トルコの世界遺産
1 名前: 今野 投稿日: 2001/5/25(金) 23:46:20
 浦に〜とさん、レイさん、この前は反応してくれてありがとう。
 エジプトについても色々書いてもらったのですが、今回の行き先はトルコになりました。
 イスタンブール歴史地区とギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群がメインで、
時間に余裕があれば、ヒエラポリス=パムッカレにも行くということになりそうです。

 今そのリポートのネタにならないかと考えているのは、例えば…
【イスタンブール歴史地区】
・トルコの地方出身者が外国人向けに土産物を売るショッピング・モールになってしまったグランド・バザールのこと
・現在、博物館になっているアヤ・ソフィアをモスクに戻せという動き(観光と宗教)
・高尚なイメージのある「世界遺産」にある娼婦街や、そこで働く娼婦のこと。
 極端にストイックなイメージのあるイスラム教とどう折り合っているのかということ。
・イスラム教とベリーダンス
【カッパドキア】
・風雨浸食による岩窟教会崩壊の危険性
・キノコ岩の落書き
・例えば、陶器の町アヴァノスで働いている日本人の方がまだいらしたら、
 「世界遺産で働く、暮らす」というテーマで、お話を聞く。
【パムッカレ】
・観光化による水量の減少、石灰棚への立入禁止、ホテルの移転に至るまでの経緯
【その他】
・世界遺産に指定されるまでの経緯(推進派と反対派の対立)、ユネスコとのやり取り、
 クリアされた問題点
・世界遺産になって、何がどう変わったか
・保護保全を計っていく上で、どの様な問題に直面しているのか、
 或はどの様な危機にさらされているのか
・観光資源としての世界遺産
・自国民(トルコ人)にとっての世界遺産(今までどうで、これからどうしたいか)
・世界遺産の治安
・そこに長く住んでいる方々に聞く。
・協力隊の人などが何処かで働いていたら、お話を聞く。
・トルコは親日的なことで有名なので、そのへんのことや、
「世界遺産」とうまく絡ませられれば、絨毯がらみで何か。

 これらに関して、もしまた何かありましたら教えて下さい。

2 名前: 高橋 投稿日: 2001/5/26(土) 18:38:33
鎌倉の高橋と申します。
私がトルコに行ったのは1994年のことですので情報が古くなっているとは思いますが、私の体験をお伝えいたします。

今野さんも書かれているとおりトルコの人達は親日的でした。一方で日本人観光客は良いカモでもありますので、物売りやなーんちゃってガイドみたいな輩には気をつけてください。バザールのそばは日本語で話し掛けてくる連中が多く、そのほとんどは友達の営んでいる絨毯屋に行こうと声を掛けてきます。当時TVで流行って?いた「バザールでござーる」という言葉も、それまでの丸1年以上帰国していなかった私は初めてイスタンブールで耳にし変な奴だと思ってました。数週間後に帰国して「ああ、これだったのか」と驚いた次第。
また、私はトルコ観光を現地でツアーに参加したため、南アフリカやUSAの若い人と一緒に旅行したのですが、しばしば日本人ツアー団体と土産物屋やレストランなんかでかち合うことがありました。とあるレストランでは日本人団体が居る間だけトイレが有料、出発してしまったら無料というシステムを目にし憤りを覚えたことも有ります。
絨毯の店はツアーに入れば嫌でも連れて行かれますが、ここも日本語での説明があるようです。ちなみに、持って帰れないから買わないという逃げ口上を用いると、スッと宅急便の記入用紙を出されますので気をつけてくださいね。

今野さんが書かれている項目のうち、いくつか気になったのはイスラム教と絡めて考えている点です。確か現在は宗教の自由が認められていると思いますが、多くの人がモスリムであることは間違いありません。しかし、中近東のイスラム教国とは全く違った世界であり、ミナレットからコーランの調べこそ聞こえるものの、そこかしこでお祈りを始める姿はほとんど目にしなかったと記憶します。酒も飲んでます。豚肉は・・そこまではチェックしませんでしたが、食べてるような気がしますね。少なくともホテルのメニューにはありました。(UAEなど日本食レストランのある国はともかくとして、中近東では豚肉が流通していないことの方が多いのです)
よくイスタンブールはヨーロッパ人にとってアジアの玄関と言われるように、トルコ人はヨーロッパの東の果てという意識があるようです。詳しくは知りませんが人種的にもアジア風とヨーロッパ風が混じっていると思いますよ。
この辺りの混じり具合なんてレポートにどうですか?獲れたての小イワシを油で揚げてパンに挟んで売る屋台なんて、まさにそんな立場のような気がします。

イスタンブールに娼婦が居る話は私も聞きましたが、東欧から出稼ぎに来ている女性が多いとも聞きました。私がイスタンブールに入る前はルーマニアに居たという話をすると、タクシーの運転手も食堂のお兄ちゃんもフンッて言う感じで、ルーマニア人ならこの街にもいっぱい働きに来てるよ。と言ってました。
しかし、こうした風俗営業はどこの国にもあるもので、特に港湾都市としての顔を持つイスタンブールには有って当たり前のような気もします。そう言えば京都にも(さすがに場所は限られているようですが)ヘルスの店のネオンが輝いていましたっけ。

