- 第25回
世界遺産ビューロー会議
- 1 名前:浦に〜と
投稿日:2001/6/26(火) 21:34:20
- 2001年6月25日〜30日。パリのユネスコ本部にて開催。
WHCのウェブサイトに一応速報が載ってます。審議内容や審議される物件について、具体的なことはまだ書かれていませんが、世界遺産を保有していないボツワナ、ガイアナ、イスラエルの3か国から推薦があるそうです。
朝鮮民主主義人民共和国は今年も出てきませんでしたね。日本の研究者も参加していると言われる、高句麗古墳群の世界遺産登録運動は動いているのでしょうか。
- 2 名前:じょび
投稿日:2001/6/27(水) 16:37:26
- 楽しみです。また詳細が分かったら報告してください。
イスラエルは、もしや「エルサレム」だったりして。
ところで、日本の次期申請はいつになるのでしょうか?
- 3 名前:新宮市文化振興室
投稿日:2001/6/27(水) 17:35:22
- 現在、和歌山、三重、奈良の三県が連携して、平成16年6月の登録に向けて動き出したところです。
- 4 名前:じょび
投稿日:2001/6/28(木) 01:43:05
- 上記書き込みは行政の方ですよね。当然「熊野古道」ですね。
このHPは、いろんな方に読まれてるんですねえ。さすがです(敬服)。
- 5 名前:浦に〜と
投稿日:2001/6/28(木) 21:37:04
- 「紀伊山地の霊場と参詣道」平成16年の登録を目指すということは、来年中にも推薦書を提出することになりますね。
この物件は複合遺産にはならないのでしょうか。また、文化的景観としての登録の適用などはなさいませんか?
もしお分かりでしたら、お教えください。
- 6 名前:じょび
投稿日:2001/7/6(金) 01:47:29
- ビューロー会議の続報がぜひ知りたいです。
個人的には
1.アメリカ合衆国はいつ次の遺産を登録するのか
2.イスラエルの推薦はどこなのか。
3.イタリア、スペインは、まだ登録サイトを増やすのか、というのが目下の関心事です。
- 7 名前:浦に〜と
投稿日:2001/7/6(金) 22:13:07
- 私も会議内容について知りたいのですが、世界遺産センター(WHC)のサイトが更新されないと知りようもないのです。例年の傾向では、8〜9月頃にアップされますので、それまで一般には分からないと思います。
WHCのサイト以外で公開している所がありませんかねぇ。
- 8 名前:浦に〜と
投稿日:2001/9/3(月) 22:10:32
- じょびさん>
世界遺産センターのサイトがようやく更新され、今年の審議物件が公表されました。イスラエルからの申請物件は4件でした。
「マサダ国立公園」複合遺産
「マクテシム地方」自然遺産
「アクル旧市街」文化遺産
「エルサレムの範囲拡大、旧市街およびシオン山を含む城塞」文化遺産
このうち「マクテシム地方」以外は多分、『地球の歩き方』にも載っていたと思います。エルサレムは、都市として国際的な位置の確定がなされるか、あるいは、他国との共同推薦(おそらくヨルダンのことだと思う)がなされるまで、考査を延期すると言われていました。
アメリカ合衆国は今年も申請無し。イタリア、イタリアからは数件ずつの申請(拡大登録の申請を含む)がありました。詳しくはWHCのウェブサイトを。http://www.unesco/org/
(近いうちに、当HPでも和訳したものを掲載したいと思います)。
- 9 名前:浦に〜と
投稿日:2001/9/3(月) 22:20:33
- ↑
「イタリア、イタリアからは・・・」は、もちろん「イタリア、スペインからは・・・」のミスです。
どうもすみませんでした。
- 10 名前:収斂
投稿日:2001/9/5(水) 21:45:31
- どうも収斂です。最近取り込み中であまり書き込む時間がないので申し訳ないのです。
早速ですが、第25回世界遺産ビューローの結果を見てみました。まあ、いつもながらアジアは少なく、ヨーロッパが多いですね。それと日本の今年は推薦物件なしですか(溜息)。残念です。鎌倉がそろそろ来てもいい頃でしょうに。それに比べて、毎度ながらイタリア、スペインは意欲的でうらやましいです。
では恒例の今年の目玉物件を探してみましょう。
まずスイスのユングフラウが登場したのは意外でした。おそらく世界遺産化の話は昔からあったのでしょうが、観光公害なんかが深刻で、ようやく推薦・登録にこぎつけたってところでしょうか。
中国は毎度ながらいい物件が登場しています。今回は雲崗の石仏ですが、文句無しの世界遺産といえそうです。今後キジル石窟なんかも来るのでは?
