過去ログ 5

2000年 11月〜12月


ゲストブックの今後の取扱いについて 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月21日(木)21時01分38秒

このゲストブックは今後、
・掲示板が故障するなどして使えなくなった場合の予備
・レス不要の一言書込み
などにご使用下さい。基本的に、世界遺産に関した話題は掲示板の方に書いて下さるよう、お願い申し上げます。

収斂さん>
トラキア人墓地もかなり手が込んだ美しい文化財ですよね。ブルガリアの2つが世界遺産に登録されてますが、本来ならあれらも統合して一つの遺産と見なすべきだと思います。


トラキア人墓地の発見のニュース 投稿者:収斂  投稿日:12月20日(水)20時44分08秒

ブルガリアでトラキア人の墓がほぼ完全な形で発掘されたそうです。石室にドーム形の天井で壁画を持つそうです。詳細なことを知っていらっしゃる方がありましたら、どうぞ教えてください。


新しく掲示板を設けました 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月18日(月)12時29分32秒

今年の新登録物件などを考慮した全面更新がようやく終わりました。それに合わせて、アンケートの改訂と新掲示板の設置を行ないました。

アンケートの方は今後のHP更新に関した項目を追加しましたので、皆さん是非ご回答下さい。

新掲示板は新しいスタイルの物を作りました。討議ばかりのゲストブックには書込めない!と思っていた方も、どうぞご利用下さい。世界遺産の話なら何でも結構です。どんどん書込んでください。私の見解に対する意見や反論などもお待ちしております。
このゲストブックを直接お気に入りに加えていた方、新掲示板のほうもよろしくお願いします。なおこのゲストブックは引き続き残します。今後ともよろしくお願いします。


申請時とは違う形で登録された遺産の例 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月18日(月)11時18分27秒

雪風さん>
どうもありがとうございます。この冬の旅行は高野山・吉野山から熊野へ下ろうか・・もし旅行が出来ればの話ですけど。紀州はまだどこも見たことが無いので、いずれ必ず行きます。

収斂さん>
大台ケ原の自然的特徴は雨が多いこと以外に、高山植物や高層湿原が多いらしいです。でもこれでは「屋久島」とかぶってるような気がします。
新幹線は技術的な評価は十分得ているのに、歴史的評価となるとまだ無いような気も確かにしますね。やはり新しく、今も使われている事がその原因でしょうか。「ブラジリア」も新しいですけどね。ブラジリアは世界遺産に登録された時、建設から 30年も経っていなかったので、本当によく世界遺産になれたなと思ってしまいます。

>かって暫定リストで報告されていた物件が、登録段階で細分化され別件登録された
>例はあるのでしょうか?
暫定リストの情報は本当に少なく、これに関しては不明です。ただ国内の物件では「法隆寺地域の仏教建造物」と「古都奈良の文化財」は初め一緒ではなかったでしょうか?(うろ覚えです)。
暫定リスト掲載時の情報は無いにしても、申請された物件が申請通りに登録されなかったという例は2つ知ってます。1つはインドネシアの「ボロブドゥール寺院遺跡群」と「プランバナン寺院遺跡群」です。この2遺産は1つの遺産として世界遺産に申請されましたから、暫定リスト掲載時も単一のものであったと推測されます。もう1つはメキシコの「エル・ビスカイノのクジラ保護区」と「サンフランシスコ山地の岩石画」です。これも最初は同一の遺産「ビスカイノ保護区」として申請されたのに、コククジラの産卵地と古代岩石画の2つだけが傑出した価値を持ってるということで、その部分だけをピックアップして別々に登録されました。

この逆のパターン、別々に申請されたものが一括されたという例は沢山あります。このことは、どの国も暫定リストには細かく載せているという事を示していると思います。


なんか にぎやか 投稿者:収斂  投稿日:12月16日(土)23時58分13秒

収斂です。初めての方々には、どうもはじめまして。
なんかにぎやかになってきていいですね。しかも和歌山の話題で盛り上がっていて実にたのしいです。

えかわさん>
浦に〜とさん>
長谷寺はいいですよね。私もボタンが見頃の時訪れたことがあります。あそこは火災などで焼失したことが多いので、あの舞台もコンクリートかなんかじゃないかと思っていたのですが、すごいですね。まあ立派なこと。大きな木をふんだんに使った見事な社殿でした。お参りできて本当に光栄でした。寺院も広く、うっそうとした山の谷間に忽然とありますよね。また是非行きたいです。また當麻寺もいいですよね。すばらしすぎる。現存する双塔は全国ではここしかないですからね。私は薬師寺に匹敵する文化財であると考えています。あれが奈良の文化財として世界遺産に該当しなかったのはおかしい。というより、今後奈良県の中部、南部の文化財を世界遺産にするときのために文化庁が温存したのではないかとさえ考えています。談山神社しかり、長谷寺しかり、室生寺しかりです。つまり飛鳥の考古遺跡を取り囲むように点在する東アジアでも珠玉の仏教文化財は、やがて飛鳥の文化財を世界遺産に登録するとききっと含まれるだろうし、それはほぼ間違いなかろうと楽観視しています。たとえ今回の暫定リストに飛鳥が入っていなかったとしても、遅かれ早かれいつかはなるでしょう。きっと。
そう一人で勝手に思っているわけですが、やはり、えかわさんのおっしゃるように、高野山と熊野古道と吉野はあまりに性格が違います。しかも個々の物件がかなり離れている。吉野と高野山は30キロくらい離れていますし、熊野三山と高野山は50キロ以上離れています。道を主体とした登録方法は無理があると思わざるをえません。やはり別件にすべきでしょう。そこで浦に〜とさんに質問なのですが、かって暫定リストで報告されていた物件が、登録段階で細分化され別件登録された例はあるのでしょうか? もしあれば、高野山と熊野古道、熊野三山と吉野は別件できるはずです。どうなのでしょうか。

雪風さん>
はじめまして。以前から管理人を通して存じ上げておりました。早速ですが、熊野古道についての県の動きは具体的にどういったものがあるのでしょうか? 十津川村は、村のほとんどが山林のため、景観保全は逆に容易だったのではないかと推察しましたが、もう少し人口の多い町や村ではどういう取り組みをしていくつもりなのでしょうか? もし分かれば教えていただきたいです。

浦に〜とさん>
大台ケ原の特徴はなんといっても降水量が世界的にみてもとても多いことが挙げられます。たしかアッサム地方と同じくらいだったように記憶しています。普遍的価値とまでは言えないかもしれませんが、特異的環境ではあります。おそらく生物の種類はかなり豊富と思えます。やり方によっては世界遺産になれるのではないでしょうか。
それと新幹線については、世界遺産級の近代遺産ではありますが、まだ大いに使われていますから、すぐ世界遺産にはならないと思いますよ。歴史的評価が下されるまであと50年くらいはかかるんじゃないですか。鉄道総研の人によれば、これからのJRの課題はメンテナンス以外の何物でもないそうです。コンクリートははっきり言って砂を固めたようなものです。だから毛管現象でゆっくりですが水を吸収していくわけです。現在、コンクリートにファイバーを混ぜて経年劣化を遅らせる研究が実用化段階まで来ています。とはいえコンクリートを基礎にした建築に限界があるのはかわりません。ですからトンネル外壁の劣化についての根本的な打開策はありません。今は劣化部分を早期に発見して補修するしかないのです。しかし探傷試験は難しいのですよ。非破壊検査として主なものに超音波を使った内部欠陥発見と浸透探傷法による表面の亀裂の目視がありますが、長いもので10キロ以上もあるトンネルを全部はできません。頼りないですがハンマーでたたいて異常を見つけているのが実状です。なんとかしなくてはいけないのですが・・・  おそらく鉄道関係者がもっとも頭を抱えている問題だと思います。
ですから今は新幹線は安全ですが、今後も安全かどうかは分かりません。もし事故が防げないとしたら世界遺産にはなれないでしょうしね。


よおし。すぐに熊野に来なさい。 投稿者:雪風  投稿日:12月16日(土)21時27分13秒

何なりと案内させていただきます。


青城山など 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月16日(土)16時56分58秒

今年の新登録物件が決定された当初は複合遺産と表示されていた中国の「青城山と都江堰の灌漑施設」は、どうやら文化遺産としてのみの登録となったようです。またフランスの「メーヌとシュリー=シュル=ロワールの間のロワール渓谷」の登録基準は、文化(1)(2)(4)でした。世界遺産センターのHP内でも、場所によって表示が違っていて分かりづらいんですが、多分これで間違いないでしょう。

えかわさん>
今回の暫定範囲に吉野山も含まれたのですね! 私はまだ行ったこと無いですけど、高野山と合わせて、国内でも特に行きたいところです。
文化的景観に関して言えば、この概念は半ば複合遺産みたいなものです。人工的に作り出された自然景観だけでなく、特に文化財が無くても宗教的要素などが強い自然として登録されますから、「紀伊山地の霊場と参詣道」は文化的景観として登録される可能性は十分にありますね。個人的には「厳島神社」や「古都奈良の文化財」が文化的景観として世界遺産に登録されていないのが不思議でなりません。両方とも、優れた文化的景観を有しているという評価は頂いているのに、文化的景観の登録基準には合致していません。

収斂さん>
大台ケ原地域はユネスコの生物圏保護区にも指定されてますから、世界遺産に登録申請しても「生物圏保護区として保全をしっかりすればそれで良い」とか言われそうですね。これまでにもいくつもの自然遺産推薦が、この理由の元で登録拒否されてきました。私も大台ケ原の現状を詳しく知らないのですが、何だか状態は良くないようですね。それに完全状態であったとしても、大台ケ原は顕著で普遍的価値までは達していないように思われます。
新幹線のリニア化は無理でしたか。でも新幹線はいつ頃、世界遺産になれるのでしょうか。今後10年以内というのは、やはり新しすぎることから無理なのでしょうか。

雪風さん>
この場では、はじめまして。私は和歌山県をまともに観光したことがありません。大阪から夜行列車に乗って早朝新宮に着いて、駅前をふらふらしただけです(^^; それですぐに三重県の方へ行ってしまいました。だから熊楠の記念館も見てませんし、新宮で下車していながら熊野神社や那智の滝も見てないのです。私が尊敬する人物として熊楠を挙げているのは、粘菌類と民俗学という、全く異なった分野での研究を徹底した人だからです。自然と文化の融合、なんだか世界遺産みたいな感じがして良いじゃないですか。


おひさしぶりです。 投稿者:雪風  投稿日:12月15日(金)18時01分33秒

 こんばんわ、和歌山の雪風です。
 十津川村の教育委員会に行ってきました。ここはとても進んでる。いつ登録してもいいぐらい、景観条例なんか完全に整備できてます。野迫川村は苦戦ですね。これから県の対応が気がかりです。
 ところで、浦にいとさんは、熊楠がお好きなんですか?熊楠の足跡とかゆかりの地、訪ねられたことありますか?やっぱ凄い人ですね。


私見 投稿者:えかわ  投稿日:12月15日(金)01時55分11秒

収斂さん、はじめまして。

>和歌山県在住の方で時々質問をくれる方がいると聞いたことがありましたが、もしかしたらあな>たのことだったのでしょうか?

私ではありません。その方がどなたかも存じ上げません。このサイトの存在を知ったのもごく最近なのです。

>前回のBBSの掲示内容はとても参考になりました。世界遺産化に向けての県の対応のまずさや登>録箇所の具体的な批判は、十分説得力のあるものと思えます。これからも地元、和歌山の現状を>お知らせいただければうれしいです。今後もよろしくお願いいたします。

こちらこそよろしくお願いいたします。前々回のログでは多少厳しい表現をとりましたが、必ず世界遺産登録していただきたく思って、現状でクリアすべきであろうと思われる点をいくつかあげたつもりでした。
反論のある方はこの掲示板なり、メールなりで直接表現したいただきたかったので、私は正々堂々と本名とアドレスやURLを記入したのですが、その方法ではない方法での苦情が間接的に来たので、私の知り合いの方や管理人さんにご迷惑をおかけするのは申し訳なく思いましたのでログは削除していただきました。しかし私は今後も一県民として、是々非々の立場で和歌山県の世界遺産登録推進運動を応援していきます。それが有権者、納税者として当然の義務と権利でもあると考えます。

大台ケ原の推薦見送りについてはよく存じ上げませんが、今回の推薦活動の主は「霊場と参詣道」ですから、これはこれで当然でしょうね。鹿の害もよく報じられているところですし。
それから吉野山は暫定リストの範囲に入っています。もうちょっと足を伸ばせば長谷寺も・・・といったら欲張りすぎでしょうか(^^;。吉野の寺社の建造物は私も大好きです。


新幹線について 投稿者:収斂  投稿日:12月14日(木)02時44分26秒

新幹線は将来ほぼ間違いなく世界遺産になれる近代遺産と考えます。自分の専攻は機械工学ですから、学生時代から高速列車関連の話はよく聞きました。ただ、リニアの実用化は多分ないでしょう。あれは高温超伝導のメカニズムが完全に解り、それが実用化されて、ようやく採算がとれる乗り物です。実は私も今現在、超伝導磁石を使って実験しています。最大5テスラまで出ます。でも真空装置とギフォード・マクマホンサイクルを使った冷却には相当時間がかかります。絶対温度で4〜5[K]まで下げるのに丸まる2日かかります。さらに冷凍装置の冷却に1日10トンの水が必要です。(まあ、今はクーリングタワー使っているから水を捨てているわけではないのですが、昔はそれがなかったから捨ててました。) リニアの実用化はまだまだ先、もしかしたら未来永劫ないかもしれない、そんな乗り物です。

今の新幹線でも更なる高速化は可能なのですよ。ただ問題点が2つあってどうしようもない。

一つはパンタグラフで発生する高周波空力音です。これが人体にすごく悪い。人間の耳では聞き取れない音ですが、これが人体にはストレスを与えます。新幹線沿線の住民の健康調査を行ったところ、心因性疾患が多発していました。ですから対策として、パンタグラフの前に大きな風防を取り付けています。走行中の新幹線の騒音はほとんどこのパンタグラフから発生します。風防で流れを剥離させてパンタグラフの前でわざと乱流を起こし、発生する高周波空力音の周波数を下げているのです。でも風防は空気抵抗以外の何物でもありません。また、それは人間の耳に聞こえる騒音をわざと出させるという、一見矛盾したことをしているのです。でも、それしかないのです。なお以前の新幹線にはパンタグラフが3つ付いていたのですが、そのうち1つは予備でした。今はほとんどが2つになっているはずです。

