私の裏の裏の世界遺産
1 名前:柳沢健司 投稿日:2001/11/30(金) 20:40:06
このサイトを見つけたときは二重の意味で大変感激しました。ひとつは、個人的に裏世界遺産と考えていたサマルカンドが、実際に世界遺産委員会の議題にあがっていたこと、そしてこういうサイトを作ろうと考えた人がいて実際にこういったサイトがあることです。私は、埼玉県の小さな町の教育委員会の学芸員で中南米の古代遺跡やアフリカの鉄器時代以降の遺跡、イスラム建築が非常に好きな人間です。今日は無形文化遺産の

2 名前:柳沢 投稿日:2001/11/30(金) 21:29:44
今日は無形文化遺産の項目を発見し、また感激してしまいました。インドネシアのケチャやワヤンが今度は気になってしまいます。さて、このサイトが見つかってしまったので「裏の世界遺産」という言葉は使えなくなってしまいましたが、気になるのは、モーリタニアで1950年代に発掘調査されたガーナ王国の首都と言われるクンビ=サレー遺跡の名前があがらないこと、またあれほどアフリカ美術に大きな位置を占めるナイジェリアに1件の遺産がないことです。確かにすばらしいものすべてが登録されるわけではないとはいえ、サマルカンドがいまだに登録されていないのは、どうしても納得いきません。登録されていない理由を知りたいのでご存知でしたらご教示ください。ナイジェリアについては、イフェやベニンの優れた美術品がありますが、やはり登録されていないのは動産のせいなのでしょうか(
たくさんあるのできりがないのかもしれませんが)。不動産としての遺跡では、イボ=ウクウの青銅器を伴う墳墓群がありますが名前を挙げるまでもないということなのでしょうか。そうだとしたらナイジェリアは、「世界遺産」で一番わりを食っている国だとおもいます。さて、これを書いているとき自分の郷里の長野県佐久市には、ついに国の無形重要文化財になった跡部の踊念仏があります。鎌倉新仏教のひとつといわれる時宗の踊念仏が実家からたった数百メートルの場所に残されていて、自分がこどものころは市の指定文化財になっていたものです。それが全国の無形民俗文化財を発表するイベントで招待されていたのを職場でチラシを見てびっくりしました。今は手元に詳しい資料がありません。興味をもたれる方もいるかもしれませんので、近いうちにこの掲示板に踊念仏のことを書くかもしれません。長くなってすみません。

3 名前:柳沢 投稿日:2001/12/1(土) 14:37:07
先日、ナイジェリアには1件も世界遺産がないと書いてしまいましたが実際には、99年に「スクルの文化的空間」が登録されているのをこのHP
で確認しました。乱筆乱文とともにおわびたします。

4 名前:浦に〜と 投稿日:2001/12/3(月) 19:10:25
私は、これまでに世界遺産会議に名前が挙がった各国の推薦物件を対象として、裏世界遺産としています。まだ世界遺産登録の具体的な動きがなくても、その価値があると思われるような物件もコレクションすれば、膨大な数の文化財や自然がリストアップされるでしょう。それもある意味「裏世界遺産」と言えますね。

世界遺産の中にも無形文化的な要素を考慮して登録された物件があります。大韓民国の「宗廟」は、伝統的な祭礼が執り行われる舞台として重要だとされていますし、ご指摘なさっているナイジェリアの「スクルの文化的景観」も、その地方の数百年間の伝統文化・信仰を明確に示しているとされ、世界遺産に登録されました。無形文化遺産の取決めも出来たことですし、今後は無形文化の要素を大きく含む不動産文化財も、多く登録されるかもしれませんね。しかし過去の美術作品や古代の出土品は、世界遺産や無形文化遺産にはなれないでしょう。

ウズベキスタンの「サマルカンド」が登録延期になったのは、申請範囲に問題があったためのようです。(詳しくは分かりません)。なんでこれが世界遺産に登録されていないのか、と疑問に思うような物件はいくつもありますが、大まかな理由としては、保存状態が悪いとか、保護法に不備があるとか、自然保護・文化財保護の義務を嫌って申請されないなどという理由が考えられます。

5 名前:柳沢 投稿日:2001/12/6(木) 01:44:52
浦に〜とさん、書き込みありがとうございます。また、わたしの操作ミスの訂正もしてくださり、
ありがとうございます。最近は、このHPをひらくのが日課になってしまいました。収斂さんや浦
に〜とさんをはじめとして皆さんの書き込み文は、新しく知識を得るだけではなく自分で調べて
書くようになるので、大変勉強になります。
過去ログも熱い論議がかわされていて読んでいてあきません。
さて、アフリカの件ですが、あれからクンビ=サレー遺跡についてwebサイト探しをしました
が、モーリタニアで一番有名な遺跡という以外これといった情報は得られませんでした。すべて
見ているわけではないので、ボーナスも出たことだし、プリンターを買ってこようか、と思って
います。さて、ナイジェリアにこだわりますが、ナイジェリア西部の「イフェとエシエの石造彫
刻群」は、アフリカ美術全体への位置づけ、不動産的な性格から文化遺産登録基準1,3にふさ
わしい、また、韓国の支石墓が登録されたのならイフェ、ベニンへ続くアフリカ美術の曙といえ
る土偶が出土する「ノク(Nok)文化の遺跡群」は、登録基準3にふさわしいと考えられます。
初期鉄器時代の遺跡であって、そのアフリカ史における位置づけが評価されれば、「ジョス(Jos)
高原の初期鉄器時代遺跡群」となるかもしれません。当該国以外の一般ピープルは、指をくわえて
見ているだけなのでしょうか。くやしいかぎりです。
アフリカ考古学は、面白そうですが趣味でかじっている段階です。しかし、タンザニアの「キルワ
=キシワニ」やジンバブエの「大ジンバブエ遺跡」、「カミ遺跡」、エチオピアの「アクスムの考
古遺跡」、「ラリベラの岩の教会群」、マリの「トンブクトウ」はいずれも世界遺産登録納得のす
ばらしい遺跡であり、文化遺産であることは知っていました。神田神保町の一誠堂書店に「キルワ
」の発掘報告書がおいてありましたが決心して買いに行ったときには、売れきれてしまいました。
アマゾンでは、売っていませんでした。 
話は変わりますが、平泉の伝統的建造物群の指定の件やバッファーゾーンのことも先に書き込んで
くださる方が現れない限り調べておこうと思います。