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             ’00.10.3


エネルギーの授業〜
「夜の地球」から身近なエネルギー問題を考える
 

                           

○ はじめに

向山氏は言う。


 教師は子供と未来を見つめる。迫り来る困難を共に考え、明るい夢を教え子と語る。
 これも大切な教師の仕事である。
 ところが、未来を語らない教師が多い。
 未来を予測させる現在の事実を語らない教師も多い。
         (「教室ツーウェイ」NO181明治図書〜編集前記より)
 

 氏はさらに続ける。


 日本の子供たちの「エネルギー」の事実認識、教養は先進諸国では群を抜いて低い。
 この子たちは、後二、三十年すれば、間違いなく「エネルギー枯渇ショック」に直
面する。
 教師は何もしなくていいのか?事実を教えなくていいのか?(中略 三村)
 日本の子供に日本の未来を授業できるのは、日本の教師だけである。

 (同書より)
 

エネルギー資源の可採年数については、すでに多くの方々が提唱しているので割愛する。

しかし、このまま資源を浪費し続ければ、氏の言うように間違いなく2015年後には今の子供たちは重大な危機にさらされるであろう。

 「知らない」ではすまされないのである。

 地球そのものの危機なのである。

 今、わたしたちが正しいエネルギー教育を推し進めていかないと、そのツケは、いずれ、自分の子供、孫と近未来の子孫に重くのしかかっていく。

 我々は、もっと現実を見つめ、その責任の重大さを自覚せねばならない。

 

■かく言う私も、恥ずかしながらエネルギー教育に関する理解と関心は極めて低かった。

 ついに言ってしまえば無知であった。

 社会科の学習のどこかの部分で扱えば(ちょっと触れさえすれば)、いいとだけ考えていた。

 今思えば、これは恐ろしいことである。一介の教師であるならば、(先の氏の言葉を借りるならば)犯罪行為に等しいとさえ思う。

 省エネ・節電など耳にしている子供は意外に多い。家庭や学校でも、電気を付けたら消しなさいなど、しつけの一つとして言われてはいる。

しかし、今や豊かすぎるほどになった日本、そしてこの時代に生まれ育っている子供たちには、「エネルギー資源が、もう数十年でなくなってしまうのだ。」と話したところで、どれほどの実感があるというのか。

いや、資源が無くなってしまうということにすら、関心を持ったり、目を向けて真剣に受け止めたりする子供は、果たして何人いるのであろう。

 我々大人だってそうだ。

 現在の毎日の生活に安住し、「先のことなど分からない。今の生活が楽しければ。」と思うのが関の山だろう。

 しかし、事実を知れば知るほど、理解を深めれば深めるほど、将来そして未来への希望は悲しいかな、かすんでいくのである。

それほどまでに、今、エネルギー問題は深刻なのである。

しかし、我々の未来は、努めて明るく希望に満ちたものでなければならない。

 生きると言うことは、そういうことなのだと思う。

 今、地球レベルで物事を見つめ直さねば、生きては行けぬ時代になってきたのである。

 エネルギー教育の推進は、我々教師の子供たちに対する義務であると共に使命であると言える。

 そして、その実践をつなげていくことが、我々教師や大人が自己の生き方を一層見つめ直し、近未来人としての自覚と責任を取り戻すきっかけとなるに違いない。

 

■さて、エネルギー教育(ここでは狭義に考え、実際の授業レベルで考えていくことにする)を推進するに当たっては、以下のことがポイントとなる。

 「教室ツーウェイ」NO188本誌の特集〜「子供に『近未来』を授業する」で、木村孝康氏は、次の基本的指導過程の5つのステップを示している。


(1)身近な生活からエネルギーを考えさせる。
(2)エネルギー資源の有限性に気づかせる。
(3)日本の近未来の対処について考えさせる。
(4)事実の提示でゆさぶり、子供たちの変革を。
(5)明るい展望を持って自己変革へ。
 

 これは、単元全体の中で構成する際の観点であるからして、一時間かそこらの授業で5つのステップを一気に盛り込む展開は無謀といえる。

 やはり、何時間かユニットを組み、「総合的な学習の時間」の中で扱っていくのが、流れや計画としては相応しいし、学習効果や広がりも期待される。

 

■ここで紹介する授業例は、私自身がエネルギー問題を考える糸口になればと思い、実践したものである。

 当然、先行実践を参考及び修正追試しながら授業を構築してみた。

二時間単位の授業である。第一次はVTR「46億年の贈り物」(電気事業連合会)の視聴である。向山氏絶賛のVTRである。

視聴後、感想を書かせ、発表させた。地球規模でとらえさせることができるすばらしいVTR(全25分)である。

 第二次が標題にある授業となる。

「まずはやってみること」ここから全て始まると考え、実践してみた。

 授業対象学年は6年生である。

 

 

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