それはもう一つの大問題はトンネル内の衝撃波です。高速列車どうしがトンネル内ですれ違う時、不連続な衝撃波が発生します。それが新幹線に大きな圧力負荷をかけます。それは金属疲労のような機械的問題です。また衝撃がトンネルから出る時大きな騒音になります。対策は車体とトンネルの間の空間がなるべく大きければ影響は減らせます。最近の新幹線の断面積が小さくなっているのはそのためです。またトンネル出口に緩衝となる構造物を建てています。最近数値シミュレーションが盛んに行われていますが、高速列車通過時のトンネル内圧力の非定常問題は重要な話題です。トンネル内壁に圧力吸収の穴をあけるとか、ソリトン管の応用で解析的に圧力変動を防止するとか、まあいろいろやられていますが、まだまだです。

こういった問題は、日本の都市が山がちな地形の間にあるため、鉄道がそれらを結ぼうとするとどうしても避けられない問題なのです。新幹線のライバルのフランスのTGVは、トンネルや人口密集地がほとんどない平野を走るため、このような苦労をしなくて済みました。日本の新幹線は世界トップレベルの性能を誇るのは、条件が過酷だったからです。ほかにも鉄道の車軸や中央管制室による運航制御など、独創性のかたまりです。保線検査技術もすごいです。最近トンネルの崩落が話題になっていますが、あれはトンネル施工業者が悪いわけで、新幹線そのものの性能が低いわけではない。
以上、新幹線は将来、世界遺産間違いなしと考えます。


鎌倉の城塞都市としての位置づけについて 投稿者:収斂  投稿日:12月14日(木)01時33分30秒

高橋さん>
例のHPは見てみました。この市会議員さんは少々の性格がツイストしている感じがしましたが、自民党を批判しているところをみると野党ですかね?
鎌倉の城塞都市としての位置づけについては、高橋さんの気持ちも管理人の意見も分かる気がします。たしかに自分が高校生くらいの時には、鎌倉が中世の城塞都市なんて形容詞は全く聞いたことがありませんでした。だから「城塞都市」という言葉が世界遺産にするための、とってつけたような修飾語と解せなくもないですね。外国の人が城塞(fort)と聞けば、多分、堅固な石垣で囲まれた街を想像するはずであり、折角鎌倉に来て、そういった物が切り通しくらいしか残っていなければ、ひょっとしたらがっかりするかもしれませんよね。といって、今から当時の様子を再現できるわけではないですから、今後できることとしては、せめて目立つ看板は外すとか、瓦の色を統一するとか、そういったことくらいしかできないでしょう。私は、景観配慮を徹底した街が日本にも一つくらいあればいいのに、といつも感じています。京都の都市景観についてはもう手遅れに思えますし、奈良は文化財がほうぼうに散らばっているため、まとまった景観事業がやりにくい。でも鎌倉くらいの規模なら案外やりやすいのではないでしょうか。由比ヶ浜や材木座海岸近くの風情ある町並みは大事にしたいものです。


大台ケ原について 投稿者:収斂  投稿日:12月14日(木)01時04分42秒

えかわさん>
はじめまして。収斂です。以前から、浦に〜と管理人のメールで、和歌山県在住の方で時々質問をくれる方がいると聞いたことがありましたが、もしかしたらあなたのことだったのでしょうか?
前回のBBSの掲示内容はとても参考になりました。世界遺産化に向けての県の対応のまずさや登録箇所の具体的な批判は、十分説得力のあるものと思えます。これからも地元、和歌山の現状をお知らせいただければうれしいです。今後もよろしくお願いいたします。

私も詳しくは知らないのですが、奈良県の大台ケ原や日出ケ岳周辺と少し西の仏生獄、釈迦ケ岳、八剣山、大普賢岳一帯は、素人が見ればたしかに美しい自然があるように見えるのですが、登山家の間では、もう随分開発が進んでしまった嘆かわしい山だそうです。ほんの40年くらい前までは、ここは日本最後の秘境と言われていたそうで、そのころには本当にニホンオオカミでも生息していたかもしれないくらいの原生林があったそうです。しかし現在は、杉などの植林で生態系がかなり乱され、さらに縦貫する道路の建設や、鹿やカモシカの固体数の増加による森林破壊など、状況はひどいらしいです。
もし国や県が大台ケ原を複合遺産としての登録することを見送るとすれば、原因としてこういったことが考えられます。

それともう一つ確認しておきたいことがあるのですが、紀伊山地の文化財にあの吉野山が含まれるというのは本当なのでしょうか? もし本当なら大変、喜ばしい話ですね。私は吉野山の蔵王堂が入ることで文化遺産の登録基準の(1)が新たに追加できるかもしれないと考えてしまいました。吉野には、蔵王堂のほかに銅鳥居や吉野水分神社、如意輪寺などすばらしい文化財の宝庫ですから、単体でも世界遺産できる気がしています。


お詫びと訂正 投稿者:えかわ  投稿日:12月13日(水)22時23分48秒

浦に〜とさん>先日の私の発言のうち説明不足&理解不足があったと思われる以下の点を補足させていただきます。

今回のリストには熊野三山、吉野山は含まれています。大台ケ原はたぶん含まれていないと思います。大峰山系は修験道との関連から含まれるようです。

>話がずれてしまいましたが、それほど、複合遺産にするのは(特に自然面で)困難
>だということです。だから日本も最初から、文化遺産として申請するのではないで
>しょうか。

そうですね。私の大きな勘違いでした。聖なる文化遺産とともに形成される文化的景観、その意味での複合遺産が必要ではないか、と考えたものですから。
私の発言によって関係各位に不快感を与えたのであればおわび申し上げます。


自然遺産と文化遺産の扱い方 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月13日(水)12時50分09秒

島袋純さん>
ご指摘ありがとうございました。こちらこそ、大変勉強になりました。
自然遺産の登録数が少ない理由については、価値を見定めるのが文化財よりずっと難しい事と、有用利用出来なくなるのを国や地域の人が望まない事の2つが主なものでしょう。
やんばるも西表も私に言わせればまず世界遺産になれません。開発が進み過ぎです。県や国が申請したがらないのか、もし申請したとしても登録は非常に困難だと思います。

NGOは危機にされされている世界遺産リストへの記載に関しては申請できますから、今後解釈を拡大して、世界遺産登録を申請することも出来得るかもしれませんね。NGOが遺産登録の申請をするなんて、島袋純さんに言われなければ気付かなかったことです。それほど私の考えは浅はかなものです。そして南極をどう扱うかという事も踏まえ、国が登録したくないと思っても、見方を変えれば世界遺産の方向性も色々と見出されるでしょうね。

文化-自然遺産の数の不均衡に関しては世界遺産委員会も、価値を見定めて申請するようにと奨励しているようです。しかし言葉で言うだけでも限界がありますからね。今世界遺産委員会は具体的な対策を立てているのか、不勉強なもので私には分かりません。
また登録基準を見ても、文化遺産6個に対して自然遺産は4個だけです。私はこの事は大した問題では無いと感じますが「これはおかしい」と指摘する人もいるそうです。世界遺産委員会は「自然遺産は面積を持っている」等ということを理由に、自然遺産に基準が少ないことを説明しています。

自然遺産登録は非欧米諸国に限らず、ヨーロッパ諸国も消極的です。自然遺産が少ないことは、世界遺産を最も多く保有しているヨーロッパに文化遺産ばかりあるという事にもつながってきます。そして以前収斂さんが言われたことを引用しますと、アフリカ地域にはヨーロッパ並に自然遺産が多く存在して良いということになりますね。しかし経済発展を推し進める国にとって自然保護は矛盾します。そこから、NGOに申請権を持たせるのは良いかもしれませんね。

ただ最近は文化-自然遺産の不均衡が徐々に改善されつつあるように思われます。ヨーロッパ偏重は相変わらずなんですが。私がそう思う理由は、ロシアとブラジルが最近、自然遺産を登録しているからです。両国とも、当初は有名な観光地・目で見て華やかな教会や都市をバンバン登録してました。ただしブラジルは1986年に「イグアス国立公園」を登録してます。でもこれは南米有数の観光地であり、登録はアルゼンチン側の世界遺産指定に触発された所が大きいように思われます。
はじめのうちロシアもブラジルも文化遺産ばかり登録してるのはとても不思議でした。それが、両国とも文化遺産を8〜9件登録した段になって、急に自然遺産を申請するようになったんですね。登録されなかった物件、当HPでいうところの“裏世界遺産”も合わせると、ロシアなんか自然遺産の申請数は文化遺産のそれとほぼ同じです。

現在発展途上にある国も、やがて自然保護を全面に押し出す時が来ると思います。ただその時まで待つのではなく、経済発展ばかりに気を取られて自然破壊が進まない内に、早く自然遺産登録するのが得策でしょう。
当HPの“世界遺産の問題点”というコーナーは、もう執筆して1年近くほったらかしです。ご指摘を頂いたヨーロッパ偏重と文化遺産過多に関して、少し手を加える必要があるかもしれませんね。


伝統とは 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月13日(水)12時05分47秒

星影さん>
リンクに関しては問題ありませんので、どうぞ貼ってください。こちらからもリンクさせていただきます。ただ今月は新登録物件の調整などの更新で一杯になりそうで、もしかしたらリンク集の更新は来年になってしまうかもしれません。
その点はご了承下さい。


はいらんだぁさん>
伝統とは今新しいのを始めたからそれがすぐに伝統になる、という訳ではありませんよね。数年・数十年を経て、後代の人が伝統だと認めなくてはなりません。それに伝統を守る事は積み重ねる事と同義でしょう。伝えていかないと伝統は途絶え、守れなくなります。だから今も将来もずっと積み重ねて行くことが、伝統を守ることです。(ありきたりの返答になってしまった;;)

鉄道といえば、新幹線が今のまま 70年か 100年くらい残っていれば、世界遺産に指定されるでしょう。その頃は東海道リニア線などとなって、新幹線の軌道なんか撤去されているかもしれません。最低でも一区間は今のまま残し、車両も含めて動態保存しておいてもらいたいです。そうなれば世界遺産になれるのでは?と思います。


高橋さん>
ご紹介頂いた文章は少々面白みを含ませていますけど、鎌倉は城塞都市でいけますよ。指摘されているように文化財は少ないので、やぐらや切通しといった唯一性を全面に押し出して行くしか無いのでしょう。それに鎌倉が日本唯一とも言うべき城塞都市だということはあまり認識されていないようですね。かく言う私も最近になって、これはすごい事だと思うようになってきました。

彦根城には姫路城と違う点を明確に示すよう指示されていると書かれていましたね。これもかなり難しいでしょうね。姫路城はあまりにすご過ぎますから。他の城郭建築とあわせて「姫路城」の拡大登録としても良いと思います。


複合遺産の自然的価値 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月13日(水)11時35分11秒

えかわさん>
紀伊山地の霊場と参詣道の選定範囲は大きく分けて高野山と熊野古道の2つだけなんですか。紀伊山地の…と名乗っていて、更に奈良県・三重県にもまたがっていることから、吉野山や大台ケ原も含んだ複合遺産になったりするのか?とも思ってました。もっとも複合遺産ではないことは数週間前に知った話ですが。

奈良県・三重県側の申請区域は熊野参詣道の派生路とも言うべき道だったんですね。しかし熊野信仰を中心に据えて高野山も付加したのであれば、伊勢神宮や吉野山も重要な中継点(起点?)として入れた方が良いと思います。私はそちらの文化財をよく知らないので、的を得ていなかったらお詫び申し上げます。

それから複合遺産にならないことに関して言えば、それほど自然遺産としての登録が困難だということを意味しているのでは無いでしょうか? 「古都奈良の文化財」に組み込まれた春日山は日本有数の原始林であるというのに、自然遺産指定されていません。良好に保存されているというだけではなくて、生態系が際立っているとか、固有種の宝庫だとか、そうでない限り自然遺産指定は難しいと思います。現在 23箇所ある複合遺産のいくつかは、自然遺産としては世界遺産になれないのに、文化遺産と密接に結びついた自然として認められているものもあります。もっと悪く言えば、そこに文化財があったおかげで、無理やり複合遺産になれた、という物です。こういった世界遺産には、ギリシアの「メテオラ」「アトス山」、マリの「バンディアガラの断崖(ドゴン人の集落)」、トルコの「ヒエラポリス=パムッカレ」があります。

最初の3つは「ああ、なるほど」と思わせる物と思います。しかし「ヒエラポリス=パムッカレ」に自然遺産としての価値が無いとは考えられない事と思います。あの巨大石灰棚はIUCN(自然遺産の評価を担当)の評価によれば「自然遺産としての登録基準を満たしていない」そうです。それがICOMOS(文化遺産の評価を担当)の提案によって、文化財と密接にかかわる重要な自然要素として(ある意味では強引に)自然遺産指定されたのです。

話がずれてしまいましたが、それほど、複合遺産にするのは(特に自然面で)困難だということです。だから日本も最初から、文化遺産として申請するのではないでしょうか。えかわさんも仰っている通り、今は文化遺産があまりにも多いですから、その対策として自然遺産の基準が下がるなどすれば、ある程度容易になるかもしれませんね。

それから、
>和歌山県知事は今回の登録申請を「観光振興のためのイベントと
>考えている」と発言しました
これは考えられない事ですね。世界遺産のせの字も知らないとはこの事です。嘆かわしいとしか言いようがありません。


政府による申請の限界(開発と自然保護) 投稿者:島袋純  投稿日:12月13日(水)09時23分30秒

勉強になりました。

琉球王国の城等が世界遺産に登録された機会に少し勉強しようと思い、貴HPに出会いました。非常に参考になりました。ありがとうございます。

どうして自然遺産が少ないかという理由、ヨーロッパ偏重の理由なんですが、人間の思考や関心という問題もあるのですが、申請手続き上の問題、国連のバックアップ体制の問題、つまり制度的な問題も大きい気がします。

国連自体が基本的に主権国家の集まりで、国家内の施策や法律に直接介入できないのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、、。

非欧米諸国で自然遺産の申請が少ないのは政府の関心は開発であり、よっぽど金になる見込みがあるのなら別ですが、てまひまかけて自然保護しても政府を支配している人々の利益にならないとの判断があるからでしょうね。

環境保護に関して国連はNGOをとても尊重するようになったように見えます。が、、、。
たとえ当事国の政府が申請反対していてもNGOが申請すれば、ユネスコで審議し、価値があれば世界遺産に登録してしまう。政府が自然保護の金ださないならユネスコが出す。なんてできない話ですかね。条約批准した国はユネスコの決定と保護措置にあわせて保護立法等の国内施策の整備を義務づけられる。そういう風に世界遺産条約を強化して。でもそうなると、ほんとにアジア諸国など全部脱退して、ヨーロッパだけになるかもしれないですね。
せめてユネスコがNGO要請で審議に入り世界遺産申請勧告を当事国政府に出すぐらいは。

やんばるの山と海の世界自然遺産登録が話題に上りますが、県や政府が率先して申請するなんて考えられないですね。
やんばるクイナもジュゴンももう絶滅でしょうが、それが分かっていながら、加盟国政府が動かない限り、NGOとユネスコだけでは公式の手続き上、なにもできないということでしょうかね。

