屋久島
1 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/1/19(金) 22:14:43
1993年に世界遺産に登録された「屋久島」についてのスレッド。

2 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/1/19(金) 22:15:39
この冬休みに屋久島へ行って来ました。ツアー参加だったので、山には登らず、麓の名所を見てきただけです。それでも色々と話を聞いてきたので、まずその報告を致します。

見てきた所をざっと挙げますと、白谷雲水峡、千尋滝、大川滝、平内海中温泉、西部林道[世界遺産登録地]、志戸子ガジュマル園(植林ではなく自生した木をそのまま展示している)などです。それから、屋久杉自然館と屋久島環境文化村センターへも行きました。各々観光地の感想はまあ良いとして、全体的にそこそこ良かったです。

島に入ってまず驚いたのは、観光を第一に押している点です。フェリーで島に着き、タラップを降りると、「レンタカー空きあります」というプレートを掲げた人が5人くらい並んでました。それぞれ違う会社だったと思いますが、島に入るなり観光地であることを見せ付けられました。
それから土産物屋に行っても、世界遺産という文字が多かったように思われます。まあ、日本の他の世界遺産とは違って、屋久島の場合は島という一つの社会が登録されているような物ですから、そういった色が出てしまうのは仕方ないのかもしれません。

3 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/1/19(金) 23:41:36
それで、屋久島と言えば観光公害ですよね。
その辺について、ガイド、運転手、添乗員らに聞いてみました。

まず観光客の多さについて、いつから増え出したのか聞いてみたら、人によって認識が違いました。「平成元年にフェリーが就航してから急増した」、「世界遺産になる前から少しずつ増加が見られた」、また、「世界遺産登録と同時に急激に増えた」など、見解に統一性がありませんでした。
ここ数年は横ばいか、少し減少気味だそうです。将来も観光でやっていけるか聞いてみると、「当分大丈夫だと思うけど、急に来なくなってしまうかもしれない」と言われました。また別の人は、「自分が観光業に携わっているからなのだが、今後ももっと多くの人に来てほしいし、屋久島を見てもらいたい」と言ってました。

問題になっている観光公害の現状は、登山客があまりにも多いことに集約されているそうです。今は麓を見るより、もっぱら縄文杉への登山客が多すぎて、どうしようもないとか。今、縄文杉見物は、杉に直接触れないようになってますよね。デッキから遠目で見るだけで。そこには夏場は監視者がいるのに、観光客が少ない冬には誰もいなくて、触ろうと思えば縄文杉にも触れるそうです。ガイドさんの一人は、「5時間も山を登ってやっと縄文杉を見るのだから、触らせてあげたい」と語ってました。
それから縄文杉よりもっと上のほうに、花之江河(はなのえご)という湿原があります。ここには尾瀬のように木道が架けられていて、観光客はそこを歩くようになっています。でもその道から一歩ずれると、人糞だらけであまりにも酷いそうです。

それから島のパスポート制(入山規制)は、暗礁に乗り上げたまま実現の見通しは立っていないそうです。運転手さんの一人は「入山規制はいずれ実現する」と確信を持っておられました。
また縄文杉への登山道を整備するべきか しないべきか、そして島自体、もっと観光地として強調するべきとする人と 否定派がいるそうです。しかし自然保護と観光発展の線引きは、厳密に言うと不可能です。
例えば見学した中に「白谷雲水峡」というのがありました。そこは順路にそって木道が設けられていました。人工物を排除しているから良いように見えても、道を設けることで木の根が痛むとか、木道を作る為に多くの木が伐採されたとか、問題視する意見も多いそうです。
縄文杉への登山道に関しては、環境庁から自然保護を固く言われているので、実現はしないで済むそうです。

4 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/1/20(土) 01:08:20
また屋久島と言えばゴミ問題もありますよね。登山客によるゴミの置き去り。しかし登山客だけでなくて、島の人も結構山に捨ててるそうです。あとマナーの良い観光客がゴミを捨てないでホテルに持ち帰っても、それは結局屋久島の負担になるわけで、結果として優れているとは言えないそうです。しかしだからと言って、観光客がゴミ袋を抱えてフェリーや飛行機に乗って帰るわけにもいかないし…という所です。
ボランティアによる定期的な清掃は、世界遺産登録以前からあったそうで、今のところはゴミによる汚染は防げているそうです。

また観光した中に「平内海中温泉」というのがありました。ここは、物見遊山感覚で見物する団体観光客の行為は覗きである、などという批判も出ている所です。そういったもので、私には近づくことさえ出来ず、代わりにガイドさんの話を聞いてました。
ちなみにこの温泉の入口には料金箱があって、志(100円程度)を入金するようになっていたのに、それに目を留めている人が一人もいないことに驚きました。ガイドは「別に入浴するわけじゃないから、払わなくてもいいと思う」と呟いてましたけど。同行ツアー客の中には、興味半分で足先だけを温泉に漬けて喜んでいた人もいたみたいです。

見学した中で唯一の世界遺産登録部分「西部林道」は結構良かったです。観光地という感じが全然しなくて。ここは昔から、小さな一本の林道であったことがよくわかりました。拡張工事をしなくて成功です。この周辺は民家も全くなく、海岸部から山の上まで緑に覆われているのがよく見えました。

とりあえず、こんな所でしょうか。
箇条書きのようで、主題が見えない文章となってしまいましたが、屋久島の観光業に係わる人に聞いたところは、だいたいこんなもんです。
麓の観光はほとんど問題になってないと聞いたことですし、今回初めて島に入って、世界遺産登録地としての屋久島を体験できました。やはり実際に見ないと、分からない部分が多いですね。西部林道なんて、本当に道幅が狭くて くねくね曲がっていて、面白いところでした。
いつか、何年後になるか分からないけど、観光ブームが下火になったころ、今度は縄文杉を見に行きたいと思いました。

5 名前: じょび。 投稿日: 2001/1/23(火) 02:03:14
 縄文杉までのトレッキングも含んだツアーのパンフレットを見つけました。
東京から4日間で8万〜9万円です。
 いやあ、ついにこんなのも登場しましたか。

6 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/1/26(金) 21:40:01
縄文杉ツアーですか。遺産登録前は、屋久島で登山する観光客は全体の1割だったのに、いつのまにか半数を越え、その上ツアー客まで押し寄せるようになるんでしょうか。
ところで縄文杉と言えば、屋久島のガイドが「樹齢7200年」とやたら繰り返していたのがひっかかります。最も正しいとされる説は確か2500〜3000年だったはず。
縄文杉はあまりにも奇異すぎて正確な年代測定が出ていないのですが、色々な説を言わずにただ誇張するのは正当ではありませんよね。