面白いのはイギリスのDorset and East Devon Coastですね。デボン紀の地層は珍しいとはいえ世界中にありますが、
おそらくここの地層から貴重な化石が多く出土したのでしょう。ドイツのメッセルピットが世界遺産になってから、欧州では化石発掘地域の世界遺産化が加速したのでしょうか?
ついでですが、実は中国の澄江という場所でも、Laggania、H.sparsa、Opabinia、Anomalocaris、Microdictyon、H.fortis、Marrellaのような先カンブリア期のバージェス動物が多く見つかる地層があるそうです(ここから出土した化石を澄江動物群と呼んでいる人もいます)。これはバージェスよりも時代が少し古いそうで、それも今後世界遺産化が予想されます。ここは私が注目している地域でもあります。
もとに戻って、ウガンダのTombs of Buganda
Kings at Kasubi はいったいなんでしょうか?
文化基準の1、3、4、6の4つも該当しています。今年はアフリカ地域の文化遺産に知らない物件が多く興味深いです。
最後に、やはり一番の驚きはイスラエルの世界遺産物件でしょう。よりによってマサダがイスラエルの最初の世界遺産とは・・・・。複雑な気持ちです。イスラエルには世界遺産になれそうな対象物件がほかにも結構あります。今後暇があったらBBSに書き込むかもしれません。
裏世界遺産にある物件もいくつか晴れて世界遺産になりました。サマルカンド、エッサウラ、プロヴァン、ニュー・ラナ−クはおめでとうございます。
総括すると、今年は日本人に馴染みのある物件が少なかった感じもします。また今年の世界文化遺産の基準は全体的に複数の評価基準を該当する物件が少なく、今後評価基準が増える場合もありますが、せいぜい4つまでです。採点が厳しかったのでしょうか。
- 11 名前:じょび
投稿日:2001/9/6(木) 04:50:06
- 浦に〜とさん
上記サイトでは開きません!
間違ってません?
- 13 名前:浦に〜と
投稿日:2001/9/6(木) 09:22:11
- http://www.unesco.org/whc/nwhc/pages/home/pages/homepage.htm
こっちが世界遺産センターのサイトのトップページでした。
ミスが多くてしょうがないですね(^^;;;;;
- 14 名前:収斂
投稿日:2001/9/6(木) 22:14:46
- 浦に〜とさん>
わざわざ今年の世界遺産物件を表にまとめていただきありがとうございます。
私は今年の物件は複数の基準が該当した物件が少ないと書いてしまいましたが、誤りでした。表で見たら結構多いです。私はUNESCOのHPで見ていたものですから。訂正します。すみませんでした。
今年の物件で私なりに興味深いものをちょっと探してみました。訳は皆様にお任せます。
リトル・ポーランド南部の木造教会群
http://sites.netscape.net/apiorko/wchurches/wchurch.htm
遠目では美しいですが、世界遺産になれるほど古くなく、移築もあります。個人的にはキジ島の教会の方が好きです。
ブルノのチューゲンハット邸
http://www.brno-city.cz/main/pametiho/tugen-en.htm
近代建築も増えましたね。そういうものかなぁって感じです。
今年はアフリカの躍進が目立ちます。ほとんど知らないものばかりでしたので、ここに記載します。
カスビにあるブガンダ王朝の王墓群
http://www.buganda.com/kings.htm
http://www.buganda.com/
なんか新し過ぎる気もしますが、修復したばかりなのでしょうか。
ラム旧市街
http://web.mit.edu/akpia/www/AKPsite/4.239/lamu/lamu.html
ツォディーロ
http://www.afrikaaktuell.de/Bo/BorrepTso.html
- 15 名前:じょび
投稿日:2001/9/7(金) 03:51:28
- 浦に〜とさんの和訳の方がらくなので、読ませていただきました。
今年の登録は少なそうですね。ぼくはそれでいいと思います。なんだか、日本での認知度の高まりと比例するように登録件数が増えてきたように感じてましたから。
知名度の高いサイトは、ユングフラウ、ウィーン、サマルカンド、雲崗あたりですね。
ウィーン歴史地区は、シェーンブルン宮殿とは別になるのでしょうか?