NGOが政府の壁を乗り越えどこまでできるか、過去の例や現行制度の詳細な解説があればさらにヒット率アップすると思います。
今後のご発展をお祈り申し上げます。

では。

島袋純


追伸 投稿者:高橋  投稿日:12月11日(月)23時38分35秒

下にスクロールしても彦根城は出てきませんでした。
下記URLに飛んでください。

http://www2g.biglobe.ne.jp/~km20/hikone.htm


鎌倉の世界遺産化 投稿者:高橋  投稿日:12月11日(月)23時27分54秒

鎌倉市の世界遺産への取り組みについて下記HPに情報を得ましたので連絡いたします。


このHPは市会議員の方が作られています。立場により内容を割り引く必要はあるかと思いますが、噂の通り城砦都市としての位置付けで押しているようです。そこまでしなくとも・・・というのが私の正直な感想です。城砦とすることで可能性はあるのかも知れませんが、もっと素直にあきらめてくれたほうが気持ち良かったな。
ちなみに、よくこのHPを読んではいないので不確かですが、他の世界遺産登録地や彦根城の記事が下のほうにスクロールしていくと載っています。市議会で出張したんでしょうかね。私の税金かな?そちらも目を通してみてください。

http://www2g.biglobe.ne.jp/~km20/kawara3.htm


伝統。 投稿者:はいらんだぁ  投稿日:12月10日(日)12時44分28秒

京都ではよく「新たな伝統の創出」ということが言われます。また、ある寺の住職は「伝統は (守るというより?)"積み重ねていく"ものである」と言いました。

浦に〜とさんはこれらはそれぞれどういう意味だと思いますか?ヒマな時でいいですから、またお答えください....。

"巨大(公共)建築・・"のお話は私も同じような発想を持っていました。「もしも今から三百年くらい経って <鉄道>というものが消滅していたら、例えばJR東京駅が由緒ある歴史的建造物になっているかもしれない (あるいは "発掘"されて「これは神殿だ」なんて言ってるカモしれない )」なんかのSFみたいですが・・・。
巨大建造物の維持・管理も大昔は <人件費>なんて考えなくてよかったので....イイ時代だったのかも知れません (悪い時代だったのかな?)。


リンクさせてください。 投稿者:星影  投稿日:12月10日(日)00時23分00秒

浦に〜とさん 収斂さん
歓迎のお言葉、ありがとうございます。

貴WebPageを、うちのWebPageにリンクさせていただきたいのですが、
よろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。

http://plaza6.mbn.or.jp/~Seiei/


アンソニー島 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 9日(土)14時31分49秒

収斂さん>
私は「アンソニー島」について、ほとんど何にも知らないに等しいです。ですから推測になってしまいますが、アンソニー島のトーテムポールが荒れるまま放置されているのは、あそこがもう無人島になってしまっているから、つまりハイダ族の文化が消えてしまったからではないでしょうか。島にハイダ族が居た時から既に、自らが作り出した文化財のメンテナンスを行なわなかったのだと思いますけど、その時はまだ次々にトーテムポールが立ってたから問題無かったのでしょう。ところがトーテムポールを作るという文化が終了した現在、島はハイダ族の意思の通り放置されているのではないでしょうか。
まあこれは私の推測であって、全くの嘘かも知れません。詳しい状況が分かれば教えて下さい。

これと似たのにオーストラリアの岩石画遺産がありますね。先住民は今も壁画を描き続けているのに、それは古い壁画を消して新しく描き直すという方法で、ヨーロッパから見れば文化財保護上、何とかならないかと言われているそうですね。

それから、参考資料のほとんどない建築の再建は、再建とは言えないと思います。でもこの問題はとても難しく、意見が分かれるところでしょう。保護などの問題点だけでなく「文化財はこうあるべき」というような思想みたいなものも考慮する必要があるでしょうし。
私は以前書いた通り、文化財は過去を証言するものと捉えていますから、後代の人の推測に拠るところが大きな再建はあまり支持できません。

この前書いた彦根城の情報は未確認ですので、申請がなされたのか、はっきりしません。

星影さん>
はじめまして。世界遺産に関心をお持ちでしたら、どんどん書き込んで下さい。私も色々な方の色々な意見を聞きたいと思っております。

高橋さん>
お久しぶりです。鎌倉の紅葉はもう終りでしょうか。朝比奈切通しの紅葉は見事だと聞きましたので、是非見に行きたいのですが・・・。紅葉の有無関係無く、朝比奈切通しや覚園寺のやぐら群だけは絶対に見たいですね。それにNHK『国宝探訪』の鎌倉大仏を見てから、もう一度大仏に会いたいと思うようになってきました。
今回の琉球遺跡登録も沖縄の人から見てどうなのか、考えさせられる部分もありますね。国内の遺産登録地という点から見ても、琉球王朝の遺産として独特なだけでなく、現代になって破壊と大掛かりな再建・修復がなされたものとしても異彩を放つ登録です。


沖縄のグスクについて 投稿者:収斂  投稿日:12月 8日(金)21時30分49秒

高橋さんのレスになりますが、座喜味城が戦時中高射砲陣地に使われたという情報は、本土の観光ガイドブックにはほとんど掲載されていないようです。少なくとも私は、ここ4年間で見たことはありません。この話は座喜味城に行ってはじめて知りました。そういう告知掲示板が、そばの松林の前にひっそり立っていました。沖縄のグスクでも特に破壊されたのが知念城などの南部地域の城だそうです。戦後資材としても使われたため、国指定史跡にはなっていますが、現存するものはわずかです。

最近、こういったグスクの復元について地元がかなり精力的に頑張っているみたいです。例えば浦添グスクの修理と近年発見された当時の道を核にして、沖縄歴史街道構想みたいなものが浮上して
います。


お久しぶりですね! 投稿者:収斂  投稿日:12月 8日(金)21時18分19秒

高橋さん>
お久しぶりですね。お元気そうでなによりです。
鎌倉の世界遺産について、私個人、情報がほとんどなくて困っています。関東地方ならそういった話題が出ているかもしれませんが、福岡ではまったく聞きません。ただ鎌倉市のHPには、前から割と頻繁にアクセスしています(月に2,3回くらい)。それによると市議会が世界遺産に意欲的なことは分かります。この前の浦に〜と管理人のレスでは、彦根城の方が先というような話でしたが、私はその話も全然知らなかったのですよ。彦根市のHPは、そんなに詳しくは探していないのですが、そういった話が全然ありません。彦根城が盛り上がっていないということについて、似たような話として、私は今年の秋に、用事で関西に行ったのですが、そのついでに彦根城に行きました。そして彦根城の係りの5人に世界遺産化の話の進展を尋ねましたが、皆、きょとんとした顔でよく知りませんでした。天寧寺の住職さんもそうでした。だから彦根城はまだまだ先じゃないかと考えていた次第です。実際のところどうなんでしょうか??

星影さん>
はじめまして。どうぞ、星影さんも世界遺産について熱く語ってください。また裏遺産の情報などありましたら知らせていただくとうれしいです。なにせ最近時間がなくて、情報収集が滞っています。管理人に申し訳ないです。ではこれからもよろしく。


12月8日朝日新聞 投稿者:高橋  投稿日:12月 8日(金)12時57分39秒

お久しぶりです。鎌倉の高橋です。
本日の朝日新聞、天声人語に面白い記事がありましたので紹介いたします。
http://www.asahi.com/paper/column.html
私とて太平洋戦争の傷跡を直接知る世代ではありませんが、沖縄に住んでいる方はまた違った思いがあるのでしょうね。

http://www.asahi.com/paper/column.html


はじめまして。 投稿者:星影  投稿日:12月 8日(金)01時50分08秒

★浦に〜とさん みなさん
初めまして。
私はせいえいと申します。
世界遺産の大ファンです。
世界遺産について、熱く語れる掲示板があって、
本当にうれしいです。
時々寄らせていただきます。
どうぞよろしく。(^-^)

http://plaza6.mbn.or.jp/~Seiei/


文化財保護について 投稿者:収斂  投稿日:12月 6日(水)21時41分31秒

長い文章ありがとうございました。

私は文化財を保護する点について基本的には浦に〜とさんと同じなのです。ここで言いたかったのは文化財の保護というよりも、むしろ破壊されたらどうするかという場合についてでした。修復のやり方が日本と欧州とでかなり違うのではないかと感じているのです。まあ、浦に〜とさんに意見したいことが少し出たので、羅列しました。

「崩れて行くのを眺めている事こそ意味がありません」という意見に関して興味深い世界遺産があります。カナディアン・インディアンのハイダ族の集落、アンソニー島です。あれは一切修復をせず、朽ち果てるに任せていますが、これは私には理解できない感覚です。たとえそれが伝統であったとしても、あと数十年くらいすればトーテムポールが完全に無くなります。世界遺産の主旨に反しているのではないでしょうか。どう思われますか?

それと、城郭の再建については以前も少し話題になりましたね。現在、仙台城の櫓の(木造での)再建をめぐり、それが本来あった石垣の上ではないからこれは捏造行為と同じではないのか、といった批判が出て、行政と市民団体がもめています。行政は石垣を壊したくないし、美観も考えたからだそうですが、私は全然問題とは思いません。捏造という批判は言いすぎと感じます。でも、もし参考資料がほとんどない城郭の復元ならどうでしょう。こういった再建は文化財保護の気質の延長にあるものなのでしょうか。

浦に〜とさんの要約1)、2)について、それを石見銀山に当てはめてみたいと思います。私は石見銀山は世界遺産になるのは難しいのではないかという気がしているのです。これについての私の意見は、少し長くなるので後日書き込みます。

それともう一つ、世界遺産に登録されることの意義も付け加えておきます。実は、戦前でも日本の建築や仏像、美術を研究する外国人の著名な学者が結構いました。そのおかげで京都や奈良、金沢、会津(ここは少し空襲を受けてますが)が爆撃目標から外されたのは有名な話です。湾岸戦争の時も、バグダットの遺跡は攻撃目標から外されました。しかし朝鮮戦争やベトナム戦争では、アメリカの司令官に朝鮮半島やベトナムの美術に造詣のある人がいなかったのでしょうが、建造物や遺跡に甚大な被害が出ました。つまり世界遺産には、万一戦争が起こっても貴重な文化財を破壊しなくてすむ目的もあります。これは世界遺産の重要な特徴と考えます。


文化財を保護することの意味(私の意見) II 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 6日(水)11時05分06秒

そして はいらんだぁさんが仰っている“ジレンマ”、私は無いと思います。私の考えは収斂さんとは少し違いまして、それは時と共に姿を変えて行っても、また一度完全に消滅して後から復元されたとしても、文化財とはそこに存在した文明を示すもっとも明快な代弁者であると考えるからです。(もっと言えば、過去を証明する物に文化財以外は有り得ない)。これには目に見えない歴史的重要性も含みます。過去重大な事件が行なわれた“場所”であるという重要性などです。仮に建築物が無くなっていても、昔ここで何があったんだな〜とか考えると、その場所がとんでもなく大切な所だと思えてくるのです。

例えば小田原城だってコンクリートの再建とは言え、今から400年前の日本の城郭はあんな姿をしていて(城の再現に関しては形がおかしい等の意見もあるようですが)、海を見下ろすあの高台にそれが存在したということを、ちゃんと証明しています。勿論復元するのなら、材も工法も昔のまま再現するのがベストであるのは言うまでもありません。

だから昔の建物の断片が転がっていたら、それを建て直す事でその場所に過去を再現出来るのです。補強や修繕を行なうのも、昔の姿を留める為の策として当然のものと言えます。完全に昔のままを留めようとして何の手も加えず、ただ朽ち崩れて行くのを眺めている事こそ意味がありません。文化財の保護の意義・行きつく所とは、建物そのものを過去から未来へ引き継ぐのではなく、「過去を未来へ受け渡す」ことであり、建築物などはつなぎの役目を果たす道具であるとも考えられます。
こう言うと昔のままでも再建でも、建物なんかあっても無くてもどうでも良い、と言ってるように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。建物の有無は時として「価値」の有無に係わってくるからです。

先にも書いたように文化財とは過去の代弁者であると考えます。そしてそれは再建であるより当時の姿をしていた方が、代弁者という意味ではより良い。つまり昔ながらの建物は価値があるというわけですね。但し再建された事によって新たな価値を生じたという例もあります。最も顕著なのが「ワルシャワ歴史地区」です。ちょっと横道にずれて「ワルシャワ歴史地区」について軽く説明しますと... ワルシャワは第二次世界大戦中の1944年、その 85%が破壊されました。それが市民の熱意によって、戦後わずか5年で完璧に復元されたのです。完全に破壊されながらも、13世紀からの街並みを綿密に再現し、それはポーランド国民のワルシャワという街に対する想いを象徴するものとして、ワルシャワは世界遺産に登録されました。

話を元に戻して、要約しますと、以上の2点 —— 1)文化財とはあらゆる意味で過去を証言し、過去を未来へ引き継ぐ役目をもつ。2)その文化財(建築物)とは昔のままである方が価値が高い —— より、文化財は昔を伝える物として、また昔の姿を留める物として、保全の手を加える必要があります。ジレンマではなく、そう成るべくしてそう成ったと考えられます。
これが、はいらんだぁさんの質問に対する私の意見です。

・・・こういう感覚的な事って文字で表現するの難しいですね。私の言わんとしている事が少しでも伝われば良いのですが。ダラダラと長くなってしまった(^^;;;;;


文化財を保護することの意味(私の意見) I 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 6日(水)11時00分59秒

「白川郷・五箇山の合掌造り集落」のように登録されることで生じる問題点からではなく、世界遺産という制度そのものを否定する意見は確かにあります。具体的に言えば、(1)世界遺産登録地ばかりが脚光を浴び、登録から漏れた自然や文化については名前さえも知ってもらえなくなってしまう点、(2)世界遺産への登録が地元活性の道具でしかなくなりつつある点、などを指して、世界遺産制度の行く末を危惧する声と言ったほうが正確でしょうか。稀に、(3)自然を破壊して作っておきながらも人類の叡智と称し、それが何故地球の宝になり得ようか。というような、世界遺産を根本から否定する意見も聞かれます。

上記(1)および(2)の意見は、世界遺産になれば国際的観光地になってしまうという現状からきています。しかし世界遺産に登録されて、誰にも知れ渡らなかったら意味がありませんよね。世界遺産制度の目的は何度も言うように、単に自然保護・文化財保護というだけに留まらず、お互いの自然や文化を知り合うというユネスコの理念を反映しているものですから。私自身も色々な世界遺産を見て、海外の自然や文化を多少は知ったつもりでいます。それに世界遺産への関心が高まっている日本において、世界遺産は観光用のキャッチフレーズでは無い、という真の目的が深く知れることも叶えられないことは無いでしょう。

