’98.11.17
NO.22
1.はじめに
本作品「チクタク チクタク」は、実に単純明快である。リフレインと類比で構成し、テンポよく時間の流れを表現している。
子供にとっては、特に抵抗もなく、読み親しめる詩である。大河内義雄氏の修正追試である。
ここでは、この詩の明快さと、時の流れの主想とも言える第6連に着目させ、心地よいリズムに浸らせたいところである。
また、この詩で学んだことを元にして、この詩をモデルにした自作の詩作りをさせる。
2.授業の流れ
印刷したプリントを配布後、すぐ範読する。その後の指示。
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チクタク チクタク
よだ じゅんいち
チクタク チクタク チクタク、
お米がごはんになりました。
チクタク チクタク チクタク、
木のめが葉っぱになりました。
チクタク チクタク チクタク、
たまごがひよこになりました。
チクタク チクタク チクタク、
やごがとんぼになりました。
チクタク チクタク チクタク、
お花がりんごになりました。
チクタク チクタク チクタク、
チクタク チクタク チクタク、
太郎が小学生になりました。
「ぼくがかいたまんが」(国土社の詩の本4)より
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全員着席したのを確認してから問う。
全員が、「6連」と答える。
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発問2
「チクタク」という言葉が詩の中に何回も出てきています。(リフレインされています。)いくつ出てきていますか?
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数えさせる。全部で「21」ある。
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発問3
「チクタク」って何ですか?ノートにずばり一言で書きなさい。
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巡視し、意図的指名で発言させる。以下の意見が出た。
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・時計のなる音 ・時計の回っている音 ・時間 ・時間の立つ音 ・時 ・音
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「おもしろいね。同じ詩を読んで、同じことを聞かれたのに違う答えが出てくる。これだからおもしろくてやめられないね。」などと言って、さらに意見を促した。
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指示2
おかしいと思うものありますか。意見を述べなさい。
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・「音」がおかしい。「チクタク」は音ですが、他の音もあるし、何の音なのかはっきりしないからです。
→(「音」が取り下げられた。)
「すると何の音なの?」と尋ねると一様に「時計の音だ」と答える。
「なるほどね。」とここでは、このくらいに押さえておく。
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発問4
さて、それではね。「チクタク チクタク チクタク」と3つつなげて書いているのは何を表しているのかな?
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考えを書かせた後、「これから3人の人に発表してもらいます。その人の考えが一番いいと思ったら、その人の名前をノートに書きなさい。」と指示した。
3人は教師側で意図的に指名予告しておいた。
発表後、人数分布を挙手で調べて板書する。
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・ 3秒立ったということ(Aさん)→ 6 人
・ 針が3回動いた (Bさん)→ 13人
・ 時を表している (Cさん)→ 11人
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時間がなかったので教師の方でおかしい解を正していくことにした。
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説明1
3秒立つと「お米がごはんになります」か?→「なりません。」
次、針が3回動くと言いますが、・・・・・・
秒針が3回回ると3分。3分で「木のめが葉っぱになります」か?
→「なりません。」
長い針が3回回ると3時間。3時間で「お花がりんごになります」か?
→「なりません。」
短い針が3回回ると3日。3日で「お米がごはんになります」か?
→「なりません。時間かかりすぎ。」
だから、Aさん、Bさんの考えは違います。
では、正しいのはと言うと・・・全部間違いです。
→「えっー。」
正しいのは、「時」ではなくて「時の流れ」「時間の流れ」「時間が立っていること」を表しているのです。だから3つ並べて書いているんですよ。
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この説明で、子供たち「納得。」といった表情。
なお、本時ではないが、以前同じ詩で授業したときは、同じ3年生で「朝・昼・晩」と答えた子がいた。
正しいとは言えないが、子供とは実に面白い考えを出すものである。
さて、中心発問へと急ぐことにする。
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発問5
ここの連は、他の連とはちがうよ。どこがちがう?
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・「チクタク」が6つある。
・3行でできている。と子供たち。
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発問6
「チクタク チクタク チクタク」が、どうしてここだけ2行なのですか?
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自由発言を促す。
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・1年間を表していると思う。
・小学生になるには、たくさん時間がかかるからです。
・何年もしないと小学校に入れないからです。
・「お米がごはんになる」ことより、もっと時間が必要だからです
・「チクタク」1回は1年を表していると思う。だから6回あるから6年を表していると思います。
(この意見は正しいとは言えない。しかし、物凄い閃きである。6年立つと小学生だとは予想だにしなかった。最高に誉めた!!)
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「たくさん時間がかかるから、2行書いているんだね。」と言って、まとめた。
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指示4
それでは、これから、この詩と同じような似た詩を自分で作ってみることにしましょう。
「チクタク チクタク チクタク」は、必ず書いてくださいね。
では、始めなさい。
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悩みながらも、どの子も文作りを楽しんでいる。
作業には5分取ったが、作品を発表する時間を取れなかったことが残念であり、時間配分のミスであった。
子供の書いた作品を集めて授業を終えた。
3.おわりに
子供が作った詩をいくつか紹介する。
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チクタク チクタク
ゆきな
チクタク チクタク チクタク、
たまごが幼虫になりました。
チクタク チクタク チクタク、
朝が夜になりました。
チクタク チクタク チクタク、
やさいがサラダになりました。
チクタク チクタク チクタク、
ガラスが鏡になりました。
チクタク チクタク チクタク、
つぼみがお花になりました。
チクタク チクタク チクタク、
チクタク チクタク チクタク、
子供が大人になりました。
チクタク チクタク
みゆき
チクタク チクタク チクタク、
夜から朝になりました。
チクタク チクタク チクタク、
お月様からお日様になりました。
チクタク チクタク チクタク、
おたまじゃくしがカエルになりました。
チクタク チクタク チクタク、
木が伸びて高くなりました。
チクタク チクタク チクタク、
木が鉛筆になりました。
チクタク チクタク チクタク、
チクタク チクタク チクタク、
木が少なくなりました。
チクタク チクタク
じゅん
チクタク チクタク チクタク、
さるが原始人になりました。
チクタク チクタク チクタク、
原始人が家を作りました。
チクタク チクタク チクタク、
原始人が結婚しました。
チクタク チクタク チクタク、
原始人が人間になりました。
チクタク チクタク チクタク、
人間が大人になりました。
チクタク チクタク チクタク、
チクタク チクタク チクタク、
大人がじいさんになりました。
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