イギリスとフランスのサイトがどのあたりにあるのか気になります。
- 16 名前:浦に〜と
投稿日:2001/9/9(日) 00:33:15
- 収斂さん>
今年の審議物件、早速関連HPを紹介して下さりありがとうございました。でも私は英語が苦手なので画像を見て楽しんだだけですが・・・
ところでWHCのサイトによると、イギリスの「ドーセットおよび東部デボン海岸」は、化石産地をともなう三畳紀から白亜紀までの地層のようです。
私の注目物件はロシアの「『ウランゲル島』保護区の自然」です。登録されれば「アルタの岩石画」を抜いて最北の遺産となります。しかし、去年申請を辞退した「レナ川三角州」に続いて、とてもIUCNの調査官も楽に行けそうなところではないですね。
登録出来ないと言われたウクライナの5つの自然遺産も、どういったものなのか気になります。(特に遺産名の発音が…)
総括すると、相変わらず文化遺産が多く自然遺産が少ない、しかも申請数の時点で偏っているのに、登録を考慮するとなお自然遺産の方が問題点が多く出てくるから、困ったものです。やはりハードルが高すぎるのではないでしょうか。
じょびさん>
今年の登録数は30件前後でしょうか。去年の新登録61件というのは多すぎる気もしましたが、私としては、世界遺産が少なかったり全く無い地域(国)からの登録が多くなれば、全体の登録数はあまり気にしなくても良いと思います。
とは言っても今年も、ヨーロッパの申請が多いのが気になります。やはり偏りすぎですね、世界遺産。
「ウィーン歴史地区」はWHCの評価書を見ても、既登録の「シェーンブルン宮殿と庭園」と結合するなどということは書かれていなかったと思います。
- 17 名前:収斂
投稿日:2001/9/10(月) 03:10:15
- 浦に〜とさん>
どうも情報ありがとうございます。最近はそういった化石の本を読まなくなっているもので・・・。
イギリスの「ドーセットおよび東部デボン海岸」は、中生代の地層がメインなのですね。とすると、ここはもしかしたら世界で最初にイクチオサウルスの化石が出た海岸ですか?
たしか化石売りをして暮らしていた少女が発見したとかいう話はここではないでしょうか?
私の父が仕事でジュネーブに行って、帰省する一週間前に母と私がジュネーブに集まって、周辺の都市を観光したことがあります。以前にもここの旧BBSで書いたかもしれません。世界遺産のベルンやアルケスナンはその時行ったものです。で、ジュネーブからアルケスナンに行く途中、ジュラ山脈という小さな山脈を越えます。その峠を地元では「化石峠」というそうで、実際細い山道の所々で地層がむき出しの場所がありました。そのなかでも特に化石が出そうな場所を家族3人で1時間以上探し回ったことがあるのですが、化石らしき物は全然見つかりませんでした。小学校低学年から化石堀をやっていましたから、有りそうな地層は見当つくのですが、見つけられなかったのは残念でした。そう簡単に出るものではないのかもしれません。
ちなみに私の地元では新生代第三期の貝の化石がごろごろ出ましたが、今では宅地造成が終わって、そういった地層が全然見られなくなってしまいました。現在では、ここから化石が出ると言っても、新しく転勤してきた人には信じないのではないかというくらい変ってしまいました。
ウランゲル島については私もよく知りません。そもそもそんな極北では生態系が乏しいのではないかと感じます。どういう環境が評価されたのでしょうか?
ウクライナの不明5物件の内、3つは突き止めました。このHPはウクライナの国立公園を総合的に掲載したよく出来たHPですが、画像だけで個々の公園についての解説はありません。ただし全部読んだわけでないので、もっと精読すると書いているかもしれませんが。
ウクライナの国立公園一覧
http://www.freenet.kiev.ua:8080/ciesin/er98/bio/prt/res.htm
Karadagsky Natural Reserve
http://www.freenet.kiev.ua:8080/ciesin/er98/bio/prt/karad.htm
Kanivski Nature Reserve
http://www.freenet.kiev.ua:8080/ciesin/er98/bio/prt/kaniv.htm
National Nature Park “Svyaty Gory”
http://www.freenet.kiev.ua:8080/ciesin/er98/bio/prt/sv_gor.htm
掲示板にこういうURLを貼り付けることは、あまりしない方がいいのかもしれませんので、今後はひかえます。
- 18 名前:浦に〜と
投稿日:2001/9/17(月) 10:16:24
- 収斂さん>
ありがとうございます。画像が付いてるけど解説は無いようですね。ユネスコの生物圏保護区のサイトも見ましたが、あれら5物件は選定されていないようです。
イクチオサウルス発見については、何かのエピソードが伝えられていましたね。どんな話だったか、もう忘れてしまいました。その場所がドーセット海岸なのかというのも私は知りません。
ウランゲル島は何も分かりません。そもそも北極圏の自然がまだ登録されていないので、そういったことも考慮されたのではないでしょうか。また北極地方は生物相が乏しいといっても、それが北極の生態系なのですから、登録の障害にはならないと思います。ただしウランゲル島は、6月の会議では登録できると言われていません。IUCNの調査結果が報告されないと、どうなるか分かりません。