そうは言っても現状は、どうしてもメジャーな所ばかりが目立っていますよね。ここが問題の根本です。「パリのセーヌ河岸」や「ベネチアとその潟」や「グランドキャニオン国立公園」ばかりでなく、「ディヴリーイの大モスクと病院」や「サマイパタ都市遺跡」や「ヴィルンガ国立公園」などについても広く知れ渡れば、世界遺産制度の無意味さを言う人も減ると思います。

世界遺産の全集が発刊され、全世界遺産紹介を目指すレギュラー・テレビ番組があり、また雑誌が刊行されつづけている日本なら、やってやれないことは無いでしょう。勿論、全国民が知る必要があるとは全然思っていません。世界遺産に少しくらい関心があって、ヨーロッパのいくつかの都市遺産の名前を言える程度の人に、また世界遺産に登録されているという理由だけでその場所へ旅行しに行くような人に、そうなってもらいたいと感じているのであります。かく言う私もこんな偉そうなこと言える程ではありませんが。時々、そう思ってしまうのです。

あと最近の巨大公共建築は何も建設費だけでなく、収益よりも維持・管理費の方が何倍も多いという代物であって、どうにかしてくれと思います。それでも建築的に見ては普通のビルより面白いのは確かで、今のままの姿で50年〜100年くらい建っていたらなと思います。


動産か不動産か 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 6日(水)10時40分00秒

収斂さん>
来年の世界遺産委員会で鎌倉を登録するには、今年の夏までにユネスコ世界遺産センターに申請書を提出しておかないといけませんし、そんな話は聞いていませんから鎌倉はまだ先でしょう。それより今年、彦根城を申請したとかどうとか、そういう話がありましたよね? もしそれが、世界遺産センターへの申請を意味するのであれば、彦根城の登録に関した審議が来年になされるでしょう。

NHKの『国宝探訪』鎌倉大仏の回はこちらでは3週間ほど前に放映されました。映像も興味深かったし、大仏製造の過程を示した発掘調査が面白かったですね。私は関東人だからか、奈良の大仏より鎌倉大仏の方が好きです。奈良の方は大仏よりむしろ、大仏殿ばかり優れて目立ってるような気がします。


はいらんだぁさん>
世界遺産の個数に関してまじめに答えさせて頂きますと、日本を含め海外でも、1国で100件も世界遺産を保有するようなことは有り得ないと思います。毎年登録されるという状況が今後何年続くのか見当も付きませんが、仮に100年くらい経ったとしても、世界遺産の総合計で3000〜4000件というところでしょうか。
世界遺産への登録基準を設けたり、またガイドラインで遺産登録を細かく定めていたり、ICOMOSやIUCNといった専門機関が公正に、かつこれまでに登録された遺産と比較して新登録物件を考査したりと、世界遺産の数は無意味に増え過ぎないようになっています。日本も今後10数年後までに 20件前後くらいではないでしょうか。100年後を考えても、いって 30〜40件だと思います。

また前回話に出た動産の指定に関して、イタリアの「レオナルド・ダ・ヴィンチ画『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドミニコ会修道院」の例を挙げます。
この遺産は1979年に「ダヴィンチ画『最後の晩餐』」として世界遺産に申請されました。その時は、ICOMOSが世界遺産リストへの登録を推薦したものの、この遺産が「動産」ではないかという意見も出たため、登録が1年先送りになりました。世界遺産条約第1条、文化遺産の規定に当てはまらないのではないか?という意見があったのです。これは壁画であって、動産か不動産か見極めるのも難しかったのではないでしょうか。ちなみに登録が1年延期された最大の理由は、絵画の保存や修復に関した情報が不足していた為ですが。
翌年には『最後の晩餐』だけでなく教会と修道院を付け足して、世界遺産リストに登録されたという訳です。


あるたわ言 投稿者:はいらんだぁ  投稿日:12月 6日(水)05時38分03秒

収斂さん>
私は今までもこれからも「世界遺産について否定的な主張」をしたことは一度もありません。例えば前記の主張はただ「どー思う?」というこちらの疑問を尋ねただけです。(前記に少し付け加えるなら・・・仏像がこう言ってるようにも聞こえただけです「総テ形アルモノハ必ズ崩レル」)

ちなみに私なりの稚拙な「文化論」をちょと言わせてもらうと(それが何に否定的で肯定的かはドーだってイイけれど )、文化トカ文明とかいうものも「ある日空から降って来た」わけではなくてその時々の暮らしの「必要性」から発生したものです。例えば日本の場合 "キモノ文化"はとっくに死んでいます ("その役目を終えた"と言い替えてもいいですが )。 あなたはきょうはどんな"着物"で過ごしましたか?・・・・例えば道行く人たちに今「あなたの思ういかにも日本的なものをひとつずつ持ってきてください」と言えば十中八九の人がキモノやハッピや掛け軸や盆栽や仏像や日本刀を持って来るでしょう。ところがその人たちはきょう「上司にぺこぺこオジギをし終えたあと "えー、もう帰っちゃうの〜?"という声を聞きながら退社しスシやテンプラを肴にサケを呑んで一寸パチンコとカラオケに付き合った後、家に帰り付いて靴を脱ぎ捨てたまま風呂にも入らずスイハンキからごはんをよそって簡単におハシで茶漬けを腹に注ぎ込むとすぐにタタミに敷いたフトンに転がって眠ってしまった」ことがどんなに日本的なことかスグに思い付く人はあまりいないでしょう。 今のところ私には二つのカテゴリーがあって・・・ひとつは「かつてあった (今はない)もの」を残すこと(博物館に?)。もう一方は「現在でも生活の中で日常的に行われていること」です。一方はそうと意識してガンバッテ守っていかなければいつでもすぐに消えてしまいますが、片方は「(そう言う前に)既にあなたがきょうもそうしていること」です。あなたが今使っている "ニッポン語"のように...。 (これらが下記のあなたの主張の何を否定し何を肯定しているのか私は知りませんし、そんなことはココではどうだっていいことです)

少し疲れたのでここまでにしておきますが・・下記の「世界遺産について否定的な主張を耳にすることがありませんか」が(タダ尋ねただけの)純粋な質問なら、私は今のところは全く聞いたことがありません。(今はまだただの "お祭り騒ぎ"で終わってるような気がします)
でも「開発」か「保存」か...っていつでも出る問題ですよね。屋久杉が見物人たちのその場でのし尿で枯れる畏れがあるかといえば、ふもとのカトマンドゥ(だっけ?)からの交通ラッシュによる排気ガスでヒマラヤが "汚染"される危険があるというし。

今後も時折よろしくお願いします...では。(眠い!)


歴史的な遺産の保護 投稿者:収斂  投稿日:12月 5日(火)22時00分38秒

はいらんだぁさん>
ときどき、世界遺産について否定的な主張を耳にすることがありませんか。世界遺産が観光地の価値の指針になっているといった内容の主張です。事実、商業的な宣伝文句に利用されることがあまりに多く、だから中には世界遺産そのものを否定的に言う人も出てくるのでしょう。しかし世界遺産とはその国の文化・歴史を理解する上でとても便利です。各国の世界遺産を眺めていると、その国の到達した芸術レベルとともに、文化に対する姿勢までもが分かります。

その点と遺産保護の取り組みを見てみましょう。ヨーロッパには戦災でほとんど破壊されながら、見事に再建され、世界遺産に登録されたものが少なくありません。ギリシャやローマの遺跡でもそうです。イオニア式やコリント式の柱の全てが2000年以上もそのまま立っていたわけではなく、中には倒れていたものを、あるものは修復したりして、再現できるものはなんとか再現しているわけです。つまり文化財の完全性は、石造りであっても大変なことなのです。ですから私は世界遺産に指定された文化財には、畢竟、その国民の精神性、つまりアイデンティティのようなもの、それと文化財に対する愛情の深さみたいなん物が表れているのではないかと考えています。どんなものでも破壊されることは避けられない。だとしたら、破壊された後の処理の仕方にこそ、その国の文化レベルが反映されるのではないでしょうか。そう考えると、やはりヨーロッパはしっかりしています。それはナショナリズムとか保守的というようなくだらない次元の話ではないように思えるのです。修復や復元に巨費を投じるのは、ただ復元したいから、壊れたままにしたくないから、といった純粋な気持ちからではないかと思うのです。それは異民族どうしの戦乱を繰り返してきたヨーロッパの人々が、数千年かかって到達した一つの答えなのかもしれません。

かたや日本は少し違います。愛着はヨーロッパの人々と同じくらいあるのに、価値があるとまでは思っていないのではないでしょうか。だから外国から評価されたものでなければ自信もって「よい」と認めないところがあるように感じます(断っておきますが、これはあくまで私個人の感想です)。だから世界遺産に指定され、国際的に評価されないと「よい」と思わない。逆に、「よい」と思うものは何とかして世界遺産に登録しようとする。世界遺産になる前にいくら専門家がすばらしいと主張しても、発言者が日本人なら見向きもしない。しかし世界遺産に指定された途端、観光客がどっと出かけるなど、考えてみたらおかしいですよね。これは今に始まったことではなく、廃仏棄釈や廃城令がそうですが。

私は必ずしも古くなければ価値がないとは思っていません。また文化財は完全であるほうが望ましいが、そうでなければいけないとも思っていません。ですから伊勢神宮のような21年ごとに社殿を新築するものは世界遺産としての価値がないとは思っていません。むしろ逆です。これから造る建築こそいいものを造って、それを長く大事に使うべきだと考えています。ときとして大規模公共事業として批判されるような巨大建築も、それが数百年使われるなら安いものです。それは未来に対する有益な投資です。一番愚かな選択は、ほんの数十年で壊され、跡形もなくゴミになる安っぽい建築を多く建設することだと思います。

近年、日本の都市が30年くらい前と比べてはるかに美しくなったというのは事実のようです。しかし私は近代建築の美しさも、ゴシック、バロック、ロココのような美しさにはかなわないと感じています。なぜなら近代建築はせいぜい70年〜80年そこらしかなく、かたや古典主義的様式は数百年かけて洗練されてきました。しかも原点はギリシャ・ローマ建築であり、そう考えたら3000年以上です。ですから近代建築もやがては装飾的なかっての建築に復古するような気がしています。それは歴史とは一朝一夕に形成されるものではないからです。(だからブラジリアの放送は待ち遠しいのですが。オスカー・ニーマイヤーとコルビジェの力作は見てみたい)


「時を止める技術」 投稿者:はいらんだぁ  投稿日:12月 5日(火)16時25分31秒

浦に〜とさん、お返事アリガトー。来世紀からのユネスコ「人類の口承及び...」のお話に期待しています!
ところで "危機遺産"の話じゃないけれど・・・酸性雨や戦乱などからの「歴史的な遺産の保護」って世界中で言われてますよね。特に日本の場合「木と紙」で出来ているものが多かったので、壊れたり焼失したら "また作れば"よかったのだと思います。世界的に見ても「歴史的価値のある物を "遺産"として保護する」という意識は近代になってから広まったと思うのですが・・・例えば(専門家でないので詳しくは知りませんが )何かの変質しにくい樹脂などでその建造物をまるごと "コーティング"するにしろ、外から見えない内部を鉄骨などで補強するにしろ・・・それって「昔のまま」じゃないですよね? つまり極めつけのオハナシ「昔通り」にしようとすれば「壊れやすい」し、「壊れない」ようにしようとすれば「もとのまま」ではなくなってしまう "ジレンマ" があるように思います・・・浦に〜とさんはどう思いますか?

収斂さん>
あそこはそーまじめに答えてもらうトコやないと思いますが。・・・でも、今までのペースから見てあと100年後にはちょうど111番目くらいにはなってるんじゃないですか?


次は鎌倉か? 投稿者:収斂  投稿日:12月 5日(火)01時31分40秒

少し気が早いかもしれませんが、来年の日本の推薦物件は何でしょうかね?
やはり鎌倉でしょうか? 先日NHKで放送された国宝探訪は鎌倉の大仏についてでした。そして番組では、今現在、高徳院の周辺の地質調査を行っている経緯が報告されていました。当時の大仏製作過程の検証が目的です。東大寺の大仏が戦乱で焼失した経験があり、現在の物は江戸時代の再建であるのに対し、鎌倉の大仏は、露座になったとはいえ当時のままです。番組を見終わって、私は鎌倉の世界遺産化は近いと感じました。ひょっとしたら彦根城より早いのではないでしょうか。

それから、熊野古道の世界遺産化も、中国や韓国がどこかの巡礼道を申請する前に日本が申請した方がいいので、これも案外早く申請するような気がします。どうも高野山と熊野古道との調整が難航しているみたいですが、日光東照宮と輪王寺の調整が遅れたようなことが今回もないように、経験を生かし、速やかな対応をすべきと考えます。石見銀山や平泉はそのあとでもねらえます。優先順位は高野山・熊野古道が第一と考えます。


私の目玉物件は・・・ 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 3日(日)01時58分55秒

収斂さん>
今回の新登録物件の中で私から見た目玉は、マレーシアの「キナバル公園」です。今までカリマンタン島に自然遺産が1つもなかったのは本当に不思議でした。中でもキナバル公園は絶対世界遺産になれると思い続けていただけに、登録されて嬉しいです。
以前収斂さんも書かれましたが、だいたいあの辺の熱帯林というのは、ちょっとでも環境が違ったり緯度経度が違ったりすれば、ヨーロッパの文化遺産のように次々と自然遺産に登録されてもおかしくない場所です。もちろん、保存状態の良さは考慮に入れるべきですが。将来、カリマンタン島のインドネシア側やスマトラ島、スラウェシ島、ニューギニア島などからも、数件ずつの自然遺産が登録されれば良いですね。


この前私が書いたウルバヌス8世の城壁というのは、ヴァティカン市国に端を発して南へ伸び、ジャニコロの丘を経て東へ向きを変えテヴェレ川に至る、トラステヴェレ地区を囲む壁のことでした。(←地図が無いと分かりにくい…すみません)。日本のガイドブックを見ると、これはアウレリアヌスの城壁の一部ということになっています。
ローマの世界遺産登録物件の一覧みたいなものは探しても見つかりませんでした。ユネスコのHPにも無いです。


新規登録物件の第一印象 投稿者:収斂  投稿日:12月 2日(土)20時31分37秒

涙化粧さん>
はいらんだぁさん>
waadiyさん>
皆様、はじめまして。今年の世界遺産登録件数は例年になく多いものでした。今まではだいたい40から50いかないくらいでいたから、一度に61件は過去最大でした。個人的に今年の目玉物件は中国の龍門石窟、明・清王朝の皇帝墓群、ベルギーのブルッヘ歴史地区、イタリアのアッシジの聖フランチェスコのバシリカとその他の遺跡群、ブラジルのパンタナール保護区群、蘇州の古典庭園の拡大登録、等と考えております。なかでも中国にはまだ世界遺産に指定されていない秀作が多く、今後が楽しみです。

