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Ⅳ.まとめ〜成果と課題

 

 環境問題を学習するにあたり,1学期は「生き物が病んでいる!?」というテーマで,国語科・道徳等と関連させながら学習を組み立ててきた。

「道徳の時間」では,ややもすると,創作された読み物資料は虚構の世界であるがゆえに,建前論的な話し合いに終始しがちになることがある。

とかく環境問題を扱う資料には,自然愛や動植物愛護などの価値項目にはめこんで,多様な見方・考え方と言いながら,視野の狭い「頭ではこうすべきであると分かる」だけの内面的自覚で終わっていることが多いような気がする。

もちろん,指導の展開のあり方・資料提示(資料活用)の仕方にもよるところが大きいが,それよりもまず,本質のところで子供の心に響く,心にズシンとくる生きた教材や資料の選択こそ,新しい道徳の授業で求められていることではなかろうか。

 また,本来,道徳の授業は一つの価値項目や徳目だけを扱うものではない。様々な価値観や見方・考え方,そして人間としてのあり方・生き方をもトータルにした1時間の道徳授業の構築をすべきだと思うし,そうあるべきだと思う。

 

 今回紹介した実践例は,環境問題を扱った関連的学習の一端としての授業実践である。

 今や環境問題は,日本のいや世界の大きな問題であり,学校教育への今日的要請の強い課題であることは言わずもがなである。

 現実問題としてとらえその現実に正対することで,薄っぺらな今までの自分の考え方に気付き,深く思考を促していくことは極めて重要である。ひいては、それが私達は,そして自分には何ができるのかという課題に直に向かい合うことになるからである。

 そういう授業を構築し,実践していくことが今求められているのである。

 

 新聞記事を活用した今回の実践は,誠にありふれた拙いものである。

しかし,子供たちは最新の事実に触れることで興味と関心をもち,陰に隠れている新たな問題や人間との関わりに気付いていった。

そして,自分たちでもっと調べたいという気持ちをふくらませ,意欲的に他の資料やインターネットを活用しながら情報を収集していった。

 「新聞」という生きた事実の教材が,確かに子供の心を動かしたのである。

 

 

 家庭学習(自主学習)においても,新聞記事をスクラップしてコメントを書いたり,朝の活動のスピーチでも新聞記事をネタにしたものも増え,新聞を通して社会への関心が広がっている。

今後も総合的に環境についてよりグローバルな視点で学んでいくことになるが,一層様々な新聞を読む動機付けを図る日常指導や情報収集の仕方,そしてそれを客観的に判断し思考する柔軟な見方・考え方を養っていけるようにしたいと考えている。

そのためには,今回,新聞一紙をコピーして子供に与えたが,NIEの基本理念から考えるとやはり複数紙を与え,新聞をまるごと活用するような実践も今後考えていく必要があるだろう。

 

 以上,緩やかに,しかし着実にNIEの学校教育での有用性を探っていきたいところである。