暫定リスト。
1 名前:じょび 投稿日:2001/9/24(月) 04:06:55
 「暫定リスト」は、世界遺産に登録のために、5年から10年以内に推薦しようとしているものですよね。
現在、日本の暫定リストに掲載されているのは、
平泉の文化遺産(岩手県) 紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県・和歌山県・三重県)
石見銀山遺跡(島根県) 彦根城(滋賀県) 古都鎌倉の寺院・神社ほか(神奈川県)
 となっていますが、彦根城、鎌倉は、リストに載ってから結構年月がたってますよね。いつ載ったかわかりますか?
 「5年から10年以内」ということは、もうそろそろ「しかるべき時」がくるのでは?
 暫定リストに載っても、結局登録されずにサヨナラってことはあるのでしょうか?

2 名前:浦に〜と 投稿日:2001/9/26(水) 18:18:13
彦根城と鎌倉が暫定リストに記載されたのは、1992年です。1992年に、法隆寺などの4件を初めて登録申請すると同時に、「広島平和記念碑(原爆ドーム)」以外の8つの文化遺産を暫定リストとして提出したようです。その8件のうち、昨年までに6件が登録されて、彦根城と鎌倉が今でも残っているという状態ですね。

ちなみに暫定リスト掲載名と実際の登録名ではかなり違う部分もあるようで、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」なんか、当初の掲載名は「Shirakawa Mura (historic village)」だったようです。

3 名前:じょび 投稿日:2001/9/27(木) 01:01:58
 実は本日鎌倉へ行って来ました。鶴ヶ岡八幡宮、建長寺、円覚寺などをまわってきました。そこで思ったのですが、
おくまで歴史的・建築学的・民俗学的見地などの学術面の視点ではなく、一観光客から見ると、鎌倉の物件はこぶりです。
日光や京都、奈良に比べると…ですね。
 そして、「町」とみても、ほかの日本の町と同様かなり近代化が進んでいるので、ヨーロッパのように「街並みで」というわけにもいかなそう。
 鎌倉は一度だけ行ったことがあったのですが、思った以上に「本当に世界遺産になれるの?」という印象を持って帰って来ました(あくまで素人の印象)。

4 名前:高橋 投稿日:2001/10/1(月) 01:04:59
高橋です。
鎌倉の物件がこぶりだと思われたじょびさんの感想はまさに的を得たものだと思います。鎌倉の神社仏閣は歴史の古いものが多い割に、建造物として古いものは少ないのです。
また、東京まで1時間足らずの通勤圏でネームバリューが高いもので古いお屋敷(といっても大正から戦前まで)の土地が区画され恐ろしい勢いで住宅建設が進められています。奈良や京都も同じ問題はあるのでしょうが、建造物の価値も街並みの風情も劣っていると認めざるをえないでしょう。
私も鎌倉の世界遺産登録には懐疑的ですが、現在は城砦都市としての性格を押し出して登録を目指すようです。これは教科書などにも記載されていたと記憶しますが、鎌倉の地勢は三方を山に囲まれ、南は海という天然の城砦をなし、それがために交通路として切り通しを設けたというものです。
しかし切り通しの保存状態が良いのも釈迦堂の切り通し1箇所ではないのでしょうか。住人とは言え、私が知らないだけかも知れませんが。
私個人としては鎌倉の顔である鶴岡八幡とその参道である段葛、海岸まで延びる若宮大路、三つの鳥居といった単純明快な都市造り。あるいは建長寺、円覚寺、光明寺といった禅宗伽藍が培った文化といったものが評価されればうれしいのですが。
あと、忘れてならないのはやぐらと呼ばれる横穴墓群ですね。

世界遺産になることよりむしろ、これを契機に行政も住民も本当の鎌倉を考え直すことができれば良いと思っています。

じょびさん>
次回、鎌倉に来る時にはぜひご一報ください。

5 名前:じょび 投稿日:2001/10/1(月) 02:47:07
 鎌倉と言えば高橋さん! すっかり忘れていました。
 なにしろ鎌倉はガイドブックなしでいったんですよ。部屋の中に「地球の歩き方」や「マップル」(最近は「上撰の旅」)などが増えすぎて「もう買わない!」と誓ったのです。
 で、近くの図書館で借りようと思っていたら休みだったんです。で、仕方なく駅の観光案内所で地図をもらい、レンタサイクルで回りました。
 それで、「一報」したら、ご一緒していただけるんですか? もしそうならうれしいですね。

6 名前:浦に〜と 投稿日:2001/10/1(月) 11:34:30
確かに鎌倉は京都・奈良に比べると、世界遺産としてはあまり見栄えしないようにも感じます。私の中で鎌倉は、古都というよりも、東京に一番近い観光地・保養地であるというイメージが強いからです。それに鎌倉のイメージを決めるものは大仏や鶴岡八幡宮だけでなく、江ノ電や材木座・由比ガ浜などによるところが大きいと思われ(最近は北鎌倉も人気のようですが)、こういったことからも完璧な古都という印象は持てないのです。

世界遺産として鎌倉を見た場合には、やぐらや切通しがメインになると思います。私も今まで何度か鎌倉へ行ってますが、肝心の覚園寺のやぐら群・朝比奈切通しなどは見ていません。私は、鎌倉の個人的評価は、こういった物件を見てからにしたいと思います。

ところで段葛は、世界的に見ても極めて特殊な建造物ではないでしょうか? 段葛があるというだけでも、世界遺産に登録できる理由の一つにまでなるような気がします。どうでしょうか。

7 名前:じょび 投稿日:2001/10/6(土) 17:24:20
 彦根城もなかなか世界遺産になれませんね。行ったことがないので自分なりの感想はありませんが、気になることがあります。
 「姫路城がすでに登録されているので、似た建物の彦根城は難しいのでは?」ということです。
 ヨーロッパには同一国内でいくつもの大聖堂やローマ遺跡、岩壁画などが登録されています。だったら、別にいいんじゃないかなあ、というのが僕の意見です。

8 名前:浦に〜と 投稿日:2001/10/7(日) 14:51:00
彦根城は姫路城とは違った趣です。小さく、美しく、本当に素晴らしい文化財だと思います。でも日本の中世城郭として「姫路城」と全く同じですし、装飾著しいという点を強調しても、それは「顕著で普遍的価値」とまでは言えないでしょう。

ヨーロッパではローマ遺跡や大聖堂が多く登録されておりますが、各々の物件の特徴を見比べると、様々に違って変化に富んでいるようにも受け取れます。この辺に関しては、解釈が難しいところですが、保存状態の良さなどといった点も評価されているのではないでしょうか。