また興味深いのは、ベルギーの建築家ヴィクトル・オルタの主な邸宅建築はアール・ヌーヴォー様式の典型、オランダのリートフェルト・シュレーダー邸は近現代の住宅建築の原型としてバウハウスにも劣らない秀作です。味気ない形をしてますが、(世界遺産としては)申し分ないのでしょう。

浦に〜とさん>
メーヌとシュリー=シュル=ロワールの間のロワール峡谷とシャンボール城は今後どうなるのか私も詳しく分かりませんが、ロワール峡谷の文化財とシャンボール城は登録基準が違う点をみると、組込まれたとしてもシャンボールの独自性は別件で残すのではないでしょうか。具体的にどのような城郭がロワール峡谷の文化財として該当しているのかは詳しく知りませんが、この周辺はもっともフランスらしい風景と珠玉の城・宮殿の宝庫ですから、おそらくブロワ、シュノンソー、ランジェ、アゼ・ル・リドーのような城が指定されているのでしょう。私はここにシャンボール城のように基準(1)がない方がむしろ不思議な感じがするくらいですが、その点について真っ先に考えたことは、これはフランスの芸術レベルが高いからであって、仮にこれらの城郭がフランス以外の国にあったとすれば間違いなく基準(1)が来ていたのではないでしょうか。それかシャンボールと差別化するために、あえて基準(1)を申請しなかったのではないかとも考えましたが、どうでしょう。
文化(1)にのみ該当する世界遺産がタージ・マハルだけになってしまったという指摘は面白いですね。というか、そもそもタージ・マハルが文化(1)のみということ自体、なんかの大間違いでして、今再評価するなら(1)(2)(3)(4)(6)くらいはいくでしょう。エジプトのピラミッドやテーベとか、ゴシックの王者アミアン大聖堂とか、紫禁城などは該当基準が少なすぎますよね。こういう心憎い事実を見せつけられると、思わず「シブイ!!」ってツッコミをいれたくなります。

最後に・・・・
はいらんだぁさん>
大阪の「通天閣とその周辺の街並み」が世界遺産ですか? はははー。じつは私も学生時代豊中市の石橋・蛍池周辺に住んでいたことがあり、自転車で新世界まで見物に行ったことが2、3回あるので言わせてもらいますが、はっきり言って無理です。だって町並みを保存する気運がないでしょう。たまたま古くなった家が多いだけで、儲かればそそくさと新築しそうな町じゃないですか(言い過ぎてすみません)。もし世界遺産になりたければ、今の風景を100年以上変えないで守る。それも内装も含めて完璧に守る。そういう努力をしないで世界遺産化なんていうと、ヨーロッパの人ばかりでなく、町並み保存に積極的なアメリカ人からも笑われますよ。
大阪にはすさまじい超一級の物件があるじゃないですか!! 大山古墳や誉田山古墳といった超巨大前方後円墳ですよ!! あれは日本の文化財の無冠の帝王と思います。最強物件です。申請すれば間違いなく登録できます。登録基準は(1)、(3)、(5)、(6)くらいが該当するものと思われます。ただこういった古墳も都市化の影響で小さな陪塚のあまりに多くが破壊されたのは残念です。
大阪に限らず、もし我が町の世界遺産化を推進するなら、全住民が保存のために協力しなくてはいけない問題は多く、数世紀先の未来を考えた都市計画をしなくてはいけません。農地や里山の保存などもそうです。日本もそういう時期に来ていると思います。


裏世界遺産の数 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 2日(土)19時39分57秒

今回の新登録遺産決定によって、当ページで“裏世界遺産”として紹介している 192物件の中から 18件が登録されました。一方で今年新たに 17件が“裏世界遺産”になり、合計数は 191です。
これらを踏まえた調整や更新は来週までに行なう予定です。

waadiyさん>
はじめまして。実は私も「モヘンジョダロの考古遺跡」が世界遺産になっていて「ハラッパーの考古遺跡」が登録されていない理由がはっきりとは分かりません。世界遺産委員会の報告書も最近はずいぶん詳しく討議内容を掲載していて、何故登録されたのか、又されなかったのかが良く分かります。しかし最初の数年間はそういった記載が無く、本当に、何故ハラッパーがダメなのか分かりません。私は、同じインダス文明の同じような都市遺跡として、より優れたモヘンジョダロだけを登録すればそれで充分だと判断されたのでは? などと勝手に推測してます。
しかしハラッパーからも、モヘンジョダロに無い貴重な遺構や証拠品が出てきているようですね。


初めまして 投稿者:waadiy  投稿日:12月 2日(土)15時42分33秒

 初めまして。
 「世界遺産」を検索していて、たどり着きました。
 「裏世界遺産」が楽しかったです。何故「モヘンジョダロ」が世界遺産リストに入っていて、「ハラッパー」が入っていないのかが、少しは分かりました。でも、本当のところはよく分かりませんけど。
 では、さようなら。


新登録遺産「ハイ・コースト」 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 1日(金)23時02分56秒

当ページで裏世界遺産として紹介していたスウェーデンの「ハイ・コースト」も遂に登録されました。しかし今回登録されたものを見ると、どうやらウチで紹介してる物とは全然別物のようです。まずその所在地からして全然違いました。
ということで当ページで紹介しているハイ・コーストに関しては、私の勘違いでした。
ご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます。m(_ _)m


新登録遺産「メーヌとシュリー=シュル=ロワールの間のロワール峡谷」 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 1日(金)22時47分12秒

今回登録された「メーヌとシュリー=シュル=ロワールの間のロワール峡谷」に、なんと「シャンボールの城と領地」が組込まれてしまいました!! しかも登録基準は(2)(4)。これによりシャンボール城の影が薄くならなければ良いのですが…。収斂さん、これで文化(1)にのみ該当する世界遺産は「タージ・マハル」だけになってしまいましたよ!!

私は、シャンボール城だけを別個登録にしたままでも良いのではないかと思いますけど。
フランスに限って言えば「モン・サン・ミシェルとその湾」「ヴェズレーの教会と丘」「アルルのローマおよびロマネスク様式の建築群」「アミアン大聖堂」「ブールジュ大聖堂」の5件は、「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」にも登録されている、いわばダブル登録ですからね。シャンボール城もそういう風にしても良かったのではないか、というのが素人の見解です。

ちなみに1981年に「シャンボールの城と領地」が登録された際すでに、ロワール峡谷にある他の城館や宮殿が追加される可能性が言われてましたので、19年越しにその通りになったという訳です。


世界遺産委員会速報[新登録は61件] 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 1日(金)21時41分18秒

今回登録された世界遺産は 61件です。内訳は文化遺産 50件、自然遺産 10件、複合遺産 1件です。これにより合計数は 690件となりました。それにしてもイッキに 61件も登録されるとは。驚きです。
また、既に登録されている遺産のうち 5件の拡大登録と、1件の該当登録基準変更も行なわれました。

今回初めて世界遺産を持つこととなった国はアゼルバイジャン、マレーシア、スリナム、ニカラグアの4か国です。


琉球王国のグスクおよび関連遺産群新登録 投稿者:浦に〜と  投稿日:12月 1日(金)19時36分12秒

涙化粧さん>
収斂さん>
「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」世界遺産に登録されましたね。日本で11件目です。今までの本土の宗教建築群とは違う形態の物として重要な意義がありますね。
いつか沖縄の城郭遺跡も見に行きたいです。

琉球登録は大々的に取り上げられているのに、今回新登録されたのはいくつだったんでしょうか?
それに危機リストの報道も見かけませんね。私はザビドの危機リスト記載には驚きました。イエメンの世界遺産では「サナア旧市街」と「シバームの城壁旧市街」の2件の方が、土の高層建築の荒廃などの危機に瀕していると思っていましたし、ザビドの建築の現状は全く知りませんでした。


はいらんだぁさん>
確かに動産は世界遺産に登録できません。しかし世界遺産条約の規定では、色々な動産の組合せで文化遺産は成り立っているというような記載がありますから、世界遺産登録には建築物だけでなく、そこにある数々の動産文化財が考慮されているのは間違い無いです。

ユネスコは3年前に無形文化財の世界遺産とも言うべき「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」条約を採択し、これは来年から実地されます。その目的は世界中の様々な無形文化財の保存と発展を促すことで、2年毎に各国1件の申請・登録がなされるようです。日本は来年の登録を目指して「能楽」の申請を行ない、今後10年以内の登録を目指し「歌舞伎」と「人形浄瑠璃文楽」の暫定リスト記載を行なうそうです。

ところで私も、地元の隅田川周辺が世界遺産になれたら、なんてとんでもない妄想を持っていた時期がありました。(今でも少しだけ思っている)。「隅田川の橋梁群と両岸の下町地域」とかいう名前で、ずーっと先に世界遺産になれればなー、なんて。まあそれは突拍子も無い飛躍ですが、古い家屋や地名は守ってほしいものです。


琉球の遺跡登録ゲット!( 正しくはgot ) 投稿者:はいらんだぁ  投稿日:12月 1日(金)15時17分20秒

はじめてここに来ました。「ニッポン金!」じゃないけれど・・・古都奈良の文化財、日光の社寺そして今回の登録は(ヤマトンチューとしても)とても感激です。

ところで少しお訊きしたいのですが、ユネスコ世界遺産の場合「建造物」や「地域」が対象で、例えばツタンカーメンの棺とか玉虫厨子とか様々な仏像など "持ち運びのできるもの(「動産」というか)" は対象に含まれませんよね?
それと日本では重要文化財以外にも何処そこのお祭りとか何々の儀式といった「重要無形民族文化財」というものがありますが、世界文化遺産にはそういったものはないのでしょうか?・・・例えば "アイリッシュダンス"とか "ナーダムの祭り(だっけ?)"とか中国・台湾の"京劇"などは世界的に守っていく価値が充分にある「人類の遺産」だと思います。(もしできれば青森の「ねぶた祭り」も是非入れてほしい!)

私は大阪出身なので地元の「通天閣とその周辺の街並み」が日本の111番目の世界遺産にでも登録される日を密かに待っているのです・・・ではまた。


続き 投稿者:収斂  投稿日:11月30日(木)22時23分31秒

またまた大きなニュースが来ましたね!!やっと琉球王国の遺跡群も世界遺産になれました。この調子で、いずれ円覚寺も再建して欲しいです。いや、ほかのグスクも、例えば浦添城や具志川城、安慶名城、知念城、伊是名城なども修復したりして追加登録できればいいですね。

以前にも書きましたが、私は沖縄に行ったことがあります。今から3年か4年くらい前です。目的は世界遺産に指定されそうなグスクの見学でした。当時はそれだけの目的で行く人は少なかったんじゃないかと思いますが、今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門、ほかに金城町石畳も行きました。しかし3泊4日ではやっぱり時間が足りませんでした。街の印象は、日本と文化が違うとはっきり感じられてとても面白かったです。ただ当時はまだ世界遺産化はそれほど盛り上がっていなかったような感じでした。案内板のようなものも少なく、中城から座喜味城跡に行くとき道に迷ったりしましたしね。多分今は整備が進んでいるでしょう。またいつか行ってみたいです。

沖縄は台風の影響から、住宅の多くが頑丈なコンクリートで出来ています。だから那覇市内を回っても、昔ながらの赤い琉球瓦の民家はほとんど見られず、むしろギリシャ・エーゲ海の民家を見るみたいに、家々が真っ白なコンクリートの壁で色調が統一されています。近くから見ると汚れも目立つのですが、遠目には意外なほどなじんでいました。沖縄はまだまだ土地がありますから、計画的な都市計画を行政に願いたいです。ほかに記憶にある思い出としては、首里城の近辺が、金城町の石畳の続く辺りを除いて、全体的にごみごみ建て込んでいます。あそこを何とかして欲しいですね。古都首里を完全復元できないものでしょうか? 世界遺産化がその契機となって欲しく思います。100年くらいかけて、戦前の美しい街を再生していけたら素晴らしいですね。


祝! 琉球王国の遺跡群世界遺産登録実現!! 投稿者:収斂  投稿日:11月30日(木)21時49分41秒

今帰仁城跡(今帰仁村)、座喜味城跡(読谷村)、勝連城跡(勝連町)、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門(ソノヒヤンウタキイシモン=那覇市)、玉陵(タマウドゥン=同)、識名園(同)、斎場御嶽(セーファウタキ=知念村)


琉球王国関連遺産群 投稿者:涙化粧  投稿日:11月30日(木)12時53分35秒

はじめまして。
めでたく、日本の11番目の世界遺産として登録されるみたいですね。

あと、平泉や石見銀山跡を暫定リストに申請するとか。


世界遺産委員会速報[危機リスト新記載物件] 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月30日(木)00時20分47秒

11月27日からオーストラリアのケアンズで開催されている第24回世界遺産委員会の速報です。
本日(正確には日付変わって昨日)、危機にさらされている世界遺産リスト(以下、危機リスト)の追加遺産3件が発表され、これにより危機遺産数が30件になってしまいました。
記載物件は以下の通りです。(世界遺産センターのHPを参照しました)


古都ザビド(イエメン・文化遺産)
13世紀から15世紀までイエメンの首都だったザビドは、イスラムの大学都市として数世紀にわたりアラブ・イスラム世界における特に重要な都市であった。今日この都市の保全は下降気味で、不十分極まりないものとなっている。現地視察団は都市の遺産の重大な劣化を認めた。およそ40%の住居がコンクリートのビルに置き換わっていて、それ以外の住居や古代のスーク(市場)も状態は良くない。イエメン政府はこの保存を促進するため、ザビドを危機リストに記載するよう求めた。

ジュジ国立鳥類保護区(セネガル・自然遺産)
セネガル川デルタ地帯に位置するジュジ国立鳥類保護区は、面積160平方kmの湿地である。ここは水生植物(Salvinia molesta)の侵入という危機にさらされていて、セネガル川を越え隣国モーリタニアのDiawling国立公園にまで侵入している。南アフリカ産の甲虫を放した生物的駆除法が今年6月から行なわれているが、不充分である。作業を容易にし経済的援助を求めるため、危機リストへの記載が決定した。

ラホールの城塞とシャリマール庭園(パキスタン・文化遺産)
ここの庭園は3段のテラスの上に作られ、小屋、滝、巨大な池をともなっている。そこに水を供給する375年前に建設されたタンクが、庭園の南を走る道路の拡張によって、1999年6月に破壊されてしまった。庭園周囲の城壁もまた状態は良くない。この遺産は損害が認められ、危機に直面していることから、委員会は危機リストに記載することを決めた。


参考までに、ジュジ国立鳥類保護区は1984〜1988年の間も危機リストに記載されていました。その時の記載理由はダム建設でした。


ローマの世界遺産指定地 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月27日(月)23時25分13秒

収斂さん>
フォローありがとうございます。
白神山地と同じ種類の保護区は10箇所ですか。
4箇所だなんて、とんだ記憶違いでした。
失礼しました。

さんちぇさん>
難題ですね。ローマなどの都市遺産の場合、都市全体が世界遺産になっているのか、それとも個々の建築物を名指して登録し、それ以外は緩衝地帯としているのか不明です。ローマに関しては1990年に世界遺産登録地が拡大された時、ウルバヌス8世の城壁(?)まで範囲が広げられたので、その内側にあるのは全部世界遺産指定区域であると捉えて良いのではないかと思います。しかしこの城壁、一体何処にあるのか分かりません。「地球の歩き方」とか見ても載ってなくて…。
私も真実の口は世界遺産になってないと思います。しかし確信がありません。

ところで、以前私は「ヴァティカン市国」と「ローマ歴史地区、教皇庁直轄領、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」の両者って登録地域かぶっているのでは?というようなことを書きましたが、これの答は否です。
イタリア領のローマ市街にあるバチカン領の教会や建築物を指して「教皇庁直轄領」と言ってるのであって、これはバチカン市国を指すものではありません。私の思い過ごしでした。以前から書こうと思っていた物をずっと放ったままになってました。


真実の口・・・。 投稿者:さんちぇ  投稿日:11月26日(日)23時52分25秒

はじめまして!すごく基本的な質問なのですが、ローマの真実の口って世界遺産に登録されてますか?たしかされてませんよね。気になってしょうがない今日この頃です。是非教えてください!!


