
話は少し飛びますが、日本の卑弥呼の時代と、中国の黄巾賊の乱の時代がほぼ同じであるため、卑弥呼は道教のシャーマンだったのではないかという説がわりと最近脚光を浴びています。発端は箸墓古墳の築造年代が卑弥呼の時代と近いことが判ったため、近畿の古墳時代が50年以上早まったことに起因するのですが、たしかに、それまで長年、互いに争っていた倭国が、たった一人の巫女が出ただけで戦争が終結するなんて確かに不自然な話です。卑弥呼がそれまでの日本の価値観を越えた存在であったのは想像に難くなく、そうなると道教の神官であったという可能性もあるわけです。卑弥呼は魏から親魏倭王の印綬をもらっていますから、当然最新の中国の宗教を知ることができたものと推察できます。ですから道教をつかって倭国を統一したという可能性も、あながち珍妙な説とは言えません。実際、前方後円墳は道教の世界観を表現したのではないかといった説まであります。また、飛鳥にある亀の湧水施設は斉明天皇が道教を意識したものであろうといわれており、私も多分そうだろうと思います。
シギショアラ 投稿者:浦に〜と 投稿日: 9月 1日(金)17時21分53秒
前回に書いた中国のQincheng山は、青城山と書きます。結構有名な山のようです。(私は今まで知りませんでした)。
高橋さん>
シギショアラは良かったですね。なんだか、雰囲気が良いです。本当に古い街という感じで。テレビ映像では人がほとんど映っていなかったので、半ばゴーストタウンと化しているのか気になりました(ドイツ人は減少しているようですけど)。番組中の、トランシルバニア要塞都市最後の灯というのは、単なる誇大表現だったんですかね。
収斂さん>
カルカッソンヌは実際登録に際しかなり議論されたようです。以前もこのBBSに書きましたが、19世紀の城壁の破壊と、それの再建が問題になりました。
水原は問題になったのか分かりません。東アジアの近代城塞が世界遺産に登録されていなかったのと、韓国の推薦の仕方がうまかったのかも知れないですね。でもそういった場合、普通なら「別の城塞建築の登録を望む」などと言うはずですし。