さて、世界遺産観光ですが、なにしろイスタンブールは歩いて見て廻るのが楽しい街です。物売りの兄ちゃんたちが来たら、邪険にせず絨毯は要らないけどアルマチャイ(アップルティー)をご馳走するから話を聞かせてよ、と持ちかければ面白い話が聞けるのではないでしょうか。アヤ・ソフィア周辺やトプカプ宮殿等はそれぞれ1日づつでも時間が足らないほどでした。当時はアヤ・ソフィアもれっきとしたモスクだったのですが、今は違うのですか?近所に有る地下宮殿(貯水池)も忘れずに見てください。
旧市街だけでなく新市街も海沿いに歩くと面白いですよ。旧市街を振り返って眺めても良し、新市街のブティックなんかは同じ都市ではないくらい洗練されたところもあるし。
ギィレメ、カッパドキアは本当に驚くばかりの奇観を堪能してください。地下都市も全貌が判らないほど巨大で、どれだけの労力を要したのか、何が彼らをそうさせたのか・・。カッパドキアの市街地もしくは近郊の街を見る機会があれば、古びたモスクを目にすることができます。小さな建物ですが、埃っぽく貧しげで味の有るモスクもありました。私の観光ツアーは通り一遍で、本当は地下都市の奥底の方まで行って見たかったのですが、やはり制限されているのでしょう。チャンスがあればトライしてみてください。
パムッカレは行ってみるまでどんなところか知りませんでしたが、ああマイルドセブンのコマーシャル(20年くらい昔)に出ていたやつだなと思い出しました。確か裸足なら石灰棚にも入れると思いますよ。ホテル内のプールに沈む遺跡は、不謹慎かもしれませんが安っぽいディスプレイのような印象でした。ホテルの立ち退き後はどんな状態なのか興味はあります。天気に恵まれるといいですね。

今野さんが「その他」として書かれていることは世界遺産の普遍的な問題でもありますよね。国によって対応が違うのでしょうから、いろんな国の状況を比較すると面白そうですね。私が興味を持っているのは、歴史建造物の補修あるいは復元といった行為なのですが、もし目にする機会があればレポートしてください。お願いします。
最近トルコ旅行中の事故などというニュースもありました。十分に気をつけて良い旅行をし、すばらしいレポートを仕上げてください。

3 名前: 浦に〜と 投稿日: 2001/5/28(月) 17:54:16
今野さん>
イスタンブールのグランド・バザールの現況は問題なのでしょうか? 海外情報のテレビ番組などでは、優れた商業地区には見受けられませんが、古建築が今も使われているものとして、その点優れていると思います。(ちなみにグランド・バザールは世界遺産ではないようです)。

また個人的に、トルコでは世界遺産をどのように捉えているのか気になります。政府は意気込んでいるのか、市民は盛り上がっているのか、逆に否定的なのか、無関心なのかなど、気になるところです。
それからトルコの今後の世界遺産登録に関連して、暫定遺産についての疑問があります。トルコの世界遺産暫定リストには「スレイマニエ・モスク」「トプカプ宮殿」「アヤソフィア」が記載されているようですが、「イスタンブール歴史地区」としての登録とは別に、単独登録を目指しているのでしょうか? だとしたら世界遺産史上、異例のことになると思います。この問題、非常に気になります。


高橋さん>
トルコについての文章ありがとうございます。楽しく読ませて頂きました。
イスタンブールは都市遺産の中でも、めまぐるしく動き続ける生きた街としてのイメージが強いです。だから世界遺産ということよりも、俗の部分があっても良いと思います。本来都市とは人が住むもので、一方的に守るべきもの、と言い放つようなものでもありません。私は古い建物や景観が好きなので、都市化による景観の悪化などは避けてほしいと思っています。でも、都市の世界遺産登録は多くの弊害を伴うものと認識するべきだと思います。一概に都市化や新建築を否定されても、そこに住民がいるわけですから、本当に難しい問題だと思います。

4 名前: 今野 投稿日: 2001/5/29(火) 03:50:19
 高橋さん、浦に〜とさん、長文の御返事をどうもありがとうございました。
参考にさせて戴きます。
 後でまた掲示板にも書かせてもらいますが、リポートは、
http://www.inpaku.pref.tochigi.jp/feel/now01.html(Text)
から、トルコのボタンを押して開くページで、
6月中旬頃からアップさせてもらうと予定です。
 取材期間が1週間から10日ということもあって、全てを網羅するのはそもそも無理なのですが、
頑張りたいと思っています。
 僕も実は'90年にイスタンブールには行っているのですが、
これまでイスラム離れしていた反動で、今はより戻しの時期に来ているという人もいるので、
実際どんなふうなのか、僕も少し楽しみです。
 それではお楽しみに。
 あるいは、またよろしくお願いします。