自然保全地域 投稿者:収斂  投稿日:11月26日(日)17時33分58秒

自然保全地域には原生自然環境保全地域と自然環境保全地域とがあります。

<原生自然環境保全地域>
北海道の遠音別岳、十勝川源流、静岡県榛原郡本川根町の大井川源流、小笠原諸島の南硫黄島、屋久島の5件です。

<自然環境保全地域>
北海道島牧郡牧村の大平山ブナ天然林と石灰岩地植生、青森県の白神山地、岩手県下関伊郡川井村の早地峰高山植生と蛇絞岩地植生とアカエゾマツ天然林、岩手県和賀郡沢内村の和賀岳のブナ・ミヤマナラ天然林・ハイマツ群落、栃木県黒磯市の大佐飛山のブナ・オオシラビソ天然林、群馬県利根郡水上の利根川源流、愛媛県新居浜市、西条市、高知県土佐郡本川村のブナ・シコクシラベ天然林、熊本県播磨郡上村の白髪岳の南限ブナ天然林、鹿児島県肝属郡の稲尾岳のイスノキ・ウラジロガシを主とする照葉樹林、沖縄県八重山郡竹富町崎山湾のアザミサンゴの大群体の10個です。(このうち愛媛県新居浜市、西条市、高知県土佐郡本川村のブナ・シコクシラベ天然林は合同で一件となっています。)

それと関連して国設鳥獣保護区と特定鳥獣生息地というものもあります。

<国設鳥獣保護区>
大雪山、十和田、浅間、白山、大台ケ原、剣山山系、大山、石鎚山系、霧島の9件です。

<特定鳥獣生息地>
知床(北海道)、釧路湿原(北海道)、下北西部(青森県)、大潟草原(秋田県)、森吉山(秋田県)、大鳥朝日(山形県・新潟県)、鳥島(東京都)、小笠原諸島(東京都)、小佐渡東部(新潟県)、北アルプス(富山県、長野県、岐阜県)、西南(高知県)、伊奈(長崎県)、湯湾岳(鹿児島県)与那国(沖縄県)、西表(沖縄県)


紀伊山地は文化遺産だそうです 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月26日(日)11時57分01秒

和歌山県の方から聞いた話ですが、今回の「紀伊山地の霊場と参詣道」は複合遺産ではなく文化遺産となるそうです。また吉野山は入るのか等、詳しい指定範囲は未定でとにかく「道」が中心に据えられた文化遺産となるそうです。

収斂さん>
中尊寺金色堂の影響力ってどれくらいだったんでしょうかね。文化(2)や(4)の適用も、解釈の仕様で色々異なるでしょうね。登録されている世界遺産の登録基準の適合を見ても、かなりいい加減だと思わせる場合もありますし。
以前私が書いた「紀伊山地の霊場と参詣道」に文化(3)が合致するのではないかとした理由は、考え様によっては(6)の該当理由にも受け取れますね。ちなみに(2)(4)は重要な建築的証拠として、(5)は山上に築かれた宗教都市ということで、主に高野山を意識して合致させました。
山原(やんばる)は既に国定公園指定だと思いますが... 国立公園じゃないと不味いんでしょうかね。白神山地は国立公園・国定公園のいずれの指定も受けていないですし。(確か)替わりに日本で4箇所ほどある自然保全地域ということになってますよね。

池彼方さん>
裏世界遺産情報、それも全く不明の物件の情報を下さりありがとうございます。ジーシェンという地名は私が確認しただけでも中国に5箇所あり、どれを指すのかさえ不明でした。私は地形図を見ながら、勝手に天津市の薊県がそれらしいなー、なんて思っていたもので・・・。
本当に助かりました。



薊県? 投稿者:池彼方  投稿日:11月24日(金)23時46分54秒

裏世界遺産のうちの中国のジーシェンは薊県で間違いないと思います。
場所は北京市から真東へ70kmに行ったところで
薊県中上元古界地質剖面という国家重点自然保護区があります。


しょうもないことですが・・・ 投稿者:収斂  投稿日:11月24日(金)19時29分06秒

たった今面白いニュースを知りました。
下に書いた平泉町の町長が飲酒運転で警察に捕まり辞表を提出したそうです。(^^;
ただそれだけですが・・・・・・(溜息)


世界遺産情報 投稿者:収斂  投稿日:11月23日(木)15時56分06秒

平泉の登録運動を前もって察知できなかったことはとても残念でした。そう思って探したのですが、やはり見つけられませんでした。一応、平泉町のHPアドレスを教えておきます。ここには暫定リスト登録を歓迎する町長の挨拶が載っていますが、以前から運動していたような内容は書いていません。

http://www.town.hiraizumi.iwate.jp

浦に〜とさん>
平泉の登録基準に(2)を予想したのは、建物全体に黄金にするという発想が、京都の鹿苑寺金閣に、多少影響しているのではないでしょうか。またマルコポーロの東方見聞録にはジパングを黄金の国と紹介していますが、一説には、その伝承が生まれたのは中尊寺かもしれないなんていう話まであります。私は基準に(4)が来てもいいが、(2)が来てもいいのではないかと思いますがどうでしょう。ただ毛越寺庭園については考えていませんでした。あれは最近の発掘で庭園だけが復元されたものですから、(3)は妥当な判断だと思います。そう思って全体的に考察した結果、たしかに奥州平泉の文化に(3)が該当していいかもしれないと思いました。

それと新しく発見した世界遺産登録運動物件を紹介しておきます。

摩周湖
http://www.hamanasu.or.jp/masyuko/tesikaga/sekaiisan/sekaiisan.htm
四国の遍路道
http://www1.pasutel.co.jp/senyuzi/isan/isan.html
http://www.kushima.com/henro/news/0006181.htm

また先日新聞で知ったのですが、沖縄北部のやんばるの森を世界遺産に登録しようという動きがでているそうです。しかし世界遺産に登録されるにはその国が保存する義務があるため、まずここを国立公園に指定して、それから具体的な運動に入るのだそうです。

同様に鹿児島県も奄美諸島を世界遺産に推薦しようという動きがあるそうです。詳細はまだ分かりません。屋久島の追加という形を取るのか、沖縄のやんばるの森と合体させるのか、それとも独自で指定を目指すのか。詳しいこと判明すればまたここに書きます。ではでは


姫路城訂補 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月21日(火)19時26分17秒

日本が推薦した当初の「姫路城」の該当基準は文化(1)(3)(4)でした。しかし実際の登録の際には、(1)と(4)に該当することが認められたのです。当初の推薦書に書かれた基準と、実際登録された時の基準が違うケースって結構ありますからね。
日本の遺産でこのようなケースは「姫路城」の他に「古都奈良の文化財」がありますね。こちらは当初、文化(2)(3)(4)だったのが、登録される時に(6)も追加されたというものです。


画像提供宜しくお願いします 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月21日(火)17時05分24秒

じょび。さん>
はじめまして。このページは画像がほとんど無いので、提供して下さるのでしたらとても嬉しいです。画像は一応全部の裏世界遺産に関して募集していますので、もし宜しければ私の方までメールで添付して下さい。お願いします。
また各コンテンツで私の意見が出てるところは、ちょっと主観的すぎるかもしれませんね。
今では欧州偏重に関しては、何としてでも改善すべきというより、むしろ止むを得ないと思っています。ヨーロッパの文化の集積はあまりにもすごいです。

収斂さん>
あのニホンオオカミは本当なんでしょうか。写真だけでは同定は難しい、というか不可能なようにも思えますが・・・。それにしても、高知かどっかのニホンカワウソは糞などの痕跡が稀に見つかったり、それらしい動物を見たという断片的な情報がある程度なのに、今回はいきなり写真で、しかもあんなに写りが良いですからね。ニホンオオカミの目撃談は最近全然無かったと思いますし(私が知らないだけかもしれません)、そういう事を考えると不思議で、本当に唐突の出来事ですね。


ニホンオオカミ発見か? 投稿者:収斂  投稿日:11月21日(火)01時31分20秒

多分ご存知でしょうが、九州の山奥で北九州にある小倉西高校の校長先生がニホンオオカミらしき生き物の鮮明な写真を撮ったそうです。もしこれが本物なら世界的ニュースです!!!
すぐに帰ってテレビ見たいのですが、先日といい、今回といい、私の時間が無い時に限って、こんなでかいニュースが飛び込んできます・・・ (ToT) 
この話題については、暫定リストの議論が終わってから、また話しましょう。

じょびさん>
はじめまして。収斂(しゅうれん)です。画像の件を快諾していただきましてありがとうございました。世界遺産を50件も巡られたとはすごいですね。私が行ったことのある外国の世界遺産は、フランスのアルケスナンと、スイスのベルンと、韓国の慶州しかないんですよ。しかも慶州を行ったときは世界遺産の知識がない10年くらい前のことですから、肝心なものかなり見落としました。残念です。やはりなるべく調べてから行く方がいいですよね。そのときこのHPがお役に立てれば幸いです。よければどんなところを回られたか具体的にお聞きしたいです。今後も情報をお待ちしています。またいらしてください。


拙者もびっくり。 投稿者:じょび。  投稿日:11月20日(月)02時38分52秒

 いやぁ、驚きました。TBS「世界遺産」がなぜか「お気に入り」から消え、検索で探そうとしたところ、偶然、このページを見つけました。
 しかし、偶然とはいえ、見つけて、本当によかった。おもしろい! すごい!ってとこです。
 世界遺産に興味のある拙は、講談社の図鑑から年報、TBSの番組の大部分のビデオ(最近3年はすべて)と、いろんな情報を集め、そんでもって、毎年2回遺産巡りの旅に出ています。
 とはいっても会社員なので冬7日、夏12日が限度ですが。
 今年はフランスへドライブに行き14カ所を回ってきました。これでやっと50カ所を越えました(ユネスコ本部にも行ったが、土曜で閉まっていた)。
 とはいえ、このページの世界遺産への考え方(「裏」や欧州偏重傾向など)には、同意するものばかり。半分「観光」気分でいた拙に「喝」を入れてくれました。
 拙は、仕事柄写真にはやや自信あり。写真の少ないサイトなので、もし今後写真が必要になったら、著作権を気にすることなく提供できます。イギリス・米国・ベトナム・タイ・カナダなど。
 そうそう、湖水地方は、天気が悪かったのでいまいちですが、「とりあえずの画像用」には提供できます。コンウィ・メナイ橋は渡ったので、写真を撮ったかもしれません。探しときます。
 というわけで、ここの掲示板は「長い」文章が多く、最後まで読めないよ、と思っていたのに、拙も長く書いてしまいました。失礼。



私見・暫定物件に該当する登録基準 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月20日(月)01時02分53秒

収斂さん>
日本もヨーロッパのようにすれば、多分吉野山も高野山も、熊野古道も別件になっていたでしょう。今回の紀伊山地の場合、吉野山や大台ケ原が含まれるかは今の所不明です。もしそれらが包括されたとしたら、その共通項として熊野信仰に係わっていた点は十分考慮されるべき大きな事柄でしょう。それに、吉野も大台ケ原も自然信仰という形をとっていて、その点も共通していると解釈できます。そしてこの物件は日本で最初の文化的景観として登録されるかもしれません。

次に該当する登録基準に関して。
私は偉そうなことを言えるほど今回の3物件に関して詳しくないです。これまでの記憶と、今回少し調べた内容を考慮して以下の文を書きます。あまり信頼性が無い、主観的な意見であることをご了承下さい。反対意見等ありましたらお聞かせ願います。

平泉の文化遺産 ---- (1)(3)(4)
文化(1)が該当するのは中尊寺金色堂の存在によります。(4)が当てはまるのは、毛越寺庭園が平安時代の庭園として今や京都でも見られない保存状態の良さを示していることから、平安時代における庭園美術の典型としてです。また遺構が少ないとはいえ中尊寺も平泉文化の典型として、これに当てはまると考えました。(3)は、平泉の建築物群は古代末期の日本の地方文化圏における、貴族文化の再現に派生して固有の特色を得るにまで至った、失われた平泉文化の唯一の証拠であるとして合致させます。
(2)が当てはまらないのは、平泉の文化財は後の文化発展に大きな影響を与えなかったのでは?と思ったからです。実際、どうなんでしょうか。この点に関しては分かりませんでした。

紀伊山地の霊場と参詣道 ---- (2)(3)(4)(5)(6)
まず文化遺産の登録基準(3)は、「現存する又は既に消滅した文化的伝統または文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示しているもの」となっていて、古代遺跡に限られたものではありません。ところが文化(3)が該当する世界遺産はほとんど全て、古代遺跡もしくは過去の文明の産物ということになっています。私がこの物件に(3)を該当させたのは、古代から中世、そして近代・現代まで続いた熊野詣という信仰を示しているとしたからです。
ここで少し文化(3)について考えてみますと、例えば「法隆寺地域の仏教建造物」は飛鳥文化の建築物の代表例であるばかりか、当時の姿を保った唯一の証拠として、充分に文化(3)を満たしているように思えます。ヨーロッパの中でもイタリアは文化(3)の適用が目立ちますが、積極的にこの基準を使おうと思えば、法隆寺と同じ理由で「姫路城」や「日光の社寺」にも文化(3)が当てはまったかも知れません。

石見銀山遺跡 ---- (3)(4)
これは「遺跡」と名乗っている時点で文化(3)は間違いないですね。私が(4)を付けた理由は、日本における鉱山都市としての姿を示している物だからです。ニュースでも、中世から近世の銀山の全容が分かる遺跡という記述がありましたので、(4)に当てはまると思いました。
日本の文化は大陸のものに礎を置いているとはいえ殆どが固有のものなので、その点「日本独自」ということを強調すれば世界遺産に登録されやすいと言えると思います。あとは推薦書の書き方次第、ということにもなりましょうか。


紀伊山地の文化財ということは・・・ 投稿者:収斂  投稿日:11月19日(日)17時59分52秒

浦に〜とさん>
ご指摘ありがとうございます。ということはこれに吉野山が入る可能性は十分考えられます。私は吉野山は単体で世界文化遺産か複合遺産じゃないかとも考えていました。というのは、蔵王堂もたしかに素晴らしいのですが、吉野の重要な特徴である桜は自然遺産ではなく、むしろ文化遺産としての性格が強く感じられるからです。ただ数万本の桜の植林は外国の感覚から言えば自然遺産の範囲とみなす方が一般的な気もします。紀伊山地の霊場と参詣道にはたして吉野が入るのが妥当どうかはわかりませんが、紀伊山地に残る文化遺産という視点からみれば、含まれても不思議ではありませんね。
ただ問題なのは、個々の物件が離れすぎていて、熊野古道を除いてみれば、むしろ共通項が少ないように思えるのです。奈良は法隆寺と奈良の文化財の別件登録をしましたが、そういう手法をとれば、当然高野山、熊野三山、吉野は別個の性格・歴史を持っていますから別件がふさわしいように思えます。熊野古道や紀伊山地という共通項だけでひとくくりできるものか、その辺に問題を感じました。

 <登録基準の相違点についての個人的主張・見解>

平泉
(1)が該当するのは中尊寺の存在からほぼ間違いないでしょう。本当は(2)ではなく(4)を付けたかったのですが、平安時代の建築がほとんど残っていないことを考えると、宮島の(2)に近い理由で(2)を選びました。(3)はどうですかね? 奥州藤原氏の文化がはたして滅び去った文明かというと、そうではないように思えます。そもそも日本には(3)はほとんどないと考えていいのでは・・・・?

