世界遺産の疑問。
1 名前: じょび 投稿日: 2001/5/24(木) 04:00:33
 素朴な疑問です。浦に〜とさん、収斂さん、そのほか、おわかりになる方、教えて下さい。

1.世界遺産は「不動産」が原則ですよね。
 「鉄道」って、不動産ですか?
 センメリング鉄道とダージリン鉄道が近年、登録されましたが、車両も登録されたのでしょうか?

2.「パリのセーヌ河岸」のルーブルやオルセーのように、美術館が登録エリアに含まれているものがありますが、ということは、中の美術品(モナリザとかミロのヴィーナスとか)も登録されているのでしょうか。

3.「ローマ歴史地区」と「ヴァチカン市国」って範囲は別々なのでしょうか?

 なんとなく気になっていたのですが、いままとまって思い出されました。おわかりになりますか?

2 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/5/28(月) 21:03:50
私に分かる範囲で答えさせて頂きます。

一番目は100%自信が無いのですが、車両は登録されていないでしょう。世界遺産の規定として「動産および動産になりうる不動産は登録できない」というものがありますので。
なお「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」では、蒸気機関車を保存することの重要性が示されています。

二番目についても同様に、美術館に収蔵されている美術品は登録されていないはずです。ただこの場合も、登録にあたって、美術品の豊富さや貴重さが考慮されたのかは個人的に気になる点です。特にドイツの「ベルリンのムゼウムスィンゼル(博物館島)」の場合ですね。
そもそも都市遺産では、どの建築物や街区、道路、橋梁、河川などが登録されているのか分からないのです。世界遺産センターやICOMOSが、そういった一覧表みたいなものを作ってくれれば良いのですが。

三番目、ローマ歴史地区とバチカン市国の登録地は、別々です。
「バチカン市国」は文字通り、バチカン市国そのものです。
「ローマ歴史地区、教皇庁直轄領、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」は、古代遺跡を中心とするローマの市街と、ローマ市内にあるバチカン直轄領の12の建築物、という登録になっています。
ちなみに私は、これら両遺産も一括登録するべきものと考えています。特に、中世以降の教会建築が、「バチカン市国」と「ローマ歴史地区、教皇庁直轄領、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」に分かれて登録されているというのは変な話です。
別件登録するのなら、イタリアの「ローマ歴史地区(古代遺跡)」と、イタリア/バチカンの「バチカン市国、教皇庁直轄領、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」という分け方のほうが良いような気がするのですが・・・

3 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/5/28(月) 21:15:01
↑の書き込みを訂正します。

最後の一文で、“イタリア/バチカンの「バチカン市国、教皇庁直轄領、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」という分け方”とありますが、“バチカンの「バチカン市国、教皇庁直轄領・・・” と表記した方が適切でした。(どうもややこしい遺産ですから(^^;;)

4 名前: じょび 投稿日: 2001/5/30(水) 01:31:46
 ありがとうございます。
 でも…鉄道は車両があってこそ評価されるべきものと思います。たとえば、新幹線がその価値をみとめられるのは軌道ではなく車両ですね。
 アルプスの山を越えた点で評価するなら、車両も重要ですよね。むむむ。

 ベルリンの博物館島もそうですね。建物に価値があるのでしょうか? 美術品に着目すれば、プラド美術館や大英博物館なんかも遺産になってしまうのかな。

 ローマ市内に「バチカンの建物」があるんですね。複雑…。「世界遺産」では、バチカンはやらないんでしょうね。

 しかし、知りませんでした。「旧市街」「歴史地区」のような遺産は、厳密にどの建物が遺産指定か表記されていないんですか。とすると、そのエリアにあるモノはすべて「遺産」になるんですか?
 
 あと疑問をひとつ。エルサレムはヨルダン申請とありますが、遺産はその国によって保護されていなければならないんですよね。エルサレムがヨルダンに保護されているとは思えません。イスラエルは世界遺産条約を批准しているのにエルサレムを申請しないのはなぜなのかなあ?

5 名前: じょび 投稿日: 2001/6/2(土) 02:42:08
ナイアガラは別のスレッドでも議論されてましたが、そもそも国立公園ではないんですね。「国立公園先進国」で国立公園ではないのは、やはり観光業界から反対があるのでしょうか?

 これは雑談ですが、JTBで「世界3大瀑布を巡る旅19日間」というのが売り出されていました。値段はな、な、なんと190万円。
 だれが行くんじゃ、んなもん。て感じです。

6 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/6/4(月) 19:19:00
「ベルリンのムゼウムスィンゼル(博物館島)」の登録理由は、都市の中心に博物館の集合体を作り上げたという思想によるそうです。私なんか「そんなことで世界遺産に?」と思ってしまいます。やはり収蔵品も高く評価されているのではないか、と考えてしまいますね。

都市遺産の登録内容はとても気になるもので、どうやら「旧市街」や「歴史地区」にある全部は登録されていないものと思われます。それらの都市にある特定の建築物や史跡だけが登録されているのでしょう。ICOMOSでもWHCでも、そういった詳しい登録内容を公開して欲しいです。自然遺産ではIUCNが詳しい物件データを公開しているのですから。

「エルサレム旧市街とその城壁」の保護についてはわかりません。一応、何らかの保護法の下に置いているのではないでしょうか。(推測)。でもイスラエルもそのうちエルサレムを推薦するなどして、ややこしい問題が出てきそうな気もします。

7 名前: じょび 投稿日: 2001/6/4(月) 21:51:51
 「歴史地区」と「旧市街」って違いはあるんですか?
 先日放送された「グラーツ歴史地区」は「City of Graz-Historic Centre」で、「Historic Centre of ・・・」のような名称ではないんですね。

 ブラジリアが遺産なら、キャンベラもオーストラリア初の文化遺産にはなりませんか?

8 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/6/5(火) 07:56:28
歴史地区と旧市街の違いは分かりません。
歴史地区にも、「Historic Centre」「Historic Area」「City of Historic Centre」などあるし、旧市街にも「Old City」と「Old Town」がありますよね。また「Ancient」も、京都や奈良では古都と訳されるのに、テーベでは古代都市です。微妙な意味・翻訳の違いというだけだと思いますが・・・。

キャンベラの世界遺産化は難しいと思います。街区や道路、都市設計などは現代的で面白いのですが、建築物にブラジリアのような独自性が無いような気がします。建設年代が古いことと、オーストラリアにあることを中心にすれば登録できるかもしれませんね。