もう一つの世界遺産リスト

裏世界遺産

 

 2008年の第32回世界遺産委員会。日本が登録推薦した「平泉」が「登録延期」となりました。国内初の落選物件として話題になりましたが、世界遺産の歴史上、落選は珍しいことではありません。海外の落選物件にはどのような場所があるのでしょうか。


■裏世界遺産、現在300。ちなみに世界遺産は936
※以下の各見出しの件数の和が合計と一致しないのは、大陸をまたぐ物件があるためです

●アフリカの33件マップ
「マサイ・マラ国立保護区」(ケニア)、「奴隷の道」(ベナン)など……

●アラブ諸国の26件マップ(アジア・アラブ)マップ(アフリカ・アラブ)
「バビロン」(イラク)、「サンガネブ環礁」(スーダン)など……

●アジア・オセアニアの55件マップ(アジア)マップ(オセアニア)
「雪岳山(ソラクサン)自然保護区」(大韓民国)、「パガン」(ミャンマー)など……

●ヨーロッパ・北米の144件マップ(ヨーロッパ)マップ(北米)
「湖水地方」(英国)、「ル・コルビュジエの建築作品」(フランス・スイスほか)など……

●ラテンアメリカ・カリブ海の45件マップ(中米)マップ(南米)
「リオ・デ・ジャネイロ」(ブラジル)、「ファン・フェルナンデス群島」(チリ)など……



■審議のすえ落選もあり得る。それが、世界遺産

 世界遺産への道。それは決して平たんではありません。万全な保護・管理体制を整え、その場所の真正性・完全性を証明し、国内外にある類似物件との比較検討も徹底して、「なぜここが世界遺産にふさわしいか」を説得的に示さなくてはなりませんからね。
 年1回の世界遺産委員会では、新規登録と同時に、必ず何件かの落選物件が生まれます。登録された場所は大々的に報じられるのに、落選した場所については、まるでそれがタブーであるかのように、ほとんど語られることがありません。このへんも国内の「世界遺産至上主義」を助長しているようで、イヤなんですけどね。
 けれども歴史をひも解けば、イタリアの「ローマ歴史地区」は落選を経て2度目の挑戦で登録され、中国の「パンダ保護区群」は3度目に登録。シリアの「アレッポ歴史地区」にいたっては、「シリア政府に対して要求されている課題が解決されていない」と報告され審議対象外になった年も含め、5年連続で落選。6度目の正直で世界遺産になりました。
 つまり、場所の価値の説明がうまくいかなかったとか、提出書類の内容がまずかったとか、そのときどきのちょっとしたミスで審議に引っかかってしまったのが、裏世界遺産なのです。登録されてもされなくても、その場所の価値は変わりません。どうかそのことを念頭に、以下「裏世界遺産リスト」をご覧になっていただければと思います。



■2000年以降、晴れて世界遺産に「昇格」した裏遺産104

●裏世界遺産解説集バックナンバー
 弊サイトが開設した2000年以降、一度「裏世界遺産」として紹介しておきながら、その後登録された場所のリストです。


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