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▼ はじめに
対象は6年生。
<第二次>は,内海俊行氏の修正追試である。
(「道徳授業改革双書2〜福祉の授業」明治図書P82〜97より)
2時間扱いの授業である。
この後,「お年寄りの体の状態を理解しよう〜『老化』とは?」(1時間)→
「高齢者疑似体験」(2時間)と学習を展開していく。
全5時間の学習計画である。
▼ 授業の流れ
<第一次>
資料(1)(「うばすてやま」)を配付する。
「昔々のお話です。」とひと言言ってから,静かに範読した。
範読後、簡単な感想を数名に尋ねた。
その後,黒板に「お年寄り」のイラスト顔を貼り、次のように問うた。
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発問1 現在の日本は、お年寄りを大切にしている国だと思いますか。そう思う人は○、そう思わない人は×をノートに書き、その理由も書きなさい。
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2分後,挙手させ、人数分布を見る。
そのわけを、指名なしで数名に発表させた。
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×バスや電車で席を譲る人も少ないし,農業などもお年寄りに任せきりだから。
×若い人よりもお年寄りの方が働いている人が多い気がする。
×今の日本は,自己中心的な人が多いと思うから。
×公共の場で,携帯電話をしたりたばこを吸ったりしてマナーが悪い人がいるし,お年寄りの人が注意しても無視したりしているから。
×ニュースでよく聞くんだけれど,少年が年上の人を襲ったり殺したりしているのを聞くと,悲しくなるから。
×シルバーシートに堂々と座っている若者がいる。
○「老人ホーム」とかいろいろな施設がたくさんあるから。
○バス・電車にもシルバーシートとかきちんと用意されているから。
○女子高生の人が,おばあさんに席を譲っているのを見たときがあって,さすがだなあと思ったから。
○「きんさん・ぎんさん」のように長生きする人をたくさんの人が喜んだり祝ったりしてくれるから。
○最近は介護する人もいるし,バリアフリーも進んでいるから。
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「なるほど。」と受け止めつつ、発問を以下のように変えて問うた。
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発問2 では、日本は、お年寄りにとって住み良い社会になっていると思いますか。先ほどと同じように○か×か書きなさい。
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1分後,同様に挙手させる。
先ほどの問いかけとは,違う挙手をした子供にそのわけを尋ねてみた。
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(○→×)
・交通量が,年々多くなってお年寄りがゆっくりと歩けなくて危険。
・老人ホームはいいけれど,いろいろとお金がかかって,年金などでまかなえないと思うから。
・施設はいいけれど,大気汚染や環境問題も心配されるから。
・犯罪などが増えているから。
・ニュースなどで,弱いお年寄りに暴力をふるう人がいるから。
(×→○)
・きれいな老人ホームがあちこちにできている。
・家なども段差を少なくするなど工夫がされてきている。
・老人ホームとか建物はあっても,人と老人との関わり合いができていないから。
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挙手や意見から,微妙に以上の二つの問いかけに対する考え方は違うようにとらえているようだった。
「なるほどね。あとで、もう一度同じことを聞きます。」と言って、ここはすぐにうち切った。
次に,子供たちに資料(2)(「平成11年度秋田市高齢者人口調べ」〜インターネットでダウンロードしたもの)
を配付し、拡大コピーした同じ物を黒板に貼った。
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指示1 この表を見て、気付いたこと・分かったこと・思ったことをノートに書きなさい。
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書けた子から、自由に発表させる。
ここでは、「全国の比率に比べ秋田県の65歳以上の比率が高い。」
「秋田市も秋田県に比べて65歳以上の人が多い。」ということが押さえられればよしとした。
続いて資料(3)(「平成11年度高齢化率市町村別順位〜秋田県」)を配付する。
ここで、資料にある言葉について補足説明をする。
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説明1 私たちが、一般に「お年寄り」と言っている人のことを「高齢者」(板書)と言います。高齢者とは65歳以上の人のことで、別な言葉では「老年」(板書)とも言います。これは、世界保健機関WHOで定められています。
したがって、「高齢化率」というのは、総人口のうち高齢者の人口がどれだけしめているかを表したものです。
高齢化率7%が「高齢化社会」、14%をこえると「高齢社会」、20%をこえると「超高齢化社会」と言います。
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時間短縮を図るため,以下の表を黒板に提示した。
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世界保健機関WHOで定めている
高齢化率 = 高齢者人口/総人口 × 100