紀伊山地の霊場と参詣道
相違点の(3)ですが、これも熊野詣や霊場が完全にすたれたわけではないから該当しないように思います。ただ、末法思想が吹き荒れる平安時代末期のような大規模な参詣は今はありません。その当時をしのばせる文化に重きを置き、そういう霊場だったとしてみれば、(3)は入るかもしれません。個人的には基準を五つも満たす文化遺産が日本に一個くらいあればいいのにとかねがね思っていましたからこれが満たされたらうれしいのではありますが。それ以外の基準設定理由は、多分私も浦に〜とさんも同じでしょう。

石見銀山遺跡
大きく評価が分かれましたね。(3)は江戸時代の銀採掘がすでに今はやっていないことから正しいでしょう。私はこれに(6)を加えたいのです。石見の銀が世界の流通に多大な影響を与えましたが、鎖国政策をとっていた近世の日本ではこれは希有の事件です。またこの場所をめぐり戦国武将が激しく抗争した歴史的事実をみても、(6)が来ていいのではないかと考えました。
それともし(4)が来るとしたら、これは現在の大森地区の木造住宅をさすのでしょうか? たしかに伝建地区に指定されていますが、少し新しすぎる感が否めません。むしろある文化を特徴づけるような集落や際立った土地利用の一例である基準の(5)を持って来るのはどうでしょうか。


対象範囲が気になります 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月19日(日)11時49分45秒

収斂さん>
今回暫定リストに記載されたのは“紀州の”ではなく、“紀伊山地の”霊場と参詣道となっていて、その範囲は奈良・和歌山・三重の3県にまたがります。
三重県にも熊野古道の一部がありましたっけ? それに、なぜ奈良県が入ってるのでしょうか。奈良県が入ってるということは、もしかして吉野山も入ってるのでは? それに大台ケ原も。吉野山・大台ケ原はともに、紀伊山地にあってしかも宗教的な意味合いがあり、正に「紀伊山地の霊場と参詣道」といった場合当てはまります。本当のところはどうなんでしょうかね。複合遺産を目指しているのかなども踏まえて大変気になるところです。

石見銀山のHPは軽く見てみました。ここは当時の建築物が残っていないとはいえ、それはそれで、考古遺跡として推薦すれば大丈夫なのかも知れないですね。そうなると登録基準の(3)にしか当てはまらないような気もします。
それに文化財保護審議会は地元の世界遺産誘致とは特に関係無いはずですから、客観的に冷静に今回の3物件を選定したのでしょう。ちなみに先ほど平泉について検索してみたところ、どうやら以前から世界遺産化運動をしていたようです。

私も勝手に登録基準を予想してみると、

平泉の文化遺産 ---------- 文化(1)(3)(4)
紀伊山地の霊場と参詣道 -- 文化(2)(3)(4)(5)(6)
石見銀山遺跡 ------------ 文化(3)(4)

となります。


ついでに 投稿者:収斂  投稿日:11月18日(土)21時51分15秒

石見銀山は詳細をよく知らないので、調べて感想を書きます。以前送った石見銀山のHPを知らせます。

http://www.joho-shimane.or.jp/chushou_comp/silver/
http://ohda.iwamigin.or.jp/shokokan/home/index.html


紀州の霊場と巡礼道 投稿者:収斂  投稿日:11月18日(土)21時45分07秒

紀州の霊場と巡礼道の該当物件は、高野山と熊野古道、熊野三山、および周辺の史跡と古社寺の、いわば無敵の連合物件となるでしょう。ひょっとしたら那智の滝も入れて複合遺産もねらえる物件です。世界遺産のレベルの高さを如実に示す最強タッグに感じます(私も興奮しております)。以下に、高野山に限定した国宝、史跡を示します。重文は入っていなくてこのすごさ。まばゆいくらいですね。

史跡 金剛峰寺境内
国宝 金剛峰寺{(絵画)絹本著色仏涅槃図、絹本著色善女龍王像 定智筆、(彫刻)木造八大童子立像 恵光、恵喜島倶婆 清浄比丘 衿羯羅制 木造諸尊仏龕(附として銅製厨子)、(書跡)金銀字一切経(中尊寺経)(4296巻)法華経、巻第六(色紙)、聾瞽指帰 弘法大師筆、(古文書)宝簡集 五十四巻 続宝簡集 七十七巻 6冊 又続宝簡集 百六十七巻 9冊、(工芸品)沢千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃、(建造物)金剛峰寺不動堂 }
国宝 金剛三昧院{(建造物)多宝塔}
国宝 金剛峰寺有志八幡講十八箇院{(絵画)絹本著色阿弥陀聖衆来迎図、絹本著色五大力菩薩像}
国宝 蓮華三昧院{(絵画)絹本著色阿弥陀三尊像}
国宝 龍光院{(絵画)絹本著色伝船中湧現観音像(1幅)、(書跡)大字法華経(明算白点本)、紫紙金字光明最勝王経}
国宝 遍照光院{(絵画)紙本著色山水人物図}
国宝 普門院{(絵画)絹本著色勤操僧正像}
国宝 宝寿院{(書跡)文館詞林残巻}
国宝 正智院{(書跡)文館詞林残巻}
国宝 三宝院{(書跡)不空羂索神変真言経}
名勝 天徳院庭園

これは法隆寺に匹敵します。高野山単体で十分世界遺産になれます。しかしそうすると熊野三山や熊野古道はもれる可能性が高くなります。一括した方が登録の可能性は高いし、指定基準の数も多くなるし、観光効果も大きいと判断したのでしょう。


暫定リスト更新の感想 投稿者:収斂  投稿日:11月18日(土)21時09分05秒

遅くなってすみません。収斂です。
暫定リスト更新、まずは該当物件におめでとうと言いたいですね。
予想もしなかった平泉と石見銀山の暫定リスト追加のニュースは、考古学捏造で大揺れの東北地方では、おおむね好感をもってマスコミ各社が取り上げています。同様に特別史跡に申請された山内丸山遺跡と原ノ辻遺跡、キトラ古墳も歓迎されています。
さて、それでは登録基準の大胆予想をやってみましょう。私ならこう考えました

平泉の文化遺産  ・・・・・1, 2
紀伊山地の霊場と参詣道  ・・・・・2, 4, 5, 6
石見銀山遺跡  ・・・・・3, 5, 6

たしかうろ覚えですが、平泉が伝建地区かなんかの風致地区に指定されたのは、意外と新しかったような気がするのですが、知っている方がいらしたら教えていただきたいです。(白河とごっちゃになっているため、早くから指定されていたかもしれません)
ただ平泉の特別史跡数はすごいです。毛越寺跡(附として鎮守杜跡)、毛越寺庭園、無量光院跡、中尊寺境内がそうです。また史跡指定が柳之御所遺跡、国宝は工芸品だけで、地蔵院の孔雀文磐と建長二年正月日施入在銘、長寿院の螺鈿八角須弥壇、中尊寺経蔵堂具内の木造札盤、螺鈿平塵案、磐架螺鈿平塵燈台もあり、また書跡で紺紙金字一切経(内十五巻金銀交書経)(2739巻)もそうです。建造物は当然の中尊寺金色堂が該当し、そこの金色院、中尊寺金色堂堂内具、木造天蓋、木造札盤、螺鈿平塵案、磐架、金銅幡頭金銅華蔓(迦陵頻伽文)全てが国宝指定というすさまじいものです。

これはいつか平泉に行かなくてはいかんと思いました。ただ、写真で見る限り辺りに昔の面影は全くといっていいくらい残っていません。田園風景がのどかなところです。今度は世界遺産指定対象が気になってきます。しかし私もここが世界遺産運動しているなんて一回もネットで見つけたことがありません。知られないように水面下で運動していたのでは? 浦に〜とさんが、東日本に世界遺産が少ない事と、平安時代の遺構がまだ登録されていない事を考慮したからではないかという推測は十分考えられる経緯でしょう。同感です。


暫定リスト更新! 投稿者:収斂  投稿日:11月17日(金)23時46分53秒

お久しぶりの収斂です。

暫定リストが近々更新されるという話はここでも以前から話題になっていましたが、びっくりするような物件がリストに入ってきましたね。というか最近までここに書くネタが無くて困っていたくらいなのですが、当分この話題で楽しめそうです。

まあ書きたいことがありすぎて、ちょっと要旨を整理しないといけないのですが、その前にちょっと訂正をさせてください。

下の石器時代の記述に少し間違いがありました。岩宿遺跡の発見を1946年としていますが、これはアマチュア考古学者の相沢忠洋氏が群馬県新田郡笠懸町で黒曜石の剥片を発見した年で、最初は学会から否定されたにもかかわらず、この人は必至で石器を探し、ついに決定的な尖頭器を発見しました。これが決め手になって旧石器時代の存在が日本ではじめて確認されたのですが、それが1949年だそうです。普通はこっちを使うみたいです。すみませんでした。また中国の藍田遺跡で75〜65万年前としていますが、最近の調査で110万年くらい前までいくそうです。(ホンマかいな)
またネアンデルタール人の時代考証が間違っていました。なんせ考古学なんて趣味の範疇、お許しください。ネアンデルタール人は30万年前から3万年くらい前に存在していました。そして3万年くらい前に忽然と姿を消し、いまだに謎とされています。ただこの30万年前にはプレネアンデルタール人を含んでいます。典型的なネアンデルタール人は13万年くらい前からだそうです。いちおう小さな本をGETしました。今後、クロアチアやユーゴ、ドイツでこういった洞窟が世界遺産候補になる可能性を感じました。あっちは骨がよくのこっています。感動するくらいです。

そういえば、山内丸山遺跡と原ノ辻遺跡、キトラ古墳が特別史跡な申請されたニュースもありましたが、上高森遺跡も、捏造が発覚しなかったら、今ごろ史跡指定くらいはあったかもしれないですね。飛鳥はこれでキトラ古墳と高松塚古墳の、特別史跡が2つ持つことになります。こりゃ明日香村も世界遺産へ進んでいって欲しいですねぇ〜〜〜(その後これも書き込みします!!)

最後にちょっと独り言・・・・・
ここの掲示板はまともで大好きです。みなさん節度を守っていらっっしゃいます。私の言っている意味がなんのことだか分からないかもしれませんが、よその掲示板でとんでもなく紛糾したところがありました。私も数行だけですが討論に参加しましたが、やってられません。世の中変った人間がいるのは知ってても、大学の先生ともあろう大人が人格を疑う発言で喧嘩を売っている考古学の掲示板なんて初めて見ました。多分もうそこには参加しません。まともな感覚がおかしくなってしまいそうでした。ここの掲示板は管理人が真面目でしっかりしているから、書き込みは少なくても有意義な議論ができます。今後もよろしくお願いします。

私は今、時間が足りません。BBSに参加したいのですが、数日中に来訪します。更なるコメントはそのときにでも。


大ニュース!! 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月17日(金)21時44分59秒

もうご存知の方もいらっしゃるでしょうけど、日本の暫定リスト更新内容が公表されましたね!!!

近々追加されるような噂を聞いていたものの、いざ公表されるとびっくりして、覚めやらぬ驚嘆の中この文を書いてます。追加更新されたのはいずれも文化遺産で、3件です。でもその前に、暫定リストとは、世界遺産条約批准国が今後5年ないし10年以内に世界遺産に登録する予定の物件一覧表で、日本では現在「琉球王国のグスクと関連する遺跡群」「彦根城」「鎌倉の社寺とその他の構造物」の3件が、1995年9月1日付で最後に更新されて以来、登録されずに残ってます。このうち「琉球王国」は今年の登録が内定しており、既に暫定リストから除外されたかもしれません。
前置きはこれほどにして、今回新たに追加されたのは次の3件です。
「平泉の文化遺産」
「紀伊山地の霊場と参詣道」
「石見銀山遺跡」
ついに高野山も登録へ向け、本格的に動き出しますね!
平泉の文化遺産は私の中では、まったく想定外の物件です。以前私がこのBBSで「登録は可能か?」などと書きましたが、まさか暫定リストに記載されるとは! 地元では世界遺産化の運動はあったのでしょうか? 多分、文化財保護審議会も東日本に世界遺産が少ない事と、平安時代の遺構がまだ登録されていない事を考慮に入れたのでは!?なんて、勝手に想像してます。
いずれにしても、本当に驚いております。



Re: はじめまして 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月17日(金)21時11分41秒

twosocksさん>
はじめまして。裏世界遺産リストの評価を下さり、ありがとうございました。
相互リンクは大歓迎ですので次回更新時、こちらのリンク集にも加えさせて頂きます。
可能な限り こまめに更新しつづけますので、今後もよろしくお願いします。



はじめまして 投稿者:twosocks  投稿日:11月17日(金)00時58分48秒

裏世界遺産リスト、楽しかったです!
私も、世界遺産に関するサイトを作っていますが、
さっそくリンクさせていただきました

また、いろいろお邪魔するかもしれませんが
よろしくお願いします
相互リンクなどしていただけたら、うれしいです!

