意外と更新が激しい
暫定リストの系譜
「暫定リスト」とは、世界遺産条約の締結国が5〜10年後の登録を目指している場所の一覧表。いわば、各国の公式な候補地リストです。日本は1992年の初提出以降、定期的に内容を追加していますが、国によっては削除したり、再掲載したりと、わけのわからない状況になっているものも少なくありません。そこで、世界遺産センターで公開されている情報をもとに、国別の暫定リストの掲載履歴をまとめてみました。 |
■アフリカ →世界遺産の登録数が少ないサハラ以南のアフリカ。多くの国が、2000年代に入ってからようやく暫定リストを提出するようになりました。ギニアビサウ、スワジランド、シエラレオネなど、世界遺産ゼロの国の遺産に要注目です。 ■アラブ諸国 →目下、話題の中心にあるのが、2011年にUNESCO加盟を果たしたパレスチナ。12年2月以降、矢継ぎ早に暫定リストを提出し、いまや13件の「登録待ち」物件を抱えています。戦争の記憶が新しいイラクでも、00年以降暫定リストの提出が盛んです。 ■アジア →日本は現在、12件を記載しています。イランは56件で、2012年6月現在、世界最多。中国は現在52件ですが、80年代から国内各地の名所の記載と削除を繰り返してきました。累計記載数は120件にも及び、「中国名所総覧」といった感じで、圧巻です。 ■オセアニア →アフリカとともに世界遺産の空白地帯となっているオセアニア。各国では控えめながら、00年代以降暫定リストを提出するようになりました。 ■ヨーロッパ 準備中 ■北米 →アメリカ合衆国は、かつて世界最多の暫定リスト記載数を誇りましたが、08年に大幅に削除されました。「五大湖」や北極圏の「ツクトヤクツクの氷丘」など、興味深い自然遺産を多数候補にあげていたカナダも、04年に大幅に見直されています。 ■ラテンアメリカ・カリブ海 準備中 |
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