高齢化率が 7% → 高齢化社会
14% → 高齢社会
20% → 超高齢化社会
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指示2 では,資料(3)を見て,気付いたこと・分かったこと・思ったことをノートに書きなさい。
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作業後,列指名で尋ね,他は言いたい子に言わせた。
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・私たちの住んでいる秋田市は,低い方のベスト3に入っているが,よく見ると,22.7%だから「超高齢化社会」だ。
・高齢化社会になっていない市町村は,秋田県にないとは驚きだ。
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概ね,以上のような意見が出された。
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説明2 秋田県は,みなさんも気付いたように「超高齢化社会」なのです。現在6人に一人がお年寄り,高齢者なのです。
私たちの住んでいる秋田市は,5人に一人が高齢者です。
このクラスで言えば40人ですから,このうち8人は高齢者という割合になります。
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子供たちから「そんなにいるのか。」というつぶやきが聞こえてきた。
「では,次の資料です。」と言って,資料(4)(「秋田市年齢別人口割合の推移」)を配付。
まず,このグラフに書かれてある人口区分名を読ませる。
その後,手短に説明を加えた。
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説明3 「年少人口」とは0〜14歳,「生産年齢人口」は15〜64歳,「老年人口」は65歳以上の高齢者のことです。そこのところにメモしておきなさい。
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発問3 では,このグラフから気付いたこと・分かったこと・思ったことを同じようにノートに箇条書きで書きなさい。
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これもテンポよく,列指名で座ったまま答えさせていく。
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・年少人口が,年々減っている。
・生産年齢人口が一番多い。
・老年人口が年々増えてきているようだ。
・老年人口と年少人口が,ほぼ同じくらいになってきた。
・老年人口が増えるにつれて,年少人口が減っているようだ。
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以上,ねらいとする読みとりのポイントは,どの子もとらえているようだ。
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発問4 秋田市,秋田県に代表されるように,日本は現在「高齢社会」です。
これから予想して,20年後の日本では,65歳以上の人は今より増えているでしょうか。(○)そうとは言えないでしょうか。(×)
どちらかをノートに書いてごらんなさい。できれば,そう考えた訳も書きなさい。
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2分後,尋ねる。
ここは,×と答えた二人のみにその理由を言わせた。
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・環境が悪くなって,弱い老人は長生きできなくなると思うから。
・病気などで亡くなる人が増えてくると思ったから。
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悲観的に考えているようだ。次に黙って以下のように板書した。
数名に尋ねてみる。
「病気している人」「家族でおじいちゃん,おばあちゃんと暮らしている人」など。
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説明4 20年後,みなさんは何歳になっていますか。(子供たち「32歳。」の声)
働き盛りですね。その20年後,日本では,65歳以上の人が4人に一人の割合になるそうです。このクラス40人ならば,10人が高齢者になる割合ですね。
これは実は,日本が世界で一番高齢者の割合が高い国になることを示しているのです。
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子供から「えっー。」という声が聞かれた。
「いやだぁー。」という声もあった。この声は聞き逃せない。
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指示3 さて,このような状況の中,日本は,年取った人たちでも平和で幸せに暮らせるような社会の仕組みを作っているのでしょうか。
また,もし作っているとしたら,具体的にどんな仕組みを作っているのでしょうか。
みんなで,調べてみることにしましょう。
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このように告げて,残りの時間は,各自の「調べ学習」にあてた。
子供たちは,熱心に参考資料やインターネットで調べ,ノートに分かったことをまとめていった。
調べたことは,次時に発表してもらうことにした。
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