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/9448/


建築物 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月16日(木)18時23分45秒

梨花さん>
はじめまして。レスが遅くなって申し訳ありません。
私は建築物を見ることに興味を持っています(^^;
世界遺産の中では、アフリカの土の建築とか、ヨーロッパの木造集落とか、民間世俗建築が好きですね。壮麗さはなく、ささやかな装飾と小規模な建築というのが好きです。

収斂さん>
旧石器時代の遺跡発掘に関して、私はその実態など今回の騒動で初めて知ったのでコメント出来ません。ただ、海外でも大問題として注目されていることから、これまでの業績と今後の信頼とか心配ですね。
また一般的な感想になってしまいますが、本当にとんでもないことをしてくれた、と思います。



捏造の影響 投稿者:収斂  投稿日:11月10日(金)02時16分23秒

既にご存知とは思いますが、東北・北海道地方の旧石器時代の遺跡の大半に、藤村氏の捏造疑惑が発覚したことが、世界的にも衝撃を与えているようです。特に中国や韓国でもマスコミが大きく取り上げて、日本の考古学全体を疑うような批判を掲載しています。なかには今回の事件を日本の国粋主義の台頭と結び付けて紹介している韓国の報道機関までありました。あれは藤村氏の功名心以外の何物でもなく、それと日本のナショナリズムを結びつけるなんて強引で、そういう批判しかできない韓国のマスコミもレベルが低いと思うのですが。

私も少し旧石器時代のことを調べてみました。すると今回の遺跡が捏造が発覚する前まで、いかにすごい遺跡と思われていたかが分かりましたので報告いたします。そのすごさは何と言っても、その石器の時代の古さにありました。65万年前といえば、ヨーロッパではネアンデルタール人の時代です。アジアで今のところ最古と考えられている遺跡は中国の藍田遺跡で75〜65万年前だそうです。ただ中国はまだ遺跡発掘が遅れているので、今後踏査が進めば、さらに時代が下った人類の存在が確認されるはずです。ちなみに北京原人は46〜23万年前で、また朝鮮半島では原人段階の骨はまだ発見されてなく、旧人の化石人骨がいまのところ最古です。私の本では1977年に北朝鮮の平壌市力浦区域の石灰岩洞窟で見つかった「力浦人」の人骨が最古みたいです。でも最近の調査でもう少し古い時代の石器が見つかっている可能性もあります。
日本では旧石器時代を前期(60万年〜12万年前)、中期(12万年〜3万年前)、後期(3万年〜1万2千年前)の三つに区分しています。このうち前期・中期の遺跡は約50ほどありました。例えば総進不動坂遺跡は斜軸尖頭器と剥片が出ましたが、そのうち一点に基底部を加工した跡が残っており、石器を柄に装着していたことが判明、斜軸尖頭器が槍先に付いていたものだと証明された世界的発見だったそうです。しかし藤村氏はこの総進不動坂遺跡の石器をすべて捏造していたことを認めており、世紀の発見は夢物語になってしまいました。それだけではありません。私がHPで知った情報によると、今年度、藤村氏が関わった宮城県築館町・上高森遺跡,北海道新十津川町・総進不動坂遺跡,群馬県沼田市・下川田入沢遺跡,埼玉県秩父市・長尾根遺跡,同市・小鹿坂遺跡,北海道清水町・下美蔓西遺跡,岩手県岩泉町瓢箪穴遺跡の7遺跡のうち,上高森・総進不動坂・小鹿坂遺跡・下美蔓西遺跡では,藤村氏のいる日にのみ石器が出土しているそうです。

東北・北海道地方の旧石器時代の遺跡をすべて再検討する必要があります。それはすなわち、同じ地層から、同じような石器が発見されて、初めて疑惑が少し晴らされるということです。ですから、これはかなり時間がかかることになるでしょう。
今後の経緯も情報があれば報告いたします。ではでは


上高森遺跡の衝撃 投稿者:収斂  投稿日:11月 6日(月)22時40分45秒

昨日は久しぶりの休みで、天気がよかったにもかかわらず、日ごろの疲れのせいで、土曜の夜から本当に30時間寝つづけました。日曜日は世界遺産を見るまで食事もしないで寝てたから、夢の中で食事している夢ばかり見ました(それを見終わってから近くのラーメン屋に行きました)。だから昨日は大学にもいってないわけです(日曜日くらいは休まにゃ〜)。そんでもって上高森遺跡の捏造事件は今日(11月6日月曜日)になって知ったんですが・・・・

とんでもない悪党ですね!! このおっさん(藤村新一副理事長)。あきれはててしまった。

実は私が持っている本にも、ちゃんとこの宮城県築館町の上高森遺跡が大きく紹介されているのです。私は別に旧石器時代についてはあまり関心がないから笑っていられますが、関係者の衝撃はすごいでしょう。
私は以前から旧石器時代の遺跡にはあまり関心がありませんでした。それは以前からこのBBSでも書きましたが、日本は酸性土壌のため骨が残りにくいのです。骨だけじゃない。例えばプラントオパールだって、6000年くらいすると、必ずしも残るとは限らないといわれています。最近、北海道のどっかの6500年くらい前の遺跡で、水田を思わせる水利施設が発見されたことがあります。しかしそこからはプラントオパールが全然発見されなかった。そのため本当に水田の跡か、植物の栽培がされていたのにプラントオパールがなくなっただけじゃないのか、それとも関係ない別の施設だったのか、わからないままになっているそうです。その後の詳細は知りません。吉野ケ里遺跡だってあれだけ甕棺が出土しても、骨が残っているのはほんのわずかです。
つまり、旧石器時代の遺物は世界的に見ても極めて少ないのです。。それは残りにくいからです。逆に遺物が出ないからそこに人類がいなかったという証明にはならないことでもあります。だからそういったものを探し、数少ない石器から当時の世界を想像することはかなり危険です。私が旧石器時代に関心があまりないのも、そういう理由からです。
私がよく思うことですが、人間という生き物は実にたくましい。昔も今と同じくらいにです。世界中に予想以上の早さでアフリカ東部から散っていったはずであり、その一部が多分日本にも渡って来ていたでしょう。つまり、発見がされないだけで、世界中から原人の遺物が出る可能性はおおいにあり、また発見されたとしても、別に珍しい話ではないように感じるのです。私はむしろ時代がさらに下った縄文時代、弥生時代、古墳時代が好きですね。そのころやっと文明、文化、つまり地域性が顕在化してくるからです。原人や旧人にも文明や言葉はあったかもしれませんが、残っていないから仕方が無い。想像の域を出ない。科学的には無かったことと同じなのです。
今回の事件はまるで明石原人のようですね。明石原人は今となっては本当に原人だったかどうかはわからないまま戦災で焼失しました。しかし1946年の岩宿遺跡の発見で日本にも旧石器時代から人類が存在したことが証明されました。考古学の進歩も科学の進歩と同様に、存在するなら、必ずその証拠が見つかるはずなのです。今回の事件で60万年前の原人の存在が疑わしくなったのは事実ですが、もし本当に存在していたのなら、いずれ確実な証拠が出土するはずなのです。それを期待して待ちましょう。


はじめまして 投稿者:梨花  投稿日:11月 5日(日)14時21分03秒

はじめまして、学校のレポートの作成中に立ち寄りました。
私は現在大学で建築を勉強中です。
「つくること」と共に今は保存の方にも興味を持っています。
世界遺産はテレビで見るくらいで実際にいろいろ調べるのは今回が始めてです。
ホームページを色々興味深く拝見させていただきました。
自分一人でボーっと見ているだけでは気づかないことがたくさんありました。
もうそろそろ将来につて決めなければいけない時期が来ている中、考えさせられるきっかけになりました。
ありがとうございます。
ではまた立ち寄らせていただきます。


世界遺産という言葉が広く知られる事に関して 投稿者:浦に〜と  投稿日:11月 3日(金)13時26分33秒

通りすがりの者ですさん>
はじめまして。「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、話に挙がるとすぐに観光公害のことに直結しますね。それほど深刻な状況にあるということです。私は全くの部外者で、しかも都会人ですから、この問題は解りかねる部分もありますし、こういったことは住民自らが最も良い方法を模索してゆくのを見守るしかないと思っています。報告されている迷惑行為は本当に常識的なものばかりで、世界遺産以前の問題ですね。また迷惑がかからないようにと、公共の交通機関を使い黙って見物しても、小さな山村に大勢が押寄せるという現象が改められくては、もはやどうしようも無いのではないか?と思います。
私は、これ以上観光地化しないで、現在の姿を保ってほしいと思っています。しかし村人の中には、きちんと整備してちゃんとした観光地にしようと考えている人もいるでしょうし、ブームが去ったあと村はどうなるのか、という所まで考えを巡らすと、そう簡単に解決する問題ではありませんね。
私は海外の世界遺産は一つも行ったことがないです。アンコールもいいですね。私はとりあえず、「日光の社寺」の建築群を再確認しに行きたいと思ってます(^^;;。

nanaさん>
はじめまして。ドイツにお住いだそうで、美しい古都や古城が身近にあるというのは良いですね。私はドイツの世界遺産の中では「ケルン大聖堂」が一番気に入ってます。何より、建設に632年が費やされ、しかも徹底してゴシック様式にこだわっているというエピソードにひかれました。
世界遺産という言葉が広く普及するのが良いことかどうか、私には分かりません。でも、世界遺産への登録は海外文化を知る 手がかりとしての役割も兼ねていることを考えると、より知られるべきでしょう。日本ではブームになっているのか何なのか、とにかく世界遺産という言葉が氾濫しています。それで世界遺産の本質が見極められずに、おかしな事になっているように思えるんです。白川郷・五箇山の問題もそういったところから生じています。未来へ伝える為に保全すべき対象であることが見過ごされているのです。
ドイツは戦争で都市が破壊されても、リューベックのように直後から復旧作業を開始するなど、取組み方が日本とは全く違いますよね。ドイツ人から見れば当たり前のことも、私から見れば、すごいことだなーと感心してしまいます。

収斂さん>
いつも情報を提供して下さってありがとうございます。
最近聞かない世界遺産関連の情報も、あと1か月もすればどっと来るでしょう。今年は何件登録されるんでしょうかね。58件くらいでしょうか(^^; 現代建築、産業遺産、文化的景観など新しい分野の世界遺産が増えるのは良い事です。しかし、文化遺産と自然遺産のアンバランスは、本当に、改善の手立て無しなんでしょうか。今年の新登録内定物件などを見ても、圧倒的に文化遺産の方が多くてなんか嫌ですね。

世界遺産情報というには程遠いまでも、ここでオーストラリアの「ウィランドラ湖群地帯」について数行書きます。ここは複合遺産で、文化的には4万年前からのオーストラリア大陸における人類進化を知る上で大変貴重な人骨出土地となっています。そして自然面での登録は、私は今まであの独特な景観、ルネットの砂丘によるものだと思ってました。ところが自然遺産として登録された理由は、大型有袋類の保存状態の良い化石が出土しているためのようです。ということで、「ウィランドラ湖群地帯」も化石遺産ということになりますね。


白川郷 投稿者:収斂  投稿日:11月 2日(木)23時56分07秒

通りすがりの者です さん>
はじめまして。レスが遅れてすみません。
通りすがりなどと言わず、これからもちょいちょいお立ち寄りください。

白川郷が世界遺産に登録されてから、観光客が2倍以上に増えたそうです。そのことについてですが、私の研究室を今年の春卒業していった広島出身の後輩がいるのですが、彼の趣味は田舎と温泉めぐりだったこともあって、最近この白川郷に行ったそうです。それによると、あの村には、一軒だけですが、なんとあの世界遺産の合掌造りの民家を民宿に利用しているところがあるのだそうです。彼はそこに泊まって、囲炉裏を囲んで食事をし、主人といろいろ話をしたそうですが、それによると、一番迷惑なのはバスで大挙してやってくる観光客だそうで、個人旅行をしている人よりはるかにマナーが悪いそうです。ああいった団体客は数時間しか村にいないから、自然をゆっくり満喫するなんてことができないそうです。さらに、現在白川郷に向けての自動車道路が建設中ですが、それが完成すればさらに観光客が増えそうで、近い将来、入村制限するなどして、なんとかしないと村民の生活と貴重な自然が損なわれかねないのだそうです。全国の田舎の観光都市が、観光客をなんとかして呼ぼうとしている昨今、白川郷だけが観光客が多すぎて困っているというのはなんとも皮肉な話ではあります。そうはいっても後輩は「今までの旅の中で一番気に入った!」とか言っては絶賛してましたから、このクチコミがまた観光客を呼ぶんでしょうねぇ。


マルタの世界遺産 投稿者:収斂  投稿日:11月 2日(木)23時31分16秒

最近めちゃくちゃ忙しいので、世界遺産関連の情報があまり収集できません。アンテナは張り巡らしているのですが・・・・・・   (^_^);;
それでも少ないですね。周期的にみて今はそういった情報が少ない時期なのでしょう。ここに掲載できるほどの新しい情報は少ないです。12月にまた新たな世界遺産が登録されると、個々の物件についての書き込みが増えるはずです。私もいくつかの物件の資料をそろえました。
(購入した自分の好きな遺跡の本がたまたま今年指定される物件だっただけの話ですが)

nanaさん>
はじめまして。収斂(しゅうれん)です。書き込みありがとうございました。下の話では、現在もドイツにお住まいのようですね。ドイツは戦災の被害が大きかった割には、戦後、街の復元を意欲的に行い、リューベクやドレスデンなどの街はかっての美しさを取り戻しつつあります。その点は日本も見習うべき点だと思います。もしご存知でしたら、フライブルグの聖母マリア大聖堂についてなんか情報があれば知りたく思います。

それからマルタに行かれたみたいですが、どうでしたか? 実は、このHPで裏世界遺産として紹介されてあるマルタの要塞群の解説が、近日中にも公開予定です。この解説は、今までの裏世界遺産の解説の中でも最も量が多いものになる予定です。興味があればまた覗いてみてください。


感動しました。 投稿者:nana  投稿日:11月 2日(木)07時48分29秒

こんにちは。初めてお邪魔します。
偶然見つけたこのページですが、本当に圧倒されました。素晴らしい、の一言です。
ましてや学生の方がおつくりになったHPとは…。感動です。
プロフィールの欄、「見逃せない番組・世界遺産」にも感激しました。(笑)

私は10年ほどドイツで生活しているので、日本にお住まいの方々よりは、
世界の歴史的建造物や世界遺産を目にする機会も多いと思うのですが、
恥ずかしながら、先日マルタ共和国に行くまでは「世界遺産」などという言葉さえ
頭になかった状態でした。
(テレビ番組「世界遺産」も見たことないもので…)

こちらで勉強させていただきました。
また寄らせてくださいね。



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